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2026.02.24
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M型Leica × 写真家 藤井智弘 | M型ライカ徹底解説!プロカメラマンがM型ライカとその歴史を解説します

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ライター藤井 智弘 (ふじい・ともひろ)イメージ
■執筆者紹介

藤井 智弘 (ふじい・ともひろ)

東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年に写真展を開催後、写真家になる。カメラ専門誌、WEBでの撮影や執筆、各種撮影や写真講師等で活動。作品では、国内や海外の街を撮影している。
公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。

ホームページ:https://fujiitomohiro.amebaownd.com
Instagram:@fujiitomohiro
X:@FujiiTomohiro
note:https://note.com/fujiitomohiro

はじめに

写真家の藤井智弘です。

「ライカ」と聞いて思い浮かべるのは、おそらくレンジファインダーのM型ライカだと思います。これまで多くの写真好き、カメラ好きの人たちがM型ライカに魅せられてきました。それだけM型ライカは単なる「写真を撮る道具を超えた存在」だと言えるでしょう。
私自身も他のカメラとは異なる、スペックを超えた撮影体験があるカメラだと思っています。
今回はそうしたライカの象徴と言えるM型ライカを紹介していきます。

本記事では「カメラメーカーとしてのライカ」そして「M型ライカとはなにか」を、その歴史とともに解説します。別の記事では「M型ライカの魅力」「おすすめのM型ライカ」を紹介する3部構成です。あわせてお読みいただくと、さらにM型ライカの世界に魅了されると思います。ぜひこちらもご覧ください。

M型Leica × 写真家 藤井智弘 | なぜM型ライカを選ぶのか?プロカメラマンも惹きつけるM型ライカの魅力

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M型Leica × 写真家 藤井智弘 | なぜM型ライカを選ぶのか?プロカメラマンも惹きつけるM型ライカの魅力 イメージ

M型Leica × 写真家 藤井智弘 |プロカメラマンが選ぶおすすめのM型ライカとその理由

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M型Leica × 写真家 藤井智弘 |プロカメラマンが選ぶおすすめのM型ライカとその理由 イメージ

Leica(ライカ)とは

M型ライカについて解説する前に、カメラメーカーとしてのライカについても触れておく必要があるでしょう。

世界中の写真家に愛用されるLeica

ハイブランドのカメラで知られるドイツの名門Leica(ライカ)。一度は手にしてみたいと思っている方も多いでしょう。

木村伊兵衛とセバスチャン・サルガドの画像
左:木村伊兵衛(写真提供 日本カメラ社) / 右:セバスチャン・サルガド(写真提供 日本カメラ社)

これまでアンリ・カルティエ=ブレッソンやエリオット・アーウィット、セバスチャン・サルガド、木村伊兵衛、さらにジョエル・マイロウィッツやアラン・シャラーなど、世界中の著名な写真家に愛用されてきました。


Leicaのプロトタイプ「Ur Leica」

Ur Leicaの画像
Ur Leica(1914)
オスカー・バルナックが発明したLeicaのプロトタイプ1号機

そのLeicaのプロトタイプである「Ur Leica」が誕生したのが1914年。当時のErnst Leitz社の技師だったオスカー・バルナックが発明しました。

オスカー・バルナックの画像
左:オスカー・バルナック / 右:1914年にオスカー・バルナックがUr Leicaで撮影したウェッツラーのアイゼンマルクト広場


市販された最初の1台「Leica I(Leica A型)」

Leica I(Leica A型)の画像
Leica I(Leica A型)
市販された最初のLeica。まだ距離計がなくレンズも50mm固定

そして1925年、ついにLeicaの市販1号機であるLeica I(Leica A型)が発売されました。ここから現在の35mmフルサイズに繋がる、35mm判カメラの歴史が始まります。


Leicaが写真の世界を変えた

Leicaはコートのポケットに入るほど小型ながら優れた画質で、多くの人に支持されました。高い機動力を生かした報道写真やストリートフォトなど、それまで難しかった一瞬のチャンスをとらえることが可能になりました。Leicaの登場により、写真の世界が大きく変わったと言えるでしょう。

ロバート・キャパの画像
ロバート・キャパ

ロバート・キャパやデヴィッド・シーモアなど従軍カメラマンの多くも、Leicaで歴史に残る戦争の写真を撮影しました。


M型Leicaの登場

1954年にはそれまでのスクリューマウント(通称バルナック型)から、バヨネットマウントのM型に進化。巻き上げレバーや視認性に優れたファインダーを装備し、操作性が格段に向上しました。
ちなみにM型の「M」は、ドイツ語の「Messsucher(メスズハー)」の頭文字のことです。「距離計」という意味で、レンジファインダーカメラであることを指しています。

Leica M3(1954)の画像
Leica M3(1954)
スクリューマウントからバヨネットマウントに進化したLeica M3。世界中の写真家が愛用し数々の名作が生まれた

Leica M3 レビュー × 藤井智弘 | 誕生から70周年!M型Leica1号機「Leica M3」

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Leica M3 レビュー × 藤井智弘 | 誕生から70周年!M型Leica1号機「Leica M3」 イメージ

1990年、カメラや双眼鏡はErnst Leitz社から現在のLeica Camera社となり、ボディの赤バッジも「Leitz」から「Leica」になります。


デジタルシステムへ

2006年になるとデジタルのM型、Leica M8が発売。Leicaも本格的にデジタルカメラのシステムが始まりました。

Leica M8(2006)の画像
Leica M8(2006)
ついにデジタルになったM型Leica。M型のデザインを継承していることが賞賛された

現在、デジタルはM型のLeica M11シリーズの他、フルサイズミラーレスのLeica SL3シリーズ、フルサイズコンパクトのLeica Q3シリーズ、フォーサーズコンパクトのLeica D-LUX8、インスタントカメラとのハイブリッドLeica SOFORT2がラインナップされています。

Leica M11の画像
Leica M11
トリプルレゾリューションテクノロジーやWi-Fiなど最新スペックを備えたM型Leica
Leica SL3の画像
Leica SL3
高機能をシンプルな操作で扱えるLeicaらしいミラーレス機

【商品情報】Leica SL3

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Leica SL3バナー画像
Leica Q3の画像
Leica Q3
フルサイズコンデジというジャンルを切り開いたLeica Qシリーズの最新モデル

【商品情報】Leica Q3

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Leica Q3バナー画像
Leica D-LUX8の画像
Leica D-LUX8
バッグのポケットに入るほど小型ながら、Leicaの操作性と画質が楽しめるコンデジ

【商品情報】Leica D-LUX8

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Leica D-LUX8バナー画像
Leica SOFORT2の画像
Leica SOFORT2
インスタントカメラながらデジタルの要素も備えたハイブリッド機

【商品情報】Leica SOFORT2

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Leica SOFORT2バナー画像

さらに、この他にフィルムのM型がラインナップしています(フィルムM型は次項「M型Leicaとは」で解説)。

▼YouTube「ライカ現行シリーズ全紹介」

現行モデルは動画でも紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

M型Leicaとは

M型Leicaの画像

おそらく多くの方が「Leica」と聞くと、レンジファインダーのM型Leicaを思い浮かべるでしょう。それだけM型Leicaはアイコニックな存在と言えます。
ここからはそのM型Leicaに焦点を当て、発売の時系列順に紹介していきます。


Leica M3

M型Leicaは1954年に登場しました。1号機はLeica M3。なぜ1号機なのに「3」なのでしょうか。

Leica I(Leica A型)(1925)の画像
Leica I(Leica A型)(1925)
まだ距離計やスローシャッターが無かった

1925年に市販された最初のLeicaであるLeica I(Leica A型)には、まだ距離計もスローシャッターもありませんでした。

Leica II(Leica DII)(1932)の画像
Leica II(Leica DII)(1932)
本体上部に二重合致式の距離計が内蔵されたが、スローシャッターは無い

そして、1932年のLeica II(Leica DII)から距離計が搭載されました。

Leica III(Leica DIII)(1933)の画像
Leica III(Leica DIII)(1933)
本体前面にスローシャッターダイヤルが装備され、完成されたスペックに

1933年のLeica III(Leica DIII)で、距離計もスローシャッターも装備されました。

そこで、以降のLeicaは機能を満載したハイエンドにIII、一部機能の省略や簡略化した普及型をII、距離計もない特殊仕様をIとしたのです。つまりLeica M3はハイエンド機なのです。
クリアで50mm、90mm、135mmのブライトフレームを内蔵したファインダーや滑らかな巻き上げレバーなど、Leica M3の完成度は他のカメラとは全く違うものでした。

Leica M3(1954)の画像
Leica M3(1954)
M型Leicaの1号機であるLeica M3。現在でもレンジファインダー機の最高峰と呼べる1台

Leica M3 レビュー × 藤井智弘 | 誕生から70周年!M型Leica1号機「Leica M3」

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Leica M3 レビュー × 藤井智弘 | 誕生から70周年!M型Leica1号機「Leica M3」 イメージ

Leica M3の登場以降、日本のカメラメーカーはレンジファインダーを諦めて一眼レフの開発へ舵を切ることになります。
Leica M3が発売された当初は、それまでのバルナック型と比べて大きく重くなったことで否定的に見る人もいました。そのためライツ社は、1957年にあえてバルナック型を復活。Leica IIIgを登場させました。とはいえ、やはりM型は扱いやすくレンジファインダーカメラの主役となります。


Leica M2

1957年登場のLeica M2はファインダーの構造が簡略化されましたが、35mmの広角レンズに対応したことでストリートスナップ派やフォトジャーナリストに支持されました。

Leica M2(1958)の画像
Leica M2(1958)
M型の普及モデルという位置付けでしたが、Leica M3に並ぶ人気を誇っていた

Leica M2 実写レビュー × 写真家 内田ユキオ|気負わずスナップに徹せられる「じゃないほうのLeica」の魅力

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Leica M2 実写レビュー × 写真家 内田ユキオ|気負わずスナップに徹せられる「じゃないほうのLeica」の魅力 イメージ
構造は簡略化されていますが視認性は十分高く、以降のM型LeicaはLeica M2のファインダーがベースになっています。


Leica M4 | Leica M6

1967年、フィルム装填が容易になり巻き戻しクランクも装備したLeica M4が発売。M型Leicaはひとつの完成形を迎えました。

Leica M4(1966)の画像
Leica M4(1966)
斜めに配置された巻き戻しクランクが特徴。優れた実用性と往年のLeicaの感触が楽しめる

露出計が内蔵されて大ヒットした1984発売のLeica M6も、Leica M4がベースになっています。

Leica M6(1984)の画像
Leica M6(1984)
露出計が内蔵され大ヒットしたLeica M6。1998年にはTTLフラッシュ撮影が可能なLeica M6 TTLも登場

順風満帆のように見えるM型ライカですが、存続の危機に見舞われたこともありました。
1960年代後半から一眼レフが35mmカメラの主流になると、レンジファインダーのM型ライカは人気が下火に。ついにライツ社はM型ライカの開発終了を決めました。しかし当時のエルンスト・ライツ・カナダがLeica M4-2、M4-Pを開発したことでM型ライカは存続。そしてドイツ製のLeica M6が誕生します。
もしカナダでM型ライカを作らなければ、M型ライカは消滅していたかもしれません。


Leica M8 | Leica M9

2006年にデジタルのM型、Leica M8が登場。しかしセンサーサイズはフルサイズではなく、APS-H(画素数は1000万画素)でした。

Leica M8の画像
Leica M8
大きな話題となったM型デジタルの1号機

2009年のLeica M9でフルサイズ(画素数は1800万画素)になりました。

Leica M9の画像
Leica M9
35mm判の生みの親であるLeica。Leica M9からついにデジタルでも35mm判に


Leica M-E(Typ220) | Leica M9-P | Leica M Monochrom

Leica M9の登場後、普及型のLeica M-E、プロ仕様のLeica M9-P、モノクロ専用機のLeica M Monochromが登場し、シリーズ化が始まりました。

Leica M-E(Typ220)の画像
Leica M-E(Typ220)
Leica M9からUSBポートとブライトフレームセレクトレバーを省略した普及モデル。ボディカラーはアンスラサイトグレー


Leica M9-Pの画像
Leica M9-P
Leica M9をベースに、赤バッジを省略してトップカバーにLeicaの刻印が入ったプロ仕様モデル


Leica M Monochrom(2012)の画像
Leica M Monochrom(2012)
カラーが撮れないモノクロ専用機。モノクロ写真に精通したLeicaらしいモデル


Leica M(Typ240)

2013年のLeica M(Typ240)から、撮像素子がCCDから2400万画素のCMOSへ。ライブビューや動画機能も搭載するなど多機能になりました。ブライトフレームもLEDになり、以降のM型のデジタルはすべてLEDで採光窓がありません。

Leica M(Typ240)(2013)の画像
Leica M(Typ240)(2013)
撮像素子がCMOSになりライブビューや動画撮影を可能でEVFにも対応。現行のLeica M11シリーズに繋がるモデル

大きく進化したLeica M (Typ240)ですが、もともと開発当初のネーミングはLeica M10の予定でした。
しかし社内で「モデルチェンジの度に数字を増やし続けるのはどうなのか」という疑問の声が出たことで、自動車のように世代は変わっても名前は変えず「形式番号で分ける」方法になりました。そうして誕生したのが、番号がつかないLeica Mで形式番号はTyp240としました。
その後もLeica M (Typ262)なども登場しましたが、市場ではTyp番号は受け入れられず、新モデルは再び数字に戻りました。そして改めてLeica M10が登場し、現行のLeica M11-Pへ繋がっていくのです。


Leica M11

2022年、最高6000万画素でトリプルレゾリューションテクノロジーを持つLeica M11が発売。

Leica M11+Leica Visoflex 2の画像
M型デジタル史上、最も高画素なモデル。別売EVFのLeica Visoflex 2でスムーズな操作を実現


Leica M11-P | Leica M11 Monochrom | Leica M EV1

現在はバッファ容量が大きいプロ仕様のLeica M11-P、モノクロ専用のLeica M11 Monochrom、そしてEVFを内蔵したLeica M EV1がラインナップしています。

Leica M11-Pの画像
Leica M11-P
現行M型Leicaの代表モデル。ブラックボディはフィルムのLeica M6と同じ重さに

【商品情報】Leica Leica M11-P

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Leica Leica M11-Pバナー画像
Leica M11-Monochromの画像
Leica M11-Monochrom
最高6000万画素とカラーフィルターがないことで、極めて解像力の高いモノクロ写真が楽しめる

【商品情報】Leica Leica M11-Monochrom

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Leica Leica M11-Monochromバナー画像
Leica M EV1の画像
Leica M EV1
レンジファインダーではなくEVFを内蔵したM型の最新モデル。望遠や超広角レンズでも使いやすく二重合致が苦手な人にもおすすめ

【商品情報】Leica M EV1

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Leica M EV1バナー画像


Leica MP | Leica M-A | Leica M6

そしてフィルムカメラでは、Leica MP、Leica M-A、復刻されたLeica M6がラインナップされています。

Leica MPブラックの画像
Leica MP ブラック
光沢感のあるブラックペイントと露出計を内蔵し、手にする満足感と実用性を併せ持つ

【商品情報】Leica MPブラック

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Leica MPブラックバナー画像
Leica MPシルバーの画像
Leica MP シルバー
美しいクローム仕上げでよりクラシカルな雰囲気が楽しめる露出計内蔵のM型フィルム機
Leica M-Aブラックの画像
Leica M-A ブラック
露出計を内蔵せずLeica M2やLeica M4に近い感覚で扱え、ブラッククロームのマットな質感も楽しめる

【商品情報】Leica M-A(Typ 127)

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Leica M-A(Typ 127)バナー画像
Leica M-Aシルバーの画像
Leica M-A シルバー
露出計は内蔵しないので電気系のトラブルの心配なく末永く愛用できるクラシカルなモデル
Leica M6(1984)の画像
Leica M6
ベストセラーを誇ったLeica M6が復刻。新品で名機が手に入る

【商品情報】Leica M6

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Leica M6バナー画像

まとめ

今回はライカの歴史やM型ライカについての解説をしました。

改めて見てみると、ライカが持つ歴史の深さを実感します。皆さんも「あのライカを持っている」「使ったことがあった」「いつか手にしたい」など、様々な思いがあるのではないでしょうか。

別記事の「M型ライカの魅力」と「おすすめのM型ライカ」記事も、ぜひあわせてお楽しみください。

M型Leica × 写真家 藤井智弘 | なぜM型ライカを選ぶのか?プロカメラマンも惹きつけるM型ライカの魅力

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Photo & Text by 藤井智弘 (ふじい・ともひろ)

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1938年の創業以来、80年以上にわたり多くのカメラ愛好家の皆さまに支えられてきました。

店内には、わずか数日で入れ替わる新鮮な在庫が並び、充実した保証体制と、初心者のお客様にも安心してご相談いただけるスタッフの親切・丁寧なアドバイスを大切にしています。

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