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2022.11.22
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SONY α7 Ⅳ × フォトグラファー 岩倉しおり | 石垣島で撮影する三日月と星と海

SONY α7 Ⅳ × フォトグラファー 岩倉しおり | 石垣島で撮影する三日月と星と海

SONY(ソニー) α7Cを愛用している岩倉しおりさんが、今回はSONY α7 Ⅳを持って夏の終わりの石垣島へ。

旅の目的のひとつは秋に天の川が見られる石垣島の星空を撮影することです。月明かりの少ない新月近くの日を狙ってスケジュールを組み、夜の海で撮影しました。他にも、エメラルドグリーンの海とグラデーションが豊かな空の風景も撮りながら満喫した、友人と2人で出かけた写真旅について聞きました。

「夜を撮るなら、αがないと困る!」と断言する岩倉さんに、SONY α7 Ⅳの魅力も語ってもらいました。


ライター岩倉しおり(いわくら・しおり)イメージ
■レビュアー紹介

岩倉しおり(いわくら・しおり)

香川県在住の写真家。うつろう季節、光を大切におもにフィルムカメラにて撮影している。地元、香川県で撮影した写真を中心にSNSで作品を発表する他、写真展の開催。CDジャケットや書籍のカバー、広告写真などを手掛ける。2019年3月、初の写真集『さよならは青色』(KADOKAWA)を出版。

SONY α7 Ⅳ・FE 24mm F1.4 GMで撮影した天の川と海

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SONY α7 Ⅳ[ILCE-7M4]商品画像
SONY α7 Ⅳ[ILCE-7M4]

秋に天の川が見られる石垣島

私は香川に住んでいますが、毎月数回、地域のPRや広告のお仕事などで日本各地に出かけています。2016年~2017年頃からだと思うのですが、旅をしながら撮影する仕事が増え始めました。

その合間を縫って、年に4~5回、出かけているのが、友人と写真を撮りに行く旅です。石垣島へ行くのは今回で2度目。透明度の高い海がきれいで、また行きたい!と思って旅先に決めました。星を撮ることも考えて、9月末から10月にかけての新月近くの日を狙って出かけました。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar(ゾナー)T*  FE 55mm F1.8 ZAで撮影した飛行機から見える海の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar(ゾナー)T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4.5・1/3200秒・ISO800・WBマニュアル・RAW+JPEG(行きの飛行機 機内)

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この時期の沖縄はまだ真夏のように暑く、毎日泳いでいました。プールや海で泳ぎながら撮影するのも好きで、OLYMPUS(オリンパス)の防水カメラとFUJIFILM(富士フイルム)の防水タイプの「写ルンです」を使って友人と一緒に水中でも撮影しました。

どこに旅するときも、ここに行こう、何をしよう、と事前に決めて行くことはほとんどなくて、いつも行き当たりばったりです。結局、決めて行っても、向かう途中で違う場所が気になって撮りに行くことが多いからです。今回もレンタカーを借りて島を1周して、気になったところで車を停めながら撮影しました。撮影で一番時間をかけるのは場所選びで、場所が決まったら撮影にはそれほど時間はかかりません。

海と空の心地よいバランス

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T*  FE 55mm F1.8 ZAで撮影した青空と海の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4・1/8000秒・ISO125・WBマニュアル・RAW+JPEG

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この写真もドライブしている途中で見つけた風景です。空や雲が夏っぽくて好きだったので撮りました。海と空の心地よいバランスを見つけて撮影しています。

写真は高校の写真部に入部したことがきっかけで始めたのですが、当時はフィルムの一眼レフカメラで撮影していたこともあって、デジタルカメラで撮影するようになってからもマニュアルで撮影しています。ピントもデジタルだと画像を拡大して確認できるので便利ですよね。この写真に写っている船もかなり遠かったのですが、ピント合わせも簡単でした。

調べるのは雲の動きだけ。気の向くまま動く、1日のスケジュール

そんな私が唯一、旅で確認しているのは雲の動きと厚さが分かるアプリです。1日の雲の流れや状態を確認して、深夜に晴れるようなら、深夜に起きて撮影に行きます。天気に合わせて動くから、1日のスケジュールもめちゃくちゃです。

今回一緒に行ったのは、以前仕事をして仲良くなった写真が好きな友人だったのでお互いに楽しめたのですが、予定も決めずに一日中撮影するハードな旅なので、撮影をしたり、星空を見たりするのが好きな人じゃないと、一緒に行くのは大変かもしれません。星を撮っているうちに夜が明けたりするので、そのまま寝ないことも多く、曇ったらホテルに帰って寝ようかなという感じです。

三日月の写真

これらの3枚は、同じ日に撮影した月の写真。SONY α7 Ⅳはα7Cと比べてグリップが大きくて持ちやすく、夜の撮影は安定感があるほうが撮りやすいのでありがたかったです。すべて手持ちで撮影しました。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T*  FE 55mm F1.8 Zで撮影した夜空と三日月の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4・1/640秒・ISO1000・WBマニュアル・RAW+JPEG

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18時47分。ホテルのプールで見つけた三日月を撮りました。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T*  FE 55mm F1.8 ZAで撮影したプールと海と夜空の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF2.5・1/60秒・ISO8000・WBマニュアル・RAW+JPEG(石垣島ビーチホテルサンシャイン)

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19時4分。手前がホテルのプールで、奥が海です。SONY α7 Ⅳはこの時間帯の空のグラデーションや繊細な水面の描写も美しく表現してくれました。

瞬発的に撮れるSONYのカメラ

SONY α7 Ⅳ・Sonnar(ゾナー)T* FE 55mm F1.8 ZAで撮影した夜空に浮かぶ三日月と海の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar(ゾナー)T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF1.8開放・1/60秒・ISO25600・WBマニュアル・RAW+JPEG(石垣島ビーチホテルサンシャイン)

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19時14分。「月の道」を撮りました。満月の日のほうがくっきりと道が出ますが、三日月でも晴れていたので道ができていました。キラキラとした光の粒がきれいでした。

この時間帯はカメラを選ばないと撮影が厳しいかもしれません。ISO感度を上げても画質が粗くならなくて、暗くても瞬発的に撮れる。そして空のグラデーションが美しく表現できること。これらがそろっていないと苦戦します。この時間が来たら、私はSONYのカメラでしか撮りません。それくらい信頼しているんです。

タイミングが合って撮れた天の川

次は天の川を撮影した写真です。夕食を食べた後にドライブしていたら、天の川がきれいに見えて、車を停めて撮影しました。ちなみに私は旅の間はお酒を飲みません。運転できなくなってしまうので。旅ではお酒より撮影のほうが大事です(笑)。

SONY α7 Ⅳ・FE 24mm F1.4 GMで撮影した天の川と海の画像

SONY α7 Ⅳ・FE 24mm F1.4 GM
絞りF2.8・8秒・ISO8000・WBマニュアル・RAW+JPEG

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21時25分。明かりが少ない場所で、空気が澄んでいると見える天の川。時間の経過と共に移動するため、タイミングが合わなければ海と一緒には撮れませんが、ちょうどいいタイミングに出会えました。

SONY α7 Ⅳ・FE 24mm F1.4 GMで撮影した天の川と灯台の画像

SONY α7 Ⅳ・FE 24mm F1.4 GM
絞りF2.8・6秒・ISO12800・WBマニュアル・RAW+JPEG

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22時51分。天の川が真上に移動したときの空。下からあおって灯台と一緒に撮影しました。

ふだんから星はよく撮りに行きますが、いつもは「今日は絶対、天の川が見られる」という日を狙って、山に登って撮りに行きます。だからこの短い旅行の期間中に見られたのは本当に奇跡的でした。この旅で見た天の川は本当にきれいだったのですが、SONY α7 Ⅳはα7Cと比べて高解像度なので、写真をパソコンに取り込んだとき、余計にそう感じましたね。

使うレンズは24mmか55mmの単焦点のみ

レンズはいつも24mmか55mmの単焦点を使います。ズームレンズはもともとあまり使ったことがないということもありますが、単焦点はボケ感がきれいですし、画角は自分が動けば変わるので、ズームに頼らなくてもいいかなと思っています。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T*  FE 55mm F1.8 ZAで撮影した灯台から見える海の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4・1/8000秒・ISO125・WBマニュアル・RAW+JPEG(平久保崎灯台)

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石垣島最北端にある平久保崎灯台からの眺め。子どもが登るにはちょっと危ないくらいの高さがある岩場があり、頑張って登った頂上から海全体が見下ろせました。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T*  FE 55mm F1.8 ZAで撮影した海と女性の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4・1/2500秒・ISO125・WBマニュアル・RAW+JPEG(平久保崎灯台)

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同じ場所から撮影した写真です。海の広さを伝えるために今度はモデルに入ってもらって撮影しました。たまたま、風が吹いて帽子を押さえた瞬間を撮りました。

モデルにポーズの指示をすることはほとんどありません。いつも立ち位置のお願いをする程度です。衣装はいつも何着か持ってきてもらい、その日の朝に、今日は何色にしようかと一緒に選んだりして決めています。私の好みもわかってくれているので、助かります。この日の白いワンピースもかわいかったですね。

やりたいことが全部叶った、SONY α7 Ⅳとの旅

改めて今回の旅を振り返ってみると…。とにかく楽しかったです。楽しくて、写真もしっかり撮れて、もう言うことがありません(笑)。三日月や天の川を撮って、プールや海で泳いで、写真をしっかり撮って、モズクの天ぷらや聞いたことのない不思議な名前のお魚のお刺身もたくさん食べたりして。天気も良かったですし、やりたいことが全部叶った旅となりました。

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAで撮影した雲の画像

SONY α7 Ⅳ・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
絞りF4・1/3200秒・ISO250・WBマニュアル・RAW+JPEG(帰りの飛行機 機内)

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飛行機の中でもずっと撮影をしていました。これは帰りの飛行機から見えた雲。ちぎった綿のような雲の影が海に映っている様子がかわいくて、窓の反射に気を付けながら撮影しました。

今回初めて使ってみたSONY α7 Ⅳは、α7 Cより高性能になっているのにそれほど重さを感じず、軽くて持ち運びがしやすいので驚きました。特に夜の撮影だと、暗い中で重いカメラを持つのは怖いんです。軽いほうがすぐに三脚に装着できることもあって安心でした。

バッテリーの持ちも良くて、予備を持っていなかったのですが問題ありませんでした。操作性もよく、切り替えなど迷わず自然に操作できる感じがあり、撮り逃さない、瞬発性があるカメラだと思います。SONY α7 Cも十分、気に入っているのですが、SONY α7 Ⅳはより魅力がアップしたカメラだと感じましたね。

作例に使用したカメラ

SONY α7 IV [ILCE-7M4 ]

SONY(ソニー) α7 IV は、写真と動画を高次元でミックスさせたハイブリッドカメラです。写真においては3300画素の高画素センサーを搭載している事で、動画においてはシネマカメラ並みの高いビットレートやファイル形式に対応している事で、いずれもハイクオリティな映像を撮影する事が出来ます。

フラッグシップ機α1と同等の、759点の選択可能な位相差測距点(α7IIIでは693点)を持ち、リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングといった機能も一段と高性能になりました。

作例に使用したレンズ

SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA /FE 24mm F1.4 GM

まとめ

・SONY α7 Ⅳはα7Cと比べてグリップが大きくて持ちやすく、安定感がある
・日が落ちかける時間帯の空のグラデーションや繊細な水面の描写も美しく表現
・ISO感度を上げても画質が粗くならなくて、暗くても瞬発的に撮れる
・単焦点レンズはボケ感がきれい
・初めて使ってみたSONY α7 Ⅳは、α7 Cより高性能になっているのにそれほど重さを感じず、軽くて持ち運びがしやすい
・撮り逃さない、瞬発性が高いカメラ

Photo by 岩倉しおり(いわくら・しおり)
Interview&Text by 安藤菜穂子

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