Nikon Z シリーズ用の広角ズームレンズ「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」の実写レビューです。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S の特徴は、何と言っても14mmという「超」広角域からのズームレンズでありながら、大きさは、約89mm(最大径)× 85mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで、沈胴時)、重量は約485gと非常に軽量コンパクトであるという事です。
開放f4とは言え、この大きさ重さは驚異的です。
上の写真は向かって左から「Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」「SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」「Nikon NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」ですが、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S の小ささが際立ちます。
併せて、Zシリーズ用の「S-Line」のレンズという事で、画質についてもかなり期待できるレンズとなっています。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S を使い始めて最初に感じたのは、やはり、コンパクト故の取り回しの良さです。
ティルト液晶の利点を活かして、ローアングルやハイアングルで撮影する際も、レンズが軽量コンパクトであるおかげで、非常に撮影しやすいと感じました。
取り回しがいいと、撮影が億劫にならなくていいです。
何気なく心惹かれた路傍の花に心惹かれてシャッターを切りました。田んぼに水を入れる用水路を背景に、春らしく撮れたと思います。
機材の軽さと、撮影枚数の多さは比例していると思います。写真は一期一会、機材は軽いにこした事はありません。
同じ小川のほとりに生えていた「貧乏草」をパシャリ。
本当は「ハルジオン」という可愛らしい名前の花ですが、どうしても通称の「貧乏草」のイメージが強い、少しかわいそうな花です。花の形や色のイメージは「ハルジオン」の方が合っていると思うのですが・・・
超広角をカバーするズームレンズですが、描写はとても自然で、開放f4.0とは言え、近接では上のカットのように、ある程度の背景ボケを出す事も出来ます。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S は、とても自然な描写のレンズなので、標準レンズ的に使ってもよさそうです。軽量コンパクトな事も含めて、気軽なスナップ撮影にも是非活用して欲しいレンズです。
解像感を見る為に少し拡大します。
画面左下隅の鉄パイプのあたりの拡大ですが、非常にシャープで、抜けのいい描写で、S-Lineの名に恥じない高性能なレンズと言えると思います。
小さな水族館(?)の中の淡水魚の水槽です。
個人的に日本産の淡水魚の水槽は好きです。見栄えの悪い地味な色ばかりで、海水魚のように、きらびやかで派手な魚は殆どいませんが、よく見ると模様が美しかったり、うろこが虹色に輝いていたりと、じっくり観察して美しさに気づく面白さがあると思います。
超広角レンズの遠近感が誇張される特性を生かして、川の流れを表現したつもりですが、どうでしょう?
公園の中は、新緑に包まれ、テストとは言え撮影が楽しいシーズンです。
紅葉したモミジは勿論美しいのですが、新緑に萌ゆる緑も力強く綺麗です。
今回はズームレンズのテストという事で、最広角14mmで構えて、ズームでフレーミングを調整するような撮り方が多くなりました。
自分のカメラでは動画メインという事もありズームは滅多に使いませんが、あるとやはり便利です。
最近はレンズの歪みをカメラがデジタル補正してくれるので、超広角のズームレンズでも直線的な被写体を不安なく撮れるようになりました(勿論 NIKKOR Z 14-30mm f/4 S は、レンズ本来でも歪みの少ないレンズですが)。
以下は私の推測ですが、歪みを気にして16mmまでにするより、歪みを許容して14mmまでで設計した方が、撮影者には便利という事になるでしょう。又、ショートフランジバックで設計する事で、14mmといった超超広角域でも、解像度を上げやすくなっていると思われます。勿論、こういった難しいスペックをコンパクトに設計するのに一役買っている事でしょう。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S は、そんな、デジタル時代の申し子と言っていいレンズなのかもしれません。
夕暮れのレンゲ畑をダイナミックに表現したくて、ローアングルで撮りました。
冒頭にも書いたとおり、私のようなおじさんには軽いは正義で、撮影終盤の体力的に厳しい時間帯でも NIKKOR Z 14-30mm f/4 S ならサッとローアングルに構えて、モニターを見ながら撮影出来ました。
アクディブDライティングをONにして撮影したお陰で、レンゲ畑と夕焼けの諧調の両方を残す事が出来ました。
沢山歩いたのでのどが渇きました。はい、例によって最後はビールを飲んでしまいました!
辛いタイ料理をつまみながら、アジアのビールで乾杯!このビールは「ビアラオ」というラオスのビールなんですが、凄く美味しくておススメです。パクチーなどのアジアの食べ物にも良く合います。欠点は置いている店が非常に少なく若干高価な事です。
※毎回申し上げていますが、ビールは撮影後に飲んでいます。
超広角レンズのボケ味について取り上げるのもどうかと思いますが、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S は、背景ボケもNikonらしく素直で綺麗です。こういった、レンズシステム全体として統一感があるのは「S-Line」の、しいてはNikonレンズの長所と言えると思います。
「軽量でコンパクト」NIKKOR Z 14-30mm f/4 S の最大の特徴として挙げるのは、S-Lineレンズを前にして失礼かもしれません。しかし、「軽量でコンパクト」である事で、心動いた時にシャッターを切れるモチベーションを最後まで維持できたのも、紛れもない事実です。
やはり軽い、小さいは正義を改めて感じるレンズでした。
そんな中、S-Lineのレンズである事の信頼感も大きく、特に今まで使用した経験から「ボケ味」を含めた描写に統一感があるのがわかっていたので、あがりを想像しやすかったです(Nikonのモニターのコントラストが、ちょっと高めなのもわかっていたので(笑))。
敢えてf4のレンズからラインナップするNikonの戦略と、f4のレンズでも一切手抜き無しの高い描写性能を維持するS-Lineのレンズに感心させられたテストでした。
>>> Nikon(ニコン)NIKKOR Z 14-30mm f/4 S