SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary レビュー × 写真家 鹿野貴司|マクロから超望遠をこの1本で

鹿野貴司(TAKASHI SHIKANO)
1974年東京都生まれ。多摩美術大学卒業後、さまざまな職業を経て写真家に。広告や雑誌などを手掛けるかたわら、スナップやドキュメンタリーの作品を精力的に発表している。近年の写真展に「#shibuyacrossing」(SONYメージングギャラリー)、「煩悩の欠片を燃やして菩提の山へ走れ」(ナインギャラリー)など。昨年9月には『いい写真を撮る100の方法』(玄光社)を出版。日本写真家協会会員。
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はじめに
シグマ製レンズといえば近年はズーム・単焦点とも、明るさや画質、そしてオリジナリティを追求しているようにみえる。高性能なArt、超望遠レンズのSports、そして性能と携行性のバランスがよいContemporaryという3つのプロダクトラインがあるが、ContemporaryでもF1.4~F2の単焦点レンズや、F2.8のズームレンズが中心となりつつある。一方で利便性に対するニーズもあり、それに応えるかたちでAPS-Cフォーマット専用のこの16-300mmF3.5-6.7DC OSがリリースされた。
ちなみに2025年2月24日にシグマの新しいVI(ビジュアルアイデンティティー)が発表され、社名「SIGMA」のロゴや、レンズに刻まれるさまざまな文字には新しいフォントが用いられている。このレンズはそれとともに発表され、レンズ名にも新しいルールが適用されている。これまでミラーレス専用のレンズは焦点距離と絞りの後、フルサイズ向けには「DG DN」、APS-Cフォーマット向けには「DC DN」という符号が付いていた。しかし今後はすべてのレンズがミラーレス専用ということで、このレンズからDNが省かれている。
以前のフォントと同様、新しいフォントもシグマオリジナル。端の処理でクラシカルな演出をしているが、サイズに対して線が太く、視認性が高い。
これはソニーEマウントだが、ライカ Lマウントとともに4月24日発売。続いて富士フイルムXマウントとキヤノンRFマウントが登場予定だ。なおいずれもマウントは真鍮製。
広角~超望遠+マクロをこの1本で
このレンズはシグマにとって久しぶりの高倍率ズーム。そのズーム比はミラーレス専用のAF交換レンズでは世界最大の18.75倍を誇る。フルサイズに換算した画角は24~450mm相当で、センサーサイズがやや小さいキヤノンRFマウントでは25.6~480mm相当とやや望遠方向に伸びる。さらに広角端で17cm、望遠端で105cmと最短撮影距離が短く、とりわけ70mmでは撮影倍率1:2のハーフマクロを実現している。広角から超望遠に加え、マクロまで1本でカバーできるとあれば、ネイチャーや旅といった場面でとても心強い。
SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
26mm(フルサイズ換算39mm)で撮影・絞りF8・1/250秒・ISO100・WBオート
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SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
27mm(フルサイズ換算40mm)で撮影・絞りF8・1/160秒・ISO100・WBオート
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クロップでフルサイズ機でも
APS-Cフォーマット専用のレンズではあるが、フルサイズ機のユーザーもクロップ(切り取り)前提で使うのもアリだと思う。
今回SONYα7R IVでも撮影しているが、高画素機なのでクロップしても約2620万画素。SONYのAPS-Cフォーマット最上位機・α6700の約2600万画素とほとんど変わらないのだ。たとえばフルサイズ機+単焦点レンズをメインに使う場面で、スーパーサブとしてカメラバッグに忍ばせておくと守備範囲は一気に広がる。同じレンジをフルサイズ対応のレンズでカバーしようとすると、たとえば24-105mmと100-400mmの2本で、重量は2kg近くになってしまう。
SONYα7R IV・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
69mm(フルサイズ換算104mm)で撮影・絞りF5.6・1/250秒・ISO320・WBオート
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SONYα7R IV・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
179mm(フルサイズ換算268mm)で撮影・絞りF8・1/500秒・ISO100・WBオート
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軽量コンパクトなのに高い描写力
サイズはマウントにより異なるが、最大径はすべて73.8mm(フィルター径は67mm)、全長はおおむね120mmちょっと。重量は615~625gとコンパクトで軽いのもいい。望遠端まで伸ばしても重量バランスはあまり変わらず、どんな形状のカメラに装着しても使いやすいはずだ。
描写に関しては、ズーム全域でキリッとシャープ。もちろんカメラ側での補正も効いているのだろうが、「便利だけど甘い」というひと昔前の大口径ズームとはまるで別物だ。また明るさ的にボケ味には正直期待していなかったのだが、望遠やマクロではピントの合った箇所の前後がなだらかできれいにボケていく。Artラインの単焦点レンズのようなとろけるようなボケ味とはいかないが、花や子供、ペットといった被写体では、十分満足のいくレベルだと思う。
SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
91mm(フルサイズ換算137mm)で撮影・絞りF6.3・1/320秒・ISO400・WBオート
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SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
31mm(フルサイズ換算46mm)で撮影・絞りF5.6・1/100秒・ISO100・WBオート
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SONYα7R IV・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
48mm(フルサイズ換算73mm)で撮影・絞りF5.6・1/160秒・ISO250・WBオート
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逆光でもビクともしない
シグマ製レンズの特徴である逆光への強さも、しっかりと兼ね備えている。個人的にはもう少しハレーションが発生するほうが、情緒的なんだけどなぁ……とも思うが、いらぬゴーストを発生させず、しっかりと被写体を再現するという姿勢は評価したい。
SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
20mm(フルサイズ換算30mm)で撮影・絞りF8・1/160秒・ISO100・WBオート
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SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
21mm(フルサイズ換算31mm)で撮影・絞りF5.6・1/640秒・ISO100・WBオート
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手ブレ補正の効果も良好
高倍率ズームにもはや必須といえる手ブレ補正も内蔵。広角端で6段、望遠端で4.5段分の効果がある。望遠域では描写をシャープにするだけでなく、ファインダー像が安定するという点も大きい。今回は主に手ブレ補正を搭載していないSONYα6400で撮影しているが、200mmを超える焦点距離ではその効果が実感できた。また広角~標準でも室内や夜間において、開放F値が明るくない=シャッター速度が遅くなりがちな点をフォローすることができる。
SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
20mm(フルサイズ換算30mm)で撮影・絞りF4・1/10秒・ISO6400・WBオート
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SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
41mm(フルサイズ換算62mm)で撮影・絞りF8・1/160秒・ISO800・WBオート
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SONYα6400・SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary
134mm(フルサイズ換算201mm)で撮影・絞りF6.3・1/500秒・ISO1250・WBオート
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まとめ
これまでも十分攻めの姿勢が目立ちながら、さらにVIを一新するという冒険に挑んできたシグマ。現状にとどまらず進化を続けるという意欲を感じたが、このレンズもその新生シグマの第一弾にふさわしいと思う。APS-Cフォーマット専用の高倍率ズームと聞くと地味な印象を受けるかもしれないが、使ってみると小型軽量でありながら写りはシャープでクリア。さらに広いズームレンジをカバーしながら、撮影倍率1:2まで寄れる点に新しさを感じた。最新の技術で最高に便利なレンズはこれだ、というシグマの主張が込められているように思う。
作例に使用したレンズ
【商品情報】SIGMA Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary ソニーE
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作例に使用したカメラ
【商品情報】SONY α6400 ボディ ブラック
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Photo & Text by 鹿野貴司(しかの・たかし)

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