SONY α7R VI レビュー|α1 IIにどこまで迫った?前モデルから大幅進化した高画素機の枠を超える実力を検証

目次
高画素機のイメージを変えるカメラ
まずは結論
SONY α7R VIとは
比較 | α1 II・α7R V・α7R VI
実際に使って感じたこと
α1 II・α7R V・α7R VIのどれを選ぶべき?
まとめ|高画素機の弱点を大きく減らした1台
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高画素機のイメージを変えるカメラ
Sony α7R VI は、従来の高画素機のイメージを大きく変える1台かもしれません。
「解像感が高い」「クロップ耐性が強い」「風景やスタジオ用途に向いている」
これまでの高画素機といえば、このような印象を持つ方が多いかと思います。
一方で、以下のような印象もありました。
「動体撮影は苦手」「連写やAF追従は妥協が必要」「万能機というより専門機」
しかしα7R VIでは、AFアルゴリズムや処理性能・被写体認識などが進化したことにより、従来の高画素機=静体向け、高解像度とスピードは両立しないというイメージを覆すほどの完成度に仕上がっています。
今回は「α7R VI」を、前モデル「α7R V」とフラッグシップ機「α1 II」のスチル性能を比較しながら、カメラ専門店の視点でその実力をレビューしていきます。
まずは結論
まずは結論からということで、SONY α7R VIの「良かった点」「気になった点」「こんな人におすすめ」を箇条書きにしてみました。
| 良かった点 | •AF/被写体認識性能が進化 •高画素ながら動体撮影にも強い •バッテリー性能が向上 •α1 IIに近い万能感を感じる場面が増えた |
|---|
| 気になった点 | •高画素機ゆえデータ容量は大きい •センサー読み出し速度/AF/長時間連写性能などでα1 IIとの差がある |
|---|
| こんな人におすすめ | •動体/風景/ポートレートを撮影したい •写真も動画も最高峰の解像感で撮影したい •トリミング前提の撮影を多用する |
|---|
もちろん、フラッグシップ機であるα1 IIと比べると差を感じる部分もあります。
しかし、単なる高画素機・α1 IIよりも下位のモデルではなく、「圧倒的な解像力」「クロップ自由度」「高いAF性能」を組み合わせた万能な高画素機として魅力的な存在になっています。
SONY α7R VIとは
それでは、α7R VIがどんなカメラなのか、製品の概要を見ていきましょう。
| 商品名 | α1 II | α7R VI | α7R V | α7 V |
|---|---|---|---|---|
| 商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| 特徴 | フラッグシップ・万能 | 高解像(Resolution) | 高解像(Resolution) | バランスモデル |
| 発売日 | 2024年12月13日 | 2026年6月5日 | 2022年11月25日 | 2025年12月19日 |
| センサー | Exmor RS CMOSセンサー | Exmor RS CMOSセンサー | Exmor R CMOSセンサー | Exmor RS CMOSセンサー |
| 画素数 | 最大約5010万画素 | 最大約6680万画素 | 最大約6100万画素 | 最大約3300万画素 |
| 連写 | 最高30コマ/秒 | 最高30コマ/秒 | 最高10コマ/秒 | 最高30コマ/秒 |
| 連続撮影 | RAW: 240枚 | RAW: 150枚 | - | RAW: 95枚 |
| 手ぶれ補正 | 中央8.5段 周辺7.0段 | 中央8.5段 周辺7.0段 | 8段 | 中央7.5段 周辺6.5段 |
| 本体重量 | 約658g | 約622g | 約638g | 約610g |
| 商品情報 |
α7R VIには、αシリーズ史上もっとも高画素となる約6680万画素のセンサーが搭載されました。従来のRシリーズらしい圧倒的な解像性能に加え、積層型センサーとAIを搭載した最新の画像エンジンを採用したことで、フラッグシップ機レベルの連写速度を実現しています。
さらに、AI処理に対応した最新世代の画像処理エンジンを組み合わせることで、AF性能や被写体認識も向上しました。
SONY α7R VI・SONY FE 100-400mm F4.5 GM OSS・1/3200秒・F4.5・ISO640・焦点距離400mm
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動体撮影に強いフラッグシップ機α1 IIに迫るAF性能や処理速度を備えながら、Rシリーズならではの圧倒的な解像感やクロップ耐性も維持しています。
まさに、SONYの最新技術を凝縮した高画素機の枠を超えた1台と言えるでしょう。
比較 | α1 II・α7R V・α7R VI
ここからはα7R VIが前モデルからどのくらい進化したか、そしてフラッグシップ機α1 IIにどのくらい迫っているのか、比較検証していきます。
画質・描写力|圧倒的な解像感
▼解像度
まずは解像度を比較をしていきます。
作例はすべて、シャッタースピード:1/320秒、絞り:F8、 ISO:100、レンズ:FE 70-200mm F2.8 GM OSS II、焦点距離150mm付近で撮影しております。
α7R V
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まずは、前モデルα7R Vで撮影した作例をご覧ください。
湖面や塔、奥にある木々など高い解像度で、フルサイズ機最高クラスの画素数を誇る実力がわかります。
ただ、拡大してみるとレンガひとつの質感がしっかり描写されている一方で、シャドウ部のディテールはわずかに甘さを感じます。
α7R VI
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つづいて、α7R VIの作例です。
拡大していない状態では、α7R Vと同等か少し高いという印象の解像感です。
しかし拡大していただくと、レンガのシャープネスがα7R Vより高いことがわかるかと思います。シャドウ部のシャープネスも、α7R VIのほうが良いと感じます。
α1 II
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最後に、α1 IIの作例です。
拡大するとその差は歴然です。α7Rシリーズ2機種とくらべると、ハイライト部のレンガのシャープネスやシャドウ部の質感が潰れてしまっています。
特に高性能なGMレンズとの組み合わせでは、レンズ性能を余すことなく引き出してくれます。
▼ダイナミックレンジ
続いて、ダイナミックレンジの比較です。
こちらの作例もレンズはSONY FE 28-70mm F2 GMを使用し、JPEG撮って出しで比較します。
α7R V
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まずは先代「α7R V」で撮影した作例です。
木陰のニュアンスが良く再現されており、奥の草木なども少しハイライトが飛び気味ですが良く再現されている印象です。
α1 II
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続いて、「α1 II」の作例です。
ハイライトやシャドウの表現など、解像感以外の描写傾向はα7R Vに似ています。
α7R VI
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そして最後に「α7R VI」作例を見てみます。
奥にある草木のハイライトの粘りはもちろん、手前にある葉のシャドウの残り方まで別格です。
他モデルよりダイナミックレンジが広い(最大約16ストップ/1ストップ広い)ことが生む効果が見て取れます。白飛び・黒つぶれ耐性が高く、風景や逆光シーンでも豊かな表現が可能です。
左からα1 II、α7R VI、α7R V
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また、ダイナミックレンジの話からは逸れますが、AWB使用時の色味についてもα7R VIの作例が抜群に良く、肉眼に近い色味となっていました。
▼ノイズ耐性
つぎは、高感度ノイズを比較します。
今回は着陸する旅客機をISO 25600で撮影し、ハイライトやシャドウのノイズ・解像感などをみていきます。レンズはFE 100-400 F4.5 GM OSSを使用し、高感度ノイズ低減は標準設定です。
α7R V
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α7R Vの作例は全体的にノイズが多く、解像感が失われているのがわかります。
α7R VI
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α7R VIも高解像度ゆえにノイズ感がありますが、α7R Vよりも画素数が多いにも関わらず解像感が高いです。白飛びしやすいライトの周辺も、質感を維持しています。
α1 II
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α1 IIは他2機種と比べ画素数が抑えられていることもあり、ノイズ感や解像感は良好です。
AF性能|高画素機とは思えない追従性能
つぎに、AF性能についての比較です。こちらの作例は最新レンズであるFE 100-400 F4.5 GM OSSを使用しました。
▼昼間のAF性能
まずは光量が多い時間帯のパフォーマンスです。
ピント位置は表示されますが、被写体認識があまり機能しません。さらに、ブラックアウトが発生するため動体を追うのが難しいです。
AF精度は大まかに合っているという印象で、約6100万画素という高画素であることもありピント精度は厳しい結果となりました。
動きのゆっくりした被写体には安定して機能するので、動体撮影が少ない方におすすめしたいモデルです。
ピントが合う回数が多く、センサー演算回数が秒間60回に向上した恩恵を感じることができます。約6680万画素のセンサーでありながら、この認識精度は目を見張るものがあります。前モデルよりもAFの迷いが減っています。外れた後に復帰する速さも改善されている印象を受けました。
ただやはり完全ではなく、時々ピントが合わない場面も見受けられます。解像度が高いためシビアなピント精度が求められる点は、α7R VIの課題と言えるでしょう。今後のアップデートに期待したいポイントです。
動物の瞳の前に物が重なっても追従し、瞳が見えた時には瞳AFが作動して精度も正確でした。
ブラックアウトの回数がもっとも少なく、やはりフラッグシップ機の性能だと感じさせます。
▼夜間のAF性能
暗所のAF性能にどのような差があるのか、夜間の飛行機をスチル撮影で検証してみました。
α7R V
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「α7R V」はブラックアウトの影響もあり、かなりの頻度でAFが外れました。被写体認識もあまり機能しませんでした。
α7R VI
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もっとも安定していたのは、「α7R VI」でした。
AFが迷うことは少なく、被写体認識も高い確率で飛行機として認識していました。
SONY α1 II
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「α1 II」はAFが迷うことが比較的多く、精度の甘さを感じる場面が見られました。被写体認識の発動も6割ほどでした。
夜間は演算回数よりも最新エンジン搭載の恩恵が大きく、α7R VI>α1 II>α7R Vの順でパフォーマンスが良いという結果になりました。
センサー読み出し性能|高画素と高速を両立
電子シャッターでの読み出し速度を比較します。
今回は列車をシャッタースピード1/8000秒で撮影しました。なお、結果には列車速度の差による若干の誤差が含まれますので、あらかじめご了承ください。
まずは、裏面照射型センサーを搭載したα7R Vです。
高画素機ということもあり、形が大きく歪んでいるのがわかります。
つづいて、積層型センサーを採用したα7R VIです。
α7R Vよりも高画素化しているのに、歪みが大幅に抑えられています。この程度の歪みであれば、ほとんどの動体撮影で影響を気にすることはないでしょう。
最後に、メモリー内蔵積層型センサーを搭載したα1 IIですが、ほぼ歪みがありません。この圧倒的な歪みの無さは、α1 IIならではの特徴と言えます。
手ぶれ補正|フラッグシップ機と遜色のない性能
続いて、手ぶれ補正について比較していきましょう。
α7R V
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α7R Vについては、過不足なく優れた補正性能を備えている印象です。
α7R VI
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つぎに、α7R VIです。
1/30秒よりも長いシャッタースピードでの手持ち撮影や、夜間の流し撮りで大幅な進化を感じました。高画素機でありながら流し撮り・長時間の手持ち撮影の歩留まりがよく、「高画素なのにしっかり止まる」感覚を持ちました。
α1 II
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最後に、α1 IIです。
α7R VIとくらべて、補正性能そのものに大きな差は感じられませんでした。ただ、α1 IIのグリップの方がよりしっかり握り込めるため、僅かですがα1 IIの方が安定性が高いと言えます。
しかし、夜間の撮影ではα7R Vとα7R VIで明確な差を感じました。
外観デザイン・操作性|実用性がさらに向上
外観デザインや操作性について解説します。はじめはファインダーから見ていきましょう。
▼ファインダー
α7R VIは前モデル比で約3倍も明るいファインダーで、DCI-P3相当の広色域にも対応しています。
さらに、αシリーズでは初となるHDR表示も可能になりました。これまで課題とされていた明暗の差が激しい場面での視認性が向上しています。
フレームレートはα1 IIが240fpsの高速表示に対応している一方、α7R Vとα7R VIは120fps表示です。またα1 IIのみ、より効果的に遮光できる深型アイカップが付属しています。
▼モニター
今回比較しているモデルは、共通のモニターを搭載しています。
サイズは3.2型で、約210万ドットの高精細なパネルです。DCI-P3相当の広色域に対応した4軸マルチアングル液晶モニターとなっています。
▼操作ボタン
α7R Vとα7R VIは基本的に共通のボタン配置ですが、いくつか異なる点があります。
ひとつはモードダイヤルです。
α7R Vのモードダイヤルのメモリーリコールは「1~3」でしたが、α7R VIでは「1~2、アスタリスク記号」と変更されています。このアスタリスク記号のモードには最大10個まで設定を保存できるので、様々な撮影シーンに最適な設定を一瞬で呼び出せます。
モードダイヤルの刻印もこれまではシルク印刷のものでしたが、α7R VIでは「AUTO」の文字のみ立体感のある仕様になりました。
もうひとつは背面ボタンのイルミネーションです。
α7R VIのボディ上面に追加された専用ボタンを押すとボタンが点灯し、暗い場所でも操作しやすくなります。他社では搭載されているモデルもありますが、SONY αシリーズとしては初の搭載です。
一方で、α1 IIの前面にある「C5カスタムボタン」と、本体左肩にある「連写モード」「フォーカスモード」のダイヤルは、α7Rシリーズにはありません。これらはフラッグシップのα1シリーズとα9シリーズにのみ搭載されています。
搭載有無で操作性が大きく変わるため、購入前にチェックしてみてください。
▼グリップ・ボディ形状
グリップ形状やシャッターの位置が、各モデル大きく異なります。
α7R V:手のひらが当たる部分がかなり直線的な形状
α7R VI:α7R Vより曲線的な形状。少し厚みのあるグリップ
α1 II:シャッターボタンに人差し指が自然に沿い、手のひら全体で包み込める形状
グリップ形状は人によって好みが分かれますので、ご自身の手で触れ確かめてみてください。
▼端子
最後の比較として、端子類をみていきます。
α7R VIで変更された点としては、これまで搭載されていたマルチ・マイクロUSB端子が非搭載となり、代わりにUSB Type-C端子がふたつとなった点です。
高速な10Gbps対応ポート(上側)480Mbpsのポート(下側)で、どちらもPD規格による高速充電に対応しています。
また、シンクロ端子の位置が変更になりました。HDMIとカバーが別になったため、利便性が向上しています。
一方、本体に直接LANケーブルを挿せるのはα1 IIだけです。USB-LANアダプターを使えば他機種でも接続可能ですが、FTP転送やリモート撮影をおこなう場合はα1 IIが第一候補になるのではないでしょうか。
実際に使って感じたこと
万能な高画素機という立ち位置
実際に使って感じたのは、α7R VIが単なる高画素機ではなくなっていることです。
もちろん最大の長所は高解像ですが、「AF性能」「被写体認識」「連写性能」などが大きく進化しており、高解像機だから動体撮影は妥協という印象はかなり薄れました。
良かった点
•解像感と速度のバランスが良い
•クロップ込みで考えると自由度が高い
•AFの安心感が向上
•ロングバッテリー
気になった点
一方で、データ容量の大きさによるストレージ消費など、高画素機ならではの運用負担は依然としてあります。購入前にこの点まで含めて考える必要はあるでしょう。
α1 II・α7R V・α7R VIのどれを選ぶべき?
| α7R Vがおすすめな人 | •コストを抑えたい •静体撮影中心 •中古購入も視野に入れている |
|---|
| α7R VIがおすすめな人 | •解像と動体性能を両立したい •クロップを多用する •高性能な高画素機が欲しい |
|---|
| α1 IIがおすすめな人 | •プロ用途 •動画撮影も最高性能で •絶対的な信頼性重視 |
|---|
α1 IIが「すべてを高水準でこなすフラッグシップ機」だとすれば、α7R VIは「解像力を武器にした万能機」だと感じました。それぞれの特徴と価格を考慮し、ご自身に合ったモデルを選んでみてください。
まとめ|高画素機の弱点を大きく減らした1台
α7R VIは、従来のRシリーズが持っていた「動体撮影への弱さ」「高画素機特有の扱いづらさ」を大きく改善しています。
フラッグシップ機であるα1 IIには及ばない部分もありますが、万能な高画素機として魅力的なモデルです。
SONY α7R VI・SONY FE 100-400mm F4.5 GM OSS・1/1000秒・F4.5・ISO250・焦点距離400mm
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「動体」「ポートレート」「風景」「商業撮影」など、高解像と動体撮影性能の両立を求めるユーザーに特におすすめの1台と言えるでしょう。
本記事で紹介した機材
【商品情報】SONY α7R VI
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【商品情報】SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
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