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2022.07.27
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コシナ本社 探訪記【其の一】 × 赤城耕一 | Voigtlander ブランドの復活とコシナものづくり精神の先駆け

コシナ本社 探訪記【其の一】 × 赤城耕一 | Voigtlander ブランドの復活とコシナものづくり精神の先駆け

6月中旬、梅雨の晴れ間となったとある日。フジヤカメラ取材陣一行は長野県の「信州中野駅」へ向かいました。東京と違い空気も澄んでおり、緑の香りが心地よいお天気。
出迎えてくれたのは株式会社コシナ 営業開発本部 営業・管理部 商品宣伝広告担当 係長 佐藤和広さん。フォクトレンダーレンズの開発を主導してきた第一人者です。

カメラ業界の変遷の中でフレキシブルに変化を重ねてきたコシナについて、技術担当の方を中心に改めてお話しを伺い、日本を代表するレンズメーカーとなった所以を赤城耕一氏に深堀りしてもらいました。全3回でお届けします。

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赤城 耕一(あかぎ こういち)
■ライター紹介

赤城 耕一(あかぎ こういち)

東京生まれ。出版社を経てフリー。エディトリアル、コマーシャルで活動。またカメラ・写真雑誌、WEBマガジンで写真のHOW TOからメカニズム論評、カメラ、レンズのレビューで撮影、執筆を行うほか、写真ワークショップ、芸術系大学で教鞭をとる。使用カメラは70年前のライカから、最新のデジタルカメラまでと幅広い。著書に「赤城写真機診療所MarkII」(玄光社)、「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)など多数。

Voigtlander 交換レンズ・レンズアクセサリー(新品)
Voigtlander 交換レンズ・レンズアクセサリー(新品)
コシナ本社
コシナ本社 「コ」の字型の社屋の両脇に「コシナ」と社名の表記がある

1.高性能な光学性能を生み出す総合光学機器メーカー

 『アサヒカメラ』が休刊する前は取材のためによく訪れたコシナだが、今回は本当に久しぶりのコシナ訪問となった。
 北信に位置する長野県中野市にある株式会社 コシナ(小林博文社長)は、ご存じフォクトレンダー、カール・ツァイスブランドの交換レンズを製造することでも有名な1959年創業の総合光学機器メーカーだ。自社製品以外にも工業用、科学用として世界レベルで頂点を極める高性能の光学製品を手がけていることでも知られている。
 筆者自体も、コシナ・フォクトレンダー製品が登場した1999年から、カメラ雑誌のレビューを通して、ほとんどの製品の使用経験があり、かつ一部の製品は趣味でも仕事でも活用していることから、愛着を持って製品に接している。
 今回のコシナ訪問目的は、23年を経て現在もなお変わることなく立て続けに新製品を世に送り出すパワーの源流は何かということを探るのが主な目的だ。

コシナHi-Lite EC(1973年)
コシナHi-Lite EC(1973年)
コシナCS-3に装着したCOSINA 55mm F1.2
コシナCS-3に装着したCOSINA 55mm F1.2
フジヤカメラ北原さん(左)、株式会社コシナ 商品宣伝広告担当 佐藤さん(右)
株式会社フジヤカメラ店 北原さん(左)、株式会社コシナ 佐藤さん(右)
北原さんによるとCOSINA 55mm F1.2 Kマウントは入社した頃に本当に沢山売ったとのこと

2.カメラの価値観が多様化した1999年、フォクトレンダーブランドのライカスクリューマウントカメラ2機種が登場

 第一回は筆者の独断と偏見で、現代に至るまでの、コシナ・フォクトレンダー製品の一部の沿革をみて、その思想に迫ろうと思う。
 コシナがフォクトレンダーブランドの製品を開発、発売し、世に問うたのは1999年のことだ。世の中は数年前からライカブームに沸いていた。一方で初の本格的デジタル一眼レフ、ニコンD1が登場した年でもある。ニコンは一方でミレニアム記念としてニコンS3を復刻するというきわめてマニアックな企画も行った。カメラの価値観が非常に多様化した年でもあったわけだし、デジタルがまだフィルムを完全に席巻してしまうとは考えもしなかった時代である。
 コシナはカメラ事業に関しては自社でも「COSINA」ブランドで展開していたものの、大手メーカーのカメラのOEMでの携わりという役割が大きく、陰で支える役割も大きかったが、再び自社製品として積極的に商品展開することを決意したのだ。

 フォクトレンダーは世界最古の光学メーカーであるが、1969年にツァイス イコンに吸収合併され、ツァイス イコンがカメラの製造販売を終了してからはローライに移り、ローライが倒産してからは…。と、流浪の状態だったが、コシナはフォクトレンダーのブランドの使用権を得て、自社製品に冠することを決定し現在に至るのである。
 1999年にコシナから最初に登場したライカスクリューマウント互換のカメラとレンズにはとても驚いた。
 カメラ名はフォクトレンダー・ベッサLという。ベッサは長いフォクトレンダーの歴史の中で根幹の位置にある有名なカメラだが、コシナが用意したものは自社で1979年から製造販売されてきたフルメカニカルのコシナCT系一眼レフをベースとし、ミラーやファインダーを省き、ライカスクリューマウントを埋め込み、かつ遮光シャッターを新たに組み込むことで完成度の高い完全な“暗箱” とした35mm判カメラであった。ファインダーや距離計こそ備えられていないものの、そのスタイリング、マウントをみてもライカを多分に意識したものであることはよくわかる。
 シャッター幕面測光のTTLメーターは内蔵しているが、その姿はシンプルで、まるでライカIfやIgのように科学写真に応用するための特殊用途に使われるような姿にも見えたが、これには理由があった。

コシナ107-SW
コシナ107-SW

人の価値観の違いもあるけれどライカが必要以上に趣味性を帯び、コレクターズアイテム化してしまうことは少々複雑だが、フォクトレンダーベッサシリーズはまじめな写真制作に適したカメラにみえてくる。スーパーワイドヘリアー15mmF4.5 アスフェリカルを装着したベッサL(これは一部の国で販売されたBESSA-Lと同仕様のコシナ107-SW)。

スーパーワイドヘリアー15mmF4.5 アスフェリカルを装着したベッサL
ベッサL

キヤノン セレナー35mmF3.2をベッサLに装着。コシナ・フォクトレンダーブランド以外のレンズやファインダーをつけられているものをよく見る。普通のメーカーならイヤな顔をされそうだけれど、コシナでは歓迎していた節もある。

3.「他のメーカーがやらないことをやる」というコシナの思想

 当初用意された交換レンズはスーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルとスナップショットスコパー25mmF4という超広角レンズ2本。これらは距離計に連動するカムが省略されていたからだ。
 特に注目を集めたのが超広角域に設定された前者である。筆者はこのレンズこそが今後のコシナ・フォクトレンダーレンズの方向性を決定づける試金石となるレンズになるのではないかと確信めいたものを感じたのだ。すなわち「他のメーカーがやらないことをやる」という一貫した思想である。
それまでライカMマウント互換レンズでは同じ焦点距離のレンズとしてホロゴン15mmF8レンズはあったものの、製造台数が少ない希少的価値から、中古市場でも天文学的な価格がつけられており、当時でも幻のレンズという扱いであった。
 ホロゴンに対して、スーパーワイドへリアー15mmF4.5はリーズナブルな価格設定かつ、高性能であることが知られ、たちまちライカユーザーにも話題となったが、先に述べたとおり距離計カムを省略しているので撮影は目測での距離設定になる。ファインダーを内蔵せず、かつ距離計もないシンプルなベッサLの専用レンズとして用意されたわけだ。
 L-Mリングを使えばM型ライカシリーズにも使用可能である。ライカスクリューマウントのレンズは、同じ規格を採用していたキヤノンやミノルタといったレンジファインダー機への互換性もあるのでライカ以外のユーザーにもフォクトレンダーのレンズは一気に広まった感もある。光学性能面でも一級品であり、口が悪い人からは「プアマンズホロゴン」と揶揄されたのは有名な話だ。
 一つ気になったのは初代のスーパーワイドヘリアー15mmF4.5はライカIIIfなどのスクリューマウントライカに装着して撮影すると、画面サイズが大きくなるためコマ間が極端に狭くなり、スリーブからのカットが困難になるという問題が生じる。この問題はコマ間に少しゆとりのあるベッサLにはないから、ベッサLはこのレンズのもつパフォーマンスを最大限に発揮させるという意味においても存在意義は大きいカメラだと感心した記憶もある。
 個人的にもスーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルは好きなレンズだし、フォクトレンダーレンズの中でも思い入れが強い。
 使いこなしは簡単ではないが、いつも勝負を挑まれているような感じもしている。

スナップショットスコパー25mmF4
スナップショットスコパー25mmF4(1999年にベッサLと同時に発売)
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカル
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカル

4.レンジファインダーカメラの命はファインダーの性能である!

 ベッサLのマウント内の上部を覗いてみると、距離計連動コロの位置する場所にスペースが削られており、近い将来の距離計連動カメラが登場することが容易に想像された。
 予想通り2000年にはライカスクリューマウントのベッサRが登場するが、これも驚いたことに実像式のファインダーを搭載することで、これまでの国産レンジファインダーカメラの常識を覆すものとなった。ベッサLとは異なる展開で「レンジファインダーカメラの命はファインダーの性能である」という強い意志を感じたものだ。
 レンズも距離計カムを搭載した製品が次々と登場してくる。さらにVMマウント(ライカM互換)のベッサT、ベッサR2、R3、R4シリーズが次々と生み出される。
 「当時はライカの距離計連動のことは何も知らなかったので、設計には苦労しました」(佐藤和広氏 コシナ営業開発本部 広報)
 エンジニアにとってはAE、AFは当たり前、すでにデジタルの夜明けは目前という状況で、逆にクラシックなメカニカルのカメラ、距離計連動の仕組みを解析するために知恵を絞るのは大変なことであったろうと想像する。けれどベッサLは、自社の一眼レフをベースにすればできるはずという製造現場に携わる一社員のアイディアから生まれたのだ。もともとコシナCTシリーズはOEM機のベース機としても使われていたこともあり、相手先の要望や注文に応じて、姿形を変身させるのが巧かったのである。
 こうした柔軟な発想は、現在に至るまでのフォクトレンダー製品に十分に反映されていると思うし、他社が手をつけない道を切り開いてゆくという意味でもフォクトレンダー製品の開発思想のベースになっているといえる。

ベッサT
ベッサT / 筆者愛用のテレロッコール11cm F5.6を装着

5.高性能かつ、デザインが美しく高級感がある製品を追求

 ベッサR登場以降は、ライカスクリューマウント互換レンズとして、距離計カムを採用したさまざまな焦点距離のレンズが登場する。
 先に述べたとおり、カメラレンズ以外にも世界頂点レベルの光学技術を有しているコシナにとって、数値上の高性能のレンズを設計、製造することは、さほど難しいものではないと想像する。
 ところがカメラやレンズは一般の人々とっては写真を記録するアイテムという実用的な役割と同時に嗜好的に満足のゆくものでなければならない。この点はとても重要だ。これはスマートフォンが席巻する現在の状況であればなおさらであろう。高性能で写りの良いレンズならば、すべて市場に受け入れられるのかといえばそうではない。ここが難しいところなのである。
 ライカスクリューマウントレンズは当時からすでにユニバーサルマウントであり、当然、ライカにも装着されることを意識する必要がある。
 つまり鏡筒のデザインが美しく、かつ高級感がなければ、ユーザーに受け入れてもらえるはずもない。さらにデザインに加えてフォーカスリングのローレット加工から、手触り、フォーカスリングのトルク感に至るまで、徹底して吟味されたものでなければならない。

ベッサR2A
ベッサR2A

ベッサR2Aではほぼレンジファインダーカメラとしての完成形を見た思いだが、絞り優先AE搭載でずいぶん利便性が向上した印象がある。ライカM7よりもスポット性は弱いため、気軽にシャッターを切れる。

ベッサR4M
ベッサR4A

筆者の愛機ベッサR4Aはライカにはない21mmのフレームが内蔵されている。21mm以外の広角レンズの視野は見やすい。カメラ底部でピストル状のアームで迅速フィルム巻き上げができるライカビット的なアクセサリー「トリガーワインダー」も用意。実用、云々のみならず、趣味もここに極まれりである。

ベッサR2のファインダーフレーム切り替えレバー
ベッサR2のファインダーフレーム切り替えレバー

ニコンSPやキヤノンⅥ Lなどに同様の機能があったが、手動切り替えだから、L-Mリング「Mバヨネットアダプターリング」の種類を選ばないというメリットもある。実像式ファインダーを搭載したことは識者の注目を集めた。

6.カメラ、レンズの楽しみはスペックだけじゃない!“モノ”としての価値創造を

 筆者は、カメラ、レンズを趣味として考えると、何よりもデザインの価値が優先すると考えている。現代のレンズなのだからよく写ってあたりまえだ。ではどこで差別化するかといえば、“モノ” としての価値創造であろう。日本のカメラメーカーは性能追求のあまり、デザインを重視していない。クラシックなデザインのカメラやレンズの存在意義は、ココロを満たすためにあると言っても過言ではないのである。
 今でこそ、ライカ製品のデザインもかなり見直されてきたけれど、1970年台後半から、2000年までのライカ製品は、ブランドの力に依存しすぎたのかモノとしての魅力を追求するのを忘れ、デザイン面、製品の塗装、質感、使用感などを重視してこなかったように思う。これは写りとは関係ないところにはお金をかけたくないという合理的な方向にも見てとれる。これでは日本のカメラメーカーの姿勢と対して変わりはないではないか。超絶な完全自動撮影化を目指す、日本のメーカーのカメラシステムに対して、クラシックなカメラが対抗する、目指す方向性は何かを考えなければならないのは当然のことだ。カメラ、レンズの楽しみはスペックだけではないからだ。

7.ユーザーの気持ちに寄り添った製品開発を貫くコシナのものづくりスピリット

 旧来のライカユーザーはこの状況を歯痒い思いをしていたはずだが、コシナ・フォクトレンダーはライカがやらないのならうちがやるとばかり、レンズの鏡筒デザインを伝統的なクラシックなものとして、操作性も手を抜くことなく、モノとしての価値を高めようと考えた。そして、価格設定は誰もが手に届く範囲とした。趣味性の追求としてはこれ以上のものはなかろう。
 ただ、コシナの姿勢はとても謙虚だ。“ライカと勝負” みたいなことは絶対に行わない。むしろライカをリスペクトすることで、自分達がやらねばならないことは何かを考えているようにみえた。これは何よりもコシナの小林博文社長がライカユーザーの気持ちが理解できる写真趣味人だからだろう。ユーザーの気持ちになって製品開発をしてもらえるのは、とても心強く、共に歩む姿勢を感じるのである。
 コシナ・フォクトレンダーの状況をライカがどう見ていたかはもちろん知らない。
 しかし、現在のライカMシリーズのカメラ、レンズの鏡筒デザイン、真鍮素材の採用や、ブラックペイント塗装の復活などをみると、大袈裟ではなくコシナ・フォクトレンダーのカメラ、レンズから逆に影響を受けたのではないかと思うところが随所にあるのだ。ものづくりの姿勢に単なる懐古趣味ではない、普遍的な価値があることを感じ取ったからであろう。 次回は、少し具体的に新旧フォクトレンダーレンズ各種の個性、特性、設計思想について報告をしようと思う。

ライカM [Typ240]に取りつけたスーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII
ライカM [Typ240]に取りつけたスーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII

I型と比較すれば大きくはなったものの、超広角レンズとしてはコンパクトな部類だろう。ちなみに外付けのファインダーは、「フォクトレンダー 15-35mm ズームファインダー」。

スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII(VM)
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII(VM)

焦点距離=15mm、最小絞り=F22、レンズ構成=9群11枚、画角=110°、絞り羽根枚数=10枚、最短撮影距離=0.5m、距離計連動範囲=∞~0.7m(カメラにより異なる)、最大径×全長=φ64.8×55.2mm、フィルターサイズ=φ58mm、重量=247g、レンズフード=レンズ一体式、発売=2015年3月19日、価格=95,000円(税別)
引用元:株式会社コシナ( https://www.cosina.co.jp/voigtlander/vm-mount/super-wide-heliar-15mm-f4-5-aspherical-iii/ (外部サイト)

スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII(ソニーE)
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII(ソニーE)図
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIII(ソニーE)

焦点距離=15mm、最小絞り=F22、レンズ構成=9群11枚、画角=110°、絞り羽根枚数=10枚、最短撮影距離=0.3m、最大径×全長=φ66.4×62.3mm、フィルター=φ58mm、重量=298g、レンズフード=レンズ一体式、絞りリング=装備(マニュアル絞り)、電子接点=あり、フォーカス拡大機能=対応、Exif情報=対応、レンズ補正選択=可能、5軸ボディ内手ブレ=対応(5軸対応ボディに限る)、発売=2016年4月27日、価格=115,000円(税別)
引用元:株式会社コシナ( https://www.cosina.co.jp/voigtlander/e-mount/super-wide-heliar-15mm-f4-5-aspherical-iii/(外部サイト)

ライカM [Typ240]・絞りF8・1/250秒・ISO100・WBオート
ライカM [Typ240]・絞りF8・1/250秒・ISO100・WBオート

スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIIIで撮影。とにかくシャープな描写をする。周辺まで素晴らしく線が細く、ヌケが良い描写をすることも特徴。

SONY(ソニー)α7 II・絞りF8・1/640秒・ISO200・WBオート
SONY(ソニー)α7 II・絞りF8・1/640秒・ISO200・WBオート

ソニーEマウントのスーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルIIIで撮影。太陽を入れ込んでみたが、イヤなフレアとかゴーストは出現しない。レンズスペックは同じでも、VMとEとでは設計が異なる。理由は次回に。

スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカルI型など
スーパーワイドヘリアー15mmF4.5アスフェリカル
(左)III型・2015年発売、(中)II型・2009年発売、(右)I型・1999年発売

時代によって、デザインや設計に違いがある。II型でVMマウントとなり距離計カムを採用、デジタル対応されているのは現行のIII型。

II型で撮影
II型で撮影 ライカM [Typ240]・絞りF16・1/500秒・ISO200・WBオート
III型で撮影
III型で撮影 ライカM [Typ240]・絞りF16・1/500秒・ISO200・WBオート

II型とIII型をライカM [Typ240]に装着して撮り比べている。比較してみると、II型は周囲に赤いカブリがあることがわかる。III型ではデジタルに対応設計のため、色カブリはない。もちろんフィルムではIでもII型でも問題はなくデジタルでもモノクロならば使用できる。

今回、お話を伺った皆さん。

今回、お話を伺った皆さん。 写真左から、オブザーバー参加の株式会社フジヤカメラ店 北原弘明さん、株式会社コシナ 営業開発本部 営業・管理部 商品宣伝広告担当 係長 佐藤和広さん、同 技術・開発部 部長 三神政之さん、筆者の赤城耕一さん。
コシナの三神さんは第2回目のフォクトレンダー編にご登場します。乞うご期待ください。

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8.まとめ

  • ・「他のメーカーがやらないことをやる」という一貫した思想が今のフォクトレンダーブランドを築き上げてきた

  • ・ライカのような一流ブランドをリスペクトしつつ、ユーザーの気持ちを理解したレンズを作っている

  • ・全3回でコシナのレンズ開発に関するこだわりを徹底的にお届けします(次回も乞うご期待)

Photo & Text by 赤城耕一
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