OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO 実写レビュー × 写真家 桃井一至 | 400ミリF2.8相当を身近に。汎用性に優れたPROレンズ

目次
はじめに
M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROの魅力
OM-1 Mark II × M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO「超望遠撮影時の被写体認識AF」
作例
気になる点
まとめ「野鳥やスポーツ撮影だけでなく汎用性に優れたレンズ」
作例に使用したレンズ
作例に使用したカメラ
フジヤカメラ | 東京都中野のカメラ専門店

桃井一至(ももい・かずし)
1968年、京都生まれ。写真家アシスタントを経て、フリーランス。現在は撮影をはじめ、写真関係媒体の執筆やWebレポートなどを多数。イベント等への出演も多く、NHK「趣味悠々・デジタル一眼レフ撮影術入門」などでは講師を務めた。主な撮影ジャンルは人物・海外風景など。公益社団法人日本写真家協会会員(JPS)。
Youtube:「gizmomofreaks」
はじめに
OMデジタルソリューションズ社の超望遠レンズが元気だ。
近年、同社はアウトドアを軸としたプロモーションを展開。
特に野鳥撮影に適した超望遠レンズ4本(M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II)を矢継ぎ早に投入。売れ筋の100-400mmに至っては異例の早さでII型へマイナーチェンジしたほどだ。
同社がそこまで力を入れる理由のひとつは、マイクロフォーサーズは規格上、望遠レンズに優位な構造であるのが挙げられる。とかくマイクロフォーサーズは35mmフルサイズと比較してセンサーサイズが小さく、ボケ量の少なさなどネガティブな部分のみを取り上げられがちだが、同一画角を得るなら焦点距離は1/2ですみ、レンズの小型軽量化に寄与。最短撮影距離も優位にしやすく、接写にも向いているなど、望遠やマクロ多様派には相性のいい規格と言える。
しかし先の4本はワイド側でも100mmオーバー。35mm判換算では200mmを超えているため、野鳥やスポーツなど明確な望遠対象でない限り、過剰気味の焦点距離だったのも事実だ。
超望遠を多用しないユーザーとしては、もう少し汎用性の高いレンズを待ちわびていたところへ、間を埋めるレンズと登場したのが、今回紹介するM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROになる。
白色のレンズは2本目だが、温度上昇を抑える遮熱塗装を採用。表面温度を大幅に下げることで、一般的な黒と比べて2/3~1/2程度に温度上昇を抑えられ、赤外線反射顔料まで用いて、光学性能を保つという。
▼おすすめシーン
野鳥・動物、風景、鉄道・飛行機、スポーツ
▼おすすめポイント
35mm判換算100-400mmでF2.8通し、約1,250g(三脚座含む)の軽量さ、操作性向上と誤操作防止が考え抜かれたボタン配置、野鳥やスポーツから風景までオールマイティーに対応可能
【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
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M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROの魅力
本製品いちばんの魅力は、35mm判換算で「400mm F2.8」を軽快に扱えることだろう。
約1,250グラム(三脚座含む)のレンズとボディ(OM-1markII)を合わせても、約1,849グラム。
これくらいのボリュームであれば、手持ち撮影で野鳥など動く被写体を追い続けるのも容易く、腕も疲れづらい。さらに2倍テレコンバーターMC-20と組み合わせれば、800mm F5.6相当になるのも強みで、見かけからは想像できない超望遠で遠くの被写体を大きく撮ることができる。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20
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レンズ構成は13群21枚。EDAレンズ1枚、スーパーEDレンズ2枚などを使用。ゴーストやフレアー対策として「ZERO(Zuiko Extra low Reflection Optical)コーティング II」も施され、PROシリーズの名を打つだけあって、レンズ作りの基準は同社の最高峰だ。
上から フォーカスリミットスイッチ、フォーカス切り換えスイッチ、ISスイッチ、L-Fnボタン切り換えスイッチ、SETボタンの順。スライドスイッチには滑り止めの刻みがある程度で、突起などは設けられていない。
上方からフォーカスリング、L-Fnボタン、ズームリングの順。周囲にはL-Fnボタンが4ヶ所設置。中央のL-Fnボタンはわずかに左に置かれ、ボタン周囲の突起や溝など操作性向上と認識しやすさ、誤操作防止など熟慮されている。
▼買い替えのポイントは?
テストの範囲で画質のウィークポイントは感じることはなかったが、1.4倍と2倍が用意されている純正テレコンバーターとの組み合わせでは、1.4倍はまだしも2倍はわずかに解像がスポイルされる印象。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
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【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20
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実用で困らないレベルだが、2倍テレコンバーター併用で望遠端を多用するなら素直にM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROなどをセレクトするのが良いだろう。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
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またロングセラーで愛用者の多いM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROからの買い替えを検討する人もいるだろう。
比較して、手ぶれ補正がレンズ内蔵で5軸シンクロ手ぶれ補正時、7.0段補正(200mm時)まで強化される点とAFスピードは双璧する速さで至って快適だ。画質向上はもちろん見受けられるが、もともと40-150mmも優秀なため、眼を見張るほどには感じられなかった。プラス50mmを必要かどうかで、見極めたい。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
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アルカスイスタイプの雲台に対応。レンズとの脱着はネジを廻すタイプで少々時間がかかるが、指掛かりも良く、携行性は良好。欲を言えば他社に見られるような「座」を外しても、三脚穴を本体側にも欲しかった。
本体と同色の円形フードが同梱される。フード本体にはスライド式のフィルター操作窓を設置されているので、PLフィルターなどの操作も容易だ。フィルター径は77mm。脱着は側面のボタンを押して外す。
OM-1 Mark II × M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO「超望遠撮影時の被写体認識AF」
フラッグシップモデルOM-1 Mark IIと組み合わせて、超望遠撮影時の被写体認識AF性能をチェックしてみました。
【商品情報】OM SYSTEM OM-1 Mark II
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OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO + TC-20
絞りF5.6・1/640秒・ISO200
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激しく動くのが特長のメジロ。2倍テレコンバーターTC-20を使い、35ミリ換算800ミリにして追う。フルサイズ機の800ミリで追うのは、レンズに振り回されて骨が折れるが、本機ならその心配はない。開放F値もF5.6だと、露出決定にも余裕が生まれる。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/4000秒・ISO200
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高速AF追従連写は最大50コマ/秒まで対応するが、ローカル線ではオーバースペック。20コマ/秒程度でも十分楽しめる。ローカル線程度の速度では遠方から車両正面が画面をはみ出すまで、ピントは全コマ完璧。拍子抜けするほどだ。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/160秒・ISO200
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レンズを活かすには最新ボディーとの組み合わせがベスト。AI被写体認識AFは「犬、猫」で利用。馬なども含む分類におおむね近い被写体は問題なく認識される。頭部や目へのフォーカスもスムーズで安心して構図に集中できる。
作例
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/500秒・ISO200
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美しいシーンに出会えば、瞬時に切り取れるのが望遠レンズの魅力。ボディの質感描写や画面右から背景へつながるボケの美しさなどから、単に大きく撮れるだけの望遠レンズでなく、各バランスを考慮して作り込まれたのがわかる。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF3.2・1/4000秒・ISO200
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走り去るレースカーを被写体認識AFで追いつつ、足元に構図を変えれば、跳ね上げた泥へ瞬時にフォーカス。なお車両を追い続けたければ、メニューにてC-AF追従感度を調整可能だ。防塵防滴も心強い。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/200秒・ISO500
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警戒されがちな親子も400mmあれば、かなり自然な様子で撮影可能。毛並みやボケの描写も良好だ。ズームリングは軽めだがスムーズでトルク変動も感じられず、良い製品を使っているのが実感できる。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/6400秒・ISO200
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ごきげんな足取りで海辺を散歩するカラス。被写体認識AFは各社しのぎを削るが、動きだけでなく、画面内で対象が小さくても認識させるのも腕の見せ所。カメラから指示された被写体へ、スピーディにピントを追い続けるのが気持ちいい。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/200秒・ISO800
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イルミネーションに浮かび上がる桜。AFターゲットを一番小さなシングルにして、雄しべに合わせる。なお最短撮影距離はズーム全域で0.78m。最大撮影倍率は0.5倍相当を誇る。構図を保持するのに軽いのが助かる。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF2.8・1/10秒・ISO1600
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望遠レンズの失敗で筆頭にあがるのが手ぶれ。5軸シンクロで最大7段をうたう本製品なら望遠夜景も手持ちで楽しめる。シャッター速度は1/10秒。ISO感度も低めに設定できるので、画質的にも余裕がうまれる。
OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
絞りF5.6・1/640秒・ISO200
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望遠レンズの持ち味である圧縮効果。数十メートル離れた場所から、太陽とカップルの延長線上に立つ。シルエットと眩しさで肉眼では判断しづらいシーンでも、しっかりフォーカスを合わせてくれた。空や波のグラデーションも美しい。
気になる点
もちろん良いことばかりでない。標準ズームレンズ併用時、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIと同12-45mm F4.0 PROとの間に、隙間ができる点に注意したい。5~10mmでも場所に制約あるシーンでは、足かせとなったり、撮影に集中できないことにもなりかねない。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
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【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO
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そしてなにより覚悟が必要なのは、望遠の2本は思いのほかサイズが違う。 各個別で内容やスペックを思えば小型軽量であるものの、同列で比較すると40-150mm F2.8の79.4×160mm、880g(三脚座含む)に対して、50-200mmでは91.4×225.8mm、1,250g (三脚座含む)と、場合によってはワンサイズ上のバッグが必要になるほどだ。
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
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【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
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まとめ「野鳥やスポーツ撮影だけでなく汎用性に優れたレンズ」
メーカーは40-150mmF2.8の後継モデルではないと明言しているので別物と捉えつつ、自分の使用環境に照らし合わせて慎重に検討するのが良さそうだ。
同社は開放F値の違いで個性を分けた40-150mmを3種類用意しているが、「それよりもあと少し大きく」を叶えてくれる本製品。ちょっと勇気のいる価格設定だが、野鳥やスポーツに限らず風景までカバーできる汎用性の高さから、幅広いユーザー層が長く使える製品になりそうだ。
Photo & Text by 桃井一至(ももい・かずし)
作例に使用したレンズ
【商品情報】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO
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作例に使用したカメラ
【商品情報】OM SYSTEM OM-1 Mark II
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フジヤカメラ | 東京都中野のカメラ専門店
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