SONY のフルサイズミラーレスカメラ用の中望遠レンズ SONY FE 135mm F1.8 GM をテストしました。
SONY のレンズラインナップの中でも、超高性能を誇るシリーズ「Gマスター」のレンズで、なおかつ135mm f1.8というスペックは、大きなボケが期待できるレンズとなので、楽しみなテストです。
ハルウララの季節で、テスト撮影も楽しいです。小川の岸の石垣に、ひっそりと咲くタンポポを、中望遠レンズの圧縮効果を使って、少し離れた位置から撮りました。
長焦点の大口径レンズらしい大きく美しいボケ味は、カメラを覗いた瞬間からテンションが上がります。
ファインダーで美しいボケ味を楽しみながら、フレーミングを吟味する至福の時間に、レンズの重さも忘れてしまいます。
驚くなかれ、先ほどのカットからの拡大画像です。
タンポポの花びらの立体感や、めしべのディテールなどが、素晴らしくシャープに描写されており、拡大画像である事が信じられないレベルです。
白飛びや、黒つぶれが少ない事も素晴らしく、テストカメラとして使用した α7RIIIの懐の深さが伺えます。以前であれば、高画素のカメラは気難しい側面を持っている事もありましたが、α7RIIIにはそういった心配もありません。
頭上の桜の花の塊を、見上げながらパシャリ。思った通りの極上のボケが、写真の質を高めてくれました。
SONY FE 135mm F1.8 GM の最短撮影距離は0.72m、最大撮影倍率は0.25倍なので、近接撮影もそこそここなします。
マクロ撮影という程近接でないにも関わらず、マクロ撮影並みの大きなボケを楽しめるのも、f1.8の明るいレンズならではです。
桜が満開の季節で、もうそこら中桜の花びらで埋め尽くされていました。下水管と花びらの対比が、美と醜が混在しているような光景で、シャッターを切りました。
135mm f1.8というと「ポートレイト」というイメージだったのですが、スナップや風景で使っても大きなボケと狭い画角を活かして、面白い画が撮れそうです。
SONY FE 135mm F1.8 GMは、確かに大きくて重いレンズですが、その苦労に報いてくれる、素晴らしい実力を備えています。
満開の桜並木の下をサイクリングする少年をパシャリ。
暖かい日差しの中、花びらの敷き詰められた道を走るのは、さぞや気持ちの良い事でしょう。
大口径の望遠レンズですが、SONYのコンティニアスAFが迅速、確実にピントを合わせてくれました。ピントの薄いf値の明るいレンズは、優れたAFと組み合わせて使ってこそ生きて来ますね。
JR中央線は今年開業130年を迎えるそうです。その中央線が、満開の桜咲く小川を渡って行きます。
橋を渡るほんの一瞬、乗客の目を楽しませた事でしょう。
α7RIIIは秒間10コマの高速連写が可能なので、連写した上で、電車の位置が良さそうなカットを選べて便利です。
川の流れを桜の花びらが覆っていました。木漏れ日が小さな花びらの形を浮き上がらせて綺麗です。
いいレンズというのは、合焦した部分がシャープなだけに、ボケた部分とのメリハリが本当に綺麗で、ピントが合った部分に自然と視線が吸い寄せられてしまいます。
うっすらと曖昧な、薄いピンク色の再現も、微妙なニュアンスで再現されていて、SONY の映像エンジンのレベルの高さも流石です、素晴らしいと思います。
桜並木の中の小川の飛び石で、カモが羽根を休めていました。花見客で賑わう岸の喧騒などどこ吹く風で、優雅にお昼寝中のようです。
私もビールでも飲んでお昼寝したいところですが、まだ撮影があるので頑張ります。
少し拡大して解像感を見てみます。
あ!寝ているのかと思ったら、パッチリ目を開けていました。ビール飲みたいとか言ってすみません。
こうして拡大して確認すると、頭にはピントがあるのに尾にはピントが合っていないのがはっきりわかります。
あらためて 135mm f1.8 というレンズのシビアさを見せつけられます。
新緑を透かして、対岸の桜の枝を狙いました。
SONY FE 135mm F1.8 GM は、前ボケも柔らかくて綺麗です。前ボケに新緑の緑を入れて、ふんわりと春らしいイメージで撮れました。
焦点距離が 135mm あると、こういったシーンでも背景が整理出来て便利です。
春風に吹かれるナズナを撮影。レンズの威力が最大限発揮され、大きな前ボケ+後ボケでファンタジーな世界が撮れました。
極上のボケ味です。
開放だと周辺部では口径食が出てしまいますが、大口径レンズでは致し方ない事だと思います。
目に眩しいほどの満開の夜桜を、少し離れたところから撮影しました。
開放f1.8という事と、手振れ補正のお陰で、夜の厳しい条件でも露出をかなりオーバーに出来て、リッチな感じに撮れたと思います。
望遠レンズは絵画的に、平面的に物体を捉えるのにも向いているので、ちょっと「和」のテイストを意識しつつシャッターを切りました。
有効画素数6100万画素の SONY α7RIV が発売された事で、超高性能の SONY FE 135mm F1.8 GM の価値がまた一段と高まりましたので、ここに追記しておきたいと思います。
SONY α7RIV + FE 135mm F1.8 GM の組み合わせで撮影されたカットです。
近接である事と、カメラの画素数に若干恐れをなして撮影したカットの為、f4まで絞っています。
拡大して描写性能を見てみたいと思います。
レンズ由来の眠さは一切感じられません。
あり得ないレベルの描写性能です。
FE 135mm F1.8 GM は、6100万画素のα7RIVの性能を余すことなく活かせる数少ないレンズの一本です。
今回のテストも SONY Gマスターレンズの優秀さに、ただただ舌を巻くばかりの結果となりました。
スナップに135mmを持ち出すカメラマンも少ないと思いますが、望遠レンズの圧縮効果と、前後の大きなボケを活かして、画角の狭さを感じさせない取り回しの良さを感じました。
なにより、FE 135mm F1.8 GM の、目をみはるシャープさボケの美しさは、3時間ほどの撮影中、常にワクワクした気持ちでファインダーを覗け、至福の時間を過ごせました。
言う事なしに、非常に高性能なレンズだ思います。