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2024.09.28
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Canon EOS R5 Mark II × 岡本 豊|あらゆるジャンルに適した究極のオールマイティー機

Canon EOS R5 Mark II × 岡本 豊|あらゆるジャンルに適した究極のオールマイティー機キービジュアル


ライター岡本 豊イメージ
■フォトグラファー紹介

岡本 豊

岡本 豊 Yutaka Okamoto
ボーイング787に魅了され、写真館の館主から航空写真家としてフリーに。航空雑誌、月刊AIRLINE誌では「Go!Go! 787」を9年間連載中、航空会社の公式撮影やフォトコンテストの審査員など幅広く活動している。Canon EOS学園講師、日本大学芸術学部非常勤講師。

写真展
2015年 キヤノンギャラリー 「AIR TEAM GRAPHIC 飛行情景5人が描いた飛行機模様」 銀座・大阪・福岡
2020年 キヤノンギャラリー 「messages from the photographers part2」 キヤノン企画展 銀座・大阪
2024年 キヤノンギャラリー 「岡本豊写真展 BOEING787 静寂と鼓動 光と影」 銀座・大阪
2024年 Leofotoギャラリー 「岡本豊写真展 BOEING787 静寂と鼓動 光と影」 埼玉

SNS
fecebook:@yutakaokamoto787
Instagram:@yutaka_okamoto

はじめに

待望のCanon EOS R5 Mark IIが発売された。ボディサイズは「Canon EOS R5」とほぼ変更ないが、ホットシューがマルチアクセサリーシューとなり、ロック付き新型のシューカバーが装着された為、ボディは少し大きくなったように感じた。Canon EOS R5からの最も大きな変更点は、電源スイッチが左側から右側のサブ電子ダイヤル2に統合されたこと。右手だけで撮影に関する操作をほぼすべてできるようになっている。

私はCanon EOS R6 Mark IIをメインに使用していたので違和感はなく使えた。マルチコントローラーの形状はCanon EOS R3、Canon EOS R6 Mark IIと同じ丸みを帯びた形状に変わっている。

Canon EOS R5 Mark II 本体:正面から見た画像
Canon EOS R5 Mark II 本体:手に持った画像

4500万画素の高画質、素速いフォーカススピード、連写性能、これは「驚異的なカメラ」という一言に尽きる

まず使った最初の感想は「これは驚異的なカメラ」という一言に尽きる。前モデルのCanon EOS R5を想定して撮影を始め、第一印象はフォーカスの合焦が非常に速く、Canon EOS R3と同等かそれ以上といった感覚、これは間違いなく飛行機撮影にも使えると感じた。

「4,500万画素」という画素数は変わらないものの、読み出し速度が大幅にアップし、裏面照射型積層センサーになり、電子シャッターがデフォルトになったのも興味深い。視線AF搭載、カメラ内のアップスケーリングと低ノイズ化可能と魅力的な機能が満載でこれからの撮影が楽しみになった。

Canon EOS R5 Mark II 作例:夕焼けと飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF200-800mm F6.3-9 IS USM
絞りF9・1/1000秒・ISO2000・WB オート・ピクチャースタイル オート

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RF200-800mmを使用し、遠ざかる飛行機をトラッキング機能で追従させながら、800mmの焦点距離で翼が画角にぴったり収まる瞬間を捉えた。撮影中の感覚は、すでに高評価を得ているCanon EOS R6 Mark IIの特性に似ており、写真が持つ力強さと精緻なディテールが相まって、満足のいく結果となった。

Canon EOS R5 Mark II 作例:着陸態勢の飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF200-800mm F6.3-9 IS USM
絞りF10・1/3200秒・ISO1000・WB オート・ピクチャースタイル オート

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着陸体制に入る最新機の787-10、機体が一番輝く一瞬を電子シャッター秒間30コマという速さで撮影。撮影後に確実にそのカットを選べる安心感がある。4500万画素で操縦席のパイロットの表情まで確認できる。

進化した視線入力機能、トラッキング性能
Canon EOS R5 Mark IIの作例とともにチェック

まずは、RF200-800mmを装着し、慣れ親しんだ伊丹空港でボーイング787を撮影したが、「Canon EOS R5」にはなかった乗り物優先(飛行機)トラッキング性能を発揮し、狙った被写体を粘り強く追尾し、撮影し続けることが可能となった。

4500万画素の威力、液晶モニターを拡大していくと機体の細部まで解像していた。しかも電子シャッターの性能が向上し、秒間20コマから30コマという速さで連写が可能になり、そのおかげで、最適なアングルを逃さず捉えることが容易となった。

関西国際空港では船をチャーターし、船内からCanon EOS R3から大幅に改善されたという視線入力機能を使って撮影を試みた。フォーカスが驚くほど正確に合っていき、そのおかげで、しっかりカメラを握り右手親指でコマンダーを触る必要がなくカメラを握ることができる。一瞬で通り過ぎる機体を狙ったアングルを逃さず捉えることができた。

「Canon EOS R5」と比較し、電子シャッターによるローリング歪みが全く見受けられないのも素晴らしい進化、私の中では静止している風景や商品撮影はCanon EOS R5、飛行機などの動体撮影はCanon EOS R3、Canon EOS R6 Mark IIという使い分けだったが今回、Canon EOS R5 Mark IIの登場でついにあらゆるジャンルに適したオールマイティな機種が登場したと言える。

Canon EOS R5 Mark II 作例:夜の伊丹空港の滑走路

Canon EOS R5 Mark II・RF70-200mm F2.8 L IS USM
絞りF11・20秒・ISO100・WB 2800K・ピクチャースタイル オート

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4500万画素の高画素はブレにシビアという先入観があったが、三脚を使い20秒の長時間露光でボーイング787を撮影。結果、光の滲みもなく、優れた画質を確認できた。この技術で美しい一瞬を捉えることができた。

Canon EOS R5 Mark II 作例:夕焼けと飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF200-800mm F6.3-9 IS USM
絞りF10・1/4000秒・ISO1000・WB オート・ピクチャースタイル オート

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遠ざかる飛行機をトラッキング機能で追従しながら、約600mm相当で撮影。光に照らされた機体のディテールとエンジンからのブラストで迫力ある一枚を狙った。4500万画素をしっかり止めるため、シャッタースピードは早めを意識した。

Canon EOS R5 Mark II 作例:赤い観覧車と飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF70-200mm F2.8 L IS USM
絞りF8・1/1250秒・ISO1000・WB オート・ピクチャースタイル オート

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PM2.5により視界が悪く撮影には向かない状況にもかかわらず、トラッキングAFで飛行機を確実に追従。カメラを固定したまま、狙った位置でシャッターを切った。クロップ撮影を行ったにもかかわらず拡大すると観覧車の人の有無を確認できる解像度には驚いた。

Canon EOS R5 Mark II 作例:雲と飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF70-200mm F2.8 L IS USM
絞りF10・1/4000秒・ISO640・WB太陽光・ピクチャースタイル オート

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突如、伊丹空港とは思えないような南国の空が現れた。巨大な積乱雲を避けるように飛ぶボーイング787。このようなシーンはミラーレス機にとって被写体を捉えにくいものだが、機体が見えた瞬間からトラッキングAFは機体に見えなくなるまで追いかけていた。再生画面では枠表示で測距していた位置を確認できるのも良い。

Canon EOS R5 Mark II 作例:着陸前の飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF15-35mm F2.8 L IS USM
絞りF8・1/2500秒・ISO1250・WB太陽光・ピクチャースタイル オート

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着陸寸前のボーイング787、飛行機の動きに合わせてゆっくりカメラを動かして撮影。進入灯を確認したが、電子シャッターによるローリング歪みがまったく見受けられず、素晴らしい進化によって迫力ある一枚を残せた。

Canon EOS R5 Mark II 作例:視線入力機能で撮影した飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF70-200mm F2.8 L IS USM
1/3200秒・絞りF9・ISO1600・WB太陽光・ピクチャースタイル オート

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船内から、Canon EOS R3から大幅に改善されたという視線入力機能を使って撮影。確実に目線で機体を追いかけることができた。右手親指でコマンダーを触る必要がないので揺れる船内でしっかりカメラを握ることが可能、撮影により集中できる。

Canon EOS R5 Mark II 作例:積乱雲と飛行機

Canon EOS R5 Mark II・RF70-200mm F2.8 L IS USM
絞りF10・1/2500秒・ISO1600・WB 太陽光・ピクチャースタイル オート

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発達する積乱雲を背景にするため、縦位置構図にして撮影したが、カメラの操作はスムーズに行えた。ハイライトもしっかり残しつつ、逆光気味の撮影にもかかわらず機体のディテールはしっかり表現されていた。

まとめ

今回、Canon EOS R5 Mark IIで飛行機撮影を試みた結果、前モデルからの進化がいくつか確認できた。

高性能AFの向上

新モデルでは、動体の被写体に対してより高性能なオートフォーカス(AF)を実現しており、これにより飛行機のような高速移動する被写体をより確実に捉えることができた。

裏面照射型センサーの採用

裏面照射型センサーにより、高速撮影が可能になり、ローリングシャッターの歪みも大幅に減少。この進化は、特に動きの激しいシーンでの撮影において大きなメリットとなる。

視線入力によるAF

視線入力機能により、被写体を直感的に選択できるようになり条件が悪い足場など、撮影時の操作性が向上し、狙った被写体に迅速にピントを合わせることが可能になった。

画質については、前モデルもすでに優秀であり、今回撮影した画像を自宅のモニターで確認した限りでは、驚くほどの進化は感じなかった。しかし、拡大表示するたびにその解像度の高さには感嘆させられる。4500万画素の解像度は圧倒的で、高精細な描写が可能。それでいて動体撮影においても、ストレスなく撮影できる洗練されたAFシステムによって、連続撮影が実現おり、機材をアップグレードする価値が十分にあると感じた。

Canon EOS R5 Mark IIには、カメラが登録した人物にピントを合わせる「登録人物優先」「アクション優先」といった新たなAF機能が搭載されている。今回、飛行機撮影では使用していないが、これらの機能を駆使すればスポーツやポートレート撮影など幅広いジャンルでの活用が期待できる。まさに究極のオールマイティー機が登場したと言える。

私の場合、動きのある被写体の撮影が多く、Canon EOS R3やCanon EOS R6 Mark IIを使い分けていたが、これからはCanon EOS R5 Mark IIをメインで使用し、サブ機としてCanon EOS R6 Mark IIを組み合わせるのが理想的だと感じた。この使い方によって、様々な撮影シーンに柔軟に対応できるだろう。

Canon EOS R5 Mark II 作例:虹がかかった滑走路

Canon EOS R5 Mark II・RF15-35mm F2.8 L IS USM
絞りF8・1/100秒・ISO1000・WB太陽光・ピクチャースタイル オート

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突然の雷雨の中、空に美しい虹が姿を現した。雨が降り続く一方で、晴れ間が見える部分との階調の変化が非常に滑らかで、Canon EOS R5 Mark IIは、動体撮影性能の向上が目立つが、その画質もまた素晴らしい。色彩の再現性や解像度に優れており、瞬間を鮮やかに捉えることができるのは、やはりこのカメラの大きな魅力である。

作例に使用したカメラ

【商品情報】Canon EOS R5 Mark II ボディー

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Canon EOS R5 Mark II ボディーバナー画像

作例に使用したレンズ

【商品情報】Canon RF200-800mm F6.3-9

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Canon RF200-800mm F6.3-9バナー画像

【商品情報】Canon RF70-200mm F2.8 L IS USM

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Canon RF70-200mm F2.8 L IS USMバナー画像

【商品情報】Canon RF15-35mm F2.8 L IS USM

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Canon RF15-35mm F2.8 L IS USMバナー画像

Photo & Text by 岡本 豊(おかもと・ゆたか)

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