Nikon ZR × 写真家 三井公一 | 「Z」の信頼性と「RED」の情熱が融合した"撮る歓び"を刺激するシネマカメラ

目次
はじめに
「ZR」の性能面、操作性は?
外観、重量
センサー、エンジン
ボディの質感、防塵防滴性能
背面モニター、対応記録メディア
マイク、音声収録
「ZR」でブラブラ実写スナップ
動画作例
スチル作例
ほかの「Z」シリーズとどう違う?
「ZR」はどんな人にオススメ?
まとめ
作例に使用したカメラ
作例に使用したレンズ

三井公一(みつい・こういち)
フォトグラファー。写真週刊誌、スポーツ紙、グラフ誌、モータースポーツ専門紙のスタッフフォトグラファーを経て、現在は広告やエディトリアル撮影を手がける。ブラブラとさすらいながらのスナップショット撮影が好き。シグマ公式サイト「シグブラ」、ペンタックス公式サイト「ペンタビ」などの連載を持つ。スマートフォンでの写真撮影のパイオニアでもある。
公式サイト:www.sasurau.com
各 SNS:@sasurau
シグマ公式サイト:「シグブラ」
ペンタックス公式サイト:「ペンタビ」
はじめに
ニコンがREDを買収したというニュースが世界を駆け巡ってから、どれほどの月日が流れたでしょうか。「いつか出る」と噂されていた、ニコンの技術とREDのシネマサイエンスが融合したカメラ。それがついに手元にやってきました。そう、Nikon「ZR」です。
【商品情報】Nikon ZR ボディ
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RED社買収によるシナジーで同社のカラーサイエンスを持った「R3D NE」形式での動画内部収録が可能な注目の機種になっていて、12bit 6K 59.94p および4K 119.88p(DXフォーマット)での撮影ができるカメラに仕上がっています。もちろんスチルの撮影も朝飯前です。
今回はこの注目のシネマカメラを、あえていつものスチル撮影のような感覚で街へと連れ出してみることにしました。
「ZR」の性能面、操作性は?
外観、重量
シネマカメラとして位置づけられた「ZR」は、「Z9」や「Zf」などと違ってボクシーなボディデザインをしています。EVFや大きなグリップを持たず、Vlogカムとして登場した「Z30」に近いイメージですね。「ZR」はフルサイズ機ですが約630gと軽量になっています。
センサー、エンジン
しかし、その中身は「Z6III」相当という充実っぷり。2450万画素の部分積層型CMOSセンサーと、画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載しているのです。オートフォーカスも高速かつ正確、電子シャッターオンリーという仕様で、シネマだけでなくスチルも快適に撮影できるようになっています。
ボディの質感、防塵防滴性能
ボディの造りと感触は「さすがニコン」という印象です。剛性感と緻密感がしっかりと同居しており、モニターの開閉やボタンの押し具合など安定感バツグンです。当然ながら優れた防塵・防滴性能も有しています。
背面モニター、対応記録メディア
モニターが4インチと大きく非常に明るいため、外付けモニターなしでも屋外での視認性が抜群になっています。「ZR」を初めて手にすると、この大きなモニターに圧倒されることでしょう。タッチパネルのレスポンスも快適で、まるで最新のスマートフォンを触っているように操作が可能なのがうれしいところですね。記録メディアは CFexpress Type B と microSD のデュアルスロットという仕様になっています。
マイク、音声収録
「ZR」は内蔵マイクにより32bit floatの録音に対応しています。ダイナミックレンジの広い録音ができ、突発的な大音量でも音割れの心配がないので安心です。また、NokiaのOZO Audio技術により、内蔵マイクの指向性(集音方向)を設定可能です。シーンに応じて前方(鋭)、前方、全方位、後方、ステレオ(バイノーラル)から選べます。
さらにショットガンマイクロホン「ME-D10」もラインナップされていて、デジタルアクセサリーシューを介して音割れのない音声を記録できます。
【商品情報】Nikon ショットガンマイクロホン ME-D10
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「ZR」でブラブラ実写スナップ
スイッチをスライドするだけで、高品質なスチルとドラマティックな動画を撮影できる「ZR」。見慣れた光景が文字どおり映画のように撮影できるのが興味深いですね。
動画作例
「ZR」はさまざまな映像フォーマットで撮影できます。REDのカラーサイエンスが入った「R3D NE」だけでなく、「N-RAW」や「Apple ProRes RAW HQ」などで収録できるのがスゴいですね。このクリップは「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」を装着して「R3D NE」で撮ったものを「DaVinci Resolve Studio」に取り込んでつないだものになります。
【商品情報】Nikon NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena
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【商品情報】Blackmagic Design DaVinci Resolve Studio
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カラーマネージメント設定を「Rec.709」にしてISO感度とカーブを少しいじっただけですが、晩秋の河原の色合いを豊かに表現できています(日没の部分は10倍速にしています)。
初冬の横浜をブラブラと撮り歩きました。装着したレンズは「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」。コンパクトな組み合わせで軽快でした。
【商品情報】Nikon NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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15ストップの幅広いダイナミックレンジは頼もしく、ベースISO感度を低感度(ISO 800)と高感度(ISO 6400)を切り替えてシューティングしました。
これまでのRAW撮影では、カラーグレーディングで「なんとか自分の色にする」作業が必要でしたが、「ZR」の「R3D NE」場合は「最初から良い色があり、そこからさらに遊べる」という感覚に近いですね。「DaVinci Resolve Studio」でいじるのが楽しいです!
「Nikon Imaging Cloud」からRED監修のイメージングレシピを適用すると、こんな感じに仕上がります。R3D NE形式ではなく、データ量が少ないH.265などで使用可能です。いわゆるBAKEDになるわけですが「この色がいい!」と決まったレシピがある人にはうれしいですね。
もちろん静止画でも使えるので、ダウンロードして「ZR」に入れて楽しんでみてください。
スチル作例
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
57 mm・絞りF5.6・1/250秒・ISO1250
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スチル撮影も快適です。中身は「Z6III」相当なので当然ですね。EVFとメカシャッターがない「Z6III」だと思えばいいでしょう。社殿参拝中の観光客を撮りましたが、シャープかつクリアなカットになりました。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
70mm・絞りF4・1/320秒・ISO1250
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「Z6III」相当なのでオートフォーカスも正確かつ高速。EVFはありませんがスマートフォン並みの大きな4インチモニターはとても見やすく、フレーミングも容易です。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
70mm・絞りF5.6・1/125秒・ISO1800
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「ZR」はREDが監修した9種類のイメージングレシピを「Nikon Imaging Cloud」からダウンロードし、カメラに登録して撮影可能です(2025年12月10日より開始予定)。購入時には本体に「CineBias_RED」が搭載されています。それを使って撮ったのですが、スチルでも渋いシネマティックな雰囲気があるカットになりました。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
70mm・絞りF4・1/49秒・ISO100
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古民家の囲炉裏を「CineBias_RED」で。独特の色合いとトーンがシネマティックですね。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
69mm・絞りF4・1/200秒・ISO100
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色づいた葉。「ZR」と「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」で見上げるようにして撮影しました。
「CineBias_RED」、スチルでもいい雰囲気ですね。「ZR」の精細感ある写りとマッチします。
ほかの「Z」シリーズとどう違う?
「Z CINEMA」と銘打たれた「ZR」。EVFなし、メカシャッターなしという仕様ですが、軸足を動画撮影に置いた「Z6III」といった印象です。しかしスナップシューターとしての顔も持っています。小さくて軽く、携行しやすいボディは「街の遊撃手」としても活躍することでしょう。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
70mm・絞りF4・1/200秒・ISO160
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花で飾られた手水舎を撮りましたが、精細感と発色が見事です。「ZR」は起動も高速なので、シネマカメラというよりはミラーレス一眼と同様にスチル撮影が可能です。キビキビと動作し、タッチパネル操作も快適で、撮影結果の確認や設定変更もラクラクですよ
「ZR」はどんな人にオススメ?
一番は「シネマティックなムービーを撮影したい」という人にオススメです。「R3D NE」形式を含むさまざまな映像フォーマットに対応し、高品質なニコン「Z」マウントを使用でき、マウントコンバーターを使えば他メーカーのレンズさえも装着できてしまうのですから。
また「Z」のサブ機を探している人にもオススメです。軽くて小さく、性能は「Z6III」相当なのですから。バッテリーも共通ですし、「いざ」というときのバックアップ機としてカメラバッグにあると安心ですよね。お値段も魅力的です。
Nikon ZR・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
31mm・絞りF7.1・1/200秒・ISO100
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「ZR」はスチルもシネマティックに撮れるところが気に入りました。東名高速道路を見下ろしたカットですが、絶妙なカラーとトーンがいいですね。
当初は「EVFがないので撮りづらいのでは」と思っていましたが、4インチの大きく見やすいモニターのおかげでEVFがなくても撮影に不安はありませんでした。軽くてコンパクトなボディも携行しやすかったです。
まとめ
「ZR」はニコンが培ってきた「道具としての信頼性」と、REDが築いてきた「映像表現の深淵」が見事にクロスオーバーした一台だという印象を持ちました。
写真で培った構図や光を見る目はそのままに、そこに「時間軸」という要素を加える。これからの時代、写真家が映像表現の領域へと足を踏み入れるための、これ以上ないパートナーになることでしょう。
さあ、次はどの街をこの「ZR」とさすらおうか。そう思わせてくれるカメラだと感じました。
作例に使用したカメラ
【商品情報】Nikon ZR ボディ
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作例に使用したレンズ
【商品情報】Nikon NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
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【商品情報】Nikon NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena
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Photo & Text by 三井公一(みつい・こういち)

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