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2024.01.18
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カメラの画素数は多い方がいい?画質との関係と高画素のメリット・デメリットを解説

カメラの画素数は多い方がいい?画質との関係と高画素のメリット・デメリットを解説キービジュアル

デジタルカメラの画素数は多ければ良い写真であるとは言い切れません。しかし、画素数の多いカメラの解像感の高さに感動を覚えたという経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年特にカメラのセンサー技術の向上などにより高画素表現ができるカメラも多く販売されています。この記事では、画素数について詳しく解説、おすすめの高画素カメラを紹介します。


■この記事の監修

フジヤカメラ店

東京都 中野区のカメラ専門店 フジヤカメラ店です。カメラ、レンズ、三脚、動画機材まで、新品、中古機材を多数取り扱っております。中古在庫は常時3,000点以上!これからカメラを始める方も、ベテラン、プロカメラマンも、機材の事ならフジヤカメラ店にお任せ下さい。

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画素とは?

パンケーキの画素比較の画像

まずはじめに「画素」について解説します。「画素」とは、画像の最小単位のことです。テレビやPCモニター等を良く見ると小さな点が並んでいることが分かると思いますが、この点が画素です。

画素のそれぞれに色が並んでディスプレイに表示されることで文字や画像として認識することができます。この画素の数のことを「画素数」と言います。

「画素数」は画素の数のこと

イメージセンサーと画素のイメージ

デジタルカメラにおいては、レンズが集めた光を取り込み、電気信号に変換する回路「イメージセンサー(映像素子)」に配置された画素の数のことを「画素数」と言います。

このように画素数は、ディスプレイ上では色を表示する数、カメラでは色を取り込める数を表します。画素の数が多ければ多いほど細かい表現が可能です。

6100万画素のカメラで撮影した画像は、画素数6100万で構成されるのでより滑らかで繊細な写真を撮影することが可能ということになります。

解像度との違い

ディスプレイ性能や写真を印刷する際に「解像度」という言葉を目にすることがあると思います。「画素数」と似ていますが少し異なりますので解説していきます。

意味は同じ

ディスプレイの性能を表す解像度は、画面に表示される画素の数を表しています。画素数と意味は同じですが、ディスプレイのサイズが異なる場合に、同じ解像度でも大きいサイズの方が密度が下がりますので、粗くなるということになります。

dpi

「dpi」は、1インチあたりにいくつ点が集まっているかという解像度の単位のことです。例えば、300dpiであれば、1インチあたりに300個点が配置されているということになります。

dpiのイメージ

ここで重要となるのが、デジタルカメラで撮影した写真を印刷する際の解像度です。
例えば、webの表示に適しているサイズ72dpiの画像をポスターで使用されるサイズ「A1(594mm×841mm)」で印刷すると粗くなってしまうということが起きます。

写真のプリントサイズに合った画素数

プリントした写真を並べた画像

デジタルカメラで撮影した画像を印刷したい場合に推奨される画素数はどのくらいになるのでしょうか。

L

2L

A4

B4

概要

標準的な写真のサイズ

Lの2倍のサイズ

ノートサイズ

スーパーのチラシ等のサイズ

実際のサイズ(mm)

89×127

127×178

210×297

257×364

推奨画素数

1,051×1,500px(158万画素)

1,500×2,102px(315万画素)

2,516×3,544px(891万画素)

4,047×5,732px(2,320万画素)


近年発売されているデジタルカメラは、有効画素数約2000万画素以上の製品が主流となっていますので、一般的なサイズの写真をプリントしたいという場合は心配ありませんが、トリミングして使用したい、ポスターを印刷したい、という場合には有効画素数を事前に確認しましょう。

スマホのカメラの画素数

それでは、普段使用しているスマホのカメラの画素数はどのくらいになるのでしょうか。代表的なスマホの画素数を表にまとめました。

iPhone15 Pro Max

iPhone 14 Plus

Xperia 1 V

Galaxy S23 Ultra

AQUOS sense8

カメラの最大画素数

4,800万画素

1,200万画素

4800万画素

2億画素

5,030万画素



L版や2L版などの一般的な写真サイズで印刷するのであればスマホでも充分綺麗な印刷ができるといえるでしょう。

画質との関係

解説してきた通り画素数は、点の量です。一方画質は、その質ということになります。発色が良くノイズが少ないものを高画質と評価することになりますので、画素数と画質は別のものと考えると良いでしょう。

画素数が少なければ粗くなり、充分な画素数でも画質が悪ければ綺麗な写真にはなりません。

画素数が多くなると「画質が低下する」と言われるのはなぜ?

画素の面積イメージ
同じ面積に多くの画素を詰め込むと、画素一つ一つは小さくなる

高画素のカメラのデメリットとして、ノイズが出たりダイナミックレンジが低下すると言われることがあります。

これは、同じ面積の中に多くのセンサーを詰め込むと、一つ一つの受光素子が光を受ける面積が小さくなるため、高感度ではノイズが出てザラザラした画になってしまいます。

高感度機と言われるカメラでは、画素数を抑えて1画素あたりの光を受ける面積を広くとっています。そのため、感度を上げてもノイズが出づらいというわけです。

高画素カメラで撮影するメリット・デメリット

カメラにおける高画素機とは

APS-Cサイズやフルサイズのイメージセンサー(映像素子)を搭載し、最高画素数は、有効約4020万画素や有効約6100万画素のデジタルカメラ、高画素が当たり前ではありますが、中判デジタルカメラも高画素機となります。

メリット

SONY α7R IVで撮影した花の画像

SONY α7R IVで撮影
緑の枠の部分を切り取りました

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

切り取った時に画像が荒れない

花びらの質感や、おしべの細かいディテールなど細かい部分まで詳細に写っており、非常にシャープで抜けのいい描写です。背後のボケにノイズが混じることなく、ボケの細かな諧調が滑らかに再現されています。

画素数が多いことは、トリミングしたり、大伸ばしする際に、頼もしい武器となります。

ソニーα7CR・FE 20-70mm F4 G·61mmで撮影した工場の画像

ソニーα7CR・FE 20-70mm F4 G·61mmで撮影
絞りF8・1/500秒・-0.7EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン
photo by 鹿野貴司

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きめ細やかな表現

画像を構成する画素が多いことで、細かくて小さい被写体もきめ細やかに写り、リアルに再現します。風景写真のように繊細な写真を撮影したい場合には高画素の良さを感じることができるのではないでしょうか。

デメリット

カメラのSDカードスロットの画像

データが重い

デメリットとしては、画像1枚当たりのファイル容量が大きい点が挙げられます。高画素機で撮影した場合、JPEGが1枚6~8MB、RAWだと20MB前後となり、容量の小さいSDカードではすぐに容量がいっぱいになってしまいます。

また、画像の容量が大きいということは、PCに取り込んで画像を見たり編集したりするのにも負荷がかかりますので、対応できる環境を整えることが必要になります。

手ブレに弱い

画素数の多いカメラで撮影するということは、画素1つあたりの受光量が少なくなります。暗いところでノイズが乗りやすいのと同じくシャッター速度が長くなり、手ブレも起きやすいということになります。

しかし、近年の高画素カメラは画像処理エンジンの大幅な進化やボディ内手ブレ補正搭載の製品も増えてきており、改善されています。

Canonの手振れ補正イメージ

場合によっては三脚を使用するなどの工夫をしましょう。

高画素カメラの活かし方

高性能なレンズを使用しよう

Nikon Z 9・Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical Zマウントの画像
Nikon Z 9・Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical Zマウント
photo by 阿部秀之

画素数が多いということは、その分細かい描写を可能にするということになりますが、せっかく高画素カメラを使用してもセンサーに光を届けるレンズの性能が低ければその性能を活かしきることができません。

センサー性能に合わせて専用設計されたレンズを選ぶことも重要な要素のひとつです。

ISO感度は低感度に設定しよう

特に画素数の多いカメラは、少し感度を上げただけでもノイズが多くなるので、注意が必要です。特に、常用最低感度での画は、ノイズが無い非常に滑らかな写真となり、高画素機の真骨頂ともいえる超高画質を得ることができます。

2420万画素と6100万画素のカメラのISO感度3200時のノイズの違いを見てみましょう。

草を撮影した画像
※枠内を拡大
2420万画素と6100万画素のカメラのISO感度3200時のノイズの比較画像

6100万画素の機種ではノイズが目立ち、全体的に立体感に乏しい画となってしまっています。ノイズというと暗い場所での撮影において問題となるケースが多いですが、このような明るい日中の撮影でも、ノイズによる画質の劣化はおきているので、可能な限り低感度での撮影がおすすめです。

ちなみに、ISO100で撮影すると、

ISO100で撮影した画像

ノイズは発生せず、滑らかな画像になりました。高画素なカメラはもちろん、比較的高感度に強い画素数が中程度のカメラでも、ISO感度は出来るだけ低く抑えることで、画質は確実に良くなります。

スローシャッターを使おう

暗いところで男性がスローシャッターを使用している画像

被写体が動かないこと、三脚などでカメラを固定する必要がありますが、ISO感度を下げるためにスローシャッターを切るのも有効な手段です。夜間などの暗い条件での撮影では、つい高感度を使いがちですが、スローシャッターを切ることで明らかにノイズを少なくできます。

おすすめの高画素カメラ

SONY α7R V

SONY α7R Vの画像
photo by 関 一也

SONYのフルサイズミラーレス一眼を代表する「R」シリーズの最新機種は、前機種と画素数は変わらないものの、被写体認識オートフォーカスの性能が大幅アップ、よりオールラウンドに使いやすいカメラになりました。

α7R Ⅴには新しい被写体認識として昆虫が搭載されましたが、初めてとは思えない精度で昆虫を認識し、改めてSONYの被写体認識の優秀さを認識しました。「画質」と「シャッターチャンス」という写真の重要な要素を高次元でバランスさせたカメラ、それがα7R Ⅴです。

【商品情報】SONY α7R V

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SONY α7R Vバナー画像

SONY α7CR

SONY α7CRの画像
photo by 鹿野貴司

α7CRは、7Cシリーズ初の6100万画素センサーを搭載した高画素モデルです。最高クラスの描写性能を持つセンサーが搭載され、風景写真など細密描写が求められる被写体にも、アクティブな機動力が期待できます。

そんな高性能センサーを持ちながらα7CRは、非常にコンパクトなサイズです。コンパクトサイズであるメリットは、高い解像感を持つ非常に高性能なGマスターシリーズを活かせて尚且つ持ち歩きやすい点にもあります。

高い処理能力を持つ画像処理エンジン BIONZ XRと、AIプロセッシングユニットの搭載による優れたオートフォーカスを持ち、動体追従性能という意味でもハイレベルで短所の少ないオールラウンド機です。

【商品情報】SONY α7CR

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SONY α7CRバナー画像

FUJIFILM GFX 100 II

FUJIFILM GFX 100 IIの画像
photo by 曽根原 昇

GFX100 IIは、GFX 100 Sの上位モデルの中判ミラーレスカメラで、約1億200万画素という驚異的な超高画素機となります。超弩級な画素数は従来モデルと変わりませんが、外観デザインや操作性を全面的に刷新、途方もない画素数の画質は確実に向上し、それをストレスなく使えるだけのスピード性能とAF性能を獲得しています。

レスポンスが良くなったことで増加する撮影枚数も、CFexpress Type Bに対応したことで問題なく処理できるようになりました。

【商品情報】FUJIFILM GFX 100 II

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FUJIFILM GFX 100 IIバナー画像

FUJIFILM GFX 100 S

FUJIFILM GFX 100 Sの画像

1億画素を超える高画素センサーを搭載したカメラです。

5軸6.0段の防振性能を達成した高性能なボディ内手ぶれ補正機構を搭載しており、高画素になる程大きな問題となる手ぶれを強力に補正します。

手持ちでの風景写真など、高い描写性能が求められるシチュエーションで最高の結果を出せるカメラです。これだけの高性能機でありながら1kgを切る軽量さも、GFX100Sの大きな魅力のひとつです。

【商品情報】FUJIFILM GFX100S

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Canon EOS R5

Canon EOS R5の画像

約4500万画素CMOSセンサーを搭載、高画素機でありながら常用最高ISO感度は51200、高感度でもノイズの少ない滑らかな映像を実現しています。優れたカラーバランスを持つ映像エンジンDIGIC Xの搭載や、最大約4500万画素の高画素に加えて、感度性能も高いレベルにあるなど、画質にこだわりぬいたカメラといえるでしょう。

ボディ内手振れ補正や、8K撮影が可能など動画撮影においても機能面が充実しています。RFレンズの高性能さを100%活かし切るカメラで、その性能の高さを世に知らしめたカメラでもあります。

【商品情報】Canon EOS R5

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Nikon D850

Nikon D850の画像

Nikonのデジタル一眼レフカメラの中で最も高画質な機種となるD850は、ミラーレス全盛の現在でも多くのファンを持つベストセラーカメラです。

4575万画素と高画素でありながら、常用ISO感度で64-25600を達成し、光学ローパスフィルターレスを採用しているのでレンズの性能をシャープに高精細に再現します。

特にナノクリスタルコートを採用したNikonの一眼レフ用レンズは最高クラスの評価を得ている高性能なシリーズなので、D850との相性は抜群でしょう。

【商品情報】Nikon D850

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Nikon Z8

Nikon Z8の画像
photo by 上田晃司

「コンパクトなフラッグシップ」Z 8を一言で表現するならそんなカメラです。

性能としてはフラッグシップ機のZ 9とほぼ同等でありながら、グリップ部分を取り外し可能とした事でアマチュアを含む幅広いユーザーが使いやすいモデルとなりました。

もちろん、Nikonらしい精度の高い動作や堅牢なつくりはZ 8の大きな魅力となっています。

【商品情報】Nikon Z8

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Hasselblad X2D 100C

Hasselblad X2D 100Cの画像

画素数1億画素になったハッセルブラッドのフラッグシップ中判ミラーレスカメラです。11656 × 8742ピクセルの画像の撮影が可能、センサーサイズは43.8X32.9mmと大きなセンサーを搭載したほか、ブランド初の手ブレ補正が7段分搭載されており、手振れ補正が重要となる高画素の撮影も十分こなせる高画素機の実力派カメラです。

【商品情報】HASSELBLAD X2D 100C

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Leica M11

Leica M11の画像

総画素数6030万画素の裏面照射型CMOSセンサー搭載し、トリプルレゾリューションテクノロジーを採用しており、イメージセンサーの全域を使用しながら、JPEGだけでなく、DNGでも60MP、36MP、18MPの3種類の記録画素数を選ぶことが可能です。また、1/16000秒の高速シャッターとISO64の低感度が搭載され、日中でも開放F値での撮影がしやすくなりました。

バッテリー容量が64%アップした中身に加えてボディも軽量化されており、機動性の高さも魅力の持ち歩きたくなるカメラです。

【商品情報】Leica M11

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Leica M11バナー画像

SIGMA fp L

SIGMA fp Lの画像

6100万画素の高画質でありながら像面位相差AFを搭載した小型軽量が魅力の高性能カメラです。小型化のためファインダーは非搭載ですが、画面タッチで簡単にズームできる直感的な操作が可能です。

カラーモード機能搭載でアーティスティックな表現も可能。コンパクトさと質感の良さが魅力のカメラとなっています。

【商品情報】SIGMA fp L

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SIGMA fp Lバナー画像

まとめ

・画素数とは、ディスプレイ上では色を表示する数、カメラでは色を取り込める数を表す
・画素の数が多ければより滑らかで繊細な写真を撮影することが可能
・L版や2L版などの一般的な写真サイズで印刷するのであればスマホでも充分綺麗な印刷が可能
・発色が良くノイズが少ないものが高画質
・有効約4020万画素や有効約6100万画素のデジタルカメラ、中判デジタルカメラを高画素カメラと定義
・高画素機のメリットは、切り取った時に画像が荒れないきめ細やかな表現
・高画素機のデメリットは、画像1枚当たりのファイル容量が大きい、手ブレに弱いこと
・センサー性能に合わせて専用設計されたレンズを選ぶことも重要

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