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2022.01.27
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Nikon Z fc 実写レビュー 画質、操作性、レンズの性能をチェック!

Nikon Z fc 実写レビュー 画質、操作性、レンズの性能をチェック!

Nikon(ニコン) Z fc の実写レビューです。

クラシカルなデザインで人気のDXフォーマットのミラーレス一眼カメラ「Z fc」は、2088万画素のセンサーを搭載した画質についてもハイレベルなカメラです。

画質、高感度性能、操作性、キットで用意された標準レンズ「28mm f/2.8 Special Edition」の描写性能などをご紹介します!後半ではオールドレンズを使った作例を掲載しました。

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■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴/操作性

名機「FM-2」をベースにしたクラシカルなデザイン

Nikon(ニコン) Z fc 本体 FM2との比較

Nikon(ニコン) Z fc は、フィルム時代の一眼レフカメラの名機「FM-2」をベースとしたデザインとなっています。

2台並べてみるとサイズ感までそっくりで、クラシカルなデザインは今見るとむしろ新鮮に感じます。

カメラとしての性能は勿論高いレベルにあるZ fcですが、第一の特徴はそのデザインと言えるでしょう。

2088万画素のバランスのいいセンサー

Nikon(ニコン) Z fc 本体1

高画素化が進むデジタルカメラの世界にあって、2088万画素のセンサーは画素数が少ないと感じる方もいるかもしれません。

しかし、DXフォーマット(APS-Cサイズ)センサーは、光を受ける面積がフルサイズ機と比べて少ない事から、あまり画素数を多くすると高感度性能が落ちるといった弊害も生まれるのです。

2088万画素はそういった意味でバランスのいいセンサーだと思います。

ベテランには直感的に、入門者は写真を学習するのに適した使い易い操作性

Nikon(ニコン) Z fc 本体2

昔のカメラのデザインをベースとしているので、操作性も当時のカメラに近いものです。これは、露出の理論を理解しているベテランには直感的に理解し易く、これから写真を始める方には、露出の理論を学習し易い操作性だと思います。

シャッタースピードやISO感度がシンプルなダイヤル操作となっている事で、露出を決定する3つの要素(絞り、シャッタースピード、ISO感度)が視覚的にも理解し易いからです。

少し残念なのはキットレンズとして設定されているNIKKOR Z 28mm f/2.8には絞りリングが無い事で、いっそそこまでこだわって、当時の操作性を完全再現して欲しかったところです。

触るのが楽しくなる操作フィーリング

Nikon(ニコン) Z fc 本体3

Z fc は、シャッタースピードやISO感度ダイヤルを操作するのが楽しくなるカメラです。

各ダイヤルのやや硬い、誤作動を起こしずらい操作フィーリングは、使用者にしっかりとした安心感をもたらすとともに、昔のNikonを使った事があるユーザーなからは、Nikonらしい懐かしさを感じさせるものなのではないでしょうか。

そこまでこだわって造ったかはともかく、そんな気持ちにさせてくれるカメラだと感じました。

有効画素数: 2088万画素 手ぶれ補正: レンズシフト方式(VRレンズ使用時)
動画サイズ/フレームレート: 4K/30p 常用ISO感度: ISO 100~51200
コマ速: 約11コマ/秒(拡張) 重量: 約445g

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イメージ

実写レビュー

写真をコントロールするのが楽しくなる操作性

Nikon(ニコン) Z fc 作例1
作例1:f2.8 1/4000 ISO360 露出補正±0 Creative Picture Control:STD

日曜日の午前中は人通りも少なく街の情景を撮るにはいい時間帯です。ゆっくりとカメラを操作してファインダーの中で写真が変化するのを楽しみながら撮影しました。

見た目同様写真を楽しむ為のカメラだと思ったので、Creative Picture Controlを積極的に使ってみる事にします。

最初はとりあえずスタンダードして、カメラの作り出す雰囲気を楽しみながら撮りました。

Nikon(ニコン) Z fc 作例2
作例2:f7.1 1/500 ISO500 露出補正±0 Creative Picture Control:STD

ゆったり撮っていても「撮りたい!」と思える瞬間は不意に訪れるものです。

構図だけ調整して慌ててシャッターを切りましたが、絞りは1枚前の設定のままF7.1となりました。

オートフォーカスやデジタルが入る前は写真ってこういうものだったよな、と少しノスタルジックな気持ちで画像を確認します。

画素数と高感度性能のバランスがいい扱いやすいセンサー

Nikon(ニコン) Z fc 作例3
作例3:f2.8 1/1600 ISO500 露出補正±0 Creative Picture Control:STD

日中、明るいレンズを使っての撮影でしたのでISO感度を気にする事はありませんでしたが、Nikonの2088万画素センサーは評判のいいセンサーなので、日陰でも安心してシャッターを切る事が出来ます。

カメラの操作を楽しむ事とは別に、カメラの事を気にせずシャッターを切れる事も良いカメラの条件と言えるのではないでしょうか。

多くの高性能なカメラが発売されて選択肢が多い昨今、ユーザーは少し欲張りになり過ぎているのかもしれません。

いつでも持ち歩きたくなるフィルムカメラのようなコンパクトさ

Nikon(ニコン) Z fc 作例4
作例4:f2.8 1/640 ISO500 露出補正-0.7 Creative Picture Control:STD

いつでも気軽に持ち歩いて写真を撮れるコンパクトさはZ fcの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。

カメラは速く便利になった分、大きくなったせいで不自由になった部分がある事も事実で、今、Leicaのようなフィルム時代から変わらぬ大きさのカメラが注目されるのにも理由があるような気がします。

個人的に新しいもの好きで昔帰りのようなカメラに少し馴染めない部分があるのですが、小さいという事は好みを超越してカメラを好きになれる要素のひとつです。

Nikon(ニコン) Z fc 作例5
作例5:f2.8 1/3200 ISO500 露出補正-0.3 Creative Picture Control:STD

軽いカメラというと持ち運びの便利さを挙げる方が多いと思いますが、思い切ったアングルをとりやすいという事も軽量コンパクトさのメリットのひとつです。

ハイアングルやローアングルはどうしても不安定で手ぶれし易い撮り方ですが、軽量コンパクトなカメラはそういった意味でも写真を自由にしてくれます。

勿論、重いカメラだと面倒に思って撮らないような写真も気軽に撮れるという事も軽量コンパクトなカメラのメリットと言えるでしょう。

遊び心溢れる20種類の「Creative Picture Control」

Nikon(ニコン) Z fc 作例6
作例6:f2.8 1/400 ISO500 露出補正±0 Creative Picture Control:ドラマ

少し真面目過ぎるイメージのあるNikonというメーカーの中に合って、Z fcはデザインまで含めてとびぬけて遊び心のあるカメラだと感じます。

そんな遊び心を写真にも伝えたくて、今回のテスト撮影では「Creative Picture Control」を積極的に使うようにしました。

FUJIFILMやSIGMAのカメラでは使うのが当たり前の色のイメージを楽しむ機能を、Nikonでは何故使わなかったのだろうと過去の自分に後悔するくらい使っていて楽しい機能です。

Nikon(ニコン) Z fc 作例7
作例7:f7.1 1/500 ISO500 露出補正+0.3 Creative Picture Control:モノクロ

まだまだモノクロも多く使われていた時代のカメラという事で、「Creative Picture Control」からモノクロを選択してシャッターを切りました。

少し固めな印象ですが、建物のシャープなイメージと冬の高いコントラストが上手く写真に出来たと思います。

写真とは関係ありませんが、こういったクラシックなスタイルのカメラは縦位置で構えると少しカッコいいなと思いました。

Nikon(ニコン) Z fc 作例8
作例8:f8 1/500 ISO500 露出補正±0 Creative Picture Control:ドラマ

20種類ある「Creative Picture Control」の中で特に気に入ったのは「ドラマ」です。

スナップは何気ない日常を撮る意味合いが強いですが、そんな何気ない日常の写真を力強い写真に変えてくれます。

よく俳優さんなどに「目力がある」などといいますが、「色力」があるカラーバランスだと感じました。

画質

解像感

画像を拡大して解像感を見てみます。

Nikon(ニコン) Z fc 作例9拡大枠
枠内を拡大
Nikon(ニコン) Z fc 作例9拡大

細かい部分まで物の形がわかるシャープな描写です。

若干硬い印象があるのはAPS-Cサイズだからでしょう。

万人受けるするスタンダードな描写だと思います。

高感度性能

2088万画素のセンサーは、画素数を欲張っていない分APS-Cサイズセンサーとしては比較的高感度にも対応出来るセンサーです。

ここでは夜景の画像を拡大して、高感度使用時のノイズの入り方を見てみたいと思います。

Nikon(ニコン) Z fc 高感度性能
枠内を拡大
Nikon(ニコン) Z fc 高感度性能比較

ISO800程度からノイズが入りはじめ、ISO6400ではかなり目立ちます。

最高感度はISO51200まで設定出来ますが、ものの形のディテールが崩れて写真としてはかなり厳しくなりますので、おまけ程度に考えておいた方が良いかもしれません。

キットレンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8」の描写性能

キットレンズとして用意されている NIKKOR Z 28mm f/2.8 はフルサイズ(FXフォーマット)なら広角レンズとして、Z fcなどAPS-Cサイズ(DXフォーマット)のカメラに装着すれば42mmの使い易い標準レンズとして使う事が出来ます。

Nikon(ニコン) Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8 作例1

40mmの標準レンズは最近流行りの画角で、35mmより構図をまとめ易く、50mmよりも情報量を多く出来る扱い易い画角です。

適度な遠近感によりスナップなどでは少しおしゃれな感じの、スマホとは一味違うプロっぽい写真が撮れる画角だと思います。

Nikon(ニコン) Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8 作例2

本来フルサイズ用のレンズなので、ビネットコントロールをOFFにしても周辺光量落ちはほとんど感じられません。

レンズとしては単焦点らしい優等生と言えますが、カメラのイメージから少しオールドレンズっぽい描写を期待すると少し裏切られた感があります。

Z 50との比較

Z fcは基本的にZ 50のデザイン違いのモデルとなります。

高性能で評価の高いZ 50と中身はだいたい同じなので、ある意味羊の皮を被った狼的なカメラと言えるかもしれません。

ここではZ 50との違いと、Z fcをおすすめしたいユーザーを解説します。

真面目で質実剛健を絵にかいたようなZ 50

Nikon(ニコン) Z fc 、Z 50 比較1

Z 50は、質実剛健なNikonというメーカーのイメージそのままのAPS-Cサイズセンサー搭載のミラーレス一眼カメラです。

上位モデルとなるフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼 Z 7やZ 6の弟分的なカメラの操作性やフォールディングなどは、フルサイズ機と併用しても違和感のないものでしょう。

例えばより高い画質を求めて、フルサイズ用のSラインの大口径ズームなど、大型のレンズを使う予定があるなら、しっかりしたグリップのあるZ 50がおすすめです。

遊び心あふれて持っているだけで楽しいZ fc

Nikon(ニコン) Z fc 、Z 50 比較2

デザインからわかるとおり、Z fcはより写真を楽しむユーザーをターゲットにしています。あまりストイックになり過ぎずに、カメラを持ち歩くのもファッションの一部というくらいの、リラックスした気持ちで表現を楽しむユーザーです。

表現の幅が広い明るい単焦点レンズやコンパクトなズームレンズを装着して、超高性能なスマホといった心持で使うのが似合うでしょう。

古い操作感は露出などこれから写真の理論を勉強したいユーザーにもうってつけなので、初心者にもおすすめしたい機種です。

Z fcにはZ 50を超える高性能な部分も

Nikon(ニコン) Z fc 、Z 50 比較3

性能的にはほとんど同等にあるZ fcとZ 50ですが、後発故にわずかにZ fcが高性能な部分もあります。

オートフォーカスの低照度性能がアップしている(通常時Z fcは-3EV、Z 50は-2EV)、動物瞳AFがファームアップデート無しで搭載されている、インターフェースがUSB Type-Cになっているといった事です。

対してZ 50のメリットはストロボを内蔵している事ですが、Z fcはデザインを優先して敢えてストロボを内蔵しなかったのでしょう。

おすすめユーザー

デザインと操作性はZ fcを選ぶ大きなメリットだが実は性能的にもハイレベル

Nikon(ニコン) Z fc 本体4

デザインはZ fcの最大の特徴で購入の大きな動機になると思いますが、Z fcの魅力は併せてカメラとしても高性能であるという事です。

例えば、普段は趣味で単焦点レンズを取り付けて写真を撮っていても、旅行や子供の運動会などの家族のイベントになれば、高速なオートフォーカスと高い画質で大切な思い出を記録してくれるでしょう。そんな幅広い被写体に対応出来る性能の高さがZ fcにはあります。

デザインが大きな特徴ですが、デザインだけではないところが、Z fcを幅広いユーザーを満足させられるカメラにしていると言えるでしょう。

グリップが無いので大型のレンズはフォールディングが少し心配

Nikon(ニコン) Z fc 本体5

Z fcがデザインを優先したカメラ故に欠点となっているのは、最近のカメラでは付いているのが普通となったグリップが無い事です。

これにより、大型の望遠レンズなどは取り付けた際に少し構えずらいと感じるかもしれません。

とは言え使えないわけでは無いですし、望遠レンズを使いたい時にはNikonのDXフォーマットには「NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR」という軽量、コンパクトでありながら高性能なレンズが用意されているので、こちらを選べばいいでしょう。

Nikon(ニコン) NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR 実写レビュー

動画も含めて意外なほどオールラウンダーな機種

Nikon(ニコン) Z fc 本体6

このように優秀なオールラウンダーカメラのZ fcですが、動画性能についても平均点以上のレベルにあります。

記録サイズは4K 30pに対応していますし、外付けマイク端子を装備、動画撮影時の瞳AFも出来るので、動画撮影でも困ることは殆ど無いでしょう。

デメリットはストロボを内蔵していない事ですが、高感度に弱く無いので大概の撮影はクリア出来ると思います。

Z fcはオールドレンズ入門にピッタリ!

折角のクラシックなデザインです。マウントアダプターを使ったオールドレンズでの撮影に使ってみてはいかがでしょうか?

ゆっくりと露出やピントを手動で合わせてシャッターを切る。そんなフィルムカメラを使っているようなイメージで写真を撮れるのもZ fcの魅力のひとつと言えるでしょう。

オールドレンズとは

Nikon(ニコン) Z fc オールドレンズ作例

フィルム時代、オートフォーカスが普及する前の古いレンズをオールドレンズと言うようです。

マニュアルフォーカスによるピント合わせや絞りリングなどを操作する楽しみと、温かみのある個性的な写りが魅力で、多くのファンがいます。

Z fcの見た目はオールドレンズが現役で造られていた時代のものなので、使って楽しい組み合わせと言えるでしょう。

Z fcとオールドレンズの魅力

Nikon(ニコン) Z fc

Z fcの操作性はオールドレンズが造られていた時代のカメラに近いものです。

特に、現代のカメラでは見かけなくなったシャッタースピードダイヤルは、シャッター速度と絞りの選択で写真の表現が変わる事を思い出させてくれます。

フィルム時代には色のバランスやルックはフィルムの銘柄を変える事で行いましたが「Creative Picture Control」はフィルムを交換するようにカラーをコントロール出来るので、オールドレンズ使用時には是非活用しましょう。

老舗メーカーらしくレンズが入手し易いところもポイント

Nikon(ニコン) Z fc

折角Nikonのカメラなので、Nikonのオールドレンズを使ってみるのもおすすめです。

老舗メーカーらしくオールドレンズと言われる時代から多くのレンズを世に送り出しているメーカーなので、そんな時代の空気をを感じてみるのも一興です。

欠点は、Nikonのレンズは50年前の製品でも驚くほど性能が良くおもったよりしっかりと写ってしまう事ですが、そんなNikonの優秀さや歴史を感じていただければと思います。


まとめ


  • ・クラシックカメラのようなデザインと軽量コンパクトさが魅力です

  • ・古いカメラのような操作性は初心者からベテランまでわかり易いでしょう

  • ・デザインだけでなくカメラとしても高性能です

  • ・使い易い標準レンズ「Z 28mm f/2.8」がキットとして用意されています

  • ・オールドレンズを使うのも楽しいカメラです

カメラ選びの参考にしていただければ幸いです。

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Nikon(ニコン) Z fc
Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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