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2021.07.06
本日のフジヤ【スタッフ レビュー&ハウツー】,

マクロレンズの特徴、選び方とおすすめレンズ

写真を趣味としている方なら、マクロレンズという名前を一度は聞いた事があると思います。

最近はズームレンズの最短撮影距離が短くなり、近接撮影もズームで対応している方が多いと思いますが、近接専用に設計されたマクロレンズは、より被写体に接近して大きく写す事が出来るので、肉眼では捉えられない独特の世界観で写真を撮る事が出来るのです。又、その多くが単焦点レンズである事から単焦点レンズとしてのメリットもあり、用途が限定されるようで、持っていると意外と出番の多いレンズでもあります。

今回はそんなマクロレンズの特徴やマクロレンズならではのポイント、おすすめのレンズをご紹介します。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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おすすめマクロレンズ特集

マクロレンズとは


マクロ撮影イメージ1
マクロ撮影とは被写体に近づいて撮影する、いわゆる接写の事で、マクロ撮影を行う為のレンズがマクロレンズです。

マクロレンズの定義は難しいですが、一般的には撮影倍率が等倍(撮影倍率については後ほど解説)を超えるレンズをマクロレンズと言うようです。一部1/2倍のマクロレンズもありますが、これはハーフマクロと言って撮影倍率が1/2である事がわかるようにする事が多いように感じます。

マクロレンズは近接で描写性能が高くなるように設計されるのが普通ですが、レンズによっては全域で非常に高性能なものも存在するので、これもマクロレンズの定義としては曖昧と言えるかもしれません。

最短撮影距離と撮影倍率


撮影倍率指標
マクロレンズがどのくらい被写体に近寄れて、どのくらい物を大きく撮れるかの指標となる値に最短撮影距離と撮影倍率があります。

最短撮影距離は言葉のとおり被写体までの距離(通常は被写体からセンサー面までの距離)ですが、レンズの焦点距離で同じ最短撮影距離でも写る大きさは変わるので、マクロレンズの能力を表す値として一般的には撮影倍率が用いられるようです。

撮影倍率は、被写体の大きさがそのままの大きさで写される状態を等倍とする値です。1円玉の直径は20mmですが、1円玉がセンサー上でも20mmの大きさで写しとめられる状態が等倍で、例えばフルサイズセンサーの大きさは約36.0mm×24.0mmなので、タテ方向がほとんどいっぱいに写せるという事です。ちなみにマイクロフォーサーズセンサーの大きさは約17.3mm×13.0mmなので、1円玉を等倍で写すと画面からはみ出すという事で、同じ撮影倍率のレンズなら小さいセンサーの方が実質大きく写せるという事になります。

マクロ撮影ではレンズが暗くなる!?


撮影倍率指標
マクロ撮影時には、レンズの開放F値が暗くなってしまいます。

レンズの明るさを表すF値は、大雑把に言えばレンズの大きさと焦点距離の比率ですが、近くを撮る際にレンズは伸びる=センサーからの距離が遠くなるので、焦点距離が長くなったのと同じ事が起り、実効F値が無限遠側よりも暗くなってしまうのです。

これにより特に等倍に近いマクロ撮影ではシャッタースピードが遅くなってしまいがちで、手ぶれに気を付けなければなりません。
Nikon 絞り表示イメージ
ここまで読んで、マクロ撮影では特殊な露出補正が必要なの?と思われる方もいると思いますが、結論から言えば必要ありません。

現在広く使われているデジタル一眼カメラの露出計は、レンズが実際に通った光を計っているので(TTL方式)、F値が暗くなった事は織り込み済みとなります。ですので、マクロ撮影だからと特別な事は必要ありませんが、実効F値が暗くなっている事は、頭の片隅に入れておいてもいいと思います。

ちなみにカメラによってはマクロ撮影時に暗くなったF値(実効F値)を計算して表示できる機種があります。例えばNikon(ニコン)のデジタル一眼カメラは、その一例です。

マクロレンズと手ぶれ補正


ハイブリッドISレンズ
マクロ撮影ではレンズの手ぶれ補正の効きが弱くなってしまいます。

特に等倍付近ではほとんど効かないので、シフトブレも補正出来るカメラ側の手ぶれ補正を使うか、三脚などのカメラを固定出来る機材を用意しましょう。

例外はCanon(キヤノン)のハイブリッドISで、完全ではないものの、他のレンズ内手ぶれ補正と比べて近接時の手ぶれ補正の効きも良好なようです。

マクロレンズの焦点距離


中望遠マクロイメージ
マクロレンズには広角から望遠まで幾つかの焦点距離が用意されていますが、100mm前後の中望遠が最も人気が高く一般的なようです。

これは、ピントの薄さと被写体までの距離(ワーキングディスタンス)の関係のバランスがいいからだと思います。望遠では被写体までの距離は遠く出来ますがピントが極端に薄くなる、標準はピントの合う範囲は広くなりますが、被写体にかなり近づかなければならない、そういったバランスががいいのが100mm前後と言えるのでしょう。

ちなみにマイクロフォーサーズなどの小さなセンサーサイズは、望遠レンズの焦点距離が短く、又、同じ撮影倍率なら画面上に物を大きく捉えられるので、マクロ撮影で使い易いシステムと言えます。

おすすめのマクロレンズ(一眼レフ用)


ラインナップも充実し歴史と実績のある一眼レフ用のマクロレンズの中からおすすめのレンズを5本セレクトしました。

メーカー純正のマウントアダプターを使って、ミラーレス一眼カメラに装着するのもおすすめです。専用レンズさながらに動作するものもあり、ミラーレス専用のレンズよりリーズナブルな価格である事も多いので、検討の価値があると思います。

Nikon(ニコン) AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

Nikon(ニコン) AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
標準マクロは比較的被写界深度を深く取れるので、マクロレンズの入門用としておすすめです。

Nikon(ニコン)の作る標準マクロはフレアやゴーストの発生を抑えて高いコントラストや解像感に貢献する特殊コーティング、ナノクリスタルコートを採用した本格派のレンズです。

フィールドでの使用だけでなく、狭い場所で引きが取れない室内のテーブルフォトなどでも使い易い焦点距離と言えるでしょう。
Nikon(ニコン) AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

SIGMA(シグマ) 70mm F2.8 DG MACRO | Art

SIGMA(シグマ) 70mm F2.8 DG MACRO | Art
カミソリマクロの二つ名で知られ、最高クラスの性能を持つ、SIGMA(シグマ)を代表するレンズの一本です。

シャープな描写力と美しいボケ味を両立しているのは、マクロレンズとして理想的なかたちと言えるかもしれません。

70mmというやや標準レンズに近い焦点距離で、少しでも被写界深度を稼ぎたい場合にも使い易いレンズです。
SIGMA(シグマ) 70mm F2.8 DG MACRO | Art 作例
SIGMA(シグマ) 70mm F2.8 DG MACRO | Art 作例
SIGMA(シグマ) 70mm F2.8 DG MACRO | Art

TAMRON(タムロン) SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017E)

TAMRON(タムロン) SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017E)
タムキューの愛称で知られるTAMRON(タムロン)の90mmマクロは、何世代にもわたって高性能なマクロレンズとしてユーザーの支持を集めて来た、最も実績のあるマクロレンズの一本です。

マニュアルフォーカスの時代からあるので、数十年にわたって代替わりしながら継続して販売されてきたレンズは、タムキュー以外にあまり知りません。

美しいボケ味にも定評があり、マクロ撮影のみならずポートレートなど中望遠レンズとして使うユーザーも多いレンズです。
TAMRON(タムロン) SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017E)

Canon(キヤノン) EF100mm F2.8Lマクロ IS USM

Canon(キヤノン) EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
非常にシャープな写り、近接でもある程度の手ぶれ補正効果が期待できるハイブリッドIS、高速なAFと、Canonが誇る高級レンズLレンズの良さを全て持った高性能レンズです。

インナーフォーカスを採用する事で、レンズの全長が変わらない事もマクロレンズとしての使い易さに一役買っています。

一眼レフカメラ用のレンズですが、マウントアダプターを使ってフルサイズミラーレス一眼カメラRシステムに使うのもおすすめです。
Canon(キヤノン) EF100mm F2.8Lマクロ IS USM 作例
Canon(キヤノン) EF100mm F2.8Lマクロ IS USM 作例
Canon(キヤノン) EF100mm F2.8Lマクロ IS USM

中一光学(チュウイチコウガク) APO 85mm F2.8 SUPER MACRO 1-5X

中一光学(チュウイチコウガク) APO 85mm F2.8 SUPER MACRO 1-5X
等倍を超える超近接撮影が可能な、特殊と言っていいレンズでありながら、コスパの高さが人気の中一光学(チュウイチコウガク)のレンズです。

肉眼では確認出来ないようなミクロの世界を写し取る事が可能で、マニュアルフォーカスでピントを合わせなければならない難しさはありますが、人とは一味違う写真を撮りたい方におすすめです。

レンズ先端に取り付けてモバイルバッテリーで点灯する小さなリングライトが付属しているので、被写体がレンズの陰になってしまい光が足りない時などに便利です。
中一光学(チュウイチコウガク) APO 85mm F2.8 SUPER MACRO 1-5X

Canon(キヤノン) EF180mm F3.5L マクロ USM

Canon(キヤノン) EF180mm F3.5L マクロ USM
野外でのマクロ撮影では、どうしても被写体との距離を長く取らなければならないシチュエーションが出て来ますが、そんな時に便利な望遠マクロレンズです。

高山植物などは自然保護の観点から、登山道や木道から撮るのが普通です。ある程度の距離からでも被写体を大きく撮れる180mmの焦点距離は、被写界深度が浅く、ブレやすい、扱いの難しい面がありますが、このレンズでないと撮れないシチュエーションは多くあるでしょう。

望遠マクロを作るメーカーが少なくなってしまった事も含めて、価値ある一本と言えると思います。
Canon(キヤノン) EF180mm F3.5L マクロ USM

おすすめのマクロレンズ(ミラーレス用)


ミラーレス一眼カメラ用、特にフルサイズセンサー対応のレンズはまだまだこれからのジャンルですが、徐々にラインナップが揃いつつあります。

フランジバックを一眼レフよりも短く出来るミラーレス用レンズは、設計の自由度が増し高性能な事が魅力です。

Panasonic(パナソニック) LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.

Panasonic(パナソニック) LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
マクロレンズを使うのにおすすめのシステムであるマイクロフォーサーズには、多くのレンズラインナップがあり、いずれもおすすめですが、その中から今回はMACRO-ELMARITを選びました。

設計が新しいレンズではありませんが、Leicaの名を冠するに値するボケの美しさや、立体的な写りは魅力的です。

マクロだけでなく35mmm判換算90mmの中望遠レンズとして使うのもおすすめのレンズです。
Panasonic(パナソニック) LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.

SIGMA(シグマ) 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

SIGMA(シグマ) 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
カミソリマクロで名をはせるSIGMA(シグマ)が作るミラーレス一眼カメラ用のマクロレンズです。

カミソリマクロを超えるレベルのシャープネスと解像感を持った非常に高性能なレンズは、SIGMA(シグマ)らしい美しいボケ味も大きな魅力で、Artの名に恥じない写りの良さをもっています。

マクロレンズとしてだけ使うのはもったいない、オールラウンドに活躍する中望遠マクロレンズです。
SIGMA(シグマ) 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
SIGMA(シグマ) 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 作例
SIGMA(シグマ) 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

Canon(キヤノン) RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

Canon(キヤノン) RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
残念ながら、現在(2021.7.4)まだ製品が発売されていない為、レビューをお伝え出来ないのですが、一眼レフ用のレンズが非常に高性能である事、他のRFレンズのほぼ全てが一眼レフ用を凌駕する非常に高性能なレンズである事を考えると、相当なレベルの性能を持ったレンズである事は容易に想像出来ます。

等倍を超える1.4倍のマクロ撮影が出来る事も今までに無かった特徴で、マクロレンズの世界を変化させてくれそうです。

フォーカスリング以外に2つのコントロールリングを持ち、使い勝手に配慮されている事もポイントです。
Canon(キヤノン) RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
Nikon(ニコン) Zシリーズ用の非常にコンパクトなマクロレンズです。

被写界深度を稼ぎやすい50mmという焦点距離と、Zシリーズのレンズとしては比較的リーズナブルな価格で、マクロ入門者におすすめです。

又、APS-Cサイズセンサーを採用したZ50やZ fcなら35mm判換算で75mmの中望遠マクロとなるので、小型軽量のマクロレンズとしても使い易いでしょう。
Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
Nikon(ニコン)のミラーレス一眼カメラZシステム用のマイクロレンズです。

数多くの実績を持つマイクロニッコール(Nikon(ニコン)ではマクロレンズの事をマイクロレンズと呼称します)の最新モデルとなります。

CanonのRFレンズと違いスペック的に目新しい部分があるわけではありませんが、最高性能を誇るSラインのレンズは、特にシャープネス、解像力とボケ味のバランスが非常にいいので、否応なくマイクロレンズへの期待が高まります。現在(2021.7.4)品薄となっている為、実写の作例をお見せ出来ないのが残念で、早くテストしてみたいレンズの一つです。
Nikon(ニコン) NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

まとめ


マクロレンズについて解説しました。

マクロ撮影は通常の撮影とは違う幾つかのポイントがあるので、昔は少し難しい撮影でしたが、レンズを通った光を測るTTL露出計や、実写を確認しながら撮れるライブビューなどの普及で、昔に比べて格段にやり易くなったと思います。

高性能で使いやすいマクロレンズが多く開発された事もその理由の一つで、撮影のスタイルや被写体に応じて好みのレンズを選択出来るようになりました。

焦点距離やF値は勿論、ボケの美しさや対応するセンサーサイズなど、使い易い、相性のいい一本と出会えれば、マクロ撮影がより楽しくなるでしょう。
おすすめマクロレンズ特集
Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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