富士フイルム X-T30 III 実写レビュー× 写真家 やまぐち千予|入門から本格撮影まで楽しめるコンパクトXシリーズの最新機

目次
はじめに
被写体検出AFが追加
フィルムシミュレーションダイヤルの新搭載
旅先で便利なオートモード
被写体をしっかりとらえるセンターファインダーとAF性能
作例
まとめ
作例に使用したカメラ
作例に使用したレンズ

やまぐち千予(やまぐち・ちよ)
フォトグラファー・写真講師。人物・フード・動物・広告撮影を中心に、被写体の「らしさ」を光で描く作風が特徴。関西最大級の写真コミュニティ「関西カメラ女子部」(会員520名・2025年時点)とオンラインサロン「Hello!ライティング」を主宰し、写真文化の普及に尽力。
デジタルハリウッド講師としても活動。著書に『売上がアップする商品写真の教科書』『これからはじめるデジタル一眼カメラ 写真と撮影の新しい教科書』がある。PX3 Advertising (2005) Food部門でBronze受賞。
HP :https://piyocamera.com
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はじめに
小型軽量ボディ「FUJIFILM X-T30 III」は、前機種「X-T30 II」の後継モデルにあたり、APS-Cサイズのイメージセンサーを採用するミラーレスカメラです。前機種と同じ有効約2610万画素ですが、撮影していて解像感に不足を感じるシーンは今のところありません。また前機種と比較して最も大きく変化したのが、画像処理エンジンが「X-Processor 5」に変更されたことです。
【商品情報】富士フイルム X-T30 III
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被写体検出AFが追加
AF性能が大きく進化しています。新たにAIによる人物の顔や瞳、動物‧鳥‧車‧バイク‧自転車‧飛行機‧電車‧昆虫‧ドローンを対象とした被写体検出が可能となりました。ピントを合わせたまま、狙った被写体を自動で追尾してくれるので、さらにシャッターチャンスに集中しながら撮影ができます。
室内での撮影
富士フイルム X-T30 III
XF56mmF1.2 R WR・絞りF3.6・1/170秒・ISO2000・PROVIA
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富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF1.4・1/800秒・ISO160・PROVIA
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電車を指定すると、おもちゃの電車も被写体検出している様
富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF2.0・1/170秒・ISO2500・PROVIA
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フィルムシミュレーションダイヤルの新搭載
ドライブダイヤルの代わりに、フィルムシミュレーションダイヤルが搭載されました。メニューやファンクションから選択していたフィルムシミュレーションが、専用ダイヤルひとつで瞬時に切り替えられるようになりました。
撮影中に光や被写体に合わせて、自分のイメージとともにダイヤルを変えられる直感的な操作感は、まさにフィルム時代にフィルムを選ぶような感覚を呼び起こしてくれます。
物理ダイヤルが備わったことで、撮影そのものがより能動的で、直感的に楽しめるようになりました。刻々と変わる光や情景に瞬時に対応でき、設定変更にかかるわずかなタイムロスをなくすことで、決定的瞬間を逃しません。
さらに、各フィルムシミュレーションを被写体や雰囲気に合わせてダイヤル操作で切り替えられるようになり、表現の幅がぐっと広がりました。写真を「撮る」という行為そのものが、より自由でクリエイティブな体験へと進化しています。
前機種のX-T30 IIでは18種類だったフィルムシミュレーションが、X-T30 IIIでは新たに20種類へと拡充されました。追加されたのは「REALA ACE」と「ノスタルジックネガ」。どちらも独自のトーンと質感を持ち、被写体やシーンに合わせて多彩な表現を楽しめます。
さらに、FS1〜FS3のポジションには、自分好みの設定を「FSレシピ」として登録可能。お気に入りのルックをカスタマイズして保存できるので、シーンに合わせて瞬時に呼び出し、“自分らしい色” を再現することができます。
富士フイルム X-T30 III・XF35mmF1.4R
絞りF1.4・1/1600秒・ISO320・PROVIA
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私が最も使用するFSレシピは、PROVIAと、カラー+2・カラークロームブルーSTRONGの組みあわせ。これをFSレシピを保存することができる3つのポジション(FS1~3)などに保存をしておけば、すぐにダイヤル操作で撮影することができます。これにより自分だけのレシピを作って、スムーズな操作で撮影することができます。
富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF1.2・1/1900秒・ISO160・REALA ACE
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富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF1.4・1/170秒・ISO500・REALA ACE
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新しく追加されたREALA ACEは、忠実な色再現性で、適度なコントラストと軟らかなトーンの組み合わせが美しい印象です。ジャンル問わず、オールマイティに使えます。
フイルムシミュレーションは単なるプリセットのようなものではありません。解像度の追求ではなく人の目と心が感じた印象を大切にし、「記憶の中の色」を被写体ごとに最適化されています。80年以上のフィルム製造で培わられた感動を定着させる技術の結晶でもあります。
旅先で便利なオートモード
シャッタースピードダイヤルのそばにAUTOレバーがついています。このレバーをいれることで、フルオートになり、カメラにお任せ撮影となります。シーンにあわせて自動で認識するため、人物や、風景などにあわせて撮影をしてくれる機能です。旅先で友人にカメラを渡して記念写真を撮ってもらうときも、このレバーを入れておけば安心。
「シャッターを押すだけですよ」と一言伝えるだけでOKです。旅先での自分の姿も、ちゃんと綺麗に残しておきたい人にぴったりの機能です。
さらに動画性能が強化され、新たに6.2K/30P 4:2:2 10bitでのカメラ内SDカードに対応し、4K/60PやFHDのハイフレームレート撮影にも対応しています。電子式手ブレ補正があることで、旅先で歩きながらの動画撮影などに発生する大きな揺れなどにも助かります。
被写体をしっかりとらえるセンターファインダーとAF性能
ファインダーがレンズの光軸の真上に配置された「センターファインダースタイル」を採用。これにより、ファインダー越しに被写体をしっかりと真正面からとらえることができます。
さらに、上下チルト式モニターを搭載しているため、ハイアングルからの俯瞰撮影やローアングルでの迫力あるショットもスムーズ。横位置撮影でも光軸がズレないのは、撮影の安定感を求める人にとって嬉しいポイントです。
そのため、ファインダー撮影をメインに楽しみたい方には特におすすめのカメラです。
一方で、モニターを回して自撮りや動画配信を行いたい場合は、バリアングル式モニター搭載モデルの方がより適しています。
外観デザインに大きな変更はありませんが、新しい画像処理エンジンの搭載により、AF性能はさらに高速かつ高精度に進化。その結果、ペットや電車、飛行機といった動きのある被写体も、これまで以上にスムーズに撮影できるようになりました。
作例
富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF.4・1/420秒・ISO160・ACROS
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富士フイルム X-T30 III・XF56mmF1.2 R WR
絞りF1.4・1/11000秒・ISO320・Velvia
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富士フイルム X-T30 III・XF35mmF1.4 R
絞りF1.4・1/3200秒・ISO320・クラシックネガ
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富士フイルム X-T30 III・XF35mmF1.4 R
絞りF5.0・1/105秒・ISO400・PROVIA
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まとめ
X-T30 IIIは、撮影者が能動的に選択できるフィルムシミュレーションダイヤル、最新の画像処理エンジンX-Processor 5とが組み合わさったことで、技術と感性が融合した撮影体験ができるカメラとなっています。富士フイルムの「写真は記憶と感情の表現である」という哲学が、この軽量コンパクトなボディにぎゅっと凝縮されています。
作例に使用したカメラ
【商品情報】富士フイルム X-T30 III
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作例に使用したレンズ
【商品情報】富士フイルム フジノンレンズ XF35mmF1.4 R
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【商品情報】富士フイルム フジノンレンズ XF56mmF1.2 R WR
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Photo & Text by やまぐち千予(やまぐち・ちよ)

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