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2026.05.29
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花火撮影の楽しみ方 [準備編] × 写真家 金武武 | プロカメラマンが解説する必要機材と準備のポイント

花火撮影の楽しみ方 [準備編] × 写真家 金武武 | プロカメラマンが解説する必要機材と準備のポイントキービジュアル


はじめに「花火は永久不変ではない」

花火には様々な色・形・大きさがあります。

菊花火・牡丹花火・冠菊花火は、多くの花火大会で打ち上がる馴染みのある花火です。
じつは花火は毎年新しい花火が発表されています。花火競技大会では花火師さんたちが新たな技に挑戦されていて、アッと驚くような花火に出会う事があります。近年では時差式花火が人気になりました。彩色千輪菊一斉打ちは最近の大規模花火大会ではなじみの演出になっています。花火には流行があるのです。

花火作例:彩色牡丹花火

SONY α7 Ⅳ・SONY FE PZ 16-35mm F4 G
絞りF7.1・9秒・ISO100・WB3300・三脚使用
撮影地:長野県

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昇火の無い単発打上花火だった。2発を画面一杯にした構図。画面一杯にすると光跡の色がハッキリと分かる。種類は彩色牡丹花火。牡丹花火は中心から色火が出るので写真に適している花火だ。

そして、花火は色によって明るさが違います。暗めの和火花火から明るい銀冠菊花火まで明暗差が激しい被写体です。
日々進化している花火を適正露出で撮るには、機材の見直しや撮影テクニックの工夫が必要です。

今回は花火撮影で「必要な機材」「気をつけたいポイント」を解説します。
別の記事では「実践テクニック」と「設定のコツ」を解説していますので、あわせてご覧ください。

花火撮影の楽しみ方 [実践編] × 写真家 金武武 | プロカメラマンが教える花火撮影の実践テクニックと設定のコツ

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花火撮影の楽しみ方 [実践編] × 写真家 金武武 | プロカメラマンが教える花火撮影の実践テクニックと設定のコツ イメージ

花火撮影に必要な機材

カメラとレンズ

カメラはマニュアル露出で撮影できる機種、ケーブルレリーズやリモコンが使用できる機種が良いでしょう。

レンズは撮りたいイメージや花火の大きさ、花火とカメラの距離によって使用するレンズが変わります。
例えば、はじめて行った花火大会では「どんな大きさの花火が上がるのかわからない」「打ち上げ場所とカメラの距離が分からない」ことも多いと思います。そのような場合は、標準ズームレンズと広角ズームレンズを持って行くのが良いでしょう。

▼レンズ選びの例

フルサイズ広角ズームレンズ16-35mm、標準ズームレンズ24-70mm
APS-C広角ズームレンズ12-24mm、標準ズームレンズ18-55mm
マイクロフォーサーズ広角ズームレンズ8-25mm、標準ズームレンズ12-40mm

ケーブルレリーズやリモコン

花火は長秒撮影(長時間露光・BULB)で撮りますので、カメラのシャッターボタンを指で押すと手の振動が伝わりブレてしまいます。ブレさせないためにはケーブルレリーズやリモコンを使いましょう
ケーブルの長さが選べるタイプならば、短い方が使いやすいです。リモコンはストラップを付けて首から下げておくのが良いでしょう。

スマートフォンをリモコンとして使用することもできます。しかしスマートフォンは常に手で持っている必要があり、カメラの操作に支障があります。スマートフォンもストラップを付け、首から下げておくことをおすすめします。

三脚

花火撮影:現場の様子

前述の通り、長秒撮影(長時間露光)を行うため、三脚は必需品です。三脚の大きさには大型・中型・小型・テーブルポット、材質は金属製の丈夫なタイプとカーボン製の軽量タイプがあります。

花火撮影のスタイル:立って撮影する場合の三脚
立って撮影する場合は、後ろに人がいない場所を選ぶ

立って撮影する場合は、自分の背の高さに合った三脚を選びましょう。三本の脚を伸ばし雲台にカメラを乗せた時にカメラが自分の目の高さにくるものが、自分の背の高さに合った三脚だといえます。

花火撮影のスタイル:座って撮影する場合の三脚
後ろに人が来る可能性がある場合は座って撮影すると良い。座って撮影すれば小型三脚でも撮れる

小型三脚はエレベーターを伸ばすとブレの原因になります。座って使用する際には小型三脚でもブレの影響は少なくなります。

雲台

三脚の上にある器具を雲台と呼び、好みのタイプを三脚と組み合わせて使用することができます。
雲台には主にパーン棒(パーンハンドル)がついた「3ウェイ雲台」と「自由雲台」がありますが、花火の撮影で快適に使用できるのは3ウェイ雲台です。縦横の操作が瞬時にできるので快適に撮影できます。
一方で自由雲台は、縦向きと横向きに変えるとき両手で操作しなければなりません。また水平を合わせるのに少しだけ時間がかかってしまいます。

撮影の快適さを重視するならば3ウェイ雲台を選ぶのが良いでしょう。

花火撮影のスタイル:三脚と折りたたみ椅子
後ろに迷惑にならない会場ならば、折りたたみ椅子を使用することも

ただし、3ウェイ雲台はパーン棒が出っ張っていますので、持ち運び時に邪魔に感じることもあります。自由雲台は出っ張っている部分がありませんので、持ち運びに支障はありません。
3ウェイ雲台にするか自由雲台にするかは、移動手段と撮影スタイルによって選びましょう。

花火撮影のスタイル:狭い会場の場合
狭い会場では三脚1本にブラケット1本と雲台2個を乗せてカメラ2台で撮影することも

【花火撮影時のマナーについて】

三脚の使用によるトラブルが話題になっています。三脚を立てる時や畳むときに周囲の人にぶつけてしまったり、後ろにお客さまがいるのに三脚を高く立てる人がいます。そのためか、三脚使用を制限する花火大会もあります。とても残念な事です。

私は三脚使用可能だとしても大混雑する会場では、座って三脚を低くして撮影しています。座って撮影する場合は、小型三脚でもブレることなく撮影できます。花火の撮影では周囲に気を使いましょう。

また、ゴミの処理にも注意をしてください。一般的な花火大会の会場にはゴミ集積場があるはずです。自宅まで持って帰るのが面倒ならば、せめてゴミ集積場に捨ててください。
綺麗な花火を上げてくれた町を愛してほしいです。

花火作例:スターマイン

OM SYSTEM OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
絞りF16・1/2秒・ISO200・WB3300・三脚使用
撮影地:山梨県

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スターマインの後半で煙が溜まってきたためライブコンポジットで撮影した。ライブコンポジットで撮ると薄い煙は目立たなくなる。煙以外にも雨、風、振動など花火の撮影を諦めなければならない時でもOM SYSTEMのカメラなら撮れる。OM SYSTEMのカメラには何度も助けられた。

花火撮影にはNDフィルターが必要

ISO感度の設定

近年の花火は色鮮やかで明るいタイプが増えています。中間色やパステルカラーの花火は露出オーバーになると色が抜けて白い花火として写ります。銀冠菊花火を露出オーバーにすると1本1本の光跡が写らずに真っ白い塊になってしまいます。

明るい花火を適正露出で撮影するには、ISO感度と絞り値の調整だけでは限界があります。ISOは拡張機能で下げる事が出来ますがダイナミックレンジが狭くなり、より露出オーバーやアンダーの写真が増えてしまいます。また色が薄くなることもあります。

露出オーバーの作例
▲露出オーバーの例
適正露出の作例
▲適正露出の例

▼最低ISO感度設定の例

Sony、Nikon、Canon、PENTAX、富士フイルム(GFX)ISO100
富士フイルム(APS-C)ISO160
OM SYSTEM、PanasonicISO200
どのカメラでも基本的には、ISO感度の拡張機能は使用せず一番低い設定にした方が良いでしょう。

ただ、ISO感度を下げて絞りを調整したとしても、それでも露出オーバーになってしまう花火が多く存在します。例えば、銀冠菊花火、点滅花火、ナイアガラ、おもちゃ花火などです。
露出オーバーにせずに撮るためにはNDフィルターを使用します。NDフィルターがあれば適正露出で撮れる花火が格段に増えます。花火撮影にはNDフィルターが欠かせないアイテムと言えます。

NDフィルターが必要な理由「回折現象」

明るい花火を、絞りを絞って撮影するとクリアに写らなくなることがあります。原因のひとつに「回折現象」の影響が考えられます。
F11、F16、F22と絞りの数字が大きくなれば光の量が減り、明るい被写体(花火)でも露出オーバーは避けられます。しかしそれと同時に、被写体の輪郭がボケたり甘い写りになる回折現象が徐々に大きくなるのです。

回折現象の影響を少しでも抑えるためには、NDフィルターを装着し絞りを開けて撮ると良いのです。レンズキットなど普及タイプのレンズや高倍率ズームレンズは、回析現象が目立ちます。高価格帯のレンズでは目立たない場合もあります。

▼メーカー別ISO感度とNDフィルターの組み合わせ例

Sony、Nikon、Canon、PENTAX、富士フイルムGFXISO100に設定しND4フィルターを装着する
富士フイルムAPS-C(ISO160に設定可能なモデル)ND4フィルターを装着する
OM SYSTEM、Panasonic、富士フイルムAPS-CISO200に設定しND8フィルターを装着する
花火を少しでも高画質で美しく撮るためには、三脚と同様にNDフィルターは欠かせません

花火作例:角形ハーフNDフィルターで撮影した水中花火

OM SYSTEM OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
絞りF9・19秒・ISO200・WB3300・三脚使用・フィルター:マルミ光機REVERSE GND8
撮影地:長野県飯田市

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水中花火を角形ハーフNDフィルターで撮影。花火も水の輝きも適正露出で撮るために、角形ハーフNDフィルターを使用して花火だけにフィルターをかけている。水面にはフィルターは掛かっていない。

ハーフNDフィルターは花火撮影に便利

ハーフNDフィルターは、半分がNDフィルター残り半分は透明ガラスになっているフィルターです。例えば、「夜景と花火」「ライトアップされた建物と花火」「夜空の花火と水面に映る花火」などを撮影するときに使用します。

ハーフNDフィルターには丸型と角型がありますが、花火撮影では角形をおすすめします。
角形の良い点は、フィルターを上下にスライドさせて好みの位置にNDフィルターの効果をかける事ができることです。時にはレンズ全面をNDで覆うこともできます。NDが必要なければ透明ガラスだけで覆うこともできます。

花火の撮影スタイル:角形ハーフNDフィルターを装着している様子
角形ハーフNDフィルターを装着している様子。
水中花火を撮るために上部(花火)にNDが掛かるようにしている。水面は透明ガラス。

角型ハーフNDフィルターには様々な種類がありますが、花火撮影に適しているのは「リバースND8」です。

花火作例:色とりどりの花火

OM SYSTEM OM-1 Mark II・M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
絞りF13・1/2秒・ISO200・WB3300・三脚使用
撮影地:山梨県

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ライブコンポジットで撮影した。ライブコンポジットでも、同じ位置にたくさんの花火が重なると露出オーバーになってしまう。上空で開花する花火と液晶モニターを交互に見ながら、ギリギリのバランスで撮り終わると華やかな写真になる。

まとめ

今回は、花火撮影で「必要な機材」「気をつけたいポイント」について紹介しました。

花火は誰もが撮ってみたい被写体です。しかし初めて花火を撮る人達にとっては、三脚やNDフィルターの扱い方などわからないことばかりだと思います。
この記事がご覧いただいた皆さんのお役にたてばうれしいです。

別の記事では設定方法などを含めた「撮影実践編」をお届けしますので、ぜひあわせてご覧ください。

花火撮影の楽しみ方 [実践編] × 写真家 金武武 | プロカメラマンが教える花火撮影の実践テクニックと設定のコツ

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作例に使用した機材

カメラ

【商品情報】SONY α7 IV ボディ

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【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM OM SYSTEM OM-1 Mark II ボディ

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レンズ

【商品情報】SONY FE PZ 16-35mm F4 G

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【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

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【商品情報】OLYMPUS/OM SYSTEM OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II

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OLYMPUS/OM SYSTEM OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIバナー画像

フィルター

【商品情報】marum 100×150 Reverse GND8

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執筆者紹介

ライター金武 武(かねたけ・たけし)イメージ
■Photo & Text by

金武 武(かねたけ・たけし)

1963年神奈川県横浜市生まれ。
写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌等、メディアでの発表を続け、花火の解説や講演会、花火撮影ツアーの依頼が増えている。2016年には花火打上従事者の資格を取得。
ビジュアルブック「眺望絶佳の打ち上げ花火」発売中

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