Canon、Nikonから、相次いでフルサイズミラーレス一眼カメラが発売されました。
2社が、満を持してフルサイズミラーレスのジャンルに参入するにあたり、開発の動機について共通している事は「ショートフランジバックによるレンズの高性能化」のようです。
難しいレンズの光学設計については私にはわかりかねますが、いくつかのミラーレス一眼を使って感じた事があります。
それは、ミラーレス用のレンズは、画面周辺に点光源が入った際、ボケが円形に近い、美しい物が多いという事です。
上の写真は、以前テストした大口径の標準レンズを開放で使用した際の周辺の点光源のボケの形の比較です。
使用したレンズは「SAMYANG(サムヤン) XP50mm F1.2」「Canon (キヤノン) EF50mm F1.2L USM」「Carl Zeiss (カールツァイス) Milvus 1.4/50」の3本、カメラはEOS5D MarkIVです。
いずれも安いレンズではありませんが、ミラーボックス内で何かにケラレてしまっている為か、周辺部のボケが円形ではない、いびつな形になってしまっています。
個人的には、少し気になります。
上のカットはCanon EOS R に専用レンズRF24-105mm F4 L IS USMを装着して撮影しました。
先ほどのカットと比較すると、圧倒的に点光源が美しい真円に近くなっています。レンズ後玉からセンサーまでの構造が単純で、遮る物が無い、ミラーレスならではのボケだと思います。
ミラーレスのメリットはこんなところにもあるのです。
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ところで、先に書いたとおり、ボケの形が変な形になるのは、原因は明らかでがありませんが、ミラーボックス内の何かがケラレている(後玉とセンサーまで距離が長く、さらに、間に部品が沢山あるため)せいであると予測されます。
そこで!
フルサイズミラーレス一眼のEOS Rなら、ミラーBOXが無く、マウントアダプターを使ってもレンズ後玉からセンサー面まで遮る部品等も無い。よってこのような問題も出ないのでは?
と思い試してみました。
レンズは一眼レフ用のEF50mm F1.2L USM を使用し、カメラは一眼レフは「EOS5DMarkIV」、ミラーレスは「EOS R + マウントアダプター EF-EOS R」を使い、それぞれの点光源のボケの形を比較してみました。
レンズにEF50mm F1.2L USMを選んだのは、後玉が大きく、違いが出やすいと考えたからです。
クリスマスのイルミネーションをわざとピントを外して撮影しました。
このカット、どちらで撮ったかわかるでしょうか?
正解は・・・
EOS 5D MarkIV
です。
画面下の部分で、円形の点光源がケラレてしまい、一部切れてしまっているのがわかります。
こちらがEOS R +マウントアダプター EF-EOS Rで撮影した画像です。
口径食により画面周辺に向かって点光源の円形がレモン型になっていますが(これはEOS5DIVでも同じです)、先ほどのカットのように、丸が切れてしまうような事はありません。
レンズは同じCanon EF50mm F1.2L USM を使っています。
並べて比べると一目両全!
同じEFレンズを使っても、フルサイズミラーレス一眼カメラの「EOS R」を使えば、このようなメリットもあるのです。
主に後玉の大きい大口径レンズに限りますが、レンズの性能を最大限引き出すために、あえてミラーレス一眼カメラの「EOS R」を使用する事を検討する価値はあると思います。
もう一枚テスト写真を。
先ほどと同様、レンズはEF50mm F1.2L USM、ボディは上がEOS5DIV、下がEOS R +マウントアダプター EF-EOS R の画像です。
やはり、ケラレの出ない EOS R +マウントアダプター EF-EOS R を使用した画像の方が、点光源のボケの形は綺麗に出るようです。
純正とは言え、マウントアダプターの使用はAFのスピードなど、それなりのデメリットがあります。
今回は、一眼レフ用のレンズを、マウントアダプターを使ってフルサイズミラーレス一眼カメラに装着して使う事のメリットの一つ、点光源のボケの形にスポットを当てて検証してみました。
これから、イルミネーションなど、点光源のボケの形が気になる被写体を撮影する機会の多いシーズンになると思います。
「大口径レンズを頻繁に使う」「夜景の撮影が多い」「AFでコンティニアスを使う事はほとんど無い」「AFのスピードにはそれほどこだわらない」といった使い方をするユーザーなら、カメラを変えるだけで、写りが良くなる可能性もあるので、検討の価値があると思います。
>>> Canon(キヤノン)フルサイズミラーレス一眼カメラ