目次
ペンタックスMXでフィルムカメラの使い方を学ぼう
フイルムカメラの名称
1.フィルムを装填する
裏蓋を開ける
フィルムを入れる
空シャッターを切る
2.カメラの露出について
ISO感度
シャッタースピード
絞り
3.露出設定をしてみよう!
4.ピントの合わせ方
スプリットイメージ
マイクロプリズム
5.フィルムの巻き戻し方
逆回転防止解除ボタンを押し込む
フィルムを巻き戻す
6.現像に出す
ペンタックス MXは、1976年発売のマニュアル一眼レフカメラで、ピントはもちろん、露出、フィルムの出し入れなど、写真を撮るのに必要な、ほぼ全ての動作を撮影者が手動で行わなければならないカメラです。
初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、実は少しの理屈さえ覚えてしまえば、誰にでもできることです。そして、ピントを合わせたり、フィルムを巻き上げたりする動作は、まさに「一眼レフで写真を撮っている」という実感を味わえる瞬間で、非常に楽しいものです。
今回は、ペンタックス MXを使って、フィルムカメラの使い方を解説していきます。
フィルムカメラの使い方を学ぶ前に、フィルムカメラの各部の名称を把握しましょう。
フィルムを入れるためには、まずフィルムカメラの裏蓋を開けましょう。フィルムカメラの多くは、巻き戻しクランクを引き上げることで裏蓋が開きます。
古いカメラの場合、建てつけが悪くなっていて、巻き戻しクランクを引き上げても裏蓋が開かないことがあります。そんなときは、巻き戻しクランクを引き上げながら裏蓋を手で開けてみてください。それでも開かない場合は、壊れている可能性があるので、買ったお店に相談してみましょう。
裏蓋を開けたら、次にフィルムを入れましょう。
フィルムカメラの多くはフィルムの出っ張りが下にくるように逆さにしてセットします。フィルムを入れたら巻き戻しレバーを元の位置に戻して、フィルムを固定します。
次に、フィルムの先端を持って、右側にある白い巻き上げ軸まで引っ張り出します。巻き上げ軸には、フィルムを差し込む隙間があるので、そこにフィルムの先端を差し込みます。
この際、フィルムの両端に開いている小さな穴(パーフォレーション)と巻き上げ軸にある小さな出っ張り(ギア)が嚙み合っていることを必ず確認しましょう。巻き上げ軸にフィルムの先端が巻き付いているのを確認したら、裏蓋を閉めます。
次に、フィルムカウンターが「0」になるまでシャッターを切ってフィルムを巻き上げます。この際に、巻き戻しクランクが回っていれば、正しく巻き上げられていることなので、しっかりと確認しましょう。
フィルムカウンターが「0」になったらフィルム装填の完了です。
フィルムの装填が完了したら、まずはじめにISO感度を設定しましょう。ISO感度とは、フィルムが光に反応する強さのことを表しています。ISO感度はフィルムごとに異なり、使用するフィルムの値に合わせてカメラ側も設定する必要があります。
上の写真では、ISO感度100のフィルムを使用しているので、カメラの感度ダイヤルを回して設定しましょう。※ペンタックスMXの場合、感度の単位が「ASA」になっていますが、ISOと値は同じです。
フィルムに光を当てる時間を変えるのがシャッタースピードです。
ペンタックスMXの場合は、シャッタースピードを1~1/1000秒まで変えることができます。
シャッタースピードは一般的に「1/レンズの焦点距離」よりも速いシャッタースピードで撮影すると手振れが起きないと言われています。
フィルムにあてる光の量をコントロールするのが絞りです。「F値」という単位で表され、数値が小さくなるほどフィルムに届く光の量が大きくなり、明るい写真を撮ることができます。
明るさのほかにも、F値が小さくなるほど背景が大きくボケるなど、写真を撮るうえで非常に重要な数値となります。
ISO感度はフィルムによって決まるので、撮影時に実際に設定するのは「シャッタースピード」と「絞り」の2つです。
ペンタックスMXでは、撮影場所の明るさを測る「露出計」が内蔵されているため、設定すべき露出値をカメラが割り出してくれます。「緑・黄・赤」のLED表示が5段階に点灯する仕組みになっており、それを参考に「シャッタースピード」と「絞り」を設定しましょう。
たとえば、1段オーバーだった場合は、そのままだと明るく写りすぎてしまいます。そういったときは、シャッタースピードを1段(例:1/125→1/250)速くすると適正露出の緑のLEDが点灯するはずです。できるだけ緑が点灯するように、シャッタースピードと絞りを調整します。
ファインダーのピント合わせを補助する2つの機能「スプリットイメージ」「マイクロプリズム」を使ってみましょう。
スプリットイメージでは、ファインダーの中央にある像を分割する境界線を元にピント合わせを行います。丸の中で像が2つにズレていたらピントが合っていません。ピントリングを回して、像が1つになったら、ピントが合っているということになります。
スプリットイメージの丸の外側にあるドーナツ状の部分がマイクロプリズムです。像がモザイク状にぼやけていたらピントが合っていません。ピントリングを回して、モザイクが消えて、クリアになったらピントが合っているということになります。
フィルムを1本撮り終えたら、フィルムを巻き戻してカメラから取り出しましょう。
まずはじめに、カメラの底部にある逆回転防止解除ボタンを押し込み、ロックを解除します。
ボタンが押し込まれた状態になっているのを確認したら、巻き戻しクランクを回して、フィルムを巻き戻します。
しばらく、くるくる回すとパチッ!っと小さな音がして、巻き戻しレバーが軽くなります。これで巻き戻しは完了です。
裏蓋を開けて、フィルムを取り出し現像に出しましょう。写真を撮り終わってからも、現像、プリント、と写真が完成するまで少し時間がかかりますが、これこそがフィルムカメラを使う醍醐味です!
今回は、フジヤカメラと同じ中野にある「コイデカメラ」さんに現像とプリントをお願いしました。ネガカラーフィルムならだいたい即日受渡ししてもらえるのでとても便利です。今回は、完成まで2時間弱でしたが、どんな写真が撮れているか、久しぶりにワクワクする時間を過ごせました。
フィルム写真は、手間はかかりますが、それぞれのプロセスを楽しめれば、デジタルとは違った満足感が味わえると思います。ぜひ、みなさまもフィルムカメラにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。