RICOH GR IV Monochrome レビュー | 作例で見るモノクロ専用機の魅力とGR IVとの比較

目次
カラー写真が撮れない楽しさ
GR IV Monochrome 実写レビュー
GR IVと「描写」を比較
GR IVと「感度」を比較
GR IVと「外観」を比較
気になったポイント
まとめ | こんな人におすすめ
フジヤカメラ | 東京都中野のカメラ専門店

カラー写真が撮れない楽しさ
今回は、あえて『カラー写真が撮れない』カメラを紹介します。
とても個性的なモノクロ専用機『RICOH GR IV Monochrome』。
いまの時代に「モノクロしか撮れないのか」と思われるかもしれません。しかし、色がないからこそ日常にあふれている光の強弱そのものを純粋に、そして鮮明に捉えることができます。
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フジヤカメラスタッフ吉田が、GR IVとRICOH GR IV Monochromeを徹底比較!
YouTubeもぜひご覧ください。
GR IV Monochrome 実写レビュー
それではさっそく、撮影してきた作例をみながら解説していきます。
モノクロ専用センサー
f/5・1/125秒・ISO160
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まず特筆すべき点は、『モノクロ専用センサー』とレンズが生み出す圧倒的な描写力です。拡大してみると、約2,600万画素とは思えない線のキレや緻密さを感じることができます。
f/4.5・1/40秒・ISO160・-0.7露出補正
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モノクロしか撮れないため、「難しそう」「上級者向け」といった印象を持つかもしれませんが、実際はそのようなことはありません。
f/16・0.6秒・ISO160・-1.3露出補正
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色の情報がなくなることで、写真はシンプルになります。そして、そのシンプルさゆえに楽しく撮影ができます。
f/2.8・1/100秒・ISO400・-1.3露出補正
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ちなみに、本機に搭載されるモノクロ専用センサーは一般的なカラーセンサーとは異なり、光の強弱をダイレクトに受け止めます。そのため、写し出されるリアルさや光の入り方が大きく異なります。
f/4.5・1/320秒・ISO51200
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モノクロ専用センサーには、もう一つ大きな特徴があります。それは『高感度耐性の高さ』です。
カラーフィルターが搭載されていないため、ノイズが発生しにくいという物理的なメリットがあります。ノイズが発生しても不快なカラーノイズではなく、粒状感のあるノイズとして現れます。そのため、ノイズがあまり気になりません。
これによって、夜間にシャッタースピードを上げて撮影しても、画質への影響を抑えることができます。
f/8・1/125秒・ISO320・-0.3露出補正
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昼間の撮影では、肉眼でカラーに見えている世界をモノクロとして再構築できます。
f/2.8・1/160秒・ISO65535
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一方、夜間などの色味を認識しづらい状況では、高感度耐性を活かすことができます。
少ない光を捉えて、その場の空気をそのまま描写する。これはモノクロ専用機でしか味わえない体験です。
起動の速さ
f/2.8・1/200秒・ISO500・-0.3露出補正
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使い勝手の面では、GRらしさが詰まっています。
Monochromeモデルもやはり、電源を入れてからの立ち上がりが高速です。「良いな」「撮りたい」と心が動いた瞬間に、シャッターを切ることができます。
レッドフィルター
機能面で興味深い特徴があります。それは『レッドフィルター』です。
通常のGR IVにはサングラスのように光量を抑える機能『NDフィルター』が内蔵されていますが、Monochromeモデルでは代わりにレッドフィルター機能が搭載されています。
これには、赤色の補色にあたる緑や青の色味を暗く落とす効果があり、全体的にコントラストが強く表現されます。
たとえば、空の青さが引き締まって『雲の白さが際立つ』『街路樹の緑が重厚』になります。
f/2.8・1/5000秒・ISO320・-1露出補正
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街中でのスナップが、よい意味で劇的になります。
f/3.2・1/200秒・ISO320・-0.7露出補正
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ただシャッターを切るだけで絵になる、楽しい撮影体験となります。
専用イメージコントロール
『ソリッド』と『グレイニー』という専用のイメージコントロールが追加されました。
f/2.8・1/200秒・ISO5000・-0.3露出補正・イメージコントロール:ソリッド
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ソリッドはスタンダードと比較すると若干コントラストが強調されますが、全体的にスッキリとした描写です。名前の通りシャープネスがよく、輪郭の描写が特徴的です。優しさとくっきりとした印象が同居しています。
f/7.1・1/160秒・ISO320・イメージコントロール:グレイニー
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一方でグレイニーは、銀塩時代のプリントを思い起こさせる粒状感があります。
f/6.3・1/160秒・ISO160・イメージコントロール:グレイニー
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ハイコントラスト設定でも、白飛びや黒つぶれが起きません。
f/2.8・1/160秒・ISO12800・+0.3露出補正・イメージコントロール:グレイニー
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ハイライトとシャドウが、丁寧に処理された描写だと感じました。
メカシャッターと電子シャッター
本機は最高1/4000秒までは『メカシャッター』、それ以上の高速シャッターでは『電子シャッター』に切り替わります。
f/2.8・1/8000秒・ISO320・-0.3露出補正
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電子シャッターだと画質が落ちると心配されるかもしれません。しかし、メーカーによると電子シャッター使用時でもダイナミックレンジは低下せず、メカシャッター時と同等が維持されるとのことです。
歪みに関して、 かんたんに検証してみました。
ざっくりですが、電子シャッター時の歪みはこの写真の程度です。
GR IVと「描写」を比較
ここからは、GR IVとGR IV Monochromeを比較していきます。
なお、条件を揃えるため全カット開放F2.8での撮影です。
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GR IV・モノクロモード・F2.8
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GR IV Monochrome・レッドフィルター「オフ」・F2.8
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GR IV Monochrome・レッドフィルター「オン」・F2.8
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わかりやすい違いとしては、空のトーンです。
通常のGR IVとフィルターオフのGR IV Monochromは、似た明るさで描写されています。
レッドフィルターオンの写りは、空の青色が引き締まり雲の白さが際立つドラマチックなコントラストです。これこそが光学フィルターの効果です。
後から画像処理でコントラストを上げるのとは違い、光の入り口でコントロールしているため階調が破綻せず自然で力強い空が表現できます。
次にレンガの壁面を拡大して、線のキレをご覧ください。
ここがもっとも専用センサーの実力が出る部分です。Monochromeモデルのレッドフィルターオフが、圧倒的に『シャープに解像』しています。カラーフィルターを通さない分、光の情報がダイレクトに絵になります。
レンガの色の濃淡にも注目してみます。
通常モデルのGR IVは少し平坦にみえます。一方でMonochromeのフィルターオフは、レンガひとつひとつの焼きムラや素材の質感の『濃淡がリッチ』に出ています。
そして興味深いのが、レッドフィルターオンの写りです。レンガの濃淡が一番薄く明るく写っています。
これはレンガが赤っぽい色をしているためです。レッドフィルターを通すことで、光が透過しやすくなり明るく写るという理屈です。
『被写体の色をどう表現したいか』でフィルターを使い分ける。この奥深さがモノクロ撮影の醍醐味です。
そして最後は、ノイズの質感についてです。
奥にあるビルの影の部分、シャドウエリアを拡大しました。
GR IVではデジタル特有のノイズ感が残ります。元々カラー情報を持っていた画像から色を抜いているため、カラーノイズ由来のモヤッとした印象を受けます。
対してGR IV Monochromeのノイズは、不自然さが一切ありません。デジタルカメラでありながら、まるでモノクロフィルムを使っているような有機的なザラつきです。
ちなみに、GR IV Monochromeはカラーフィルターがない都合上、最もノイズが少なく撮影出来るベース感度が「ISO 160」で、GR IVの「ISO 100」と比較して明るくなっています。
GR IVと「感度」を比較
続いて、ISO感度別の画質比較です。夜のスナップや室内撮影の実用性を確認します。
まずはベース感度での比較です。
ここから感度を上げていきます。
ISO 400です。
通常モデルのGR IVは、カラーノイズがうっすらと見え始めています。GR IV Monochromeはノイズがほとんど見受けられず、とてもクリアです。
ISO 800です。
このあたりで少し差が出始めます。Monochromeモデルは、線の描写も鮮明です。
ISO 1600です。
GR IVはノイズ処理の影響でディテールが甘くなります。一方で、Monochromeモデルはまだ余裕があります。
ISO 3200。
ISO 6400。
ISO 12800。
ISO 25600。
ISO 51200。
ISO 102400。
そしてこちらが、ISO 204800です。
通常モデルGR IVの常用最大感度での比較です。
GR IVは全体的にのっぺりとした印象で、解像感が失われています。対してGR IV Monochromeもノイズは乗っていますが、被写体の線や輪郭がしっかりと残っています。これがカラーフィルターを持たない物理的な強みです。
最後に、 GR IV Monochromeのみ設定可能な最大感度ISO 409600です。
ノイズの量は多いですが、その質に特徴があります。不快なカラーノイズではなく、高感度モノクロフィルムの粒子を思い起こさせるような独特の粒状感です。『記録』としては厳しいですが、『表現』としては興味深い画質です。この感度とイメージコントロールで、新たな表現が可能です。
GR IVと「外観」を比較
続いて、外観を比較していきましょう。
まず目に入るのが、『ボディ表面の仕上げ』の違いです。
GR IVは一般的なシボ塗装で、少し凸凹とした革のような質感です。
一方、GR IV Monochromeはマットなブラック塗装が施された、モノクロ専用機らしいデザインです。手触りがサラサラとしていて、道具としての塊感やストイックな佇まいがあります。
電源ボタン周りのリングや、背面のステータス『ランプの色』に違いがありました。
通常モデルは緑色ですが、本機はモノクロームの世界観に合わせて白色に変更されています。撮影中の視界に入る光が無彩色で統一される、素敵な仕様変更ですね。
また、オートフォーカスの際に光る『AF補助光』も、通常モデルは緑色ですが本機では赤色に変更されています。
レッドフィルター機能を使用する場合、緑色の光はフィルターに吸収されてしまいAFが合いづらくなります。それを防ぐために、あえてフィルターを通しやすい赤色の光を採用しています。
背面の『ボタン配置』も、モノクローム専用にカスタマイズされています。
Fn(ファンクション)ボタンを押すだけで、レッドフィルターのオン・オフを切り替えられます。さらに、十字キーの下ボタンにはイメージコントロールが割り振られていますので、メニュー画面を開かずに変更操作が完結します。
最強のスナップシューターGRならではの『操作性の良さ』は、Monochromeモデルでも健在です。
気になったポイント
最後に、このカメラを使っていて気になったポイントを、2点お伝えします。
価格
1点目は、もっとも大きなポイントとなる『価格』です。
価格は約25万円(本記事公開時)と、他社コンデジや通常モデルGR IVと比較して高価な印象を受けます。
【商品情報】RICOH GR IV Monochrome
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もちろん、高価になるのは理由があります。専用開発センサーやレンズ、さらにボディ表面の塗装に至るまで、多くの部分が特別仕様に変更されています。
コストがかかっていることはわかります。しかし、25万円という金額は気軽に出せるものではありません。
ただ、このカメラは何でも撮れる万能機ではありません。『モノクロ表現を突き詰めるための専門道具』です。そう考えると、唯一無二の価値を感じていただける方には、決して高すぎることはないのかもしれません。
連続撮影時の発熱
2点目は、ベースとなっているGR IVと同じく『発熱』についてです。
これだけ小さなボディに、高性能なエンジンとセンサーを詰め込んでいます。そのため連続して撮影していると、ボディが温かくなります。
夏場の連続撮影などでは、少し休憩を挟みながら使うとよいでしょう。
まとめ | こんな人におすすめ
今回は、『RICOH GR IV Monochrome』をご紹介しました。
カラー情報を捨て去ることで『光と影の描写を極めた』潔いカメラです。便利さが求められる昨今において、あえて機能を制限する贅沢な選択肢といえます。しかし、このカメラでしか切り取れない世界が確実に存在します。
写真と真剣に向き合いたい方にとって最良の相棒となる一台です。
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