Canon PowerShot V1 実写レビュー × 写真家 金森玲奈 | スマホ撮影から一歩踏み出したいあなたへ!

目次
はじめに
特徴/操作性
PowerShot V1で撮る写真と動画
美しい光の描写が心地良い
ライバル機種「VLOGCAM ZV-1 II」と比較
スマホ撮影から一歩踏み出したい人へ
まとめ
作例に使用したカメラ

金森玲奈(かなもり・れいな)
1979年東京生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務等を経て2011年からフリーランスとして活動を開始。フォトレッスン「ケの日、ハレの日」を主宰。祖師ヶ谷大蔵のアトリエで写真をプリントする楽しさを伝えるワークショップなども開催しつつ、毎週金曜日は写真と雑貨のお店としてアトリエをオープンしている。個展・企画展多数。
note:https://note.com/kanamorireina/
はじめに
今年4月、キヤノンのPowerShot Vシリーズのフラッグシップモデルとなる「PowerShot V1」が発売されました。近年はスマートフォンで写真も動画も手軽に撮れるようになってきましたが、もう少し画質にこだわりたい、でも一眼カメラはハードルが高いかもと思われる人たちにオススメの一台です。
特徴/操作性
2023年発売の約2230万画素の1.4型CMOSセンサーを搭載しており、より高画質で高感度撮影に強い特徴を持っています。約16mmから50mm(フルサイズ換算・写真撮影時)のズームレンズを搭載しており、開放F値はワイド端F2.8、テレ端F4.5の可変絞りとなります。ズーミングは「パワーズーム」を採用しており、ゆっくりとした動きで落ち着いてフレーミングに集中できます。
Canon PowerShot V1
8.2mm(35mm判換算16mm)・F4.5・1/100秒・ISO100・+2/3EV・WBオート
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ワイド端で撮影。35mm換算約16mmの超広角でも画面四隅の像が極端に流れることはなく、スッキリとした写りに。また、逆光条件でもほとんどフリンジが出ることはありませんでした。
Canon PowerShot V1
25.6mm(35mm判換算50mm)・F4.5・1/125秒・ISO100・+2/3EV・WBオート
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テレ端で撮影。逆光に透ける花びらの薄さといった質感の描写の良さに加え、35mm換算約50mmと標準域の焦点距離ですが、背景のボケ味とピントのシャープさの描写も心地良いものでした。
重量は436g。コンパクトカメラとしてはボディサイズが若干大きめに感じるかもしれませんが、本体内に冷却ファンを内蔵したことで、高画質な4K30P動画を長時間撮影し続けることが可能となっています。
また、スローな動きを撮れるハイフレームレートやシネマティックな色彩が楽しめる数種類のカラーフィルター、動画時のみに選択可能なレトロな映画のような雰囲気のクリエイティブフィルターなど、写真だけでなく本格的で幅広い動画表現を楽しむ機能が搭載されていることを考えると、このサイズ感で収まっていることにキヤノンの努力を感じられます。
PowerShot V1で撮る写真と動画
動画を撮る時の一番の敵はやはり手ブレ。PowerShot V1はボディ内手ブレ補正機構は非搭載ですが、レンズ光学式手ブレ補正と電子式手ブレ補正が連携することで強力な手ブレ補正を実現しています。電子手ブレ補正には3つのモードがあり、初期設定は程よくブレを防ぐモードが選択されています。ジンバルなどと組み合わせればこのモードでもほぼ手ブレを気にせず動画撮影を楽しむことができるでしょう。
今回はPowerShot V1単体の性能を見るために三脚やジンバルなどは使わずに手持ちでの動画撮影に臨みました。撮影条件的に動画の完成度としては今ひとつなものもありますが、せっかくなのでPowerShot V1の動画機能の中でもオススメな機能を使った動画をご紹介します。
Canon PowerShot V1
ハイフレームレート撮影・カラーフィルター:Story Teal&Orange・WBオート
シャボン玉に興じる姪っ子を手持ち動画撮影。ふわふわしたシャボン玉の動きを撮りたいと「ハイフレームレート」を選択したのですが、スローな分少しの手ブレも大きく感じてしまいちょっと残念。
Canon PowerShot V1
オールドムービー・WBオート
古い活動写真のような動画専用のクリエイティブフィルター「オールドムービー」を使って撮影。猫を撫でていたので若干画面が上下に揺れてしまいましたが、フィルター効果と相まって悪くない仕上がりに。
Canon PowerShot V1
ジオラマ・WBオート
写真でも使えるクリエイティブフィルター「ジオラマ」は動画で使用すると早回しのようなコミカルな動きを楽しめます。
Vlog撮影に重きを置いたPowerShot V1ですが、もちろん写真の描写にも抜かりはありません。
Canon PowerShot V1
21.3mm(35mm判換算42mm)・F4.5・1/125秒・ISO100・-1/3EV・WBオート
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モフモフな長毛の黒猫とあいさつ代わりの一枚。1.4型のCMOSセンサーによって、細かい毛並みなども綺麗に再現されました。
Canon PowerShot V1
22.5mm(35mm判換算45mm)・F4.5・1/80秒・ISO6400・WBオート
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石段のくぼみに溜まった水溜りの写り込みを撮影。ピント合わせも水面に映った木々に迷うことなくスピーディーに合焦してくれました。
Canon PowerShot V1
25.6mm(35mm判換算51mm)・F4.5・1/100秒・ISO160・+1EV・
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ガクアジサイの蕾をテレ端で撮影。開き切る前の蕾の状態から伸びる細いめしべと逆光に縁取られた輪郭もスッキリと描写されていました。
Canon PowerShot V1
15.7mm(35mm判換算30mm)・F4.0・1/80秒・ISO1250・ラフモノクロ・WBオート
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クリエイティブフィルター「ラフモノクロ」で撮影。時折落ちてくる雨粒に広がる波紋に揺れる水面が硬質なモノクロの世界に動きを生んだ面白い一枚に。
美しい光の描写が心地良い
今回、PowerShot V1で写真と動画を撮っていて感じたのは光の描写がとても綺麗だということです。私が特に好きだなと感じたのはキヤノンのやさしい色味を包み込む逆光時の光のやわらかさです。
Canon PowerShot V1
25.6mm(35mm判換算50mm)・F5.6・1/80秒・ISO6400・+2EV・WBオート
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後ろの窓から射し込む光に浮かび上がるちょっと色褪せたワンピースの色合いと影になった部分の質感も綺麗に再現されました。
条件によっては多少フレアが出ることもありますが、それもほどよく絶妙な入り具合で、むしろ目の前のシーンを引き立てるのに一役買ってくれている名脇役といった風に思えました。
ライバル機種「VLOGCAM ZV-1 II」と比較
動画撮影を主目的とした時にライバル候補として上がってきそうな機種としてソニーの「VLOGCAM ZV-1 II 」が挙げられます。
本体のサイズ感としてはPowerShot V1の方が一回り大きく、重さも約140g重いです。ただし、前述した通りPowerShot V1のセンサーサイズは1.4型で約2230万画素、1.0型で約2100万画素のVLOGCAM ZV-1 IIとはセンサーサイズが異なることと、何よりも冷却ファンが搭載されている点は動画撮影を楽しむ人には大きなアドバンテージになると思います。また、しっかりと手にフィットするPowerShot V1のグリップは写真と動画、どちらを撮影する際も安定したホールド感を与えてくれます。
スマホ撮影から一歩踏み出したい人へ
PowerShot V1はスマートフォンで写真や動画を楽しんでいる人にオススメしたいカメラです。カラーフィルターやクリエイティブフィルターといった写真や動画表現を楽しめる要素がたくさん詰まっているだけではなく、画質の良さなどもスマートフォンとは一線を画すものがあります。ただし、最初は各種設定をするためのボタン操作やモードの切り替えなどを少し難しく感じるかもしれませんが、自分の世界観をより深く創り上げる面白さもきっと感じてもらえると思います。
Canon PowerShot V1
25.6mm(35mm判換算50mm)・F4.5・1/60秒・ISO6400・+1EV・WB白熱電球
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神社の厳かな雰囲気を強調したくてWBを「白熱電球」に変更して撮影。水のイメージである「青」と写り込んだ木々の緑の葉の色合いを思った通りの世界観で表現することができました。
まとめ
キヤノンPowerShot V1はより手軽にさまざまな動画撮影を楽しめるコンパクトデジタルカメラです。それと同時に「写真」を撮ることにも決して手を抜いていないのがキヤノンらしさとして好感が持てました。一瞬を切り取る写真も、思い出の時間を閉じ込める動画も、どちらも楽しめる一台としてぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです。
Canon PowerShot V1
19.6mm(35mm判換算40mm)・F5.6・1/320秒・ISO100・+2/3EV・WBオート
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作例に使用したカメラ
【商品情報】Canon PowerShot V1
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Photo & Text by 金森玲奈(かなもり・れいな)

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