OM SYSTEM OM-3 実写レビュー × 写真家 川野恭子|上位機譲りの性能を持った小型軽量OM最新モデル

目次
はじめに「用の美」を体現するカメラ
「OM SYSTEM OM-1 Mark II」同等の基本性能
OM-1 Mark IIと同じ点
OM-5と同じ点
OM-3ならではの点
カラープロファイルコントロール・モノクロプロファイルコントロール
カラープロファイルコントロール
4つのプリセット
モノクロプロファイルコントロール
4つのプリセット
スローシャッター効果を楽しむライブND
目で見た印象に残せるライブGND
シネマチックな映像を楽しめるOM-Cinema1 / OM-Cinema2
OM-3に合わせたくなるレンズ
高解像撮影が可能なハイレゾショット
山にも街にも。どこにでも連れて行きたくなる愛おしい存在
まとめ
作例に使用したレンズ
作例に使用したカメラ

川野恭子(かわの・きょうこ)
「日常と山」を並行して捉え、自身に潜む遺伝的記憶の可視化を試みた作品制作を行う。ここ数年は山小屋勤務を経験しながら、山の歴史・文化に造詣を深めることに努めている。メディアへの写真提供、撮影、執筆、講師、テレビ出演(NHKにっぽん百名山ほか)など、多岐に渡り活動。京都芸術大学通信教育部美術科写真コース非常勤講師。著書に、写真集『山を探す』(リブロアルテ)、織田紗織氏との共著『山の辞典』(雷鳥社)ほか多数。
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はじめに「用の美」を体現するカメラ
日本には、物の実用性や機能性を重視した美しさを指す「用の美」という言葉があります。単に美しいだけでなく、使い勝手や効率性が優れたものに対して感じられる美しさのことを指します。日常使いの食器や家具などが挙げられますが、カメラにおいても用の美が存在するとすれば、まさしくOM SYSTEM OM-3は用の美を体現したカメラではないでしょうか。
OM-3は、往年のフィルム一眼レフカメラ「OLYMPUS OM-1」の設計思想を継承したデザイン。OLYMPUS OM-1が可能な限り小型軽量を目指した結果、美しさと機能性だけ残ったとするならば、OLYMPUS OM-1の設計思想を受け継いだOM-3もまた用の美を体現したカメラといえるでしょう。
とはいえ単なる懐古主義ではなく、新たにダイヤルやボタンが追加されるなど、歴史や伝統に敬意を払いながら現代に合ったスタイルで登場しています。撮影するたびに喜びを感じ、手に馴染んでいくカメラであることを実感しています。
それでは、鎌倉祇園山ハイキングコースを歩きながら撮影した作品とともに、OM-3の魅力をお伝えしようと思います。
「OM SYSTEM OM-1 Mark II」同等の基本性能
山をフィールドとする川野はこれまで、OM-5を愛用してきました。理由は、山では可能な限り軽量化を図りたい、かつ防塵・防滴、耐低温であることが重要だから。OM-5の表現力は気に入っていましたが、OM-1 Mark IIに搭載されている「ライブGND」や、昔愛用していたPEN-Fの「カラープロファイルコントロール」が搭載されていたら…と思ったことも事実です。
ところが、OM-3の登場に心躍りました。OM-1 Mark IIと同等の基本性能を有しながら、まさかの「OLYMPUS OM-1」譲りの美しいデザインで登場したのですから。
OM-1 Mark IIと同じ点
有効画素数約2037万画素
画像処理エンジン True Pic X
常用ISO感度 LOW(約80相当)〜 25600
IP53の防塵・防滴性能
コンピュテーショナルフォトグラフィ(ライブND128以外すべて搭載)
1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF方式
AI被写体認識AF(「人物」「鳥」「犬・猫」「車・オートバイ」「飛行機・ヘリコプター」「電車・汽車」)
電池(BLX-1)
OM-5と同じ点
SDスロット数(1スロット)
手ぶれ補正(ボディ内手ぶれ補正 最大6.5段、シンクロ手ぶれ補正 最大7.5段)
OM-3ならではの点
静止画/動画/S&Qダイヤル(静止画、動画、スローモーション&クイックモーション動画に素早く切り替え可能)
動画専用ピクチャーモード(OM-Cinema1、OM-Cinema2)
クリエイティブダイヤル(カラープロファイルコントロール、モノクロプロファイルコントロール、カラークリエーター、アートフィルター呼び出し)
ワイヤレスリモコン(RM-WR2に対応、RM-WR1は非対応)
重量約496g(付属充電池およびメモリーカード含む、アイカップなし)
ダイヤル・ボタン類が多く存在するので、直感的な操作が可能。モードダイヤルから5種のカスタム呼び出しができるのも便利。川野の場合、C1にはいつもの撮影設定、C2には星撮影の設定などを登録している。
CPボタンにより、コンピュテーショナルフォトグラフィ機能が素早く呼び出せるようになり、「撮りたい」と思った瞬間を逃しにくくなった。
静止画/動画/S&Qダイヤルにより、静止画、動画、スローモーション&クイックモーション動画に素早く切り替え可能。写真も動画も、両方残したいときに役立つ。
クリエイティブダイヤルから、カラープロファイルコントロール、モノクロプロファイルコントロール、カラークリエーター、アートフィルターへ切り替え可能。
以上の点を見ると、OM-3は静止画も動画も、カメラひとつで自分らしい表現が可能なカメラだということがわかります。OM-1 Mark IIより103g軽く、OM-5より82g重くなりましたが、これほどの高性能でIP53の防塵・防滴。しかも、金属製のボディでよくここまで小型軽量にできたな…と驚くばかりです。
初めて手にしたとき、グリップレスなのが気になりましたが、よほど長くて重いレンズを装着しないかぎり気になることはありませんでした。OM-5のときはPROレンズをメインに使用していましたが、OM-3には小さいレンズを装着したくなることに驚いています。
カラープロファイルコントロール・モノクロプロファイルコントロール
川野は色にこだわりを持つ写真家なので、自由な色づくりが楽しめるカラープロファイルコントロール/モノクロプロファイルコントロールが搭載されたのは嬉しい点でした。この機能のコンセプトは「フィルムライクな仕上がりをたのしむ」。それぞれ4つのプリセットが用意されており、手軽にフィルム感覚の仕上がりを楽しむことができます。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II ・34mm相当 (35mm判換算)
絞りF7.1・1/4秒・ISO200・WB曇天(R+4,G+5)・+0.3EV補正・ライブND32・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi:+3, Mid:+3, Sh:±0・コントラスト-2
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鎌倉にはたくさんのパン屋さんがあるけれど、朝早くから空いているのがこちらの日進堂さん。祇園山ハイキングコース登山口近くにあるので、立ち寄りやすいのです。街に根ざしたパン屋さんらしい店構えがかわいいですね。
カラープロファイルコントロール
12色の彩度をそれぞれ11段階で設定可能な機能です。赤色を濃くしたり緑色を薄くしたりするなど、自由な色づくりができます。例えば、赤色のチューリップの色飽和を抑えるために赤色だけを薄くする…という使い方や、桜の花の色だけを濃くする…ということが可能です。加えて、明部/中間部/暗部の明るさを個別に設定できる「ハイライト&シャドウコントロール」、画面周辺部の明るさを調整する「シェーディング効果」、シャープネス、コントラストなど、カメラひとつで細かく調整できるので気に入っています。
川野は今回、黄色みが強め&コントラスト弱めなフィルムをイメージして色づくりを楽しみました。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II ・34mm相当(35mm判換算)
絞りF1.8・1/500秒・ISO200・WB曇天(R+4,G+5)・+0.3EV補正・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+3, Mid+5, Sh±0・コントラスト-2
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たくさんの種類のパンが並んでいて、どれにしようか迷うほど。この写真に写っているのはほんの一部。今回はあんぱんを選びました。店主さんに撮影してよいかお声がけしたら笑顔で快諾。地元の人に愛されている様子がうかがえます。
設定としては以下のとおりです。
2)ハイライト&シャドウコントロールで、主に中間部を明るめに。明部は抜けを作るため少し明るく、暗部は場合により明るめに。
3)コントラストは、明暗差を弱めて柔らかい印象にしたいので「-2」か「-1」に。
4)ホワイトバランスは、黄色みを加えるため「曇天」に設定し、さらに赤と緑をプラス。
4つのプリセット
4種のプリセットが用意されているので、好みのプリセットを選ぶだけで手軽にフィルムライクな仕上がりを楽しめます。選択したプリセットをベースに細かい調整も可能です。川野の色設定は、「COLOR1:標準」をベースに設定しています。
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COLOR1:標準(Natural)
標準(Natural)のプリセット(各設定がデフォルトの±0)
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COLOR2:クロームフィルム リッチカラー
渋みと濃厚感のある色調を得られるプリセット
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COLOR3:クロームフィルム ビビッド
彩度が高く、濃厚な発色のフィルム風効果が得られるプリセット
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COLOR4:クロームフィルム ソフトトーン
淡く柔らかい色調を得られるプリセット
モノクロプロファイルコントロール
本格的なモノクロ表現を楽しむことができる機能です。
カラーフィルター機能(8種類3段階の強度で設定可能)を使うと、選択した色は明るく、反対色は暗く表現できるほか、明部/中間部/暗部の明るさを設定できる「ハイライト&シャドウ」、画面周辺部の明るさを調整できる「シェーディング効果」、シャープネス、コントラスト、さらに「粒状フィルム効果」や「調色」も楽しめます。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II・34mm相当 (35mm判換算)
絞りF1.8・1/320秒・ISO200・WBオート・-0.3EV補正・モノクロプロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi:+5, Mid:±0, Sh:-6
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日進堂さんの名物はカレーパンらしく、レジ前にたくさん積まれていました。
カラーフィルター(緑Level +2)を選択すると補色の橙色が濃くなるので、カレーパンの揚げ色が強調されます。さらに粒状フィルム効果(弱)で、衣のざくざく感を演出しています
4つのプリセット
モノクロプロファイルコントロールにも4種のプリセットが用意されているので、モノクロフィルムライクな仕上がりを手軽に楽しめます。選択したプリセットをベースに細かい調整も可能です。
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MONO1:標準(モノトーン)
標準(モノトーン)のプリセット(各設定がデフォルトの±0)
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MONO2:クラシックフィルム モノクロ
モノクロ粒状フィルム効果のざらっとした風合いで、モノクロフィルム調の仕上がりになるプリセット
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MONO3:クラシックフィルム IR
赤のカラーフィルター効果を強調することで赤外線フィルムのような効果が得られるプリセット
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MONO4:クラシックフィルム ローコントラスト
コントラストを抑え、柔らかい印象に仕上げるプリセット
スローシャッター効果を楽しむライブND
複数の画像を合成し、擬似的にスローシャッター効果を楽しめる機能です。OM-3はライブND64 (ND2~ND64 6段階)まで使えるので、昼間の明るい時間帯でもスローシャッター効果を楽しめます。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II・34mm相当(35mm判換算)
絞りF2.8・1/4秒・ISO200・WB曇天(R+2,G+3)・0.0EV補正・ライブND32・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+3, Sh±0・コントラスト-2
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祇園山ハイキングコースの登山口がある鎌倉市大町の八雲神社。京都の祗園社を勧請したのが起源だそう。厄除け開運の神社として知られています。地元の人に慕われているらしく、保育園のおさんぽコースになっていました。
※境内の撮影許可はいただいております。
鬼ごっこをしている園児たちの様子が微笑ましかったので、ライブND32によるスローシャッター効果で人物をぶらし、動きをつけて撮影しました。お顔が見えなくなることでプライバシーの配慮にもつながりますね。水の流れがある場所なら白糸のような写りも楽しめます。光学フィルターを持ち運ぶ必要なく、装着する手間も不要。ボタンひとつで効果を楽しめるのが、山では特にありがたいと感じています。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II・34mm相当(35mm判換算)
絞りF1.8・1/320秒・ISO200・WB曇天(R+2,G+3)・+2.0EV補正・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+3, Sh±0・コントラスト-2
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八雲神社さんにご挨拶したのちおみくじを授かりました。結果は「小吉」。苦労は多いけど、誠意をもって進めば幸せの道が開けるとのこと。明るい未来を祈願するべく、玉ボケで背景を埋め尽くしました(笑)
ライブNDとは関係ありませんが、八雲神社さんのおみくじがかわいくて思わず撮ってしまいました。
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II の解像感と滑らかなボケが美しいですよね。手のひらに収まるほど小さいレンズは、OM-3とのバランスが最高に良いのでお気に入り。II型は防塵・防滴になったので、山にも気兼ねなく連れていけます。
目で見た印象に残せるライブGND
ハーフNDフィルターの効果をデジタルで擬似的に再現できる機能です。画面を2分割したうちの片方にNDフィルター効果をかけることができます。GND段数(2, 4, 8)、フィルタータイプ(Soft, Medium, Hard)を選べるので、9枚分のフィルターを持つのに等しい効果をボタン・ダイヤル操作だけで得ることが可能です。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II・ 34mm相当(35mm判換算)
絞りF8.0・1/20秒・ISO200・WB曇天(R+2,G+3)・0.0EV補正・ライブGND4 Hard・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+3, Sh+5・コントラスト-2
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八雲神社さんは社叢(しゃそう)の木漏れ日が美しく、気持ちよく参拝できます。祇園山ハイキングコースで素敵な被写体に恵まれますように…お邪魔します、とご挨拶してから向かいました。
木漏れ日が落ちる美しい境内を撮影しようと思いましたが、爽やかな印象にするために露出を上げると、空や鳥居が明るくなりすぎてしまいます。このような明暗差のある場所こそ、ライブGNDの出番。鳥居の貫(ぬき)から上部に境界線を配置し、境界線より上に効果を加えることで、目で見た印象に近い画に仕上がりました。
ライブGND4 Hard を適用した箇所
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ライブGND 使用前
フィルター効果の境界位置は、ファインダーやライブビューで確認しながら設定できます。境界線の位置は上下左右、回転角度も自在に操ることができるので、思いどおりの場所に効果を適用できます。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO・48mm相当(35mm判換算)
絞りF8.0・1/125秒・ISO200・WB曇天(R+1,G+1)・+1.0EV補正・ライブGND4 Medium・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+2, Sh±0・コントラスト-2
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八雲神社さん脇の登山口から10分ほどで見晴らし台に到着。鎌倉市街と由比ヶ浜、そして海の向こうに大島が一望できるお気に入りのスポット。天気の良い日は富士山も見えます。
こちらの作品は水平線の少し上に境界線を配置し、空の明るさを抑えました。目で見た印象どおりに残すことができて気に入っています。
ライブND同様、ライブGNDも光学フィルターを持ち運ぶ必要がないので軽量化につながりますし、何より9枚分のフィルターを買わずとも効果を楽しめるので、なんだかお得な気がしますね。
シネマチックな映像を楽しめるOM-Cinema1 / OM-Cinema2
OM-3には、動画ピクチャーモード「OM-Cinema1」と「OM-Cinema2」が新たに加わり、シネマライクな色合いの映像を手軽に楽しむことができるようになりました。OM-Log400同等のハイライトダイナミックレンジの広さを確保しているので、白トビしにくいのも大きな魅力です。
中間輝度は自然な色合い。ハイライト部にはイエロー調、シャドウ部には青調の色味が加わり、暖かみがありつつも落ち着いた印象。陰影のある仕上がりなので山や森の景色におすすめ。
中間輝度は自然な色合い。ハイライト部とシャドウ部にシアン調の色味が加わるのが特徴。コントラスト弱めの柔らかい印象に仕上がるので、海や空、人物などにおすすめ。
また、OM-3から新たに「静止画/動画/S&Qダイヤル」が加わったので、写真も動画も、両方気軽に楽しめるようになりました。特に便利なのがS&Qモード。スローモーション動画やクイックモーション動画へ素早く切り替えができるので、エモーショナルな映像表現が楽しめます。
OM SYSTEM OM-3・OM-Cinema1・4K24fps・0.4倍速
祇園山ハイキングコースには、ヤブツバキの木がたくさん。冬の低山は色が少ないのですが、椿の花が景色に彩りを添えていました。
川野は、S&Qモードに、撮影フレームレート4K60fps、再生フレームレートに4K24fpsを設定し、0.4倍速のスローモーション動画が撮れるように設定していました。
ちなみに、動画撮影時のシャッター速度は、撮影フレームレートの2倍が基本になります。24fpsなら1/48秒、30fpsなら1/60秒、60fpsなら1/125秒で撮影すると滑らかな映像が得られるのです。晴天下の明るい場所で撮影していたので、露出オーバーにならないようNDフィルターを装着しました。
OM SYSTEM OM-3・OM-Cinema1・4K24fps
この日の思い出を1分ほどのVlogにして残してみました。使用したカットは13ほど。動きのあるシーンや残したいシーンを4〜8秒間ほど撮影し、動画編集ソフトでつなげました。1分くらいの動画だと気軽に編集できるのでおすすめです。
ちなみに、ジンバルを使わず手持ちで撮影しています。手ブレ補正が強力なので、写真も動画も両方気軽に撮影できますね。
OM-3に合わせたくなるレンズ
今回の撮影では、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 IIのほかに、OM-3のキットレンズとなるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO、そして、M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8 を選びました。17mm F1.8 IIはOM-3とのバランスが最高に良く、見るたびに惚れ惚れします。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II ・34mm相当(35mm判換算)
絞りF1.8・1/500秒・ISO200・WB曇天(R+1,G+1)・0.0EV補正・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+1, Sh±0・コントラスト-2
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2月下旬。美しいヤブツバキのトンネルを歩くことができました。風は冷たかったものの、春はすぐそこに。
35mm判換算34mm相当の画角なので、人間の目で見る画角より若干広め。ほどよく遠近感を活かしながら撮影することも出来るので、山歩きにもぴったりです。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II・34mm相当(35mm判換算)
絞りF1.8・1/3200秒・ISO200・WB曇天(G+1)・0.0EV補正・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi±0, Mid+3, Sh+5・コントラスト-2
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おなかが空いたのでランチタイム。お昼は日進堂で購入したあんぱん、そしてコーヒー。コーヒーセットは必ず持参しています。心地良い光とコーヒーがあれば、最高のカフェに早変わり。あんぱんとコーヒーでしあわせな時間を過ごしました。
画角的に広すぎないので、手元の撮影がしやすいのもお気に入りです。ちなみに、最短撮影距離は0.25mなので、カフェでのテーブル撮影にも適しています。
OM-3を手にして使う機会が増えたのが75mm F1.8。35mm判換算で150mm、開放絞り値がF1.8という明るさながら、小さくてスタイリッシュなので、OM-3用の望遠レンズとしてベストな一本だと感じています。クセの少ないボケ味も気に入っています。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8・150mm相当(35mm判換算)
絞りF1.8・1/400秒・ISO200・WB曇天(R+1,G+1)・+1.0EV補正・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+3, Sh±0・コントラスト-2
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ひとつの木が付ける花の数はそれほど多くありませんが、控えめに咲く様子がむしろ健気で美しいと感じてしまいます。
手の届かない位置にかわいい花が咲いているのは山ではよくあること。そんなとき、望遠レンズを持っていてよかった…と思うのです。
そして最後に、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROですが、山の撮影ではマスト、愛してやまない標準ズームレンズです。OM SYSTEMには標準ズームレンズがいくつか存在しますが、このレンズが山での使用に一番適していると感じています。広角から中望遠、そして全域でハーフマクロが撮れて防塵・防滴。そして何より小さくて軽いから、持ち運びの邪魔にならない。雨が降るとわかっているときには、このレンズ一本で勝負します。
また、小型軽量ながら高い光学性能を持つPROレンズなので、通常撮影でも高い解像力を発揮するのですが、このレンズだからこそ使いたいのが、次に紹介するハイレゾショットです。
高解像撮影が可能なハイレゾショット
複数枚の画像を合成することにより、ノイズを約2段分改善しながら高画質な画像を生成する機能です。山を歩いていると、美しく残しておきたい景色に出会うことが多々あります。大自然が生み出す山の造形や、山の上から見える街並みなど、景色の細部に宿るものをハイレゾショットは精細に残すことができます。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO・50mm相当(35mm判換算)
絞りF10・1/80秒・ISO200・WB曇天(R+2,G+3)・-0.7EV補正・手持ちハイレゾショット・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+2, Mid+3, Sh+5・コントラスト-2
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天気の良い日。もう一度、見晴らし台に戻って夕日を見たくなりました。午後になり風が強くなってきましたが、そのおかげで由比ヶ浜にあがる波のしぶきが夕日を受け、キラキラと輝いていたのでした。
ハイレゾショットは「三脚ハイレゾショット」と「手持ちハイレゾショット」が選べます。それぞれの違いは以下のとおりです。
0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら、8回撮影した画像を基に約8000万画素相当の高解像写真を生成
12回撮影した画像を基に、約5000万画素相当の高解像写真を生成
山では軽量化を図りたいことや、機動力が重要であることから、手持ちハイレゾショットで撮影することが多くなります。ハイレゾショットは合成処理が入るので、手持ちハイレゾの場合は手ぶれに注意しなければなりませんが、ボディ単体で約6.5段の手ぶれ補正能力があるので、しっかり構えていれば失敗することはありません。
ただし、画面内に動く被写体が存在するときは注意が必要です。この作品は風の強い日に撮影しました。海岸に立つ人物や電線など解像していますが、手前の草木は風に揺れているのでごく一部にブレがあります。とはいえ、風を感じられるこの仕上がりも良いな、と思うのです。
OM SYSTEM OM-3・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0・ PRO90mm相当(35mm判換算)
絞りF4.0・1/640秒・ISO200・WB曇天(R+4,G+5)・0.0EV補正・手持ちハイレゾショット・カラープロファイルコントロール・ハイライト&シャドウコントロール:Hi+3, Mid+5, Sh±0・コントラスト-2
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足元を見ると、夕日に輝く冬枯れの花。触れたら壊れてしまいそうな。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO は、広角端で0.12m、望遠端で0.23m寄ることができ、全領域においてハーフマクロを楽しめます。8mmほどの小さな花でしたが、存在感のある写真を撮ることができました。こちらも手持ちハイレゾショットですが、望遠端でこれだけ寄ってもぶれることなく合成してくれます。花びらや綿毛の質感が繊細に描かれていますよね。
山にも街にも。どこにでも連れて行きたくなる愛おしい存在
OM-3は「用の美」体現したカメラだと、使い込むほどに実感させられます。街なかでもカバンにしまわず、肩にかけていたくなる美しさ。だけど、安心して山にも連れていける頑丈さと軽快さ。それらのフィールドで思い通りに表現できる機能の豊かさ。山にも街にも、どこにでも連れて行きたくなる愛おしい存在です。
自分らしい色表現を楽しみたい方
カメラひとつで日々を美しく残したい方
写真も動画も楽しみたい方
なにより、写真が大好きな方
そのような方におすすめしたいカメラです。
まとめ
・OM-1 Mark II と同等の基本性能
・カメラひとつで最新のデジタル技術を駆使した写真表現「コンピュテーショナル フォトグラフィ」を楽しめる
・CPボタンや静止画/動画/S&Qダイヤルにより、機能の呼び出しが素早く行えるようになった
・カラープロファイルコントロール/モノクロプロファイルにより、自由な色づくりとフィルム感覚の仕上がりを楽しめる
・ライブND64まで使用できるので、明るい場所でもスローシャッター効果活かした写真を残せる
・ライブGNDにより、明暗差のあるシーンも目で見たとおりに美しく残せる
・動画ピクチャーモードOM-Cinema1 / OM-Cinema2 により、手軽にシネマチックな動画を楽しめる
・ハイレゾショットにより、ノイズを約2段分改善しながら高画質な画像を撮影可能
作例に使用したレンズ
【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
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【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
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【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
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作例に使用したカメラ
【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM OM-3 ボディー
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Photo & Text by 川野恭子(かわの・きょうこ)

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