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2022.11.27
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Nikon Z7II & Z6II比較レビュー × フォトグラファー上田晃司

Nikon Z7II & Z6II比較レビュー × フォトグラファー上田晃司

発売から2年経った今でも人気、注目度の高いNikon(ニコン)Z7IIとZ6IIのフォトグラファー上田晃司氏による比較レビューです。

2台の違いや、比較撮影、それぞれの特徴、そして共通する魅力とは?

Zシリーズレンズと組み合わせた作例と共に詳しく紹介します。


ライター上田晃司(うえだ・こうじ)イメージ
■フォトグラファー紹介

上田晃司(うえだ・こうじ)

フォトグラファー/映像作家。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フォトグラファー、映像作家として活動開始。新しい技術をいち早く取り入れ、写真や映像表現に活かしている。2014年頃からはドローンを取り入れた撮影も行っている。
現在は、雑誌、広告を中心に、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影。講演や執筆活動も行っている。YouTubeチャンネル「写真家夫婦 上田家」でカメラや旅について情報を発信中。ニコンカレッジ講師、LUMIXアカデミー講師、Hasselbladアンバサダー2015、プロフォトトレーナー。

Nikon Z 7Ⅱ(左)とNikon Z 6Ⅱ(右)の商品画像
Nikon Z7ll(左)と Nikon Z6ll(右)。
Nikon Z 7Ⅱ(左)とNikon Z 6Ⅱ(右)上面の商品画像
Nikon Z7ll(左)と Nikon Z6ll(右)上面。

発売から2年が経つ今でも注目度の高い2台、ニコン Z7ll & Z6llを比較レビュー!

ニコンZ6llとZ7llは2020年の11月と12月に発売されたフルサイズミラーレスカメラだ。2年ほど経つカメラではあるが、非常に注目度が高いので改めて2機種の違いや使い分けを紹介したいと思う。まず、筆者はニコンZシリーズ全てを愛用しており、2018年にZ7が発売になりDシリーズ(一眼レフ)からZシリーズへいち早く移行した。それから、Z6は2台、Z7、Z6ll、Zfc、Z30、Z50、Z5は各1台、Z9に至っては3台購入してZシリーズで仕事から作品撮りまでこなしている。

Zシリーズの魅力

まず、Zシリーズの魅力は、カメラ自体の作りの良さに加え、カスタマイズ性能、そしてZシリーズのレンズの性能が魅力だ。上位機種のZ9から下位機種のZ30まで作りがよい。カメラは道具である以上、グリップ感やEVFの見え方、ボタンの配置などがとても重要だ。Zシリーズは全体的にグリップがしっかりしており、EVF搭載モデルはEVFの見え方も非常によいのが特長だ。

Z6llとZ7llの違いをおさらいしよう

違いはセンサーと画素数

ここからは本題のZ6llとZ7llについて進めていきたいと思う。シンプルにZ6llとZ7llの違いはセンサーと画素数の違いだと思っていただきたい。外観や重量なども変わらないので両方持ち歩くと間違えてしまうくらいだ。実際、筆者はニコンカレッジをはじめ、多くの方にZ6llとZ7llの使い分けや、どちらを買うべきか相談されることがある。正直な話、用途に合わせることが重要だ。

まず、用途を考える前にZ6llとZ7llの違いをおさらいしてみよう。一番の違いはやはりセンサーだ。両方共に裏面照射型CMOSセンサーを搭載。Z6llは2450万画素でローパスフィルターがあり、Z7llは4575万画素でローパスフィルターなしとなっている。センサーだけを見るとZレンズの高解像なシャープなイメージを引き出すのであればZ7llがベストな選択と言えるだろう。

Nikon Z 7Ⅱ・NIKKOR Z 14-30mm f/4 S・17mmで撮影した森の沢の画像

Nikon Z7ll・NIKKOR Z 14-30mm f/4 S・17mmで撮影
絞りF11・3秒・ISO64・−0.6EV補正

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沢をZ7llで撮影した。森のディテールまでしっかりと描写しておりレンズの良さを隅々まで引き出している印象だ。拡大してみると葉っぱの1枚1枚の葉脈まで確認できる。

Z6llとZ7llの作例比較

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S・24mmで撮影したビルの画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S・24mmで撮影
絞りF8・1/250秒・ISO100

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Nikon Z 7Ⅱ・NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S・24mmで撮影したビルの画像

Nikon Z7ll・NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S・24mmで撮影
絞りF8・1/160秒・ISO64

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等倍で確認してみると画素数が多いZ7llはディテールまでしっかりと確認できる。ビルに清掃用か点検用のゴンドラがあるが、Z7llはしっかり確認できる。Z6llももちろん確認できるがZ7llの方がよりディテールがしっかりしている。

Nikon Z7ll+NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S。

各性能面、機能面や動画の違いをみてみよう

AFの検出範囲も少し異なる。Z6llは通常で-4.5~19EV、ローライトAF時で-6EVとなっている。Z 7Ⅱは-3~19EV、ローライトAF時で-4EVだ。暗所でのAFはZ6llが強いことがスペックからも分かるだろう。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S・24mmで撮影した日没の海の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S・24mmで撮影
絞りF11・25秒・ISO100・+1EV補正

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ND1000を使い長秒露光で撮影。ND1000を使っても余裕でAF撮影できるので安心感がある。作例のような刻一刻と日が変わるシーンではフィルターを外してAFを合わせるような必要がないので助かった。

フォーカスポイント

フォーカスポイントは、Z6llが273点で画素数の多いZ7llが493点とZ7llの方がより細かく選択できるようになっている。精度が高いというよりはフォーカスポイントが小さくなるのでより被写体の細かな所にピント合わせができるようになる。

ISO感度のベース感度

ISO感度のベース感度にも違いがある。Z6llはISO 100始まりで常用ISO感度の最大が51200、Z7llはISO 64で常用ISO感度の最大がISO 25600となっている。Z7llは低感度側がISO 64なので明るいF値の単焦点レンズと組み合わせる時にアドバンテージがありそうだ。逆にZ6llは高感度側に1段余裕があるので高感度スナップや屋内のスナップなどする際にはZ6llが向いていると言えるだろう。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sde撮影した夜道の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
絞りF1.8・1/125秒・ISO4000・−0.7EV補正

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ISO4000でスナップした。クリエイティブピクチャーコントロールのトイと組み合わせたがストリートスナップでは全くノイズが気にならない。Z6llは夜スナップではとても使いやすい。

連写

連写についてはZ6llが高速連続撮影(拡張)で撮影すると約14コマ/秒で撮影できる。一方Z7llは拡張時で約10コマ/秒だ。連写を考えるとZ6llの方が拡張時連写に強いので、連写撮影を頻繁にする方にはZ6llに軍配が上がる。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・Z TC-2.0x・400mmで撮影した飛行機の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・Z TC-2.0x・400mmで撮影
絞りF13・1/2000秒・ISO800・−1EV補正

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伊丹空港で離陸する飛行機をZ6llで撮影。高速連続撮影で離陸する瞬間を捉えた。飛行機の艶やかなボディーの表現力とシャープさで2450万画素でも十分ディテールまでしっかり確認できる。

動画

動画についても少し違いがある。どちらの機種も美しい4K動画を撮影でき、なんと4K 60Pまで撮影できる。ただし、4K 60Pの際に違いがある。Z6llでは4K 60P時はクロップされDXベースの動画フォーマットになる。一方、Z7llはFXベースの動画フォーマットに固定され少しだけクロップされる。約93%ほどなので、ほぼフルサイズ相当で撮影できる。広角を活かしたい場合やレンズの味を活かす場合などはZ7llが使いやすく、望遠効果を活かしたい場合はDXフォーマットになるZ6llが使いやすいだろう。また、120Pのスローモーション撮影時はZ6llではFXベースで撮影でき、Z7llはDXベースの動画フォーマットになることも覚えておこう。

タイムラプス撮影と4K 60Pで収録。60Pで収録した動画を2倍スローにして編集。焚き火の炎の揺らめきなどがとても美しい。Z7llであればFX動画フォーマットの約93%で撮影できるのでレンズの味も活かせる。

画素数

次に画素数は多い方が良いか、少ない方が良いか考えてみよう。
まず、画素数が多ければレンズの持つ解像力を最大限まで引き出すことができる。風景などを撮影すると遠景の木々や葉っぱなど、より細かく解像していると小さな写真でも立体感が感じられる。性能の良いレンズを使い、ディテールまでしっかり表現したい場合は高画素モデルを使うと良いだろう。また、高画素の画像はトリミング耐性も高い。4575万画素もあればDXサイズ(1.5倍)までトリミングしても約20MPほどあるので安心感が違う。

ちなみにZ6llの場合、DX相当までクロップすると10MPほどになってしまう。トリミングのことやディテールまでの表現力の高さを求めるのであればZ7llを選ぶと良いだろう。一方、Z6llは2450万画素だ。

ストリートスナップ

筆者が最も使うのはZ6llだ。ストリートスナップの撮影が多いため解像度よりも高感度耐久性や、たくさん撮影しても画像容量をセーブできる方が理にかなっている。ストリートスナップではトリミングなどをすることは少なく、ほぼそのまま使う。Z7llほどのディテール表現ではないが、スナップするには十分な解像感があるのでバランスが良い。なので、トリミングはほとんどせず、少しでも高感度性能を重視したい方はZ6llを選ぶと良いだろう。

また、レンズのチョイスも変わる。Z7llでは可能な限り解像感を活かすのであればSシリーズのレンズを使った方がカメラのセンサーの性能を活かせる。一方、Z6llではSシリーズでももちろん良いが、Sシリーズ以外のF2.8のシリーズなども軽量なのでオススメ。Z6llとZ 17-28mm F2.8などもとても使い勝手が良いのでオススメだ。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 17-28mm f/2.8・17mmで撮影した駐輪禁止の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 17-28mm f/2.8・17mmで撮影
絞りF2.8・1/4000秒・ISO100・−0.3EV補正

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Z 6Ⅱに 17-28mm F2.8を装着してスナップ。軽量コンパクトで十分な性能を誇っている。Z6llと是非使いたい一本だ。

Nikon Z6ll+NIKKOR Z 17-28mm f/2.8。

共通する魅力も多いZ6llとZ7ll。選択はユーザーの使い方に合わせて。Zシリーズは現在進行形で進化中!

EVF

ここからはZ6llとZ7llの共通する部分の魅力を紹介したい。まず、EVFの美しさはさすがだ。電子ビューファインダーは369万ドットの0.5型を搭載。高精細でレンズも良いので歪みがなくディテールまでしっかり見える。近年では500万ピクセル越えのファインダーも多いがZシリーズの場合はバランスがよくとても視認性に優れている。また、AFもファームウェアアップデートなどで進化し続けている。人物、犬や猫の顔を検出できるAFも精度が高く非常に使いやすい。

ローライトAF

暗いシーンでも使えるローライトAFはかなり暗いシーンでもAF撮影が行え、ND1000などを使っていてもピント合わせが行えるので安心がある。AFの精度は、筆者のフィールドであるストリートスナップなどはほぼ外すことなく思い通りにピント合わせをしてくれる。さらに、手ブレ補正もボディー内に搭載しており5軸の補正効果で5段分まで補正することができる。実際に広角レンズであれば1秒でも止めることができた。構図を決める際にも安定感があり使い易い。

メモリーカード

Nikon Z7ll(左)とNikon Z6ll(右)。

メモリーカードはCFexpress/XQDとSDカードのスロットがあるので、目的に応じて使い分け可能だ。もちろん、両方のスロットを活用してバックアップ記録やJPEGとRAWを分けることもできる。その他にもUSBの給電に対応しており、長時間の撮影やタイムラプス撮影、動画撮影でもバッテリーを気にすること無く撮影できるようになったのもありがたい。防塵防滴はニコンクオリティーで安心感があり、自然風景はもちろん急な天候の変化などでも安心して使用できる。

カスタマイズ性能

カスタマイズ性能はさすがニコン。Fnボタンのカスタマイズやiメニューのカスタマイズも自由に行える。ニコンのFnボタンはグリップの内側にあるのでとても操作しやすく撮影中に操作できるのも魅力だ。Fnボタンとiメニューは自由にカスタマイズでき、静止画モードと動画モードでは別の機能を割り当てられる点も評価が高い。

グリップ部にもFnボタンが。好きな機能を割り当てて活用したい。

クリエイティブピクチャーコントロール

その他に、クリエイティブピクチャーコントロールについても紹介しておこう。こちらはニコンZシリーズ全般で使えるが、とてもオシャレなフィルター的な機能だ。フィルターは20種類あり、雰囲気のある写真を撮影できる。設定も自由に調整できリアルタイムに反映させられるので、イメージ通りのオシャレな写真をすぐに撮影できる。適用度は0~100まで調整できたりと微調整ができるのもポイントだ。

Z6llとZ7llは初代にくらべかなりの部分が改善され、ファームウェアアップデートによりさらに進化を続けている。Zレンズもラインアップが驚くほど増えているので、困ることもないだろう。現在、一眼レフをお使いの方、DX機からアップグレードの方、新規購入の方、是非店頭でZを触っていただき、カメラとしての物の良さを体感していただきたい。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・120mmで撮影した猫の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・120mmで撮影
絞りF2.8・1/100秒・ISO1250

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Z6llで猫を撮影。黒猫だったが動物AFのお陰でバッチリピントを合わせることができた。ピントを気にせず、構図に拘れるので安心だ。

Nikon Z 7Ⅱ・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・Z TC-2.0x・400mmで撮影した鳥の画像

Nikon Z7ll・NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S・Z TC-2.0x・400mmで撮影
絞りF5.6・1/400秒・ISO250・−0.3EV補正

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鳥園で鳥を撮影。Z7llで撮影すると羽の細かな部分までディテールがしっかり写っているのが分かるだろう。

Nikon Z 6Ⅱ・NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sで撮影した食べ物の画像

Nikon Z6ll・NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
絞りF1.8・1/60秒・ISO220

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Z6llでスナップ。何気ないスナップも2450万画素であれば気軽に撮影できる。クオリティーも高く色にも深みがある。

作例に使用したカメラ

Nikon Z7ll・Z6ll

作例に使用したレンズ

NIKKOR Z 14-30mm f/4 S・Z 24-70mm f/2.8 S・50mm f/1.8 S・70-200mm f/2.8 VR S・17-28mm f/2.8

まとめ

・Zシリーズの魅力は、カメラ自体の作りの良さに加え、カスタマイズ性能、そしてZシリーズのレンズの性能
・違いはセンサーの違い
・高解像なシャープなイメージを引き出すのであればZ7ll
・高感度スナップや屋内のスナップなどする際にはZ6llが向いている
・Z7llでは可能な限り解像感を活かすのであればSシリーズのレンズを使った方がカメラのセンサーの性能を活かせる
・Z6llではSシリーズでももちろん良いが、Sシリーズ以外のF2.8のシリーズなども軽量なのでオススメ。

Photo & Text by 上田晃司(うえだ・こうじ)

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