「フィルム一眼レフの名機を10台選べ」と言われたら、OLYMPUS OM-1の名を上げる人も多いのではないでしょうか。OLYMPUSからOM SYSTEM移行後の最初のカメラが、名機の名を冠していた事に、OM SYSTEMのカメラ事業に賭ける思いが感じられます。
今回のプロフェッショナルレビューでは、数々のOM SYSTEMカメラをレビューしてきた荻窪 圭さんにOM SYSTEM本社を突撃訪問!開発陣の方からOM-1の誕生秘話を伺いました。
OM-1にまつわる開発秘話は勿論、荻窪 圭さんによるOLYMPUS愛に満ちた作例、独自のテストレビューも必見です!
後編はこちら
「OM-1」という名前はすんなり決まった
OM-1の進化点とは
ボディのデザインが少し変わったのは?
イメージセンサーのフルチェンジと一新されたAFの秘密は?
ISO10000で撮影
ISO25600で撮影
プロキャプチャー
手ブレ補正のスペック上の表記は変わらないが…
まとめ
老舗のデジタル系フリーライター。1995年発売のカシオQV-10からデジタルカメラの記事を手がけ、各メディアでカメラやスマートフォンのカメラレビューやコラム、猫写真の連載などを手がけている。最新刊「古地図と地形図で発見!鎌倉街道伝承を歩く」(山川出版社)絶賛発売中。
今でもつい「オリンパスの」と言ってしまう、OMデジタルソリューションズ(以下、OMDS)の「OM SYSTEM OM-1(以下OM-1)」。ボディには「OLYMPUS」のロゴが入っているのでついそう言ってしまっても許される気はするのだが、今はOMDSだ。
オリンパスから映像事業が切り離され、OMDSへ移管されたのはコロナ禍まっただなかの2021年。
いつ、どんなカメラをOMDSの名の下に発売するのか。それは今後の方向性を占うモデルとなるに違いないと多くのOM-DやPENユーザーは思っていたのである。
そこに登場したのが、前モデル「OM-D E-M1 MarkⅢ」の完全フルモデルチェンジでありながら、しっかりOM-Dシリーズのテイストを受け継いだ「OM-1」なのである。それは予想以上に素晴らしい製品で、個人的にも即座に購入したほどだ。もはや日常から仕事までもっともよく使うカメラとなっている。
その最新技術をしっかりフォローして性能を上げた質実剛健さと、「OM-1」という伝統的なネーミングの復活に驚いたのだ。
そんな、フラッグシップモデル誕生の秘密を知るべくOMDSの開発陣に突撃してみた。こちらは初代OM-DであるOM-D E-M5からOM-Dシリーズを使ってきた身なので、気になる点がたくさんあったのである。
東アジア地区統括 国内営業 田村憲治氏(国内営業東日本マネージャー)
東アジア地区統括 国内営業 酒井秀太氏(フジヤカメラ担当)
グローバルマーケティング マーケティングストラテジー 小山弘樹氏(カメラ商品企画担当)
研究開発 製品開発 製品開発1 西原芳樹氏(OM-1のプロジェクトリーダー)
開発部門 ELシステム ELシステム開発2 一寸木(ますぎ)達郎氏(OM-1のファームウェアのリーダー)
開発部門 ELシステム ELシステム開発3 濱田 敬氏(AEやAFなどカメラ機能開発の取りまとめ役)
フジヤカメラ 営業本部 北原
フジヤカメラ 商品部 内野
OMDSがはじめて世に問うフラッグシップ機「OM-1」。それを聞いた多くの人、特にフィルム一眼レフの時代を知っている人は驚いた。1972年に登場しオリンパスの名を知らしめたOM-1(当初はM-1。翌73年からOM-1となる)と同じ名前を冠してきたのだ。
今までも似た例はあった。たとえば、ソニーのα7だが、その前身となるミノルタには「α-7」さらに「α-7 DIGITAL」という一眼レフがあった。ミノルタの一眼レフの開発部隊がソニーに吸収されてαシリーズとなり、そこからミラーレス一眼のα7が生まれたのだが、それでも「-」の有無という微妙な違いはある。
OM-1という名になったのはなぜか。そこから尋ねてみたかったのである。
それが「意外とすんなり決まった」のだという。
OM-1のプロジェクトリーダーだった西原氏によると
原点に帰るというニュアンスもあり、OM SYSTEMのフラッグシップということを示すにはOM-1という名がしっくりきたのだそうな。
OM-1の原点といえば、オリンパスでカメラ開発を手がけ、フィルムカメラ『OM SYSTEM』の産みの親である米谷美久氏。OMDSのホームページにも米谷氏の写真とそのコンセプトが掲げられている。
その存在は今でも大きいという。米谷氏の考え方は社員ひとりひとりに浸透している。
OMDSのトップページにある言葉をそのまま持ってくると
「当時、『宇宙からバクテリアまで』を合言葉に、自然のすべてを写真で撮影できる高い性能と性能レベルの確保。そして「カメラは持ち出さなければ意味がない」ことからくる小型化・軽量化への挑戦。」
となる。
OM-1も
「どんな場所にもどんな環境にも持ち歩けて、その上で感動の瞬間を高画質で残せる、というのがメインのコンセプトになっています。われわれのシステムだからこそできる唯一無二の楽しみというのがあると思うので、そういった楽しみを届けたいというのを社員全員で抱きながら発売にこぎつけました」(商品企画担当の小山氏)
というので、原点に帰った「OM-1」となったのだが、名前負けしない製品になっているせいか、すっかりその名も馴染んでしまった。基本コンセプトもフィルム時代にシステムカメラとして考えられた『OM SYSTEM』と変わらないのである。
では具体的にOM-1を開発するにあたって力を入れた点や前モデル(OM-D E-M1 MarkⅢやOM-D E-M1X)に比べてどう進化したかについても語ってもらおう。
全面的に見直されたフルモデルチェンジでもあるので順番に見ていきたい。
最初はボディの話。
『どんな場所にもどんな環境にも持ち歩けて』がコンセプトとなると、まずはもともとOM-Dシリーズが強かった防塵防滴ボディからだ。
「機能を増やしても、大きさや重さは変えないというのを目標に防塵防滴ランクを上げ、IP53を達成しました。従来機もIPX1以上の実力はありますが、そのなかでも弱い部分の設計を見直し、そこもしっかり埋め、強い雨でも大丈夫というレベルになっています」(西原氏)
ちなみにわたしは、以前のモデルではあるが、仕事で大雨の中、持ち出して撮ったり、海辺での撮影後、塩を落とすためにざっと水洗いしたことがあるが(ちょっとドキドキした)、水が漏れることもなかった。OM-1はそれ以上というのでどんな現場にも強そうだ。
そしてボディのデザインに関しては
「銀塩時代を含めてOMらしさは残しておきたい。ペンタ部の造形が残っているのもそれです。その上で今回は特に撮影者とカメラの一体感を高めるために従来より曲面を多用したデザインになっています。特にグリップ部を改善し、E-M1 MarkⅢのように小型だけどひっかかりはよく、E-M1Xのように安定感があるグリップを目指しました」(西原氏)
グリップ部の検討モックアップ。まさに1mm単位でサイズを追い込んでいるのがわかって興味深い。
ということだ。
ぱっと見、E-M1シリーズを受け継いでいるのだが、よく見ると雰囲気がちょっと違うのは曲面が増えたからなのだ。グリップも片手で自然に握って安定する感じがあってよい。
全体としては、E-M1 MarkⅢのサイズ感でE-M1Xの操作部材という雰囲気を感じる。電子ダイヤルが剥き出しではなくなったのはE-M1Xを受け継いだもの。
「電源オンのまま持ち歩いたとき、不用意に回ってしまわないよう、ぶつけたときの壊れにくさや安心感という意味で、E-M1Xで好評だった埋込タイプにしました」(西原氏)
さらに従来はAF/AEボタンをひとつにしていたのだが、AFの強化と合わせてAF-ONボタンを独立させている。
確かにこの埋込タイプは、最初はとまどったもののすぐに慣れた。確かに電源をオンにしたままちょっと移動、ということはあるので良い。
独立したAELボタン、AF-ONボタン
OM-D E-M1Xを継承したデザインのシャッターボタンと前電子ダイヤル
後電子ダイヤルは埋込式になった
ボディ背面右側の各種ボタン類のレイアウト検討モックアップ
ボディはマグネシウム合金製
OM-1に切り替えて一番最初に感じたのは「イメージセンサーが新しくなった効果」だ。高感度時の画質は如実に良くなっているし、AFも速くて正確になった。
この2つは中身の進化を語るには欠かせない。
濱田氏いわく
「イメージセンサーは全面的に見直しをさせていただきました。特に大きいのはセンサーが裏面照射積層型の最新世代のセンサーになったことです。これによりご指摘を受けていた中庸感度から高感度のノイズ性能が向上しています」
という。
今、デジタルカメラの世界では裏面照射型にしてフォトダイオードの面積を拡げて、より感度を上げてダイナミックレンジを拡げ、さらに積層型構造にすることでセンサー上に複雑な回路を構成し、より高速な信号処理を可能にするのがトレンドなのだが、その最新のトレンドに対応したセンサーを搭載したのだ。
「これと新しい画像処理エンジン『TruePic X』により、常用ISO感度の上限がISO6400からISO25600まで上げられました。そこまでノイズ耐性が上がっています」(一寸木氏)
さらに「高感度に強くなっただけでなく、実は低感度での解像度もすごく上がっており、開発途中に撮れた画を見てみんなで驚いたのが記憶に残っています」(小山氏)
という。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 12−100mm F4.0 IS PRO・100mm(35mm判換算200mm)で撮影
絞りF4・1/125秒・−0.7EV補正・ISO10000・WBオート・JPEG
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曇った日の夕刻ISO10000で撮影した神社猫。常用できるクオリティだ。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 12−40mm F2.8 PROⅡ・40mm(35mm判換算80mm)で撮影
絞りF2.8・1/320秒・ISO25600・WBオート・JPEG
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ちぐらの奥の暗いところに隠れていたのでISO25600まで上げて撮ってみた。
確かに、高感度時の画質向上に目が行きがちだが(気軽にISO12800まで使えるのは大きい。今までISO感度を上げすぎないよう気を使っていたのはなんだったんだと思う)、感度全域でクオリティが上がったのを感じるのだ。
そしてこのセンサーはAFにも強い。
OM-1のファームウェア担当のリーダーだった一寸木氏は
「今回のセンサーはクアッドピクセル構造になっており、センサーを分割することにより、全面で測距用データを読み出せます」
とAF面でのメリットを語ってくれた。
こういった4つのピクセルでひとつの画素を構成するクアッドピクセルも最新のセンサーのトレンドであり、従来の像面位相差AFに比べて位相差センサーの数も増え、全面でAFが可能になるのでAF性能の向上に寄与するのだ。
このセンサーを前提に、はじめから高感度とAF性能の強化とブラックアウトフリー連写を狙って開発したのだという。
新技術を使えば高画素モデルに振ることもできただろうが
「高画素にすれば信号を読み出す時間も画像を処理する時間も増えてしまいますから、撮影の瞬間の邪魔をしないなど、全体のバランスを観た場合、画素を増やすより、高速化する方にリソースを注力したのが今回のモデルです」(濱田氏)
そして、積層型センサーの特徴は信号の読み出し速度が速いこと。それにより電子シャッターを使った連写性能の向上が上げられる。OM-1もそこはきっちりと使いこなしている。
「狙ったのは、AF/AE追従秒50コマでブラックアウトフリーの連写です。プロキャプチャーモードを使えば、止まっている鳥が急に飛び立つ瞬間も撮れますから、OM-1としての一番のウリはAF/AE追従でブラックアウトフリー。しかもプロキャプチャーモードも使えることです」(一寸木氏)
プロキャプチャーはOM-Dユーザーにはお馴染み、シャッターを半押しにしている間、バックグラウンドで電子シャッターによる撮影をしてバッファに記録し、シャッターを全押しした瞬間に、それまで溜めていた画像も一緒に記録する機能だ。これを使えばシャッターを押す寸前の写真も撮れるので決定的瞬間を逃さない。昨今、各社のハイエンド機が採用しつつある機能だ。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 12−40mm F2.8 PROⅡ・27mm(35mm判換算54mm)で撮影
絞りF2.8・1/250秒・ISO3200・WBオート・JPEG
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プロキャプチャーモードを使えば決定的瞬間も逃さない。
これを常用するには高速な被写体を撮影しても歪みが少ない電子シャッターが欠かせない。積層型センサーは信号の読み出しが速く歪みが少ないのが特徴のひとつなのだが、OM-1ではそこをあまりうたってない。個人的にテストしたところでは、前モデルより歪みはぐっと減っている。
(左)OM-D E-M1 MarkⅡの電子シャッターで撮影(右)OM-1の電子シャッターで撮影
OM-D E-M1 MarkⅡも優秀だが、OM-1の方が歪みが圧倒的に少ない。
濱田氏は「確かにセンサーが変わり、電子シャッターを使うシーンを想定して読み出し方を工夫し、歪みは1段分くらい減っています。ただ、ゼロになったわけではないのであえて公表はしていません」という。
わたしはそこはアピールしてもいいんじゃないかと思うのだけど、どうだろう。電子シャッターを気軽に使えるってのは大事だ。シャッター音をゼロにできるので高速連写のみならず、静粛な空間でも役立つのだ。
さらに、AF/AE追従で秒50コマを実現するにはセンサーからの信号の読み出し速度が速くなるだけではダメで、その信号を超高速に処理をする画像処理エンジンが必要になる。エンジンの処理が追いつかなければ無理な性能なのだ。
そこはファームウェア担当の一寸木氏が答えてくれた。
「E-M1Xでは2つ積んでいたチップをひとつにした上に処理速度も従来比の3倍になっています。さらにニューラルエンジン回路も搭載し、被写体検出も可能になっています」
被写体検出はE-M1Xでも搭載されているが、今回は動物にも対応した他、すでに検出対象だった野鳥などに対しても磨きをかけたという。個人的には猫を撮影することが多いので、こちらへ駆けてくる猫をしっかり追ってくれるのは大変ありがたい。
ただ、秒50コマでプロキャプチャーモードをオンにしたまま忘れていると、静止した被写体を撮ったときまで間違って大量に撮影してしまう。それはちょっと困るので、プロキャプチャーモード時はそのモードであることがファインダー内で即座に分かるように目立つ工夫をしてくださいとリクエストしておきました。撮るときはいいけど、あとで整理するとき大変なので。
その場で「プロキャプチャーモード時は色がついた枠を表示するのはどうでしょう?」などのアイデアが出たのでファームアップに期待したい。
あらたに動物瞳検出にも対応した被写体検出
連写設定一覧
※50fps対応レンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO Ⅱ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC 1.25x IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
フォーミュラーカー・バイク、飛行機・ヘリコプター、鉄道、鳥 に加え、動物 (犬、猫) を追加。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40−150mm F2.8 PRO+Teleconverter MC-14・210mm(35mm判換算420mm)で撮影
絞りF4.5・1/12800秒・+0.3EV補正・ISO3200・WBオート・JPEG
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秒50コマの高速連写+被写体検出AFは野鳥撮影に最適。曇天下で条件は悪かったが口に魚をくわえて悠々と飛ぶユリカモメをしっかり追えた。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40−150mm F2.8 PRO+Teleconverter MC-14・210mm(35mm判換算420mm)で撮影
絞りF4・1/12800秒・ISO3200・WBオート・JPEG
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プロキャプチャーモードを組み合わせれば飛び立った瞬間も狙える。
センサーと画像処理エンジンの強化が大きいというのはわかった。では従来からの強みだった手ブレ補正はどうなのか。スペック上はボディ単体で最大7段分の補正効果と変わっていないが、実は進化しているという。
「今回、公表している補正段数は変わっていませんが、スペックに現れない回転ブレの補正に対して強化しています。回転ブレは長秒時露光時に効きます。さらに今回は、画面上のターゲットを見ながらブレないように構える「手持ち撮影アシスト」機能を入れていますから、それを使うと公表値よりずっと長時間ブレが補正できるという声も頂いています」(西原氏)
さらに、OM-Dシリーズの特徴のひとつである、比較明合成を行うライブコンポジットに手ブレ補正が組み合わさり手持ち撮影に対応した。一寸木氏は「手持ちのライブコンポジットはすごいですよ。星の軌跡まで手持ちで撮れるという人もいます」と小声でアピールしてくれた。
手持ちでどのくらいブレずに撮れるかはどうしても撮影者の腕や撮影時の焦点距離にかかってくるのでメーカーとしてはあまり大きなことは言えないけれど、撮る人によってはかなり長時間ブレをおさえられそうである。
「どうしても秒50コマの高速連写を取り上げられることが多いのですが、実は手持ちでの長秒時夜景にも強いのでおすすめしています」(一寸木氏)
なのだ。
ふと「これはライブコンポジットで撮りたい」という瞬間に三脚を持っていなくても、手持ちで撮れるというのはありがたい。三脚必須と思ってあきらめることも多かったので、一度試してみなければと思う。
OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 12−100mm F4.0 IS PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影
絞りF8・0.5秒・ISO200・WBオート・JPEG・手持ちライブコンポジット
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手持ちライブコンポジットを試してみた。しっかり構えれば三脚いらずでこんなカットも撮れる。
さらに、EVFのパネルを236万ドットから576万ドットに上げたことで解像感が大きく上がったことも強化点として挙げてくれた。
確かにEVFは外光に影響されないので撮影画像の確認を行うのにもいい。
かくして、OM-1は小型軽量でありながら防塵防滴構造をもっているタフなボディで、ボディ内手ブレ補正も強力という従来の強みを強化しつつ、センサーと画像処理エンジンを一新することで高感度時の画質向上やAIを使った被写体認識AF、超高速連写という新たな強みも得たのである。
576万ドットの解像力・倍率0.83倍(35mm判換算)と進化したEVF。
表示遅れ0.005秒・120コマ/秒の高速表示性能も有す。
※パワーバッテリーホルダーHLD-10は、IP53対応 防塵・防滴・耐低温設計。カメラ本体とHLD-10で計2個の電池を併用する場合は、約1000枚(CIPA試験基準)の撮影が可能。
Photo & Text by 荻窪 圭(おぎくぼ・けい)