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2026.08.06
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Leica SL3-P×写真家 藤井智弘 | SLシリーズ3機種 実写比較レビュー

Leica SL3-P×写真家 藤井智弘 | SLシリーズ3機種 実写比較レビューキービジュアル


はじめに

Leica SL3、Leica SL3-Sに続くLeica SL3シリーズの第3弾、Leica SL3-Pが登場しました。これまでLeica M11-Pなど名称に「P」が付く機種はLeica MシステムやLeica Qにありましたが、35mmフルサイズミラーレス機のLeica SLシリーズでは初の「P」が付いたモデルになります。デジタルでは最初のPとなる、Leica M9-Pが2011年に発売されたとき、Pは「Professional」の意味がありました。その後のLeica MシステムのPも同様です。しかしLeica SLシリーズは、もともとプロ仕様のミラーレス機として誕生したため、Leica SL3-PのPには固定の意味は示されていません。プロ志向がさらに強くなった機種、ととらえるのもひとつでしょう。

Leica SL3-P 本体画像

Leica SL3シリーズの3機種目となるLeica SL3-P。高解像と高速連写を両立させたのが特徴です。

Leica SLシリーズのラインナップは

まずはLeica SLシリーズを振り返ってみましょう。初代となるLeica SLが発売されたのが2015年。マウントも35mmフルサイズ初のLマウントになります。2400万画素のCMOSセンサーやタッチパネルなどを備えていました。

2019年に後継機のLeica SL2が発売。撮像素子は4730万画素になり、ボディ内手ブレ補正も搭載されました。背面のボタン配置も、現在のLeicaのデジタルに繋がる、PLAY、FN、MENUが縦に並ぶレイアウトを採用しています。

2021年にはLeica SL2の姉妹機、Leica SL2-Sが登場。Leica SL2をベースに、撮像素子を2400万画素にしたモデルです。ボディ正面の「LEICA」のロゴが一般的な白ではなく黒なことも話題となりました。

2024年に現行モデルの3代目、Leica SL3が発売されました。6000万画素の裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「Maestro IV」を搭載。位相差検出が可能なトリプルハイブリッドAFなど大きく進化しました。またトリプルレゾリューションテクノロジーにより、JPEGでもDNG形式のRAWでも6000万画素、3600万画素、1800万画素の切り替えがそれぞれできます。2025年には撮像素子を2400万画素にし、30コマ/秒の高速連写と6Kオープンゲートの動画撮影を実現したLeica SL3-Sが追加されました。

そして2026年、Leica SL3-Pが登場し、これで現行のLeica SL3シリーズは、Leica SL3、Leica SL3-S、Leica SL3-Pの3種類になりました。ちなみにLeica SL3は、外装に耐傷性に優れたアラミド繊維を採用し、ダークグリーンの外装を持つLeica SL3 “Reporter”もラインナップしています。

SLシリーズに共通するLeicaらしい造りの良さ

左からLeica SL3 / Leica SL3-P / Leica SL3-S:本体画像

向かって左がLeica SL3。LEICAの文字が白で赤いLeicaバッジがあります。右がLeica SL3-S。Leica SL2-Sと同様、LEICAの文字が黒でバッジもあります。そして中央のLeica SL3-PはLEICAの文字は白ですがバッジはなく、Leica M11-Pなどと同じスタイルです。レンズ着脱ボタンが黒なのもポイント。Leica SL3シリーズは同じシルエットでもそれぞれ個性のある外観をしています。

左からLeica SL3 / Leica SL3-P / Leica SL3-S:本体画像

中央がLeica SL3-P、向かって左がLeica SL3、右がLeica SL3-S。正面はそれぞれ違いがありましたが、背面は3機種ともすべて同じです。そのためLeica SL3やLeica SL3-SユーザーがLeica SL3-Pを手にしても、違和感なく操作できます。

それでは新機種のLeica SL3-Pと、従来機であるLeica SL3とLeica SL3-Sの外観を見てみましょう。ボディのシルエットは、3機種とも全く同じ。背面のボタン配置等も同じなので、背面だけ見ると、3機種のうちのどれなのか見分けがつきません。しかし正面のロゴやバッジには違いがあります。まずLeica SL3は、LEICAのロゴが白で赤いLeicaバッジがあります。そしてLeica SL3-SにもLeicaバッジがありますが、LEICAのロゴは黒。そしてLeica SL3-Pは、LEICAのロゴは白で、Leicaバッジはありません。Leica SL3はLeicaらしいスタンダードな印象。ロゴが黒のLeica SL3-Sは精悍な印象。バッジがないLeica SL3-Pはエキスパート向けの雰囲気が強くなった印象です。またLeica SL3とLeica SL3-Sでは、レンズ着脱ボタンがシルバーなのに対し、Leica SL3-Pは黒。重厚感のあるスタイルになりました。

デザインがLeica SL3、Leica SL3-Sと同じなので、手にした感触も全く同じ。重さもほぼ同じです。縦位置グリップが一体型ではない機種としてはやや大型ですが、ストレートタイプのグリップは小指までしっかり掛かり、安定したホールディングができます。また本体の重さは768グラム(バッテリー、メモリーカード含まず)なので、見た目の印象よりは軽く感じます。

Leica SL3-PにLeica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/70-200mm ASPH.を装着

Leica SL3-Pに大口径望遠ズームレンズ、Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/70-200 ASPH.を装着。しっかりしたグリップのおかげで重いレンズでも確実なホールディングができます。またバランスもよく街中でもスムーズな撮影が楽しめました。

快適な撮影を実現する操作性

Leica SLシリーズは、Leicaらしい造りの良さを感じることができるのですが、それはLeica SL3-Pにもしっかり受け継がれています。EVFは576万ドットのEyeResビューファインダー。最大120fpsで表示し、動く被写体も滑らかな視認が得られます。視野も広く歪みもなく、実に覗きやすいファインダーです。Leicaは1954年のLeica M3からファインダーにはこだわりがあり、優れた視認性で快適な撮影が得られます。それはデジタルでEVFになっても変わらないところに、Leicaらしさを感じることができるのです。

Leica SL3-Pのファインダー

優れた視認性を誇る570万ドットのEyeResファインダーとプッシュ式の電源ボタンは、Leica SL3-Pにも採用。FNボタンの割り当ても豊富で迅速な切り替えもでき、多機能をシンプルな操作で扱えます。

ダイヤルやボタンの操作感も見逃せません。ダイヤルのクリック感は硬すぎず、柔らかすぎず、適度な感触でカチッと決まります。特に親指で回すサムホイールは、押し込むと撮影モードを切り替えるボタンにもなっています。押し込むことができるダイヤルの多くはクリック感が弱く、高級感を損ねてしまう要因になりますが、Leica SL3-PをはじめとするLeica SLシリーズは優れたクリック感があり、造りの良さが伝わってきます。ボタンのクリック感も適度で、確実な操作が行えます。

またLeica SL3シリーズで使いやすいのが電源ボタン。一般的にスリープすると、起動に時間がかかります。そのためとっさのチャンスに対応できなかった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。Leica SL3シリーズは、軽く電源ボタンを押すとスタンバイ状態になり、消費電力を最小限に抑えながら、次のショットへの対応に備えることができます。スタンバイからシャッターボタンを押すと瞬時に起動。すぐに撮影できます。これはLeica SL3-Pも共通。ここにも写真の本質を追求するLeicaらしい姿勢がうかがえます。

左から Leica SL3-P / Leica SL3 / Leica SL3-Sの撮り比べ:公園のベンチ

左から Leica SL3-P / Leica SL3 / Leica SL3-S

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同じ場所で撮り比べをしました。絞り優先AEでF5.6に設定。WBはオートでISO100に統一しています。Leica SL3-PとLeica SL3はとてもよく似た写り。高解像でベンチの質感もよく伝わってきます。Leica SL3-Sは他の2機種と比べ、わずかに青みがあり、明るく写りました。個体差もあるかもしれません。とはいえ2400万画素とは思えないほど解像感が高い写りです。

高解像と高速連写を両立

Leica SL3-Pの最大の特徴が、高解像と高速連写を両立させたことです。Leica SL3は6000万画素の高解像が得られますが、連写は最高15コマ/秒まで。Leica SL3-Sは最高30コマ/秒の高速連写が可能ですが、解像度は2400万画素。それに対しLeica SL3-Pは、4400万画素の高解像ながら最高40コマ/秒というLeica SLシリーズ史上最も速い連写速度が得られます。

さらにAFも進化しました。AF検出は像面位相差、コントラスト、深度マップによるハイブリッド方式で3機種とも同じですが、Leica SL3-PのAF測距点はコントラスト検出が315、位相差検出が819もあり、Leica SL3の315点、Leica SL3-Sのコントラスト検出315点、位相差検出779点を上回っています。被写体検出も人(瞳/顔/全身)、人(瞳/顔)、動物(全身)、動物(瞳/全身)、車、車(パーツ)を装備し、ポートレートから動物、野鳥、モータースポーツなど動体を高精細にとらえることが可能になりました。

Leica SL3-P作例:屋外のイスとテーブル

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF5.6・1/80秒・+0.3EV)・ISO100

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椅子やテーブルの質感がとても高く再現され、リアリティのある写り。画素数だけで見ればLeica SL3の方が上ですが、Leica SL3-Pはレスポンスが良く、キビキビと撮影できます。

Leica SL3-P作例:スカイツリーを背景にした忠信利平人形

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/70-200 ASPH.
絞り優先AE(絞りF2.8・1/640秒)・ISO50

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東京スカイツリーを背景に人形を狙いました。本物の人間ではありませんが、Leica SL3-Pの人認識(瞳/顔)は瞬時に人形の目を検出。おかげでピントはカメラに任せて構図に専念できました。

Leica SL3-P作例:透明なボトルに入ったレモン

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF4・1/320秒)・ISO50

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透明なボトルと黄色いレモン。AFがやや迷いやすいシーンですが、像面位相差、コントラスト、深度マップのハイブリッド方式により、快適な撮影がきました。

Leica SL3-Pは素早く軽快に扱える4400万画素機

Leica SL3-P本体とSIGMA 35mm F2 DG DN

LマウントのSIGMA 35mm F2 DG DNをLeica SL3-Pに装着しました。Leica SLレンズだけでなく、SIGMAやPanasonicのLUMIX Sレンズも使用でき、豊富なレンズ選びが可能です。

実際に撮影しても、4400万画素を扱っているとは思えないほど軽快です。AFもスムーズに駆動し、フォーカスが大きく外れた際も素早く復帰します。被写体認識のレスポンスも良く、人物に向けると瞬時に認識。また新搭載の「車」も、自動車に向けると一瞬で四角い枠が出て車を囲みました。しかも4400万画素の高解像。高精細な表現に向くのはもちろん、一瞬の動きを狙うのを優先して構図が完璧ではなかった場合でも、トリミングしても十分な画素を得ることができます。

4400万画素になると高感度の画質が不安になりますが、ISO12500でややノイズはあるものの不自然さはなく、解像感がとても高くて十分実用的。手ブレ補正も強力なので暗所でも高画質が楽しめます。Leica SL3-Pは、高解像から動体まで対応できる万能選手と言えるでしょう。

使用していて気になったのは、背面モニターとアクセスランプが日中の強い日差しの下ではやや見辛いこと。特にアクセスランプはわかりにくいので、明るい屋外で大量に連写した場合や動画撮影の際は、メモリーカードへの書き込み終了の確認はランプ周囲を手で覆うなどして対策するといいでしょう。被写体認識の数がまだ少ないことも気になります。とはいえ機械に頼り過ぎず、撮影者自らがカメラをコントロールするのが中心という点は、むしろライカらしさを感じるところでもあります。

Leica SL3-P作例:風鈴

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF2.8・1/80秒)・ISO50

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やや大柄ですが、ガッチリした感触で街のスナップにも十分対応できます。ジョイスティックも操作しやすく、ピントを合わせたい風鈴の絵柄に測距点をスピーディーに合わせられました。

Leica SL3-P作例:車のボンネット

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF5.6・1/160秒・-0.7EV)・ISO100

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車のボンネットに強い光が反射している様子に惹かれ、被写体認識を車(パーツ)に設定して撮影。Leica SL3-Pを構えるとヘッドライト周囲に四角い枠が表示され、検出を確認しながらシャッターを切りました。

Leica SL3-P作例:踏切を通過する電車

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/70-200 ASPH.
マニュアル(絞りF7.1・1/1000秒)・ISO400

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踏切を通過する電車を連写で狙いました。Leica SL3-Pは4400万画素もあるとは思えないほど軽快に連写できます。AFもしっかり追従。動体を高精細に撮りたい人にも最適なカメラです。

Leica SL3-Pの作例

Leica SL3-P作例:ビルと空

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF11・1/320秒)・ISO100

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最大14段の広いダイナミックレンジを持ち、豊かな階調が得られます。ここでも空の微妙なトーンや建物、池の蓮の葉などの階調が見事に再現されました。

Leica SL3-P作例:夕暮れの屋形船

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/70-200 ASPH.
絞り優先AE(絞りF5.6・1/160秒・-0.7EV)・ISO100

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夕暮れの屋形船を望遠ズームレンズでクローズアップ。レンジファインダーでMFのLeica Mシステムとは異なる、Leica SLシステムならでの幅広い条件に対応する万能さが堪能できます。

Leica SL3-P作例:室内に飾られた透明のビン

Leica SL3-P・Leica VARIO-ELMARIT-SL f2.8/24-70 ASPH.
絞り優先AE(絞りF4・1/200秒)・ISO12500

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ISO12500に設定。拡大するとややノイズ感はありますが、高感度とは思えないほど豊かな階調と高い解像力が得られました。高感度の強さもLeica SL3-Pの魅力と言えます。

Leica SL3-P作例:逆光で光る路面とシルエットにした自転車

Leica SL3-P・SIGMA 35mm F2 DG DN
絞り優先AE(絞りF2・1/400秒)・ISO50

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逆光で光る路面とシルエットにした自転車。背面モニターをチルトさせてローアングルで狙いました。SIGMA 35mm F2 DG DNはコンパクトで軽量なので、Leica SL3-Pで軽快なスナップができました。

Leica SL3-Pは動画機能も大きく進化。8Kオープンゲート撮影に対応しました。動画機能を重視している人にも注目のカメラです。ここでは4K30pで走る電車を撮影しました。

まとめ

撮影スタイルによってそれぞれの個性を持つLeica SL3シリーズが選べることで、Leicaで写真を撮る楽しさが一層広がりました。連写よりも高解像を求める人にはやはり6000万画素を持つLeica SL3。逆に解像力より軽いデータでサクサク撮りたい人にはLeica SL3-Sがおすすめ。そして高解像も連写も妥協したくないオールマイティ派に、Leica SL3-Pは最適な機種。風景、ポートレート、旅、動物や野鳥、モータースポーツなど様々なシーンで、Leica SL3-Pは高次元で応えてくれます。

作例に使用した機材

カメラ

【商品情報】Leica SL3-P

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Leica SL3-Pバナー画像

レンズ

【商品情報】Leica バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.

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Leica バリオ・エルマリートSL f2.8/24-70mm ASPH.バナー画像

【商品情報】Leica バリオ・エルマリートSL f2.8/70-200mm ASPH. 11096

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Leica バリオ・エルマリートSL f2.8/70-200mm ASPH. 11096バナー画像

執筆者紹介

ライター藤井 智弘 (ふじい・ともひろ)イメージ
■Photo & Text by

藤井 智弘 (ふじい・ともひろ)

東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年に写真展を開催後、写真家になる。カメラ専門誌、WEBでの撮影や執筆、各種撮影や写真講師等で活動。作品では、国内や海外の街を撮影している。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。デジタルカメラグランプリ(DGP)審査員。NHK文化センター柏教室講師。

ホームページ:https://fujiitomohiro.amebaownd.com
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