Nikon(ニコン) NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR の実写レビューです。
35mm判換算75mm-375mmの広いズーム域を持つ望遠ズームは、Zマウント用のNikon DXフォーマット専用に設計されている為、非常にコンパクトなデザインとなっています。行事やレジャーなどに気軽に持ち出しせるだけでなく、性能的にもハイレベルなので、本格的な撮影にも対応できるコストパフォーマンスの高いレンズと言えるでしょう。
実写レビューを中心に、画質や操作性、使用感などをご紹介します。
特徴/操作性
ZマウントDXフォーマット用のコンパクトな望遠ズームレンズ
軽量ながら堅牢で精度の高い鏡筒
シンプルなデザインと操作性
実写レビュー
望遠レンズならではの描写を手軽に楽しめる
静粛、高速なオートフォーカス
クローズアップ撮影とボケ味
画質
周辺光量
解像感
逆光耐性
他メーカーとの比較
まとめ
Nikon(ニコン)NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR はZマウントのDXフォーマット(APS-Cサイズセンサー)カメラ用の望遠ズームレンズです。
DXフォーマット専用に設計する事で、高画質とコンパクトさを兼ね備えており、Z50やZ fc用のレンズとして人気の製品となっています。
ダブルズームレンズキットにも組み込まれるレンズですが、性能的にも品質的にも廉価版と言うイメージは無く、画質や操作感にこだわるユーザーも満足出来るレベルにあると言えるでしょう。
外観は軽量な強化プラスチック製ですが、高い精度で製造されており堅牢です。
ズーム、フォーカスリングともに余計な遊びも無く、廉価版のレンズによくある、望遠端側に鏡筒を伸ばした際のグラつきもありません。レンズの重量からは想像できないしっかりとした造りのおかげで実際の重量よりも軽く感じる程で、防塵・防滴にも配慮された設計なので、悪条件での使用も安心です。
沈胴式を採用している事も、レンズのコンパクトさに一役買っています。
外観に凹凸はほぼ無く、ロゴや指標なども最小限なシンプルなデザインで、Z50の様なデザインのボディはもちろん、Z fcの様なクラシックなデザインのボディに装着しても違和感の無い外観となっています。
少し残念なのは、フォーカスモードの切り替えはボディ側から操作しなければならず、面倒な点です。
製品のターゲットユーザーを考えるとマニュアルフォーカスでの撮影が軽視される事は仕方ないと思いますが、描写性能がいいので、中級以上のユーザーに便利な機能は残しておいて欲しかったところです。
フィルター径: | 62mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 0.5 m(50 mm)-1.0 m(250 mm)/0.23倍 |
---|---|---|---|
最小絞り: | f/22(50mm)、f/32(250mm) | 絞り羽根: | 7枚(円形絞り) |
長さ: | 110mm(沈胴時) | 重量: | 約405g |
フジヤカメラでは、Nikon ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
» 【中古】Nikon ミラーレス用レンズ
テストボディにはNikon Z50を使用しました。
ピクチャーコントロールはオート、ホワイトバランスは自然光オート、自動ゆがみ補正、回折補正はON、ヴィネットコントロールはOFFで撮影しています。
NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRの特徴である軽量コンパクトさを活かして、望遠レンズでないと出来ない表現を気軽に楽しみたいレンズです。
遠くの物を大きく写す事以外にも、強力な圧縮効果と大きなボケでスナップでもインパクトのある写真を撮る事ができます。
望遠レンズが使われる定番のシチュエーション以外でも、気軽に望遠レンズらしい写真を撮れる事は、写真の表現を楽しむユーザーには大きな価値となるでしょう。
カメラが軽量なおかげで、いつもと違ったアングルで撮ってみようという気になります。
両腕を上に高く伸ばしたハイアングルなど、重い機材なら腕がプルプルしてしまうような撮り方でも、安定してシャッターを切る事ができました。
スナップに重い望遠レンズを使うという感覚が無かったのですが、これだけ軽いとストレス無く撮影出来ます。
ステッピングモーター採用のAFはとても静かで、追従速度も非常に高いレベルにあります。
個人的に動きモノの撮影はとても苦手なのですが、AFモードをAF-C、AFポイントをオートエリア、と、ほとんどカメラ任せにして隅田川上空を滑空するカワウの姿を捉える事ができました。
ボディ、レンズ共に追従速度が速い事が、動く物の撮影難易度を大幅に下げてくれます。
NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRの最短撮影距離は広角端で0.5m、望遠端で1m、最大撮影倍率は0.23倍と、近接撮影に強いレンズです。
本格的なマクロレンズほどではありませんがボケ具合もかなり良く、焦点距離を問わず滑らかなボケ味だと感じました。
望遠端での近接撮影は手ぶれが目立ちやすく、フレーミングも難しくなりますが、手ぶれ補正のおかげで安定したファインダー像を見られるので、ストレス無く構図を決める事が出来ます。作例は低速シャッターで撮影していますが、ブレもなくシャープに写す事ができました。
比較的リーズナブルな価格帯のモデルでありながら、高画質な事も NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR の魅力のひとつです。
ここでは画質について見てみたいと思います。
ビネットコントロールをOFFにすると周辺減光はどの焦点域でも発生し、特に広角側(50mm)の時に最も大きく現れます。
2~3段程絞る事で改善しますが、条件が良くないと手ぶれが心配なF値となってしまいますので、素直にカメラ内の周辺光量補正(ビネットコントロール)を利用するのがベターでしょう。
個人的には周辺光量落ちを出したり無くしたり出来るレンズの方が、表現の幅も広くなるので好みです。
軽量コンパクトでありながら、シャープで解像感が高い事も NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR の魅力のひとつです。
作例を拡大して解像感を見てみましょう。
望遠端250mmで撮影したカットですが、どのズーム域でも絞り開放から非常にシャープで周辺の画質も安定しています。
絞る事で解像感に多少の向上がみられますが、開放でも十分にシャープな為、今回の撮影ではほとんどのカットを開放で撮影しました。
F値や焦点距離を気にする事無く自由に撮影ができそうです。
元々フードは付属していないレンズなので、今回の撮影ではフード無しで撮影しました。にもかかわらず、ほとんどフレアやゴーストの発生は無く、フードの必要性を感じない程の高い逆光耐性をもっています。
作例では、画面中央付近に小さなゴーストが発生していますが、画面内に太陽を入れた難しい条件でもこの程度で、コントラストの低下もありませんでした。
別売のフードを購入するか悩ましい程の逆光耐性の高さです。
APS-Cサイズセンサー用の望遠ズームは、最近ではあまりバリエーションがありませんが、例えばFUJIFILMのXC50-230/4.5-6.7などと比較しても、写りや造りの良さが NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR のアドバンテージと言えるでしょう。
ワンランク上のレンズに感じます。
価格的にもZマウントのレンズとしてはリーズナブルな部類に入るので、コスパの高いお買い得なレンズと言えるでしょう。
フジヤカメラでは、Nikon ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
» 【中古】Nikon ミラーレス用レンズ
・Zシリーズの性能をしっかりと引き出せる画質を持っています
・望遠レンズでは特に重要なフォーカススピードは申し分ありません
・DXフォーマット専用で軽量コンパクトなデザインです
・コストパフォーマンスの高いレンズとなっています
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。