イルミネーションの写真を美しく撮るコツや使うレンズについてのこだわりポイントの紹介です。
ピントの合っていない部分の丸ボケの形たフィルター、イルミネーションの写真を撮るのに向いているカメラなど、ちょっとマニアックなものまで含めてご紹介します。
一眼デジタルカメラでイルミネーションを撮ろう!
F値が明るい単焦点レンズでリッチな写真を
標準の明るい単焦点レンズはイルミネーションでも大活躍
丸ボケの綺麗なレンズで背景を綺麗に
フィルターを使って一味違う写真を
イルミネーションの写真ではミラーレス一眼が有利
まとめ
撮った画像をその場で確認出来るデジタルカメラは、露出の決定が難しい夜の写真を、格段に身近なものにしてくれましたと思います。
又、最近の一眼デジタルカメラは、以前であれば考えられないような高感度で使用出来るうえ、強力な手振れ補正が付いているのが普通なので、三脚を使えない、人通りの多い場所でのイルミネーションの写真も、手持ちで気軽に撮れるようになりました。
デジタルカメラの進歩で、誰でもそれなりのクォリティの写真が撮れるようになりましたが、さらにもう少しレンズにこだわる事で、より楽しく、レベルの高いイルミネーションの写真が撮れるようになると思います。そんなレンズ選びのこだわりポイントを紹介したいと思います。
f値の明るい単焦点レンズの使い方として一番に上がるのは、ピントの合う範囲が狭い事を利用して、前後のボケを大きくする事だと思います。
もう一つは、手振れが起きやすい夜間の撮影で、シャッタースピードを速く出来る、というメリットです。
これらのメリットは、いずれもイルミネーションの写真を撮るのに、強力な武器となります。
こちらの写真はf1.4という非常に明るい広角レンズを使用しました。
プラス2段の露出補正をかけ、露出を大きくオーバーにする事で、イルミネーションの光に照らされた木々まで輝いて再現され、とてもリッチな画にすることが出来ました。
f値の暗いズームレンズだと、ここまで明るく撮ろうと思うと、手振れしないよう三脚を使うか、ISO感度を上げて画質を落とすかしなければなりませんが、f1.4という明るいレンズを使ったお陰で、手振れする事無く高画質に撮影出来ました。
又、f値の明るいレンズは背景を大きくボカす事が出来るので、イルミネーションの光を大きく綺麗な丸ボケにして楽しむ事が出来ます。
背景の光を大きくボカした写真は、いかにも一眼カメラで撮った写真、という雰囲気が出て綺麗です。
このカットで使用したレンズは、SONY(ソニー)の高性能シリーズGマスターに属する FE 24mm F1.4 GM で、非常に高性能でシャープなレンズの為、イルミネーションの飾りなどがシャープに煌びやかに美しく描写されました。
イルミネーションを撮る際の露出はカメラ任せにせず、思い切って大きくプラス側に露出補正をかけてみるといいと思います。リッチで明るい画を撮りたい場合は、露出をオーバー気味にに補正するのです。
デジタルカメラはモニターですぐに画像を確認出来るので、何枚か試して好みの明るさのカットを選ぶといいと思います。
その際、暗い場所で撮影していると、目が暗闇に慣れてしまい、モニターの画像が実際より明るく見えてしまうので、ちょっと明るめに撮ったり、露出を変えて何枚か撮っておくのが、イルミネーションを撮影する際のちょっとしたコツです。
標準ズームと併せて、表現の幅が広がる50mmや35mmなどの明るい単焦点レンズを1本持っている方も多いと思います。
こういった標準~準広角レンズもイルミネーション撮影では大活躍します。
この写真は SONY(ソニー)の明るい単焦点レンズ FE 35mm F1.8 で撮影しました。
先ほどの広角レンズ24mmのように、広がりのある写真を撮るのは苦手ですが、自然な遠近感で全体を撮ったり、一部分を切り取ってフレーミングしたりする事が出来るレンズです。
焦点距離が長くなる分背景が整理され、丸ボケも大きくなるので、イルミネーションの色を表現し易くなると思います。
これはクリスマスのイルミネーションでは無いのですが、ショップの照明が天にそびえるように綺麗で、思わずシャッターを切りました。
Kenko(ケンコー)のクロスフィルター「PRO1D R-トゥインクル・スター(w)」を使っているので、光の粒がキラキラした形になっていて綺麗です(Kenkoのクロスフィルター「PRO1D R-トゥインクル・スター(w)」については後程)。
SONY(ソニー)の FE 35mm F1.8 はオールラウンドに使いやすい画角、コンパクトなデザイン、リーズナブルな価格なのに高性能で、スナップ撮影などでも大人気のレンズです。暗い場所に強い明るいf値なので、イルミネーション撮影でも大活躍してくれました。
ここからはちょっとマニアックな話です。レンズ交換式の一眼デジタルカメラの利点の一つに、レンズが生み出す自然で柔らかいボケの美しさがあると思いますが、そんなボケの中でもイルミネーションの写真で特に気になるのは点光源のボケ、いわゆる「丸ボケ」だと思います。
この丸ボケ、レンズによって形に違いがある事をご存じでしょうか?
レンズにもよるのですが、f値の明るいレンズでは、画面周辺に向かって丸ボケがレモン型など真円では無くなってしまう「口径食」といわれる現象が起きてしまいます。
この口径食、実は少し絞ってあげると改善するケースが殆どです。
又、f値の暗いレンズでは口径食が開放から出ないケースもあるので、事前に試し撮りをして調べておくと便利です。
以下は、SONY(ソニー)の? FE 35mm F1.8 のF値による口径食の変化のテスト画像です。
f4で口径食が目立たなくなり、f5.6でほぼ真円になります。しかし、丸ボケの大きさは大幅に小さくなってしまいますし、丸ボケの形は絞りの形になるので、丸が少し多角形になってしまいました。
どのくらいのf値を選択するかは、撮影者の好み次第だと思います。
◇◇◇◇◇
こちらは SONY (ソニー) FE 100mm F2.8 STF GM OSS で撮影しました。
このレンズはもともと開放から口径食が殆ど出ないように設計されたレンズで、開放f2.8と単焦点レンズとしては決して明るいレンズではありませんが、絞りを気にせず撮影出来るので便利なレンズです。
レンズ名にある、STF(スムーストランスフォーカス)は、レンズ内に特殊なフィルターを入れる事で、ボケを滑らかに綺麗にする機構で、柔らかい独特なボケを作り出します。
STFが作り出す丸ボケは、ボケの周辺に向かってグラデーションが出る独特なもので、個性的な写真が撮れそうです。
実際に写る画像を直接確認出来る一眼デジタルカメラの特性を活かして、イルミネーションの写真には、フィルターを使うのもおススメです。
上のカットは、Kenkoのクロスフィルター「PRO1D R-トゥインクル・スター(w)」を使って撮影しました。
通常のクロスフィルターよりも、中心部が大きく再現されるKenko「PRO1D R-トゥインクル・スター(w)」は、イルミネーションの写真をよりリッチにしてくれるアイテムです。
今回は、イルミネーションの写真を撮るのに向いた「レンズ」のポイントとそれに合わせてレンズを3本セレクトしましたが、全てミラーレスカメラ用のレンズだという事にお気づきでしょうか?
実はこれには理由があります。
通常、センサーとレンズの間にミラーボックスが入る一眼レフカメラでは、特に後玉の口径が大きい大口径レンズで、レンズ後玉を出た光の一部がミラーボックスの部品に遮られ、丸ボケの一部が半月型に切れてしまう事が多いのです。
左がミラーレス一眼カメラ(Canon EOS R)、右は一眼レフカメラ(Canon EOS5D Mark IV)(レンズは同じものを使用)となります。
今回は「イルミネーションの写真 レンズ選びのこだわりポイント」という記事だったので、作例を撮るレンズを全てミラーレス一眼カメラ用のレンズにした事もこだわりポイントの一つです。
フジヤカメラでは、ミラーレスカメラの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
» 【中古】ミラーレスカメラを探す
・ミラーレス一眼カメラはイルミネーションを撮るのにぴったり
・明るいレンズでボケの美しいリッチな写真を
・フィルターを使うのもおすすめ
・口径食などレンズにこだわればより美しいイルミネーション写真が撮れる