フジヤカメラ

 

分類

分類

2025.07.03
専門店・プロレビュー,

SONY FE 50-150mm F2 GM 実写レビュー × 写真家 関 一也 | ズーム全域でまるで単焦点レンズのような描写力

SONY FE 50-150mm F2 GM 実写レビュー × 写真家 関 一也 | ズーム全域でまるで単焦点レンズのような描写力キービジュアル


ライター関 一也イメージ
■フォトグラファー紹介

関 一也

日本写真家協会正会員(JPS)
写真家・映像作家。メーカーやメディアへの作品提供、講師・執筆など幅広く活動。WPC日本代表。アーチェリー全日本5回優勝、日本代表経験も持つ。
オンラインサロン「セキの沼『写研部』」の運営
著書『ポートレートRAW現像入門』『風景RAW現像入門』『フォトグラファーのためのポートレートポージング入門』(玄光社)

X: @kazuyaseki86
Instagram: @10kazuya10
TikTok: @sekikazuya
YouTube: KAZUYA SEKI(@kazuyaseki18)

はじめに

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:滝の前に立つ女性

モデル:柊里杏(X: @lialily11)

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

ソニーの「FE 50-150mm F2 GM」は、G Masterシリーズとして2025年に登場した、世界初・ズーム全域F2の中望遠ズームレンズ。

「FE 50-150mm F2 GM」の特長
・ズーム全域でF2通しの明るさ
・焦点距離50〜150mmをカバー(ポートレートの定番焦点域を1本に)
・インナーズーム&XDリニアモーター搭載で静音・高速AF
・XA、ED、Super EDガラスを含む贅沢な光学構成
・約1.34kgの重量で、バランスも優秀
描写力や使用感を、ポートレートやスナップ撮影を通してお伝えしたいと思います。

「FE 50-150mm F2 GM」の外観をチェック

本レンズを購入している人の多くがFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと比べてどうなのだろう?と悩んでいるのではないでしょうか?

FE 50-150mm F2 GMは1340gでフィルター径95mm、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは1045gでフィルター径77mmとなっています。F2となるとレンズの口径も重さも多少大きくなってしまうのは仕方のないことですが、逆に言えばよくこのサイズに納めたなという印象を感じました。実際に、手に持ってみるとFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと比べると大きい、少し重いなと感じましたが、撮影するとそのデメリットが吹き飛ぶくらい高画質で驚きました。手ブレ補正はボディ側に依存してしまいますが、SONY α1 IIとの組み合わせでは1/13でも平気。絞りリングクリック切り替え機能もあるので動画にも最適です。

SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:正面
SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:上部
SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:左側面
SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:底面
SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:右側面
SONY FE 50-150mm F2 GM 本体画像:三脚座

「FE 50-150mm F2 GM」の、絞りによるボケの変化

レンズといえばボケの変化が気になるところです。近くに咲いていた薔薇でその変化を撮影してみました。

F2では背景がとろけるようなボケで背景に映したくないものをボカして主役を引き立てたい時に最適。人混みの多い場所で大活躍するでしょう。F2.8では背景の玉ボケも綺麗になり、ピント面の解像感が少し増します。ボケもうるさくなく、個人的に好きな印象です。F4では被写界深度も深くなり、ボケとの両立のバランスがこのシーンでは一番両立されているように感じました。F5.6〜8になるとボケは硬くなりますが、まだまだ玉ボケが美しい状態を保っています。個人的にF11までが回折現象を抑えられるかなと感じました。F16~22に関してはどうしても絞らないといけない場合に使用しますが、シャッタースピードが極端に落ちますのでISOでカバーすれば使えなくないレベルだと思いました。

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:バラの花 F2からF22まで比較

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
ISO400・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

さまざまなシチュエーションで描写をチェック

逆光耐性をチェック

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:夕日の前に立つ女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
絞りF5.6・1/3200秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:夕日の前に立つ女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
絞りF5.6・1/3200秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海辺の岩上から振り向く女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
128mm・絞りF2.5・1/320秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

ゴーストやフレアは非常に抑えられており、画角を少し調整することで解消することができる。

ワイド端とテレ端の最短撮影をチェック

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:シロツメクサ

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
50mm・絞りF5.6・1/640秒・ISO250・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

50mm最短撮影

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:シロツメクサ

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
150mm・絞りF5.6・1/640秒・ISO250・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

150mm最短撮影

最短は、最短撮影距離:0.4m(ワイド端)-0.74m(テレ端)なのでかなり寄ることができる。マクロ的な使い方もできるのは非常にありがたい。

手持ちでの長秒撮影

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:滝の前に立つ伏し目の女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
50mm・絞りF11・1/13秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

レンズ側に手ブレ補正はないが、SONY α1 IIとの組み合わせでは1/13秒でもブレずに撮影することができました。

焦点距離別で魅せる、G Masterレンズの描写力

50mm ―「背景を取り込む環境ポートレート」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:バラの咲くガーデンに立つ和装の新郎新婦

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
50mm・絞りF2・1/16000秒・ISO250・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海辺の岩肌に立って振り向く女性

モデル(X: @NudeSheep)
SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
50mm・絞りF2・1/500秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

肉眼に近い画角で、背景が入りやすく空気感も写るやや広めの構図が心地いい。

70mm ―「ナチュラルな距離感で安心の描写」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海の見える都会で太陽に手をかざす女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
70mm・絞りF2.8・1/6400秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海の岩場に座る女性

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
70mm・絞りF2・1/2500秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

被写体と背景のバランスがちょうど良く、汎用性が高い。人物ポートレートのスタートラインとして非常に優秀だ。

85mm ―「クラシックポートレートの定番」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:岩場を背にもたれて立っている女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
85mm・絞りF2・1/1000秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

顔の立体感、背景の整理、ボケ量のバランスが極めて良い。

100mm ―「密度と立体感が際立つ焦点距離」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海の岩場に座る女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
100mm・絞りF2・1/2500秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

遠近の圧縮効果で背景が溶けやすく、モデルの存在感が引き立ち、被写体の肌や質感の描写が気持ちがいい。

135mm ―「適度な圧縮と孤独感を演出」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:庭に座るゴールデンレトリバー

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
135mm・絞りF2・1/2000秒・ISO250・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

被写体が背景から完全に浮くので、主役を引き立てることができる。子供や犬などのペット、背景を整理しつつ人物を引き立てたい時に使いたい画角。

150mm ―「主役を際立たせる最長域の描写力」

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:海の岩場に座る女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
150mm・絞りF2・1/2000秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

被写体が「浮く」レベルの背景ボケ。構図の整理がしやすく、ボケを活用した作品性の高い写真が撮れる。

その他作例

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:紫陽花と手

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
50mm・絞りF5.6・1/250秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

立体感と奥行き感を感じるボケとコントラストが気持ちがいい。

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:クローバーを持つ和装した新郎新婦の手

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
67mm・絞りF2・1/6400秒・ISO250・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

F2でもとろけるような背景で主役となる手元の印象を邪魔しません。

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:紫色の細かい花

SONY α9 III・FE 50-150mm F2 GM
60mm・絞りF8・1/80秒・ISO125・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

解像感と質感が上品な雰囲気を出してくれます。マクロ的な撮影にも最適。

SONY FE 50-150mm F2 GM 作例:夕日をバックに髪を上げる女性

SONY α1 II・FE 50-150mm F2 GM
63mm・絞りF2・1/640秒・ISO100・WBマニュアル

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

逆光の太陽のフレアやゴーストが邪魔せず情景ポートレートの雰囲気が作品をより魅力的にしてくれます。

まとめ

6本の単焦点レンズを持ち歩くような感覚。

このレンズの真の価値は、「50・70・85・100・135・150mm」それぞれが、まるで単焦点のような描写性を持っています。特にポートレート撮影では、シチュエーションや構図に応じて最適な距離を即座に選べるメリットは計り知れません。F2という明るさは、背景ボケだけでなく、シャッター速度の確保・ISO感度の抑制にもつながり、全天候・全時間帯で信頼できる描写を実現できます。

デメリットとして感じたことはテレコンバーターが使用できないのとレンズ側に手ブレ補正機能が搭載されていないのでカメラのボディ性能に依存してしまうのが個人的に残念ですが、それ以上に描写力はすさまじいものを感じました。

ポートレートやウェディング撮影など、主役を引き立てたいシーンの新しいスタンダートレンズです。

作例に使用したレンズ

【商品情報】SONY FE 50-150mm F2 GM

» 詳細を見る

SONY FE 50-150mm F2 GMバナー画像

作例に使用したカメラ

【商品情報】SONY α9 III

» 詳細を見る

SONY α9 IIIバナー画像

【商品情報】SONY α1 II

» 詳細を見る

SONY α1 IIバナー画像

Photo & Text by 関 一也(せき・かずや)

ブランド

Page Top
Page Top