事の発端は、オリンパスの担当:F氏のこんな一言でした。
F「Kさん、雨の中で写真撮って来てくれませんか」
K「エ?雨の中で写真撮るの?嫌だよ、カメラ濡れちゃうし」
F「カメラ貸しますから。濡らしちゃっていいですから、というか濡らして下さい!」
K「エ?濡らしていいの?」
当たり前のようにカメラに防塵・防滴機能が搭載され、確かに最近のカメラは雨などの悪天候に強くなりました。デジタルカメラが主流となり、フィルム装填の為の大きな開口部が無くなった事も大きいと思います。
しかし、私は古い人間なので「カメラは濡らしてはいけないもの」という先入観があって、たとえ防塵・防滴機能が搭載されたカメラでも、到底雨に濡らすようなことはできませんでした。
そんな私に、メーカーからまさかの「濡らしてください!」発言!尻込みしたのは言うまでもありません。大切なカメラを濡らすなんて私にはできないと思いつつ、これはチャンスだ!と思いました。
自分にリスク無く、カメラを濡らす、防塵・防滴機能のフィールドテストが出来るのです(現金な奴)。「わかりました。やりましょう!でも私はリアルにこだわるから、本当に雨が降ったらやるよ」
オリンパスの担当:F氏が貸してくれたボディは、OM-D E-M5 Mark III 、レンズは M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 。いずれも、高い防塵・防滴性能だけでなく、高性能、高画質を誇る機材です。不自由な撮影を考慮して、小型軽量な機種をセレクトしているのも、さすが担当:F氏、わかってます。
しばらく、梅雨の前の晴天が続き、じりじりした日々を過ごしましたが、ついに関東も梅雨入り!雨の降る中テスト撮影に出かけました。折角なので、季節の花「紫陽花」で有名な高幡不動に向かいます。向かいますが、なんかすごく降ってきたぞ!大丈夫だろうか?心配になってきました。
到着時にはもうザーザー降りと言っていい状況でしたが、これが逆に幸いでした。バックから オリンパス OM-D E-M5 Mark III を出した瞬間から、あっという間にカメラもレンズもびしょ濡れ。初っ端からカメラが濡れる事を気にしている余裕は無かったので、直ぐにカメラが濡れることに慣れてしまいました。覚悟が決まれば、カメラが濡れることを気にせず、傘もささずに撮影できるのは、快適この上ありません。
雨の中で見る紫陽花の花は、晴天下で見るよりもより瑞々しく、生き生きと見えます。カメラを濡らしても大丈夫!と安心して撮影に集中できるので、雨の中でもモチベーションが上がります。
カメラはあっという間にびしょ濡れです。この状態で、各種ボタン操作、バリアングルモニターの操作、レンズのズーム他、レンズ交換以外の全ての操作を晴天時と同様に出来るのは、非常に便利です。
軽量コンパクトさも、雨天時の撮影では OM-D E-M5 Mark III の大きな武器で、上の写真のように片手でカメラを構えての撮影も、大きなストレスにはなりません。
雨が強くなったので、林の中に逃げ込みました。木々に遮られた、柔らかい光に照らされる紫陽花の花もいいもので、細かい水滴が花や葉に付いて、雨の季節の花を象徴する小道具として作用しました。
雨が降る中の薄暗い林の中での撮影でも、オリンパスの強力な手ぶれ補正のおかげで、ISO感度を大きく上げる必要はありません。手ぶれすることなく、ノイズの少ないシャープな画が撮れました。
濡れた石畳をバックに、大輪の花を咲かせた紫陽花を撮りました。オリンパスが採用するマイクロフォーサーズは、センサーサイズが小さいシステムなので、どうしても高感度に弱いカメラになってしまいます。実はこれを強力な手ぶれ補正が補ってくれているのです。
スローシャッターでもブレない写真が撮れる手ぶれ補正のお陰で、ISO感度を下げられ、結果的に滑らかで高画質な写真が撮れます。
ちょっとあれな名前と、独特の匂いであまり人気のないドクダミですが、お茶になったり、薬草として使われたり、昔から生活に密着して利用されて来た植物だそうです。白い小さな花と、雨に濡れて輝いた葉が美しくて、カメラを向けました。
オリンパス OM-D E-M5 Mark III のバリアングルモニターは、ローアングルも楽々撮れます。また、カメラが濡れる事を気にしていたら、ここで写真を撮ろうとは思わなかったかもしれません。快適に扱える機材は、撮影枚数を多くしてくれます。
雨の中での撮影では、液晶モニターも雨で濡れてしまいます。モニターも勿論防塵・防滴になっていますが、タッチパネルの反応はどうでしょうか?今回の撮影ではタッチパネルが反応しないような事もなく、いつもどおり快適に使うことができました。よほどびしょ濡れにならない限り、タッチパネルの反応も大丈夫そうです。
今回使用した防塵・防滴性能を持った標準ズームレンズ M.ZUIKO 12-45mm F4.0 PRO は、PROシリーズのレンズだけあって、写りについても優秀です。
上の写真から枠内を拡大して解像感を見てみます。
花や葉の細かいディテールまで描写されていてシャープです。防塵・防滴機能を持ち、コンパクトで、開放絞り値もズーム全域でf4固定の使い勝手のいいレンズは、描写性能においてもトップクラスの高性能さを誇ります。
雨を喜ぶのは、紫陽花ばかりではありません。境内には多くの植物が茂り、さながら小さな植物園にいるように、バリエーションに富んだ草花を撮影できました。
実は、雨の中で撮影するメリットの一つに、人が少ないという事が挙げられます。紫陽花のシーズンということもあり、普段なら多くの人出がありそうですが、この日は数人のカメラマン、参拝客とすれ違うだけでした。
雨であろうと、撮影中には頻繁にズームリングを操作します。オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO は、もちろんボディ同様に防塵防滴構造なので、雨の中ズームしても問題ありません。
可動部分なので、少し不安に思いましたが、2時間の撮影中頻繁にズームを操作しても、レンズに水が入る、内側が曇る等の問題は起きませんでした。
雨に濡れる花びら(実際にはガクですが)を近接で狙いました。紫陽花はマクロで狙われることの少ない花だと思いますが、寄ってみるとそれなりに味わいがあります。
オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO のメリットの一つに、近接能力に長けているという事が挙げられます。
もう少し寄りたいなと思った時でも、マクロレンズに変える事無く、標準レンズのまま寄れるのは、特に悪条件下の撮影では便利です。なによりレンズの最短撮影距離を意識しないで撮れるのは、オリンパスの高速なオートフォーカスと併せて、撮りたいものが撮りたい時に、撮りたい大きさで撮れ、とても快適でした。
防塵防滴性能だけでなく、1本でオールマイティーに使える標準レンズは、雨天時の撮影を格段に快適なものにしてくれました。
時間が経つにつれて雨が激しさを増し、さらに風も強くなってきました。このような中で、傘を差しながらの撮影が可能でしょうか?
信頼性の高い、優れた防塵・防滴性能を誇る、ボディ、レンズだったからこそ撮れた、撮る気になった写真です。
雨の中、2時間程の撮影でしたが、OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO の組み合わせは、トラブル、誤作動も無く、快適に撮影に集中できました。
晴天時とほとんど同じように撮れる、オリンパスの防塵・防滴性能に助けられて、正直言ってかなり楽しかったです。雨降りの時にしか撮れない写真もあります!
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