富士フイルム X100VI × 写真家 大和田 良|X100シリーズファン待望の最新モデル、X100VIを実写レビュー!

目次
はじめに
X100シリーズ最大の特徴「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」
待望の最新機X100Ⅵの登場!
シリーズ初の手ブレ補正機能を搭載
フィルムシミュレーション「REALA ACE」をXシリーズではじめて搭載
作例
作例に使用したカメラ
富士フイルム X100VI
まとめ

大和田 良
大和田 良 おおわだりょう
1978年仙台市生まれ、東京在住。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。2005年、スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50Photographers of Tomorrow」に選出され、以降国内外で作品を多数発表。2011年日本写真協会賞新人賞受賞。著書に『prism』(2007年/青幻舎)、『五百羅漢』(2020年/天恩山五百羅漢寺)、『宣言下日誌』(2021年/kesa publishing)、『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(2022年/インプレス)、『Behind the Mask』(2023年/スローガン)等。東京工芸大学芸術学部准教授。
ウェブサイト:
http://www.ryoohwada.com
Instagram:
https://www.instagram.com/ryo.ohwada/
はじめに
写真というのは不思議なもので、使うカメラによってもずいぶんその結果に違いが現れます。それはもちろん画質云々の部分もあるのですが、もっと大きな違いとして、持つカメラによって撮りたいものや撮れるものが変わってくるということがあります。35mmの一眼レフを持っている時と大型カメラを持っているときには、そこで撮影しようと思うものは全く変わりますし、同じ画面サイズだったとしても、一眼のハッセルブラッドと、二眼のローライフレックスでは、撮りたいものに違いが生まれるでしょう。人物撮影などでは、覗き込むスタイルの二眼レフカメラでは、撮られるほうも緊張が和らぎますし、撮影時のブラックアウトもないので表情を良く観察できるという利点もあります。このようにそれぞれのカメラのスタイルというものは、撮り手にも撮られる側にも作用し、結果的に写真が変わってくることになるわけですが、レンジファインダーのスタイルを引き継いだ富士フイルム「X100シリーズ」は、その点で唯一無二のポジションを確立したカメラとして知られています。
X100シリーズ最大の特徴「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」
その特徴を最も象徴しているのが、独自の「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」でしょう。OVF(光学ビューファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)を自由に選択できると共に、光学ファインダー上に電子ビューの小窓を同時表示するERF(エレクトロニックレンジファインダー)を搭載していることで、「ファインダーを覗いて撮影する」ことに至上の機能を実現しています。「X100シリーズ」でしか経験できない撮影体験の根本を担う機能が、この優れたファインダーシステムにあると言えます。

待望の最新機X100Ⅵの登場!
この独自のファインダーを引き継ぎながらアップデートを続けてきた「X100シリーズ」の最新モデルが、今回紹介する「FUJIFILM X100VI」です。従来モデルとの大きな違いは、裏面照射型約4020万画素センサーと、最大6段分のボディ内手ブレ補正機能の搭載です。手ブレ補正ユニットを組み込みつつ、奥行きが53.3mmから55.3mmの2mmの違いに抑えられ、重量も478gから521gへと43gの違いとなっており、従来からのコンパクトさは維持されていることが分かります。実際、今回撮り歩いていたときにも、コートのポケットに収めながら撮影していましたので、常に持ち歩くカメラとしての小型・軽量性能は十分だと言えるでしょう。コンパクトデジタルカメラとしては、Leica Q3よりは小さく、RICOH GR IIIよりは大きいといったところです。

シリーズ初の手ブレ補正機能を搭載
実際に撮影してみると、多画素化したセンサーによって細部まで豊かな再現が得られることが分かります。APS-Cサイズのセンサーにおける約4020万画素の有効画素数というのは、レンズに求められる解像度もかなりシビアなものになるはずですが、拡大しても周辺まで良く解像されていることが観察できます。35mm版換算で35mm相当となる開放値F2のレンズは、最短撮影距離約10cmとある程度の接写にも対応しています。近接距離による大きな背景ボケが得られる撮影から、絞り込んだパンフォーカス撮影まで、様々な表現に対応が可能です。準広角となる35mmの画角は、50mmほど凝視したような狭さもなく、28mmのようにパッと広く全体を見渡したような広さもないため、多くの撮影者にとって見た目に近い画角に感じられ、ファインダーとの相性も非常に良いのではないかと思います。
また、今回採用されたボディ内手ブレ補正は、多画素機にとって非常に相性の良い機能であると言えます。細部まで写るということは、必然的に微細なブレまで記録されるということですから、手ブレ補正の恩恵は非常に大きいものです。「Xシリーズ」で撮影する場合、基本的に手持ちでスナップするというスタイルが多くなるかと思います。今回いくつかのシチュエーションで試してみましたが、スナップ撮影では大体1/20秒前後までがブレを効果的に抑制できるシャッター速度であると感じられました。静止した被写体で、ホールディングもしっかりと行なった状態であれば、より低速まで手ブレを抑えられるでしょうが、通常のスナップ撮影では1/20秒程度までを手持ちで撮影できる低速の目安だと考えても良いのではないかと思います。
富士フイルム X100VI・絞りF11・1/160秒・ISO500・AWB
フィルムシミュレーション PROVIA/スタンダード
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河津桜の花と青空、背景の緑のコントラストが明瞭に描かれる。画面周辺まで緻密に再現されており、レンズの十分な解像力が感じられる。
富士フイルム X100VI・絞りF2・1/340秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション REALA ACE
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絞り開放から非常にシャープな再現が得られる。輝度差のあるシーンだが、ハイライトからシャドウまで豊かにトーンを描き、光と影の微妙なニュアンスが描かれている。
フィルムシミュレーション「REALA ACE」をXシリーズではじめて搭載
従来機を踏襲した各種ボタン配置等のインターフェースは、必要な機能にアクセスしやすく、特に絞りとシャッター速度、ISO感度、露出補正は直感的に操作が可能で、カメラとしての操作感や手触りがダイレクトに感じられるデザインになっています。AF速度は、ハイエンドのミラーレス機などに比べれば速いとは言えませんが、「X100シリーズ」としては初の被写体検出AFを搭載しており、被写体の種類や動きなどにも幅広く対応できるようになっています。コンティニュアスAFと組み合わせた動体撮影などでは、従来に比べて精度の高いフォーカシングが期待できるでしょう。
富士フイルム製のカメラ全体でも評価が高いフィルムシミュレーションには、「Xシリーズ」としては初の「REALA ACE」が搭載されています。スタンダードとなる「PROVIA」と比べると若干柔らかく彩度も控えめですが、メリハリはあり、抜けの良い印象に感じられます。少し硬質で濃密な再現の「PROVIA」に比べると、より見た目に近い再現になっているように思いました。「PROVIA」よりもニュートラルな再現が好みの方には、常用的に用いるカラー設定としても使いやすいでしょう。今回の撮影では、主にカラーでは「PROVIA」と「REALA ACE」。モノクロームでは「ACROS+Rフィルター」を用いました。
富士フイルム X100VI・絞りF2・1/220秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション REALA ACE
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「REALA ACE」を用いて撮影。見た目に近い再現が得られるが、露出アンダーを用いることで、暗く落ちたシャドーと椿の花の色を印象的に写した。
富士フイルム X100VI・絞りF2・1/45秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション REALA ACE
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絞り開放で撮影したが、水滴の輪郭を明瞭に再現している。「REALA ACE」を用いることで、雨天の光の柔らかさが自然に再現された。
作例
富士フイルム X100VI・絞りF11・1/160秒・ISO400・AWB
フィルムシミュレーション PROVIA/スタンダード
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「PROVIA」の設定を用いた一枚。深みのある色が感じられ、土のブラウンと桜の花の対比が明瞭に感じられる。シャドウ部のトーンも滑らかに再現された。
富士フイルム X100VI・絞りF8・1/850秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション ACROS+Rフィルター
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チルト式液晶を用いると、ファインダーからの撮影では難しいアングルからのショットが可能になる。画面をタップすることでAF 位置を指定できる。
富士フイルム X100VI・絞りF5.6・1/240秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション ACROS+Rフィルター
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光源が画面に入り込む逆光のシーンにおいても、高いコントラストが再現されている。映り込みの中に描かれる微妙なグラデーションも忠実に再現された。
富士フイルム X100VI・絞りF11・1/60秒・ISO1600・AWB
フィルムシミュレーション ACROS+Rフィルター
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絞り込み、全体をフラットに写している。「ACROS」を用いることで、滑らかで適度なコントラストのモノクローム画像が得られ、水や石の立体的な再現が感じられる
富士フイルム X100VI・絞りF5.6・1/125秒・ISO1000・AWB
フィルムシミュレーション ACROS+Rフィルター
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リングライトを用いて手持ちで撮影。犬の毛の細かな質感が微細に描かれている。拡大してみると、多画素機の圧倒的な描写力が感じられる。
富士フイルム X100VI・絞りF11・1/12秒・ISO125・AWB
フィルムシミュレーション ACROS+Rフィルター
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三脚に据付け、百合の花を緻密にライティングしながら撮影を行なった。小型・軽量を生かした手持ちのスナップだけでなく、じっくりと観察する静物撮影にも対応可能だ。
作例に使用したカメラ
富士フイルム X100VI
【商品情報】富士フイルム FUJIFILM X100VI
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まとめ
Photo & Text by 大和田 良

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