猫や日常、旅先でみつけた情景を作品として撮り続け、近年では2023年Nikon THE Galleryで「Pastel~夢をめぐる」、2024年FUJIFILM HoP Galleryで「Time to cross」個展開催。カメラ誌の執筆やカメラメーカーのセミナー講師、フォトコンテストの審査などを通じて写真の楽しさを伝える活動にも携わる。著書「カメラでパチリ へやねこ そとねこ」、共著「美しいボケの教科書」など多数。撮影会&web講評「フォトプラネッタ」主宰。ニコンカレッジ講師。FUJIFILMメタバースHouse of Photographyアンバサダー。日本作例写真家協会会員【JSPA】。
ミゾタユキ litlink
5年ぶり!Z50の後継機、NikonZ50 IIが2024年12月13日に発売されました。
Z50 IIはミラーレスカメラZシリーズでAPS-Cサイズの小型&軽量モデルです。CMOSセンサーはZ50と同じなので2088万画素。手振れ補正もありませんが、最上位機種のZ9と同じ画像処理エンジンEXPEED7を搭載しているので、AFや被写体検出、動画など、基本性能が大幅にパワーアップしています。
最近のSNSムーブメントに合う動画機能や自分らしい「色」を簡単に選ぶことができるダイレクトなボタンが付き、直観的な操作感も新鮮です。
Z50 IIはファインダー部分が突出している感がなくなり美しいフォルムになりました。コンパクトなボディに、キットレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを付けた合計の重量は685gと軽く、手のひらサイズでバランスよく持つことができます。
Nikon Z50 IIとNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRにレンズフードを付けるとビジュアルも◎
グリップは指のかかりがよくなり、ホールド性が増したように感じます。操作ボタンも押しづらい心配に配慮されたサイズになっていると思います。メディアはシングルスロットでSDカード1枚(UHS-II規格に対応)、バッテリーはEN-EL25a。つい楽しく撮っているうちにバッテリーがなくなってしまうので、もう一本予備に持っていると安心。USBはType-Cになったのでモバイルバッテリーで給電できるのも便利です。
真上から俯瞰するとキットレンズと一体化したようにコンパクト。
レンズフード、ホットシューカバー、バッテリチャージャーMH-32が同梱されていないので買い足しアイテムにおすすめ。
撮影ダイヤルの右に「ピクチャーコントロールボタン」が付きました。「色」で表現して欲しいメーカー推しを感じるZシリーズ初のボタンです。ピクチャーコントロールとクリエイティブピクチャーコントロールを合わせると31種類、さらにカスタムした設定を最大9つまで追加することができます。もっと色のバリエーションが欲しい場合はクリエイターさんが作り出した色「イメージングレシピ」に対応しているので、Nikon Imaging Cloudのサイトから登録すればさらに楽しみが増えます。
EVFファインダーは約236万ドットでZ 50と同じですが、輝度が2倍になり、撮影シーンが明るい状況でも画像を鮮明に表示してくれるので視認性が高く、細かい部分も確認しやすくなりました。 背面のモニターはバリアングル式です。
バリアングルモニターをカバー側にするとNikonのロゴがいい感じ。
プラスボタン、マイナスボタンが独立して使いやすいです。
自撮りモードや商品レビューモードのときは、バリアングルのモニターを回転させて使います。
対岸にある桜島を標準ズームレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのテレ側(50mm)で撮りました。桜島の陰影や海岸付近の建物が立体的で解像感があるのに驚きです。キットレンズのシャープな描写がマッチする光景でした。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
絞りF6.3・1/1600秒・ISO400・WB晴天・+0.3・クリエイティブピクチャーコントロール ピュア
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
クリエイティブピクチャーコントロール「ピュア」で。
ワイド側(16mm)で日本一の大楠と神社を順光で撮りました。ピクチャーコントロールはポートレートにするとスタンダードよりも葉や苔などのグラデーションや空を色鮮やかに、うねりのある枝や節のある幹を明るく描写できました。爽やかにパワーある印象に撮ることができて縁起良いです。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
絞りF16・1/50秒・ISO400・WB晴天・+0.3・ピクチャーコントロール ポートレート
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
がちがちカリカリ写真にならないアレンジはピクチャーコントロールを使いこなすのがおすすめです。
キットレンズで身軽にスナップできますが、今回いろいろなシーンでレンズ交換をして撮ってみたところ、APS-Cのカメラはフルサイズよりボケないとか、描写がもの足りないなどのマイナスイメージを吹き飛ばす写りにびっくり。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 40mm f/2
絞りF7.1・1/60秒・ISO1800・WB晴天日陰・+0.7・ピクチャーコントロール フラット
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
陶器の質感や花びらのやわらかさが引き立ち、鮮やかな色をリッチに写しだしています。
Sラインではなく小さくて軽いコスパ重視のNIKKOR Z 40mm f/2でもステキ。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR
絞りF16・1/50秒・ISO400・WB曇天・+0.3・クリエイティブピクチャーコントロール ドリーム
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
凛々しく可愛い佇まいを縦位置構図で。
ローアングルのときはバリアングルモニターがあってよかったと思う瞬間です。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 24-120mm f/4
絞りF4・1/200秒・ISO400・WB晴天・+1.3・ピクチャーコントロール ポートレート
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
飽和ギリギリで色鮮やかに、玉ボケのある優しいトーンも描写できます。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 50mm f/1.4
絞りF2.2・1/80秒・ISO400・WB白色蛍光灯・+0.7・ピクチャーコントロール ピンク
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
ショーウインドーの映り込みでミラーのようにファンタジックな写真を撮りました。
クリエイティブピクチャーコントロールの「ピンク」で雰囲気アップ。
Z50 IIの常用ISO感度は100-51200。
船の上から見えた横浜ベイブリッジをISO10000で手持ちスナップしました。予想以上の高感度画質で◎です。高感度性能に余裕があると夜景や暗い部屋でも気軽にスナップできるのがうれしいです。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 24-120mm f/4
絞りF2.8・1/400秒・ISO400・WB晴天日陰・-0.3・ピクチャーコントロール リッチトーンポートレート
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
カラーノイズを打ち消しながらも橋のラインや輪郭が崩れず自然な立体感をキープしています。
AF-Cと組み合わせるAFエリアモードに、輝度と色を認識して追い続ける「3Dトラッキング」が搭載されました。これだけでも十分と思っていましたが、被写体検出機能も増えて「オート」「人物」「動物(犬・猫)」のほかに、「鳥」、「飛行機」、「乗り物(車・バイク・自転車・列車)」から選べるようになりました。シャッター全押し前の瞬間を捉える「プリキャプチャー」機能(JPG保存のみ)もあります。
初めてのナベヅル。シングルAF、オートエリア+被写体検出「鳥」、どちらのAFが合いやすいのか試したところ、ローコントラストの条件下でオートエリアの方が目にAFが合いやすいと感じました。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
絞りF8・1/1600秒・ISO6400・WB晴天・-0.3・クリエイティブピクチャーコントロール ドリーム
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
オートエリアは初心者向けと思っていましたが、威力を発揮。頼れます♡
鳥の次は飛行機!遮りとAFの追従も確かめたかったので、AFロックオンを「鈍感」、高速連写、AF-C、3Dトラッキング、被写体検出「飛行機」に設定。誘導灯の下に見える位置から飛行機が顔を出すまで連写し、ピントを逃さず撮り続けることができました。AFが逃げることなく撮れると攻め感のある瞬間が狙えます。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
絞りF11・1/500秒・ISO900・WB自然光オート・ピクチャーコントロール モノクローム
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
船の上から誘導灯を見上げて、鉄骨と旅客機のラインが揃う瞬間が狙い通りに。
AFの精度や追従性は動画でも活躍します。AF-Aにすれば止まったり動いたりする被写体のピント合わせがラク。4K UHD 30pの撮影では解像感の高い映像になります。写真メインでカメラを使うひとにとって動画は手軽さ重視ですが、クオリティ高い映像が撮れるのはうれしいですね。
今回実写していませんが、ユニークな動画機能として、「商品レビューモード」があります。あらかじめ「美肌効果」ONで美しく、RECボタンを押した数秒後に録画する「動画セルフタイマー」を使えばワンオペでもスマートに操作できます。USBケーブルをスマホやPCにつなげてWEBカメラとして使えるのでSNSで動画配信する方に最高かも。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
絞りF8・1/250秒・ISOオート(ISO140)・WB自然光オート・+0.3・クリエイティブコントロール トイ・ブルー・ドリーム
クリエイティブピクチャーコントロールで色を変えると気配も変わります。
トイ→ブルー→ドリームに変えて乗り鉄ムービー。
Nikon Z50 II・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
絞りF4・1/50秒・ISOオート(ISO1800)・WBオート2・+1.3・ピクチャーコントロール リッチトーンポートレート
ハリネズミが思ったように動いてくれなくて苦戦しました笑。
こういうシーンでも小さいカメラとレンズの組み見合わせは活躍します。
「オート」や「シーンモード」でカメラ初心者さんに親しみやすい雰囲気を持つZ50 IIですが、小さいサブ機として2台目カメラを探している方も要注目!AF精度や追従性、被写体検出など基本的な撮影機能がZ50と比べられないぐらい進化していると感じました。
APS-Cの小型軽量で動きのあるシーンに強くなったのは大きいと思います。操作感もブラッシュアップされて使いやすく、「ピクチャーコントロールボタン」で自分らしい表現を色でワンランクあげられる気持ちになる楽しさや動画も推しポイント。ボタンひとつで色を気軽に変えながら撮影するのも楽しいですね。 キットレンズで、ときにはレンズ交換してポテンシャルを引き出せるとさらに魅了を増すカメラです。
» 詳細を見る
» 詳細を見る
» 詳細を見る
» 詳細を見る
» 詳細を見る
» 詳細を見る
Photo & Text by ミゾタユキ