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2023.09.18
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SONY α6700 レビュー × 宇佐見健 | 先進のAI被写体認識AFを搭載したAPS-C「α」機

SONY α6700 レビュー × 宇佐見健 | 先進のAI被写体認識AFを搭載したAPS-C「α」機キービジュアル


ライター宇佐見 健(KEN USAMI)イメージ
■フォトグラファー紹介

宇佐見 健(KEN USAMI)

1966年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科卒業後、専門誌、広告代理店を経て独立。水中から陸上のあらゆる被写体、天空のオーロラまで幅広いフィールド・分野を撮影。全天球360度カメラからハイエンドデジタルカメラと守備範囲が広い。カメラ雑誌・Web媒体等で新製品機材インプレやHow to記事等も執筆。2010年よりカメラグランプリ外部選考委員。
ウェブサイト: https://www.instagram.com/usa3ken/

はじめに

α6700全体イメージ

コンパクトなフラットボディが人気のソニーα6000番台シリーズに、上位フルサイズ機α7R Vと同じAIプロセッシングユニットを搭載したα6700が登場。APS-Cサイズ撮像素子を積む同シリーズにとって約3年半ぶりのフラッグシップ機更新。被写体認識機能などAF機能が大きく進化したコンパクトαの実力に迫る。

外観やデザイン、操作性などα6600と比較してみよう

α6700・α6600サイズ比較イメージ
左:α6700 122(幅)×69.0(高さ)×75.1mm(奥行き)・質量約493g
右:α6600 120(幅)×66.9(高さ)×69.3mm(奥行き)・質量約503g

寸法にして数ミリの差なので並べてみるとさほど大きくなった印象はない。ちなみに容積的には増えているものの質量は10グラム軽い。とは言え、そんな僅かな重さの違いよりも、実際にカメラを構えた時のグリップの安定感のほうが如実に感じ取れるはずだ。筆者のように手が大きいと小指の余りが完璧に解消するまではいかないが、従来よりしっかり握れるのはありがたいし、特に重量のあるレンズを装着した状態で長時間構えたり被写体を追従する際の安定感と余計な握力を使わないことによる疲労の軽減は大いに期待できる。

α6700フロントダイヤル拡大イメージ

フラットボディαでは初搭載の前ダイヤル

そして、その握りやすいグリップには前ダイヤルが搭載された。同じフラットボディでもフルサイズα7Cにも搭載されなかった前ダイヤルである!といささかコーフン気味にお伝えしようと思っていたのだが、つい先日発表されたα7C Ⅱとα7C Rにも新たに搭載されていましたね、まぁ当然でしょう。

この前ダイヤルが追加されたことにより露出コントロールの操作性に関しては軍幹部に出っ張りのある上位フルサイズ機α7シリーズと同等のフィーリングで行えるようになった。つまり、フルサイズ機とAPS-C機の2台体制にする場合にも都合がイイのである。今までα7シリーズからα6600に持ち替えたことを忘れて何回人差し指で前ダイヤルを探しにいったことか。

α6700露出モードダイヤル拡大イメージ

露出モードダイヤルから静止画/動画/S&Qの撮影モードが同軸の新規ダイヤルに独立

機能を別ダイヤルに独立させたおかげで露出モードダイヤルがすっきりし、カメラの設定状態の確認が容易になった。また静止画と動画を頻繁に使いわける際に操作が瞬時かつ確実に行えるようになった。3ポジションのみの回転なので慣れれば手元を確認しなくても良く、夜間や暗いところでも便利。もちろんメニュー画面の項目も切り替わるので設定操作もスムーズだ。

動画撮影の操作性で大きな変化は録画ボタンが上面に移動したこと。α6600では右肩のやや小さなボタンを親指で操作するスタイルだった。この点についてはα7Cもそうだがα7 Ⅳ以降のフルサイズ機では上面へ移動し、人差し指での操作が可能になっている。動画撮影メインで使用するユーザーの操作性も考慮されているということだろう。

α6700・α6600背面液晶比較イメージ

α6700の液晶モニターはAPS-C撮像素子αでは初のバリアングル式。3.0型約103万ドットとスペック上ではほんの少しだけα6600(奥)より上がっている。
実際の見え方は大差ないのだが、タッチパネル操作でもメニュ―設定できるのはやはり使いやすい。

ただし、録画ボタンは従来機ではC1ボタンだったわけで、そのC1はというと右肩の元録画ボタンの場所へコンバート。またα6600にあったAF/MF切り替えレバーはα6700ではAF-ONボタンに置き換わっている。もちろん他の機能を割り当てるカスタマイズも可能だが親指AFがし易いサイズと形状なので動体撮影メインのユーザーには歓迎されるはず。一方、とばっちりというわけではないが従来機ではMENUボタン右横にあったC3は画像消去のボタンと兼用に。つまりC4ボタンは省略されたのでファンクションボタンは1個減なのである。これはもう一個くらい増えても良いのにと思っていた筆者を含むCfnボタンヘビーユーザーには喜べる改良とは言えず少々残念なポイント。

そして、言うまでもないがジョイスティック的なマルチコントローラーはやはり搭載されなかった。スペース的な都合だけでなくフルサイズα7シリーズとの差別化の意味合いもあるのだろう。

メモリーカードスロットが左側面へ移動

従来のAPS-C撮像素子搭載αでは底面のバッテリー室にメモリーカードスロットが同居していた。α6700ではこの点もα7Cと同じく側面へ移動しアクセスしやすくなっている。またUHS-IIにも対応し撮影データのより高速な読み書きが可能となった。

α6700インターフェース部分イメージ

側面のインターフェースは上から外部マイク端子、USB-C(充・給電およびデータ転送)、メモリーカードスロット、HDMI出力端子

26メガ撮像素子と最新エンジンの強力タッグ

α6700センサー・映像エンジンイメージ

搭載されたのは有効約2600万画素の裏面照射型CMOSセンサー。これに最新の画像処理エンジンBIONZ XRを組み合わせ、従来比(2420万画素+BIONZ Xのα6600)で最大約8倍の処理能力を発揮。画質向上、先進のAIプロセッシングユニット搭載をはじめとした驚異的なAF性能だけでなく操作レスポンスも向上しフラッグシップらしい手応えを得られるカメラに仕上がっている。

AIプロセッシングユニット搭載で最強レベルの被写体捕捉性能

そしてこの新機種α6700の目玉はなんと言っても先進のAFシステム。先に発売されて好評を得ている上位フルサイズ機α7R Ⅴ譲りのAIプロセッシングユニットを搭載し最大759点の像面位相差AF測距点を配置。これにより被写体認識は人物・動物に加えて飛行機、鳥、昆虫、列車、車が追加された。ポートレートから各種スポーツ、アニマルライフやネイチャー、航空や鉄道写真、モータースポーツなど人気のあるあらゆる撮影ジャンルに対応する。

ただ対応被写体の種類が増えたということではない。特に人物がターゲットの場合は被写体の骨格情報も加味した検出を行うため絶えず変化する姿勢や向きにも敏感に対応し検出を継続する。ちなみに人物の瞳認識精度においてはα6600比で約60パーセントも向上しているというから驚きだ。

今回のレビューではα6700にサイズや重量バランス的にも良好で、ズーム望遠端では35ミリ判換算で525ミリ相当の超望遠効果を手軽に得ることが可能なE 70-350mm F4.5-6.3 G OSS (SEL70350G)を使い、被写体検出によるAFをフルに活用した動体撮影を試してみた。その撮影結果をご覧いただこう。

遠くを飛ぶ小さな機影をもしっかり飛行機として検出

α6700雲と旅客機作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF6.3・1/1600秒・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:飛行機)

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この作例は遠く羽田空港を離陸して上昇する旅客機を海ほたるPAから写している。肉眼では見失うようなレベルだから望遠端でも画面に対してこんなに小さくなってしまうが被写体検出はしっかり飛行機としてAF枠を追従するのが頼もしい。夏の雲と絡めてみた。

α6700旅客機離陸作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF9.0・1/1600秒・ISO500・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:飛行機)

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滑走から離陸までを連続的に追うような撮影でも、被写体検出は機体の的確な位置にしっかりと測距する。

次の画面キャプチャ6枚は作例の離陸シーンで「滑走」「離陸」「上昇」「頭上通過」を連続的に撮影した画像からの一部抜粋。被写体検出「飛行機」で撮影すると距離や機体の写り込む角度などに応じてAF測距枠が大きさや位置を変化させながら被写体を追従していることがわかる。そして重要な部位としてコクピットを確実なピントで撮影できている。

α6700連続撮影作例1

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α6700連続撮影作例2

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α6700連続撮影作例3

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α6700連続撮影作例4

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α6700連続撮影作例5

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α6700連続撮影作例6

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α6700月と旅客機作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・107mm(35mm判換算160mm)で撮影
絞りF8.0・1/1000秒・ISO1000・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:飛行機)

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機体をAF追従しながら構図を自由にできるので、機体の進む方向を見極めながらとっさの判断でズーム操作で画角を広げながら、強引だけどこのように画面内に月を絡めることも可能。

鳥は対応種類だけでなく姿勢や角度など検出精度が格段に向上した印象

α6700青空を飛翔するカモメ作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF6.3・1/1250秒・ISO200・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:鳥)

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鳥の検出精度もAIプロセッシングユニット搭載以降格段に精度が向上したのはα7R Vで既に実感してはいたが、それがα6700のコンパクトボディでも同様に得られるのは嬉しいこと。たとえフレーミングが追いつかなくても瞳へのAFはバッチリだ。

α6700雲を背景に飛翔するカモメ作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF9.0・1/1250秒・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:鳥)

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半逆光気味の光線で背景は雲。遠ざかるカモメの後ろ姿なので従来機なら被写体検出は切れやすいシチュエーションだが、AF追従は驚くほどしっかり粘ってくれた。

α6700水面を背景に飛翔するカモメ作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF6.3・1/1250秒・-0.7EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:鳥)

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海面近くの飛翔をやや俯瞰気味に狙う。これも斜め後ろからの向きで鳥の頭部は半分隠れているが、拡大してもピントはシャープに瞳も写せている。これだけ被写体検出が優秀なら絞りを開けてできる限り背景をボカす撮り方も容易に行えるのが強みだ。

従来機ではともすると被写体検出が途切れて背景にAFが引っ張られたり、サーチに入って撮影のタイミングを逸しかねないようなシチュエーションでも粘り強く、コンスタントに被写体として「鳥」を検出しAF追従をしていることが感じられた。ふいに現れる被写体への反応も従来機より格段に速い。もちろん、百発百中ではないが、一度AFが食いつくとかなり粘ってくれる。たまに被写体の姿勢などが影響するのか検出が切れる時もあるが、ファインダーで追従を継続していれば再び被写体を検出してくれるパターンがほとんどであった。

競馬場で「動物」と「人物」の被写体検出を試す

α6700引き馬作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・114mm(35mm判換算171mm)で撮影
絞りF5.6・1/800秒・+0.7EV補正・ISO500・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:動物)

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α6700引き馬作例(画像処理ソフト画面)

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夏の強い日差しの逆光線で、肉眼で見ていても濃い毛色と黒い瞳が同化して分かりづらいのだが、的確に瞳を検出してピントを合わせているのがわかる。

α6700被写体認識作例(画像処理ソフト画面)

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白いもやのような物の正体は逆光線で光る酷暑対策用のミスト。撮影条件としてはかなりキビシイが、この状況でも被写体認識AFは競走馬の頭部を的確に捉えているのは関心させられる。

人物、動物、飛行機、鳥、昆虫、列車、車と多種類に対応するαの被写体検出機能であるが、ライバルメーカーの一部にみられる「自動」という設定は設けられていない。

これはその画面内に捉えた被写体が被写体検出対象であるか否かを自動で判別するもの。いちいち被写体を設定していなくても猫や鳥、もちろん人物でも目の前に不意に現れた被写体のシャッターチャンスにもAFがしっかり対応できる。しかし、たとえばペットの犬を連れた人物を画面内に捉えた場合に、どちらのピントを主被写体として検出するかはカメラ任せになる。とは言ってもそのように検出対象がバッティングした場合は、片方が人物なら基本的には人物が優先されるようだ。何にしても時と場合によっては撮影者の意図しない被写体をカメラが選ぶリスクもあるのが「自動」ということになるだろう。

逆にαでは被写体認識のメニュー設定で特定種類の被写体を検出から除外する設定も可能だ。まず自分が撮影することの無い被写体は予め外しておけば設定時の表示項目が減るので幾らかは煩わしさが軽減するかもしれない。この機能も含め使うか使わないはユーザーの判断に任せて「自動」も積んでおいて欲しかったと思うユーザーも少なからずいるのでは?

α6700被写体認識設定画面

認識対象の切り替え設定でチェックマークを外した被写体は検出対象の設定時の選択肢から除外される。

競馬場の本馬場では馬に乗った騎手を主被写体として、ふとした瞬間の騎手の眼差しを捉えたい場合に検出対象を「人物」に設定した「人物+瞳優先」は従来機同様かなり役に立つ。因みにレース中の本気の走行でもしっかり騎手の頭部を追えていただけでなく、泥除けのゴーグルなどをしていても瞳を検出しているであろう挙動も確認できた。

α6700疾走する競走馬作例(画像処理ソフト画面)1

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α6700疾走する競走馬作例(画像処理ソフト画面)2

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α6700疾走する競走馬作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・207mm(35mm判換算310mm)で撮影
絞りF6.3・1/320秒・-0.3EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:人物)

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α6700競走馬とジョッキー作例

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS・350mm(35mm判換算525mm)で撮影
絞りF6.3・1/800秒・+1.0EV補正・ISO800・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:人物)

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標準ズームの望遠端で撮り比べ

α6700の被写体検出機能は先述のとおり上位フルサイズ機α7R Vと同等である。しかし、手持ち撮影で「昆虫」を狙うならコンパクトボディで取り回しが良く、かつ望遠焦点距離を稼ぎやすいAPS-Cサイズ撮像素子α6700のほうが有利ではないだろうか。

今回は試用レンズにマクロレンズを含まなかったので標準ズームの望遠端の最短撮影距離付近で昆虫撮影を試してみた。と言っても熱中症警戒アラートが発表されているような炎天下。昆虫自体少ないし、大汗かきながら低い姿勢で被写体となる昆虫を探すのもなかなかキケン。公園の花壇でかろうじてトンボに出会えたが、花壇の中ほどにいて近づくことができないシチュエーション。そこで、やむなくズームを望遠端にセットしカメラを持つ右手を伸ばして撮影をした。もちろんEVFは覗けないしせっかくのバリアングル液晶モニターにも直射日光がガンガンに当たりほぼ見えない。

言うなれば被写体検出でのAFだけが頼りのあてずっぽうで撮影したのが次の写真。我ながらあの状況でよく頑張った!と自分を褒めたいけどこれはもう被写体検出のおかげ。

α6700トンボ作例

E 18-135mm F3.5-5.6 OSS・135mm(35mm判換算202mm)で撮影・絞りF5.6・1/400秒・-0.3EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン(被写体検出:昆虫)

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あてずっぽうの片手撮りでもドンピシャの日の丸構図は自分の手柄、標準ズームレンズでも背景をボカせてマクロ写真っぽく撮れたのは被写体検出(昆虫)のおかげ。

望遠レンズ系の作例ばかり続いたのでワイド系の作例も少しだけ。コンパクトなα6700で軽快に撮り歩きを楽しみたいならE PZ10-20mm F4Gがベストマッチ。多少無茶させてもどうってことのない有害光の耐性や隅々までコントラストでシャープな描写力は小さくてもさすがのGレンズ。APS-Cサイズだけど少し画素数アップした新型撮像素子の26メガピクセルの画力を存分に味わえるというもの。ぜひともカメラと同時に手に入れておきたい1本といえる。

α6700海岸の人物作例

E PZ10-20mm F4G・10mm(35mm判換算15mm)で撮影
絞りF11・1/640秒・-1.0EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン

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α6700国旗作例

E PZ10-20mm F4G・10.5mm(35mm判換算15mm)で撮影
絞りF8・1/640秒・-1.0EV補正・ISO100・AWB・JPEGエクストラファイン

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ISO感度のスペックはα6600と同じ

静止画撮影での常用ISO感度はISO100 ~ISO32000、拡張で下はISO50 、上限102400まで設定が可能。ISOオート設定時にはISO100~6400で変動(任意変更可能)なことなど基本的にはα6600と同じではあるが、画素数が僅かでも増えたぶんs/n比に多少なりとも影響があるかとは思うがそれほど神経質にならずとも良さそうだ。

作例は室内照明光下でISO200とISO6400での比較。大画面の等倍表示で見比べればISO6400ではさすがに暗部には相応ノイズが浮くし猫の柔らかい毛並みも硬くなったような再現となった。しかし言わずにISO6400のほうだけを見せられたらそこまで高感度と気が付かない人も多いのではと思うほど、カラーバランスの崩れなどは気にならないレベル。夜景や室内撮影など強力な手ブレ補正はあるがシャッター速度を稼いで被写体ブレを防ぎたい時に躊躇なく使える超高感度は強い味方となる。

α6700猫作例(ISO200)

ISO200

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α6700猫作例(ISO6400)

ISO6400

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まとめ

APS-C撮像素子搭載のフラットボディαはコロナ禍の間動きが無く、α6600で乗り切った形。その間、フルサイズαのにぎやかさが目立った形でやきもきさせられたユーザーも多いはず。先行したα7RVの登場である程度内容の想像できていたとはいえ、それだけ待った甲斐があると言えるほど進化と完成度はたのもしい。

従来機では犬、猫、人間だけだった被写体検出が多様な被写体に対応し、AFが食いつくさまをEVFで見るだけでも写真の腕が上がったようで嬉しくなることうけあい。実際、動体撮影の撮れ高は誰もが満足する結果を得られるはず。グリグリ操作のマルチセレクターは相変わらず無いし、カスタムボタンは減ってしまうなど不満が無いわけではないけれど、上位フルサイズ機と併用しやすい操作性と機能が備わっている。

動画需要の高まりとともに小型化された高性能レンズのラインナップも魅力的になってきた今、機材システムを見直してみるのも良いと思う。

作例に使用したカメラ

SONY α6700

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作例に使用したレンズ

SONY E PZ 10-20mm F4 G

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SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS

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SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS

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Photo & Text by 宇佐見 健(KEN USAMI)

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