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2026.08.10
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写真・動画の撮り方・ハウツー,

初めての山キャンプ撮影 フォトグラファー 山下大祐|山の日特別企画 カメラで楽しみを残そう!

初めての山キャンプ撮影 フォトグラファー 山下大祐|山の日特別企画 カメラで楽しみを残そう!キービジュアル


山キャンプをはじめよう

1990年代に大衆レジャーとして人気が出たキャンプ。2010年代後半から再燃をはじめ、コロナ禍の情勢を追い風に爆発的なブームとなった。筆者は撮影仕事で日常的に車中泊をこなしてきたが、その延長線上でできる趣味として、家族でおこなう「ファミリーキャンプ」を日課にしている。コロナ禍の終息とともにキャンプブームも落ち着いてきたとされる昨今だが、一人でミニマムにする「ソロキャンプ」や、ゴージャスな野営風施設を利用する「グランピング」といったキャンプの形態が確立され、アウトドアが苦手な人も割と取っ付きやすいキャンプスタイルもある。そもそもキャンプの定義は曖昧で、必ずしも宿泊を伴うものを指すわけでもない。普段より自然に近い距離で時間を過ごせば、それはもう立派なキャンプと呼んで差し支えないだろう。

さてキャンプには大きく分けて2つ。海キャンプか山キャンプかという場所の選択がある。今回おすすめしたい山キャンプは、暑い時期においても訪れるキャンプ場の標高を高くすることで過ごしやすく調整することができ、低地に比べて虫の数も減ることから、虫嫌いな人の不安要素も軽減できる。かくいう筆者も山派だ。太陽光が山影や木々で遮られるなど、撮影する上で光の変化が大きいことも特徴だ。

高原のキャンプ場

山キャンプの中でも高原のキャンプ場。木々が少なく開放感抜群だ。強風時は風の影響を受けにくい場所に設営しよう。

林間のキャンプ場

林間のキャンプ場なら風の影響は少ない。曇りの日は空を入れずに写真が撮りやすいのもメリット。

カメラの入口にキャンプを

カメラをはじめたいけど何を撮ればいいかわからないと、二の足を踏んでいる人も少なくないだろう。ほかにも、被写体探しに苦労していてせっかく手元にカメラがあっても持て余しがちなビギナーの声もちらほら耳にする。

そんなユーザーにもキャンプはおすすめ。まずは主目的となるキャンプというアクティビティをもてば、カメラを連れ出す理由になる。筆者もカメラに触れるきっかけかとなったのは、幼いころから好きだった鉄道を撮りたかったからだ。休みの日に早起きして大きな駅まで行き、遠方から到着する夜行列車や、季節の臨時列車などをカメラに収めた。カメラのイロハはさておいて、目の前の列車を記録することから撮影がはじまったわけだ。たとえばドライブやゴルフ、ランニングや散歩だっていいだろう。ひとつアクティビティをする過程でカメラを手元に置いておき、そして時々目についたものにシャッターを切ってみよう。“撮影”は肩肘張らない“記録”だと割り切れば、シャッターを押すまでの時間も掛からない。カメラに触れる回数も増えるはずだ。

ソニーRX-0 Mark II

我が家でキャンプ用に導入したソニーRX-0 Mark II。本体はアクションカメラサイズで、写真はBluetooth接続できるグリップ兼用小型三脚が付いた状態。静止画・動画ともに簡単に切り替えて撮影できる。キャンプで作業しながらでもポケットからサッと出してサッと撮ることができる。

キャンプのはじめに

安全にキャンプをするためにも、整備されたキャンプ場を利用しよう。キャンプ場入口で受付して利用料を支払い、指定サイトまで移動して設営を行う。キャンプ場のチェックイン時間は13時〜であることが多く、テントやタープを立てるなら明るい時間に設営まで終わらせるつもりで入場したい。キャンプビギナーなら自動車をテントサイトに横付けできるオートキャンプ場で、かつ設営範囲が定められた区画サイトを利用するがお勧めだが、テントやタープの用意が難しいなら迷わずバンガローやコテージを予約する。

オートキャンプ場

車を横付けできるオートキャンプ場。写真はフリーサイトでの様子。決められた区画はなく、広いキャンプ場の中のどこでも自由に設営して良い。設営したらサイト全景を写真に記録していこう。

キャンプ撮影スタート

設営はキャンプ撮影最初のシャッターチャンス。仲間や家族とああでもないこうでもないと苦労しながらテントを立てる様子はぜひ残しておきたい。人手があれば良いが、そうでなければ手を動かすのが疎かにならないよう、カメラの設定等はオートを最大限活用してささっと撮ることに徹しよう。記録という意味では、三脚にカメラを据えてサイト全景をタイムラプスで撮れば、テントが立ち上がっていく様子を短い動画に仕上げることができて面白い。タイムラプスを使い慣れていない場合は、一度家で予習しておくと現場での撮影準備がスムーズだ。

バンガローやコテージを利用する際は、建物の内観を少し撮影してから荷物を搬入する。オートサイト以外で自動車をサイトに横付けできない場合は、貸し出しのリアカーなどで荷物を運ぶが、その様子などもキャンプらしい記録のひとコマになるだろう。

設営の様子

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
絞りF11・1/30秒・ISO200

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設営の様子をタイムラプス(微速度撮影)で撮影したひとコマ。一度設定すれば三脚に固定したカメラが一定間隔でシャッターを切ってくれて一本の動画になる。バッテリーの残量とメディアの容量に余裕をもって撮る必要がある。

キャンプ動画も楽しもう

動画も写真と同じで、こだわって撮影しようとすると時間がかかる。ただしカメラや被写体が動く分だけ1カット1カットに時間をもたせるのは容易だ。目についた風景や出来事を気持ち長めに撮っておいて、あとで短く繋げるだけでも、キャンプの一端が十分に記録できる。SONY RX0Mark IIのようなコンパクトデジカメなら、ピントや露出をカメラ任せにして素早く撮ることができる。まずは“キャンプしながら撮る“ということに頭を慣らしていこう。

料理はこだわりすぎない、道具で補う

キャンプの楽しみといえば、普段はできないような直火を使った料理。キャンプ場に到着する直前にその土地のスーパーや道の駅に寄り、つくりたいものに合わせて買い出しするのが一般的だが、料理については最初から気合を入れすぎないのが吉。家よりもずっと不便な環境でつくるわけだから、火力調整のほか材料を切ったり洗ったりにも時間がかかるものである。レトルト食品やカップ麺などを調達しておき、一品だけ簡単な手料理を計画するくらいからはじめることがおすすめ。スキレットや鋳物の鍋など、それっぽい道具を使うことで一品だけでもキャンプらしく写真を演出できる。ここでも撮影は一生懸命になって時間をかけすぎないないことが、キャンプ飯を楽しむ秘訣だ。

料理

焚き火台に炭火をおこして、網上で焼肉をしつつ同じ火でアヒージョをする。簡単なものだがスキレットでつくればキャンプ感を演出できる。料理を撮るときは、広角より少し望遠側を使って撮影距離を離して撮るようにすると良い。

火を撮ろう

日も落ちて辺りが暗くなったら人工光で撮ることになる。便利なLEDタイプのライト類が一般的になったが、昔ながらのオイルランタンやガソリンランタンなど火を使ったランタンは写真写りもグッド。LEDタイプでも暖色系の電球色に光るものがいいだろう。焚き火があれば、のんびりと火を撮ってみよう。ここでは露出設定などを変えて撮り比べ、火の動きを写真に表現してみたい。長時間露光で火の粉の舞う様子を撮れば、記憶のなかの火の姿に近い写真に仕上がるだろう。

焚き火

スマホ撮影だが、夜景モード等のシャッター速度が遅くなるモードで撮影すると、火の粉の動きが光跡となって写る。一眼カメラなどの場合は1/10秒程度のシャッター速度を使い、手ブレに注意して撮影しよう。

晴天の夜の楽しみ

キャンプの思い出といえば満点の星空だ。とくに寒い時期の月が出ていない夜はチャンス。少ししっかりめの三脚を据えて長時間露光にチャレンジしよう。明るいF値をもったレンズが使えるシステムならより暗い星まで露光されるためまさに満点の星を描写できる。

フレーミングは星空だけを撮るというより、テントやお気に入りの愛車を入れた構図で狙うとキャンプ写真であることが伝わるだろう。ランタンの明かりが眩しく感じるだろうが、比較明合成機能を上手に駆使すれば、人工の光を抑えつつ星がグルグルした写真も難しくない。光跡を伸ばさない星空なら、手持ちでもなんとか撮影可能な1〜2秒の露光時間でも撮れる。

星撮影比較明合成

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
絞りF2.8・8秒・ISO1600・比較明合成

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OM SYSTEMのカメラに搭載されるライブコンポジット機能を使用して撮影した。複数枚連続撮影をしながらカメラ内でリアルタイムに比較明合成していく機能だ。30分程度の撮影時間だが、その間に動いた星が光跡となって露光される。

星撮影比較明合成なし

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
絞りF2.8・8秒・ISO1600

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上の写真に対してこちらは合成なしのワンショット撮影。目で見る星空に近い描写で、感動をそのまま記録したような写真だ。ここでは8秒露光なので三脚を立てて撮影したが、ISO感度をISO12800まで上げれば1秒露光で同じ明るさを得られる。手ブレ補正機能の助けを借りれば手持ち撮影可能な秒数だ。

月撮影

SONY RX0 Mark II
絞りF4.0・1/5秒・ISO 6400

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月が明るい夜は星空撮影には向かない。そういう時は月自体にレンズを向けて夜の撮影を楽しもう。思ったより月は明るく、木々やキャンプ道具などをシルエットで見せることができる。これも高感度を使って手持ち可能なシャッター速度で撮っていこう。

夕日と朝日の醍醐味

山の中で目覚める朝は、キャンプに来た満足感と無事に夜を越せた安堵感に包まれるなんともいえない瞬間。柔らかい斜光線が描く陰影をみつけてレンズを向けてみてほしい。テントの隙間に差し込む光や夜露が輝く草花など、昨夜までは気づけなかったものに気づけるのもこの時間だ。また同じ斜光線でも夕日によるややシャープなかたい光も見逃せない。カメラ片手にキャンプ場内をぐるっと一周歩いてみると良いだろう。夕食づくりに時間を取られすぎないようにするのもこの時間のためだ。散歩中は気になる光や影を見つけて撮ってみよう。現実的な人工物があまり写り込まないようにするのがコツだ。

夕日

SONY RX0 Mark II
絞りF4.0・1/1000秒・ISO125

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最高の天気に恵まれた高原キャンプ場の夕景。太陽は非常に強い光源であるため、画面に入れるときは望遠ではなく広角で。そして太陽近くに影になる被写体(樹木など)を配置してあげることで、フレアによって逆光線が目に見える描写となる。

バンガロー

SONY RX0 Mark II
絞りF4.0・1/50秒・ISO640・+1.3EV補正

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小さい子どもを連れてのキャンプはバンガロー泊が安心。設営の手数も少なく、長くまったりした時間が過ごせる。太陽の明るさに合わせて撮ると前景は真っ暗になってしまうが、そういう時は前景に合わせた明るさに露出補正してあげよう。この写真もカメラの自動露出よりも1.3段分明るく撮っている。

バンガロー光

SONY RX0 Mark II
絞りF4.0・1/100秒・ISO125

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バンガローから木々の葉がカーテンに影を落としているのが印象的で撮った写真。低い太陽光線は自然を思わぬかたちで見せてくれる。

朝の光

SONY RX0 Mark II
絞りF4.0_1/160秒・ISO125・+1EV補正

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木々の間から差し込む朝の光。林間キャンプ場ならこのような光を何度となく見ることだろう。できるだけ建物や電柱などが画面に入らない場所で撮ろう。

番外編:子どもの成長記録

親子でキャンプに行くと子どもの成長を目の当たりにする。火を扱ったり料理に参加したりとできることが増えていくからだ。キャンプはその瞬間を撮るチャンスでもある。近年のキャンプ場は子どもが遊べるエリアが併設されていることも多く、あえてそういうキャンプ場を選ぶこともあるくらいだ。人物の顔を認識するカメラがおすすめで、大口径レンズと呼ばれるピントの浅い写真が撮れる機材でも、子どもの顔へのピント合わせが楽チン確実である。近所の公園ではわざわざ撮ることがない写真も、キャンプという場面ならたくさん撮ってあげられるから、良い写真が残りやすい。それだけでも親子キャンプはやめられない。

すべり台

SONY α9 III
FE 50mm F1.2 GM
絞りF1.2・1/160秒・ISO1600

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アスレチック

SONY α9 III
FE 50mm F1.2 GM
絞りF1.2・1/200秒・ISO1600

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キャンプ場内にあったアスレチックは子どもを遊ばせるのに最適。人の顔を認識してピントを自動で合わせる「被写体認識」が大変高度になってきている。そのためレンズの絞りを開放にしてピントの浅い写真も撮りやすくなった。

成長

キャンプは子ども成長をまじまじと感じられる機会にもなる。

さいごに・気をつけたいこと

撮るもの探しに迷えるカメラビギナーも、キャンプという舞台があればもう迷うことなくシャッターを押せる。ただしキャンプはキャンプで奥が深い。撮影の都合ばかりに気を取られ、キャンプの準備や判断が疎かになるとたちまち危険なレジャーになり得る。つい最近子どもと2人で行ったキャンプでは、夕方から夜にかけて風が吹き始め、夜中はあちこちでテントが飛ばされるほどの強風が吹いていた。筆者もいつ飛ばされるかと気が気でなく、テントの固定を何度も確認する恐ろしい夜だった。自然の中で過ごすということは恐怖も隣り合わせである。撤収して車に避難するなど、いつでも諦められる余裕と勇気も併せもちたい。

そしてキャンプと撮影の同時進行は、やってみると結構忙しい。SNSで映えている写真に近づこうと頑張りすぎると、キャンプを楽しむ時間はその分無くなっていくものだ。“あれこれやろうと欲張らない“というのはキャンプ入門書にも書かれていること。撮影においてもまったく同じ。本記事でタイムラプスや比較明合成を紹介したが、ひとつのキャンプであれこれ撮ろうと思わずに、ゆっくり長く何回も楽しめる撮影にしてもらいたい。

執筆者紹介

ライター山下 大祐(やました・だいすけ)イメージ
■Photo & Text by

山下 大祐(やました・だいすけ)

1987年兵庫県生まれ 日本大学芸術学部写真学科卒業
鉄道撮影プロダクション勤務を経て2023年独立
幼い頃からの鉄道好きがきっかけで写真と出会い、作品制作の舞台として鉄道と関わるようになる。幾何学的な工業製品あるいは交通秩序としての鉄道を通して、人や自然の存在を表現しようと制作活動を行なっている。

鉄道事業者広報素材、広告、カレンダー、CMの撮影
鉄道誌・カメラ誌等で撮影・執筆
OM SYSTEMゼミ講師
株式会社オフィスヤマシタ代表
日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員

2018年 個展「SL保存場」富士フォトギャラリー銀座
2021年 個展「描く鉄道。」オリンパスギャラリー東京・南森町アートギャラリー
2026年 個展「新幹線 高速度のイメージ」OM SYSTEM GALLERY

ウェブサイト:http://www.daisuke-yamashita.com
SNS:https://www.instagram.com/yamadai1987/

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1938年の創業以来、80年以上にわたり多くのカメラ愛好家の皆さまに支えられてきました。

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