SONY Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAの実写レビューです。
「ZEISS Sonnar」の名を冠した、ソニーEマウントのAPS-Cセンサー用、広角単焦点レンズは、携帯性と機動性、表現力を兼ね備えた、シーンを選ばず使い易いレンズとなっています。
2011年12月発売とソニーEマウント用レンズとしては初期の製品ですが、最新ボディと組み合わせた際の画質、使用感などをご紹介します。
特徴/操作性
Eマウント初のツァイスレンズ
上位グレードである事が感じられる高い質感
効果が期待出来る大きめの専用フード
実写レビュー
色乗りが良くコントラストも高い描写
俊敏なオートフォーカス
扱いやすい画角
高い近接撮影能力
画質
解像感
周辺光量
FE 28mm F2との比較
まとめ
SONY (ソニー) Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAは、SONY Eマウント用レンズで初めてZEISS(ツァイス)の名を冠したレンズです。
フルサイズセンサーを搭載したα7が発売される前だった為、APS-Cサイズセンサー用のレンズとなり、F1.8の明るさと35mm判換算で36mm相当の人気の画角を持った扱い易い単焦点レンズと言えるでしょう。
比較的スタンダードなグレードからスタートしたSONY Eマウントシステムですが、そんな中初めて投入された高級タイプのレンズになります。
金属製の外装パーツには文字表記に彫り込みを使用、側面のZEISSロゴのバッジは立体的な加工がされており質感の高い仕上げです。
バイワイヤ方式を使ったフォーカスリングの操作感も滑らかで、高級感のある外観と併せてグレードの高さを主張します。
シンプルなデザイン性を優先した為か、レンズ本体にフォーカスモード切り替えスイッチが無いあたりに、熟成不足の印象を受けますが、創成期のレンズという事で仕方のない部分かもしれません。こういった土台があったおかげで、高級感だけでなく操作性も一流の「Gマスター」など現在のSONYのレンズがあるのでしょう。
付属のプラスチック製フードは上質な仕上げで、金属製のレンズに取り付けても違和感はありません。
やや大きめで高い効果が期待できそうな反面、レンズ本体がコンパクトというメリットを、いくらか損なうので取り付けるか少し迷います。
こういった仕様からもレンズ設計のコンセプトが画質に置かれている事が垣間見える事は間違いないでしょう。
今回のテストボディはAPS-Cセンサー搭載機の中で最上位機種のα6600を選択しました。
レンズが発売された当時のボディであるNEXシリーズから、かなり時間が経過しており、より画素数やオートフォーカス性能が向上した新しい世代のボディとの組み合わせでどれ程の実力を発揮するのか見てみたかったのが理由です。
共通設定として、クリエイティブスタイルはスタンダード、ホワイトバランスはAWB、レンズ補正は全てオフ、その他は初期設定のままとしています。身軽な装備で公園を散策しながら撮影しました。
フィルター径 | 49mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.16m/0.25倍 |
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最小絞り | 22 | 絞り羽根 | 7枚 |
長さ | 65.5mm | 重量 | 約225g |
フジヤカメラでは、SONY(ソニー) ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
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ZEISS(ツァイス)の銘を冠したレンズらしく濃厚な色乗りです。カメラの画作り設定は「スタンダード」ですが、実物よりも鮮やかに描写されていると感じました。
いずれの写真も絞りは開放かそれに近いF値を選択していますが、高い解像感は無いもののコントラストが高く、ものの形がしっかりと描写されるZEISSらしい写りです。
絞り込むほどに解像感が高くなっていくのもZEISSらしい素直な特性なので、是非表現に活かしたいところです。
AF駆動はインナーフォーカス方式で、素早く俊敏に動作してくれます。
NEXシリーズの頃から単焦点レンズとしてはAF速度が比較的速い方だと思っていましたが、ボディ側の進化もあってかさらに素早く俊敏に動作しているのが体感できました。
ピントが迷ってしまうような場面でも、α6600ならタッチフォーカスやトラッキング機能でカバーできるので、古いレンズでも最新のカメラで使うと思った以上に使い易いと改めて感じました。
35mm相当の焦点距離は構図を整理しやすい適度な画角と、背景を広く写しながら遠近感が付き過ぎない自然な描写が得られるスナップなどに人気の扱い易いレンズです。
フットワークを使って画角や構図のコントロールがしやすく、自身が積極的に動く事で、容易に写真に変化をつけられます。
色乗りの良さが引き立って、被写体の味わいの様なものが感じ取れるような、質感描写に優れていると思いました。
Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAは最短撮影距離:0.16m、最大撮影倍率:0.25倍と高い近接撮影能力を持っています。
スナップなどでオールマイティーに使いたい時、マクロに強い事は大きなメリットとなるでしょう。
ZEISSレンズらしく柔らかく美しいボケ味が近接時に健在なのも嬉しいところです。
作例10を拡大して画質を見てみます。
開放ではコントラストは高いものの解像感は低めのZEISSらしい描写性能です。
絞り込む事で解像感が増していくので、シャープに高解像で撮りたいならある程度絞り込んで撮影するといいでしょう。
絞り開放の作例10と比較すると、F5.6まで絞った所で周辺部の光量落ちは気にならなくなりました。カメラ側で周辺光量補正のオン・オフ切り替えができるので、撮影目的や好みに応じて切り替えるのが良さそうです。
SONY(ソニー) Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAとスペックが近い明るい単焦点として、SONY(ソニー)純正のFE 28mm F2があります。
FE 28mm F2がフルサイズ用という事を除けば似たスペックの2本ですが、近接性能に大きな違いがあります。Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAの最短撮影距離:0.16m、最大撮影倍率:0.25倍に対して、FE28mm F2は最短撮影距離:0.25m、最大撮影倍率:0.16倍(MF時)で、Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAに大きく分があります。
対するFE28mm F2はフルサイズ用である事が大きなメリットなので、将来フルサイズ機を購入するかどうかが、どちらを選ぶかのポイントになるでしょう。
・35mm判換算36mmの使い易い画角のレンズです
・ZEISSブランドで操作感やデザインに高級感があります
・ZEISSらしいコントラストの高い描写性能を持っています
・最大撮影倍率0.25倍で近接撮影に強いレンズです
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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