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2022.09.29
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FUJIFILM X-H2+フジノンXF56mm F1.2 R WRレビュー × 澤村洋兵 | Xシリーズの新・高画素番長+新・中望遠大口径レンズで速攻実写!

FUJIFILM X-H2+フジノンXF56mm F1.2 R WRレビュー × 澤村洋兵 | Xシリーズの新・高画素番長+新・中望遠大口径レンズで速攻実写!

ついに4000万画素を超えたAPS-Cサイズセンサー。今回はAPS-Cサイズカメラの中でも超高画素センサーを搭載したFUJIFILM(富士フイルム)X-H2 をフォトグラファー澤村洋兵さんにレビューしていただきます。

同じく新製品の中望遠レンズ「フジノンレンズXF56mm F1.2 R WR」との組み合わせは、フルサイズ機並みの表現力の高さと、APS-C機らしいフットワークの軽さでプロカメラマンのハイレベルな要求にいとも簡単に応えてくれます。

作例が全てフィルムシミュレーション「ASTIA/ソフト」の撮って出しなのも驚きです。

フォトグラファー澤村洋兵
■ライター紹介

澤村洋兵(YOHEI SAWAMURA)

1985年、京都生まれ。美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など様々な職業を経験してきた異色の経歴を持つフォトグラファー。企業案件や広告写真、オンラインサロン主宰やSNSブランディングアドバイザーなど幅広く活動。Lightroomのオリジナルプリセットは多方面から人気を博し、撮る写真は人物写真、風景、スナップなどバリエーション豊か。それぞれの職業で培った感性と類い稀なセンスと器用さを武器に様々な瞬間を自分の色にして表現し、SNSを中心に多くの共感を生む作品をアウトプットし続けている。2022年 単著『あの人が自分らしい写真を撮れる理由』出版。
Instagram:@yohei_sawamura/@yohei_sawamura_sono2
Twitter:@yohei_sawamura
YouTube:キョウトボーイズ|写真と京都と男旅
オンラインサロン:写真喫茶エス

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2

先に結論から言いますと・・・

FUJIFILM(富士フイルム)Xシリーズから史上最高画質4020万画素のX-H2が登場。さらに、好評だったフジノンレンズ XF56mm F1.2 Rが進化したXF56mm F1.2 R WRも登場。

今回はこのXシリーズ最高峰の組み合わせとも言えるボディとレンズでポートレートを撮影してきました。先に結論から言いますと、

「APS-Cの世界を超えた表現を見せてくれる最高のカメラ」

でした。とりあえずめっちゃいいですこれ、ほんとに。

まず見た目ですがこんな感じ。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 本体1

少し前に出たX-H2Sと比べるとこんな感じです。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 本体2
写真左:X-H2S、写真右:X-H2

もうほぼ一緒ですね。

ボディ前面に「S」という文字が書かれているぐらいしか差はありません。使うカメラ間違えないようにしないと、、、!!って何度も確認しながら撮影に向かうほどほんとに違いがありません。

なので、グリップの握り心地よさや、親指部分の絶妙な引っかかり、上部モニターの便利さなど、X-H2Sを使用したときに感じたボディの形の良さはX-H2もすべて同様に素晴らしかったです。

その辺の詳しいところは前回こちらのブログでX-H2Sの記事も書かせていただいているのでそちらも確認していただけると嬉しいです!

フォトグラファー 澤村洋兵 ✕ FUJIFILM(富士フイルム)X-H2S ~最新Xシステムフラッグシップ機で味わう、“JPEG撮って出し”女性ポートレート~

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澤村洋兵 ✕ FUJIFILM(富士フイルム)X-H2S ブログ記事バナー

今回は、フィルムシミュレーションのASTIA/ソフトを使った“撮って出し”でポートレート

というわけで、ポートレートの撮影に向かったのですが、今回は初めましてのモデルさんと共に京都駅の周辺をブラブラしながら撮影してきました。

ちなみに今回のポートレート写真はすべてフィルムシミュレーションのASTIA/ソフトを使った“撮って出し”の作品になります。

まずはどんなもんだと軽い感じでパシャパシャと撮ってみました。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例1

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF2.2・1/1250秒・ISO125・WBオート・フィルムシュミレーションのASTIA/ソフト・JPEG

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「すごっ!」

って思わず声が出ました。

この距離でもわかる美しい髪の質感、肌の艶やかさ、服の生地の素材感。なのにボケは柔らかく優しい感じ。この感覚ってAPS-Cのカメラではなかなか感じられないんですよね。

高画素機なのに、サクサクテンポよく撮れる撮影フィーリング

さらに感じたのは高画素機なのに高画素機を感じさせないテンポでサクサク撮れるところ。

高画素機なのでもちろん1枚のデータが大きくなる、てことは処理に負担がかかるのでスピード感が落ちる可能性がある。このことから高画素機のカメラはモノによってはスピード感が落ちてテンポよく撮影できないカメラもあったりして結構ストレスになって作品の幅が狭くなってしまったり、気持ちよさが減ってしまい撮影意欲に欠けるとこが出てしまったりするんですよね。

この時の撮影はRAW+JPEGで撮っていたので一番負担をかけています。さきほどの写真のRAWデータで約85MB、JEPGデータで約15MBもあります。なのにX-H2はそこにストレスをまったく感じさせませんでした。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例2

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF2.0・1/2200秒・ISO125・WBオート・JPEG

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例3

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF2.0・1/1900秒・ISO125・WBオート・JPEG

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今度は高画素機のパワーを感じてもらいたかったのでこんな写真を。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例4

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF1.4・1/1250秒・ISO125・WBオート・JPEG

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いやー、すごいですよね、、、

何か感じましたか?ボケもいい感じでモデルさんが綺麗に浮立ってて美しいなーっていうぐらいですよね。

実はこれ元のサイズに戻すと、、、

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例4元画像

じつはこれなんです。

めちゃめちゃ切り取っています。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例4元画像キリトリ枠

さすが高画素機、APS-C機でも思いっきりトリミングして大丈夫!

この辺を切り取っていて、ほぼ4分の1です。

全然それを感じさせない。

この切り取りができちゃうのは高画素機の恩恵。

しかもそれをAPS-Cのカメラでできちゃう時代がきちゃってるのかー。なんて思いました。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例5

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF1.4・1/750秒・ISO125・WBオート・JPEG

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例6

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF1.4・1/950秒・ISO125・WBオート・JPEG

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例7

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF2.0・1/480秒・ISO125・WBオート・JPEG

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モデルさんをより美しく表現してくれる新ポートレートレンズの誕生

X-H2の素晴らしさもありますが今回ここまで美しい作品をサクサク撮らせてもらったのは新登場のレンズ、XF56mm F1.2 R WRのおかげでもあります。

前ボケ、後ろボケ共に美しく柔らかいボケ、ピント面は線が細いのにはっきりとしていて質感はしっかり残してくれる。こういう写し方をしてくれるレンズってモデルさんをより美しく表現してくれるのでほんとにポートレートにピッタリです。

開放付近でも柔らかくなり過ぎたりせず、どのF値でも同じように表現してくれるので余計なことを考えず自由に撮影ができます。

いつもならこういった記事を書かせていただくときは「フォーカス速度はどうだろう…?」とか考えながら撮ったりするのですが、あまりにもサクサクピントが合うので考えることをすっかり忘れてしまってました。

それぐらいストレスフリーに撮影ができます。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例8

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影・絞りF3.2・1/1000秒・ISO125・WBオート・JPEG

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例9

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影
絞りF3.2・1/1250秒・ISO125・WBオート・JPEG

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 作例10

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF56mm F1.2 R WR・35mm判換算85mmで撮影・絞りF2.0・1/2400秒・ISO125・WBオート・JPEG

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「APS-Cの世界を超えた表現を見せてくれる最高のカメラ」

陰影の差がある撮影でも影の部分もしっかり表現されています。

このダイナミックレンジの広さがあるとどんな状況でも撮りたいものを自由に撮れるので撮影者の表現の幅の邪魔をしません。いや、それどころか広げてくれます。

なかなかこういったダイナミックレンジや解像感の部分ってどうしてもセンサーサイズが大きい方に劣るしかない部分があるのですが今回の撮影ではAPS-Cだってことを忘れるくらいでした。まさに「APS-Cの世界を超えた表現を見せてくれる最高のカメラ」でした。

APS-Cを超えたとかAPS-Cでは難しい表現をしてくれるとか言ってるので「じゃあフルサイズとか中判デジで撮ればいいじゃん」って思われるかもしれませんがAPS-Cだからこその良さももちろんあるんです。それはコンパクトさ。

4000万画素超えのボディに35mm判換算85mm f1.2の大口径レンズ。フルサイズでこのセットだとめちゃめちゃ重くてデカくなります。

いろんなものがありますが、フルサイズだと開放F1.4のレンズとかでもボディと合わせてだいたい1.5kgにはなります。でも今回のX-H2+XF56mm F1.2 R WRだと1kgぐらい。約500gぐらいの差があります。

500gってそれほど変わらない気がしますが、500mlの水のペットボトル1本分くらいの差があります。ずっと持ち続けて撮影するわけですからこの差は大きいと思います。見た目もほんとにコンパクト。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 本体3

レンズ自体が大口径中望遠レンズなのに445gしかないので「一応カバンに入れとこかな!」とかもできちゃうぐらいのサイズ。

フルサイズカメラの大口径レンズだとでかいし大きいのでなかなかそんな軽い感じではいきません。カメラがコンパクトで軽いと今回のような撮影には特にピッタリ。

その良さを伝えたくて「今回は初めましてのモデルさんと共に京都駅の周辺をブラブラしながら」という撮影にしました。

コンパクトだから、疲れにくく気持ちよく撮影し続けられる!

ブラブラ歩きながら撮影するのに重かったらどうしても疲れやすい。「そこはがんばれよ」とも思うのですが疲れにくいに越したことはないです。やっぱり疲れにくいと気持ちよく撮影し続けられるのでいい作品がたくさん生み出せます。あと、ハイポジションでの撮影だと重いカメラはほんとにつらい。

また、初めましてのモデルさんだとどうしても緊張から始まります。そのときにでかいカメラやレンズを向けられるとより圧を与えちゃうので軽い感じで始めにくいんですよね。コンパクトなカメラほど向けられても気持ちが楽なんです。おかげで初めから最後まで楽しく撮影ができました。

意外とこういう細かいところにAPS-Cの良さとかがあるんですよね。でも写りはフルサイズレベルが欲しかったりします。そんなわがままに応えてくれるカメラとレンズでした。

それに、、、そもそもFUJIFILMのカメラにフルサイズがありません。FUJIFILMの表現をフルサイズで撮れたらいいのになーとか思ってた人もたくさんいるはず。そんなあなた。これで決まりです。

ぜひ一度使ってみてください。後悔はしませんよ。

FUJIFILM(富士フイルム)X-H2 本体4
富士フイルムX-H2 ◉発売=2022年9月29日
FUJIFILM(富士フイルム)フジノンレンズXF56mm F1.2 R WR
フジノンレンズXF56mm F1.2 R WR ◉発売=2022年9月29日


まとめ

  • ・APS-Cの世界を超えた表現を見せてくれる最高のカメラ

  • ・高画素機なのに高画素機を感じさせないテンポでサクサク撮れる

  • ・XF56mm F1.2 R WRはモデルさんをより美しく表現してくれるポートレートにピッタリのレンズ

  • ・陰影の差がある撮影でも、影の部分がしっかり表現される

  • ・カメラ、レンズのコンパクトさはAPS-Cだからこその良さ

  • ・疲れにくいと気持ちよく撮影し続けられるのでいい作品がたくさん生み出せる

  • ・初めましてのモデルさんでも、コンパクトなカメラは向けられても気持ちが楽

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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2イメージ
Photo & Text by 澤村洋兵
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