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2025.09.16
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RICOH GR IV 実写レビュー × 写真家 安達ロベルト|GRの伝統を受け継ぐ「最強のスナップシューター」最新機

RICOH GR IV 実写レビュー × 写真家 安達ロベルト|GRの伝統を受け継ぐ「最強のスナップシューター」最新機キービジュアル


ライター安達ロベルト(あだち・ろべると)イメージ
■執筆者紹介

安達ロベルト(あだち・ろべると)

写真家、作曲家、画家。大学で国際法を専攻、難民問題を研究する。写真を独学。リコー GR シリーズ、GXR シリーズのカタログ写真などを担当。2025年台湾で展示。作曲家としては、映画、映像、舞台に楽曲を提供。アルバム「Metacausation」発売配信中。画家としては水彩画を中心に展覧会を開催。ファインアートの分野でマウンテンホーム市アーティスト・オブ・ザ・イヤーはじめ受賞多数。主な出版に写真集「Clarity and Precipitation」(arD)がある。上智大学卒業。

はじめに

GR IIIの登場から約6年。ファンにとっては待ちに待ったGR IVが発売されました。フィルムGRから使い始めてすべてのデジタルGRを使ってきた筆者がGR IVを持って台湾を歩いてきました。はたしてどんな印象を持ったでしょうか。アジアの都市のうごめく何かを捉えることはできたでしょうか。

RICOH GR IV 本体

「特徴と操作性」GRにはコンセプトがある

GR IVは「GRの正統進化」だとリコーの公式発表動画で言われています。GRは万能なカメラではありません。「最強のスナップシューター」という明確なコンセプトがあって、そこだけを徹底的に攻めています。

GR IVでは、画質が向上し、オートフォーカスが速くなりました。ボディがGR IIIより小型化・軽量化されながらも、電池の容量が増えました。起動時間が0.6秒に短縮、片手での操作性もいっそう上がっています。カタログに載りにくい点では、ポケットなどから取り出すときに引っかかりそうな箇所がGR III以上に削られています。

ここまで徹底してひとつのコンセプトを体現しているカメラは他には見当たりません。

「実写レビュー」GR IVと台北を歩く

あなたがもし近い将来に旅を考えているとしたら、カメラ初心者にはスマートフォンの代わりに、経験者には最高のサブカメラとして、GR IVを持っていくことをおすすめします。旅がいっそう楽しくなると思いますよ。

先日、台湾でのGR IV発表イベントにゲスト出演したので、その前後に台北の街をスナップしてきました。カバンの外ポケットに入れておき、撮りたいと思った瞬間にサッと取り出してサッと撮る。そのリズム感は軽快そのもの。同行する人たちを長時間待たせることもありません。しかも液晶画面で見る画像も美しいので、ストリートスナップからテーブルフォトまで、GRに乗せられるかのように撮れば撮るほどもっともっと撮りたくなったのでした。

多くの人が「旅に行くからGRを持っていく」と発想しますが「GRを使いたいから旅に出る」というのもありです。また、目的地に合わせてカメラを選ぶのもいいですが、GR IVとならどこへ行こうかと考えるのも楽しいです。GRはあなたの旅によろこびを与えてくれるでしょう。

RICOH GR IV 作例:カフェで飲んだトルココーヒー

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/200秒・ISO400・シネマ調(グリーン)

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おいしいトルココーヒーを提供するカフェにて。GRは伝統的にテーブルフォトが得意。

RICOH GR IV 作例:台北の街

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/125秒・ISO3200・ポジフィルム調

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ミックス光でむずかしい色再現の場面も申し分なくドラマティックに。

RICOH GR IV 作例:台北の街のガード下

RICOH GR IV・絞りF4・1/2500秒・ISO200・ハイコントラスト白黒

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南国の強い光と影をハイコントラスト白黒で再現。

RICOH GR IV 作例:台北の街を歩く女性

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/320秒・ISO200・ハイコントラスト白黒

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アジアの都市に共通するうごめく何かを捉えるのにGR IVは最高だ。

RICOH GR IV 作例:台北の町の洋裁店

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/160秒・ISO1600・シネマ調(イエロー)

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夜の台北。昔ながらのスタイルで働く人を見ると思わずシャッターを切りたくなる。

RICOH GR IV 作例:台北の空港から見た飛行機

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/1000秒・ISO200・ハイコントラスト白黒

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台北を発つ日、雨が降っていた。

「GR IVの描写は」おいしい水

肝心の描写は、すでに完成度の高かったGR IIIからさらに画質が向上しています。解像度が上がった、高感度でのノイズが減ったなどの客観的な向上点はもちろん、主観的にも、GR IIIでは全体的に「くすんだ」色味があって、それがGR IIIの個性でもあったのですが(料理が美味しそうに写る)、GR IVはもっと繊細で、さらっとしていて、でも味があって、だからどんな味付けもしやすい「おいしい水」のような印象を持ちます。明暗差の大きい場面でも、明部暗部ともにGR III以上にディテールが残る、プロ使用にも耐えうる画像データです。

普段はパソコンで現像するので、内蔵のイメージコントロール(画像エフェクト)を使わない筆者ですが、今回は新しく追加された「シネマ調」を中心に使ってみました。スマートデバイスとの連携もよくなるらしく、ネットでのシェアもストレスが軽減しそうです。

RICOH GR IV 作例:映画館の椅子

RICOH GR IV・絞りF5.6・1/320秒・ISO3200・シネマ調(イエロー)

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無機質なものの連続性はGR IVで撮りたくなる被写体。

RICOH GR IV 作例:駅構内を歩く青いTシャツの団体

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/320秒・ISO200・シネマ調(イエロー)

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明暗のコントラストがあるシーンで意図的に露出を暗めにして光を象徴的にする。

RICOH GR IV 作例:カーネーションとユーカリ

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/200秒・ISO200・シネマ調(イエロー)

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GR IIIから大きく向上したのがマクロ性能。接写時のピント合わせがスムーズ。

RICOH GR IV 作例:羽田空港内

RICOH GR IV・絞りF8・1/4秒・ISO100(NDフィルターON)・シネマ調(イエロー)

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5軸6段の手ブレ補正は強力。内蔵 ND フィルターも色変化がなく使いやすい。

「GR IIIと比較」よりストレスフリーに

正直に言うと、GR III以前のモデルでは、それぞれに「しきたり」があって、ユーザーがそれに合わせなくていけないストレスがありました。それがGR IVですべて解消された感があります。台湾でも、あまりにサクサク撮れてストレスフリーだったので、ほんとにちゃんと写っているか、何度も確認したほどです。

本体の上部比較:左GR III、右GR IV

ボディがGR III(左)よりもスリムになり精悍な印象のGR IV(右)。

本体の背面比較:左GR III、右GR IV

背面のボタンが刷新された(左GR III、右GR IV)。右上の+ーボタンが筆者にはうれしい。

左GR III、右GR IV比較作例:ホテルの室内

RICOH GR III、GR IV(共通)絞りF4・1/500秒・ISO6400・スタンダード

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高感度耐性が向上した。色の抜けが全体によくなった印象。

左GR III、右GR IV比較作例:国際線のターミナル

RICOH GR III、GR IV(共通)絞りF2.8・1/320秒・ISO200・スタンダード

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レンズの歪みはGR IIIからほとんど変化なく、補正なしで気にならないレベルの優れた広角レンズ。

「おすすめユーザー」はじめてカメラを買う人にこそ選んでほしい

28mm相当という画角は、スマートフォンカメラの一般的な画角に相当します。その意味で、スマートフォンでしか写真撮ってないけど少しガチに写真をやってみたい、そんなスマートフォンからのステップアップを考えているカメラ初心者の方に、ぜひ選んでほしいのがGR IVです。

もちろん、その完成度の高さゆえ、プロ、ベテラン、写真経験者、既存のGRユーザーにもおすすめです。

よく行く東京のカフェでGRを使っているとときどき20代の店員さんに「それってGRですか」「いいなあ、私もGRほしいんです」と言われます。

GR IVは正直、値段も初任給ひと月分で買えるか買えないかくらいの額ですから、安いものではありません。でも、かつての私がそうだったように、好きなカメラを通して世界を見ると、世界がより美しく見えてきます。その体験をしてほしいなと思います。

GR IIIも完成度の高いカメラです。フジヤカメラで中古を探すのも手かもしれません。

撮りたい瞬間にすぐ撮れる。しかも高画質で。GR IVはそこに特化したカメラです。ズームレンズで遠景を撮りたいとか、ボケを使ってゆるふわ写真を撮りたいといった方には向いていません。ボディ小型化のために防塵防滴でもありません。

また、シンプルなカメラと誤解されやすいですが、実際には個々の好みに合わせたチューニングをするための細かなメニュー設定があります。自分好みにするにはちょっと時間を要するかもしれません。そのかわり、一度自分仕様のチューニングができると、他のカメラにはない快適さが得られます。

RICOH GR IV 作例:カトラリーの並んだダイニングテーブル

RICOH GR IV・絞りF2.8・1/100秒・ISO400・シネマ調(グリーン)

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そこにあるものをそのままの印象で記録する。スマートフォンではなかなかこうはいかない。

まとめ

ある目的地に行くのに、どんな車に乗って行っても、かかる時間も見える景色もさほど変わりません。でも、どんな車に乗るかで、その体験の印象、満足度が変わります。同じように、日常や旅先で写真を撮るとき、スマートフォンで撮っても単体カメラで撮っても、撮れるものはさほど違いがないかもしれません。でも、印象、満足度が大きく違います。

この時代に単体カメラを持つ意味はそこにあると私は思っています。GR IVはまさに体験の印象を深く、繊細で鮮やかなものにしてくれるカメラ、体験の満足度を上げてくれるカメラだと感じています。

作例に使用したカメラ

【商品情報】RICOH GR IV

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RICOH GR IV バナー画像

Photo & Text by 安達ロベルト(あだち・ろべると)

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