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2025.02.20
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SONY FE 28-70mm F2 GM 実写レビュー × 小城 崇史|別次元の世界を生み出してくれるレンズ

SONY FE 28-70mm F2 GM 実写レビュー × 小城 崇史|別次元の世界を生み出してくれるレンズキービジュアル


ライター小城 崇史(Takafumi Kojo)イメージ
■フォトグラファー紹介

小城 崇史(Takafumi Kojo)

東京都世田谷区出身
1996年より国内外のスポーツシーンを撮影し続け、Jリーグ・Bリーグのクラブオフィシャルフォトグラファーを務める一方、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピックでは組織委員会フォトマネージャーとして活動。現在もスポーツの現場に立ち続ける一方で、作家活動においてはスポーツ、古典芸能・Cityscapeをテーマとした個展を開催。

公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員
一般社団法人日本スポーツプレス協会(AJPS)理事
カメラグランプリ 特別選考委員

はじめに

ふとしたきっかけから、自分の住む都市・東京の風景を「Cityscape Photo」として撮り始めてから5年の歳月が流れた。休むことなく変化し続ける景色と対峙するに当たって常に悩むのはレンズ選択だ。

自分の中でベストなアングルを探そうとすると、あと少し距離がほしい、あと少し画角を調整したいという場面に直面することが多い。好き勝手に三脚を立てたり足場を作ったりできればいいのだが、それが叶わぬゆえの葛藤が常につきまとう。

それだけに、微妙な画角をもたらしてくれるズームレンズは見逃せないアイテムだ。昨今は高画素化に対応すべく各社とも開放F値固定のズームレンズを多くリリースしているが、長らく開放F値が2.8止まりだった状況に風穴を開けるかのごとく登場したのが、今回ご紹介するFE 28-70mm F2 GMである。

SONY α1 IIに取り付けたSONY FE 28-70mm F2 GM

α1 IIに取り付けたFE 28-70mm F2 GM。

SONY FE 28-70mm F2 GMのAF-MF切り替えスイッチ

AF-MF切り替えスイッチ、アイリスロックは左側に配置されている。

SONY α1 IIに取り付けたSONY FE 28-70mm F2 GM。レンズの直径の比較

カメラとレンズの大きさを見ると、このレンズの直径がいかに大きいかがわかる。

SONY FE 28-70mm F2 GMの絞りのクリックON-OFFスイッチは右下に配置

絞りのクリックON-OFFスイッチは右下に配置されている。

ファーストインプレッション

あらゆるシーンに対応することを求められるスポーツ・報道ジャンルの写真家にとって、開放F値2.8のズームレンズは長い間「必須のレンズ」とされてきた。カメラバッグの中には標準ズーム(焦点距離24mmから70mm程度)と望遠ズーム(焦点距離70mmから200mm程度)のレンズが当たり前のようにあり、これに広角ズーム(焦点距離16mmから35mm程度)を組み合わせることで様々な被写体を捉えるのがお約束のようになっていた。

カメラ側の性能向上もあり、この組み合わせを何ら疑うことなく受け入れられてきたのだが、このレンズは開放F値2.0と今までになかったスペックを実現することによって、今までのズームレンズに対するアンチテーゼを投げかけているように見える。その性能を実現するために、918gの重量(これはFE 24-70mm F2.8 GM IIよりも205g増)と 86mmのフィルター径(FE 24-70mm F2.8 GM IIよりも4mm大きい)、そして広角側の焦点距離が24mmから28mmと変更されている。この4mmをどう捉えるかは誰が何をどう撮るか?で解釈が分かれるところだが、私としては近接撮影時の画質や周辺光量の問題などと照らし合わせた上で判断したいと思う。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:山茶花

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 70mmで撮影
絞りF2・1/2000秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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冬の日差しを浴びながら咲く花の雌しべにピントを合わせると、複雑なディテールもアウトフォーカスの彼方へと消えていくことがわかる。

F2.8のズームレンズとは別次元の世界を生み出してくれるレンズ

長きにわたり開放F値2.8のズームレンズを使ってきた身にとって、1段明るいこのレンズの大きさ・重さに一瞬たじろいだのは確かだ。超望遠レンズなどでもっと重く大きいレンズを日常的に使っている人間でも、このレンズ特有の塊感に直面すると「落としてはならない」「壊してはならない」という緊張感が走る。

しかしその緊張感は、絞りを開放に設定してEVFを覗くことで未知の世界を目の当たりにすることで霧散解消し、このレンズの生み出す世界が別次元にあることをはっきりと認識させてくれる。もしこのレンズを手にしたらまずやってみてほしいのは、レンズのフォーカスセレクターをAFからMFに切り替えて、絞り値を開放に設定し、フォーカスポイントを最近接に合わせた上でEVFを覗くことだ。アウトフォーカスの世界の美しさはF2.8のズームレンズとは全く違う世界を見せてくれ、ズーミングすると単焦点のレンズでは知り得ない世界を目の当たりにすることができる。つまり、今までの標準ズームレンズはもちろん、単焦点のレンズでも実現できない「絞り開放・アウトフォーカスの世界」に誘ってくれるのだ。

都市を撮る人間にとって、何をフレームに収めるかは常に悩みの種だが、今までになかったアウトフォーカスの世界を簡単に得られることは大きなメリットだと感じた。何かを撮るに当たって選択肢は多ければ多いほど表現の可能性を広げてくれる。それだけに、今まで撮ってきた景色をもう一度、このレンズで撮り直してみたい衝動にかられた。

SONY FE 28-70mm F2 GM 作例:都会の地下道

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 70mmで撮影
絞りF2・1/2000秒・ISO160・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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開放F値2.8のレンズとは明確に異なる描写に助けられる場面が多い。都会だとどうしても避けられない人間の写り込みを瞬時に無効化できる快感は今までになかった世界だ。

SONY FE 28-70mm F2 GM 作例:排水溝の蓋

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 28mmで撮影
絞りF2・1/160秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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街を歩いていると遠い過去に作られた設備に出くわす事が多い。はっきりと描写することを憚られる場合も、被写界深度のコントロールによって自由自在に表現できるのはこのレンズならではの楽しみだ。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:早咲きの桜

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 70mmで撮影
絞りF2・1/500秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード・+1補正

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背景のボケも自然で、合焦した被写体と違和感なくつながることで撮影者の狙いを明確化してくれる。露出補正を+側に補正することで、都会の谷間で見つけた早春の彩りを捉えた。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:工事現場

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 28mmで撮影
絞りF8・1/200秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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クレーンが林立する工事現場を最広角側の28mmで捉える。光線の関係で左斜め上から右下に向けて連続する玉ボケが見られるが、きれいな円形を描くことでアクセントとなっている。ズームレンズにありがちな樽形歪みを気にして絞って撮影したところ、不快な歪みは確認できなかった。

使用環境によって選択したいF2.0通しのズームレンズ

とはいえ、開放F値2.0通しのズームレンズはまだまだ数少ない存在であるだけに、実際に使いこなすにはそれなりの覚悟も必要になる。フィルターワークを楽しみたいユーザーにとっては、今までのレンズと異なるフィルター径(86mm)となるため何らかの対策(新たに購入するか、調整リングを使って82mm径フィルターを使うか)が必要になる。重さ・大きさの絶対的な違いも人によってはウィークポイントとなるかもしれない。

しかしこの焦点域でこの開放F値を持つレンズは限られている(キヤノンRFレンズに全く同じ焦点距離・絞り値のレンズが、シグマに28-45mm F1.8のレンズがある)だけに、あなたが使うカメラに適合し、この描写がほしいのなら迷わず選択すべきだと思う。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:東京駅 赤レンガ駅舎

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 28mmで撮影
絞りF8・1/125秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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日向と日影、背景となる高層建築物とのバランスを考えながら赤レンガ駅舎を狙う。今回試写していて唯一、広角側の画角が欲しいと思った瞬間だが、広角側の描写が甘くなるズームレンズが多いことを考えるとこの描写は魅力的だ。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:オフィス街の道

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 28mmで撮影
絞りF2・1/5000秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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太陽が直上に来るお昼時、誰もいないオフィス街。手前の円柱以外全てがアウトフォーカスの世界で、太陽光を反射する路面や構造物がきれいな円形のボケとなって描写された。ズームレンズとは思えないきれいなボケはこのレンズの大きな魅力だ。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:隅田川

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 28mmで撮影
絞りF4・1/1250秒・ISO100・WB オート・クリエイティブルック スタンダード

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絞りF4時、画面奥に見える高速道路の橋脚に合焦させたカット。建物の歪みも見られず、また不自然に解像感が上がることもなく、街の自然な表情を捉えることができた。

F2.8通しのズームレンズに慣れた方におすすめしたい

ズームレンズに絞り開放付近の描写を期待するのは難しいと考え、複数の焦点距離で単焦点レンズを揃えている方は多いことと思う。歪曲収差や周辺光量の問題、そして最短撮影距離の問題など、今なお単焦点レンズに一日の長があることも確かだ。

しかしボケや逆光特性など、地道な改良を続けた結果こんなすばらしいレンズがでたことを見逃すのは非常にもったいない気がする。そして今までの開放F値2.8のズームレンズに慣れきった人にとっては「大口径ズームレンズの限界」を塗り替えたこのレンズがもたらす世界をぜひ体験してみてほしい。そこにはあなたの見たことのない世界が広がっている。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:イルミネーション

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 70mmで撮影
絞りF2・1/80秒・ISO800・WB オート・クリエイティブルック スタンダード・-1/3補正

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レンズのボケ感を確認すべく、あえて手前がボケる構図で撮ったカット。イルミネーションのLEDはこのとき点状の光源だったが、きれいに丸くボケることでホリデーシーズンの雰囲気を描写することができた。

SONY FE 28-70mm F2 GM作例:奥に東京タワーが見えるイルミネーション

SONY α1 II・SONY FE 28-70mm F2 GM 62mmで撮影
絞りF2・1/80秒・ISO400・WB オート・クリエイティブルック スタンダード・-2/3補正

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インバウンドの観光客で賑わうイルミネーションの名所。無数の点光源が連続するためあらゆるレンズにとって厳しい場面だが、適切な露出補正をすることでその雰囲気を画面に収めることができた。

まとめ

スマホやアクションカメラの台頭による映像の氾濫も影響しているのか、写真本来の持ち味であるジャストフォーカスとアウトフォーカスによって構成される画の良さを目にする機会が激減している。

それが不要なものならば忘れ去られるのも致し方ないと思うが、ここに来てスチールカメラの売れ行きが持ち直してきているということは、写真だからこそ表現できる世界はまだまだ続くと思いたい。

作例に使用したレンズ

【商品情報】SONY FE 28-70mm F2 GM

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作例に使用したカメラ

【商品情報】SONY α1 II ボディ

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Photo & Text by 小城崇史(こじょう・たかふみ)

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