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2019.04.29
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Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 実写レビュー

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S のレビューです。

 

いわゆる大三元の一角を占める、大口径標準ズームレンズの登場で、Zシリーズへの買い替えを決心した方も多いのではないでしょうか?

 

そんなシステムの中核をなすレンズ NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S の性能、実力を見ていきたいと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 本体写真

 

重量の比較

初めに、ミラーレス一眼カメラ用レンズという事で、一眼レフ用レンズとの重量差を見てみたいと思います。

 

開放f2.8という事で、大きく重いレンズではありますが、現行の一眼レフ用の同スペックのレンズと比較すると、

 

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR:約1070g
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S :約805g

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 比較写真①

 

と、一眼レフ用の同スペックのレンズと比較して20%以上軽くなります。

 

さらに、不毛な比較かもしれませんが、Z7と同レベルな高画素の一眼レフカメラ「D850」との組み合わせを考えてみると、

 

D850(約1005g)+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR(約1070g)=約2075g
Z7(約約675g)+NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S(805g)=約1480g

 

と、500g以上軽量になります。

 

ペットボトル1本分!

 

この重量差は大きいです。1日中持って歩くことを考えると、撮影に対するモチベーションに影響するくらいの差だと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 比較写真②
同スペックの一眼レフと比べて一回り小さいZ7 + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S の組み合わせ

 

実写レビュー

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例①
作例①:Nikon Z7 1/60 f2.8 ISO140 露出補正±0 焦点距離57mm

 

夕暮れせまる川の土手を散歩しながらテスト撮影を行いました。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S は、最短撮影距離はズーム全域で0.38m、最大撮影倍率は0.22倍と、マクロもそこそここなすので、標準レンズとして使い易いレンズです。

 

ボケ味は、前ボケ、後ろボケともにNikonらしい素直で美しいボケは、特にZシリーズ用のSラインのレンズに共通したものです。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例②
作例②:Nikon Z7 1/500 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離59mm

 

この日は風の強い日で、たんぽぽの綿毛はあらかた吹き飛んでしまっていました。

 

かろうじて残った綿毛と、夕日をフレーミング。

 

これだけ明暗差のある状態でも、明部暗部の両方に諧調を残せるのはさすがZ7だと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例③
作例③:Nikon Z7 1/100 f2.8 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離26mm

 

錆びた金網の周囲に、黄色い花が咲き誇っていました。夕闇迫る薄暗い光の中、黄色い花だけがが浮き立っていて目を引き、シャッターを切りました。

 

背景の金網と、金網の背後の風景と、ボケが2段階になっていますが、どちらもとても素直で、Nikonらしいボケ味だと感じました。

 

写り方、ボケ味など、これまでテストしたZマウントの別のNikonレンズとほぼ同じ感想で、単焦点、ズーム、いずれを使っても、写りに統一感があるのは、Nikon レンズの強みの一つだと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例④
作例④:Nikon Z7 1/60 f2.8 ISO180 露出補正-0.7 焦点距離57mm

 

雑草だらけの中に建つ錆びついた廃屋に、どこか心惹かれてシャッターを切りました。錆びたり錆びてなかったり、パッチワークのようなトタン屋根に、行き当たりばったりな、いい加減な、出鱈目な感じがしてちょっと好きです。

 

最近の一眼レフカメラ用のズームレンズでは、明るさをf4通しとする事で、高性能と軽量を両立したレンズをラインナップするメーカーも多いです。

 

しかし、広角側でも、十分なボケが稼げるf2.8のレンズはやはり魅力で、勿論おなじ重さならf2.8を選択すると思います。

 

ミラーレス一眼用レンズにする事で、重量を抑えつつf2.8に出来るメリットは大きいと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例⑤

 

少し突っ込んで、性能について見ていきたいと思います。

 

上のカットは、絞り開放、焦点距離は標準付近(45mm)で撮影しています。

 

拡大して解像感を見てみたいと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例⑤拡大

 

画面中心から少し上の部分の拡大画像ですが、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S は、素晴らしくシャープで、抜が良く、レンズ由来の眠さはほぼ感じられません。

 

車両前面の番号「1101」がクリアに読めるのは勿論、車体側面のリベットの立体感まで認識出来るのは驚きです。色収差もほぼ認められず、細かい諧調まで再現され、立体感も申し分ありません。

 

又、飛び、つぶれも少なく、レンズの高性能さだけでなく、テスト機に使用したZ7の高画素でありながら、汎用性の高さも光ります。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例⑤拡大2

 

周辺部分でも描写の低下はほとんど認められません。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S の周辺画質は、中心部分とほとんど変わらない、シャープで抜けのいい、立体感に富んだレベルの高い描写性能です。

 

さすがショートフランジバックで設計されたレンズだと、高い描写性能に唸らされます。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例⑥

 

一般的にセンサーからレンズまでの距離を短くとれる、ショートフランジバックのメリットは、広角域で特に大きいと言われるようです。

 

上のカットは、広角端24mmで撮影しました。

 

一眼レフ用のレンズでは、多少眠くなったり、流れたりするのが普通ですが、どうでしょうか?

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 作例⑥拡大

 

広角ズーム、しかも難しい周辺部分の拡大でありながら、非常にシャープで、中心部との画質差は非常に少ないレベルだと感じました。

 

ミラーレス用のショートフランジバックで設計されたメリットが、性能に大きく寄与していると思います。

 

まとめ

個人的に(あくまで個人的に)思う事は、例えばSIGMAのレンズとNikonのレンズを比較した時に、Nikon Zマウントのレンズに感じるのは、欠点の少ないレンズだという事です。

 

SIGMAのレンズには、どんな写りをするか?という喜びとワクワク感があります。撮影者の実力以上の写りを期待してしまうメーカーなのです。

 

しかし、Nikonのレンズには、そういった事を感じることは殆どありません(あくまで個人の感想です)。非常に高性能、もう一度言います、非常に高性能でありながら、期待値と現実値が常にイコールで結ばれるような感覚なのです。良くも悪くも「遊び」が少ないまじめさを感じます。

 

職人のような誠実さ、生真面目さ、プロの為の「道具」的な、製品作りに対する真摯さを感じるメーカーなのです。

 

勿論、プロの道具が悪かろうはずがありません。

 

>>> Nikon(ニコン)NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S


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