1億画素のラージフォーマットカメラが大幅高速化!
FUJIFILM GFX 100 IIの特徴
ラージフォーマットの常識を覆す高速連写
ついに被写体検出を搭載したオートフォーカス
新フィルムシミュレーション「REALA ACE」
手ぶれ補正
GFX 100・GFX 100Sとの比較
GFX 100からの正当進化
圧倒的な動体対応能力
大幅に進化した動画性能
GFX50S IIとの比較
あらゆる面で50S IIを凌駕
同じスピードを持ったGFX50S IIの登場が望まれる?
SONY α7RVとの比較
画素数を取るかコンパクトさをとるか
高速性能でGFX 100 IIがα7RVを凌駕する部分があるのは脅威
GFX 100 IIをおすすめしたいユーザー
緻密な描写と高速さの両立が大きなメリット
短所はレンズまで含めたサイズと価格
究極の高画質を求めるユーザーにおすすめ
まとめ
1億画素の高画素センサーを採用したFUJIFILM中判デジタルカメラGFX 100が、ラージフォーマットカメラの常識を覆すほど高速なカメラとしてリニューアルされました。
新開発された1億2百万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II HS」とX-Processor 5を採用した事で達成されたオートフォーカス性能や連写性能は、フルサイズミラーレス機に匹敵するスピードです。
GFX 100 IIは今、最もオールラウンドなラージフォーマット機と言えるでしょう。
FUJIFILM GFX 100 IIの連写性能は8.0コマ/秒で、フルサイズの高画素機に肉薄するレベルです。
ラージフォーマット、しかも1億画素を超える高画素モデルともなると、風景などの静物をじっくり時間をかけて撮るというイメージですが、GFX 100 IIはそんな思い込みを覆すスペックとなっています。
さらに5.3コマ/秒のブラックアウトフリー連写も可能で、これはフルサイズの高画素機でも一部の機種にしか搭載されていない機能です。
高速連写を活かすには、高速で高精度なオートフォーカスが必須となります。
GFX 100 IIは被写体検出オートフォーカスを搭載しており、X-H2S以降のFUJIFILMのオートフォーカスはユーザーからの評価も高いものです。
ピント合わせが難しい高画素センサーと、フルサイズよりも焦点距離の長いレンズにどこまで対応しているのか、実際に使ってみるのが楽しみです。
FUJIFILMは新製品が発売される度に新しいフィルムシミュレーションが追加され、それを楽しみにしていたユーザーも多いと思います。
ここ数機種は発売に際して新たなフィルムシミュレーションの追加はありませんでしたが、今回久ぶりに新しいフィルムシミュレーション「REALA ACE」が追加になりました。
往年のカメラファンなら高性能ネガフィルムのREALAや専用の現像・プリント処理REARA仕上げを懐かしく思い出すのではないでしょうか。
GFX 100 IIには最大8.0段のボディ内手ぶれ補正が搭載されており、これは歴代FUJIFILMのラージフォーマットカメラの中でも最強クラスの性能です。
画素数が多いカメラは手ぶれが目立つケースも多いですが、強力な手ぶれ補正がそれを補います。
また、レンズの焦点距離も長くなるので、強力な手ぶれ補正の存在は、ラージフォーマットカメラを快適に使う上でフルサイズ機など以上に重要なポイントかもしれません。
FUJIFILMの1億画素のラージフォーマットカメラは、GFX 100→GFX 100S→GFX 100 IIとモデルチェンジして来ました。
GFX 100→GFX 100Sはモデルチェンジというよりもコンパクト化の要素が大きく、機能的にデチューンされている部分すらあったくらいです。
対してGFX 100 IIは、GFX 100Sのコンパクトネスは継承されつつ、機能的にデチューンされていた、例えばファインダー解像度や倍率も、初代のGFX 100を上回る高性能なものが搭載された本当の意味でのGFX 100の正当進化モデルと言えるでしょう。
GFX 100 IIがGFX 100を大きく凌駕しているポイントは、やはりその高速性能でしょう。
GFX 100が発売された当時は、ラージフォーマットで1億画素という部分だけで十分以上にセンセーショナルでした。GFX 100 IIは、そんな高画素、高画質なラージフォーマットカメラの特徴はそのままに、高い連写性能(GFX 100S:5.0 コマ/秒→GFX 100 II:8.7コマ/秒)、被写体検出AFの搭載、5.3コマ/秒ブラックアウトフリー連写など、フルサイズミラーレス機並みの高い動体対応能力を獲得しました。
GFX 100 IIはFUJIFILMがつくったラージフォーマットカメラのイメージを自ら打ち壊した機種と言えます。
FUJIFILMはSONY、Panasonicなどと並んで動画性能の高いメーカーです。
GFX 100 IIでは、4K/60P・8K30P記録は勿論、業界標準となる4:2:2 10bitの内部記録など、プロカメラマンや編集・カラーグレーディングを楽しむハイアマチュアまで、高い性能で応えてくれるカメラとなっています。
また、被写体検知を筆頭に、オートフォーカスの精度が向上している事も動画カメラとしては嬉しいポイントです。
GFX 100 IIはあらゆる面でGFX50S IIの性能を凌駕しています。
他メーカーでよくみる、高画素モデルと高速モデル(またはオールラウンドモデル)といった分類ではなく、明らかに中級機とフラッグシップ機という分類となっています。
画素数(GFX50S II:5140万画素→GFX 100 II:1億200万画素)や連写性能(GFX50S II:3.0コマ/秒→GFX 100 II:約8.7コマ/秒)と言った注目度の高いスペックだけでなく、ファインダーのドット数(GFX50S II:約369万ドット→GFX 100 II:約944万ドット)といった撮影上重要なパーツについても、GFX 100 IIには最上級のものが採用されています。
GFX50S IIがGFX 100 IIよりも明らかに上回る点はコストです。
これは個人的な希望ですが、GFX 100 IIと同等のスピードを持ったGFX50S IIがあると嬉しいなと思います。ラージフォーマットのメリットは高画素だけでなく、余裕のある画素数による高感度性能の高さやリアリティ、滑らかさなど、スペックだけではわからないメリットも多いからです。
GFX 100 IIの登場により、GFX50S IIと同じくらいの価格の高速モデルを望むユーザーの声が大きくなりそうです。
高画素機の代表格と言えばSONY α7RVではないでしょうか。
画素数ではGFX 100 IIに劣る(SONY α7RV:6100万画素→GFX 100 II:1億200万画素)ものの、高性能でコンパクトなGマスターレンズと併せて、機動性と高画質を非常に良くバランスさせたモデルです。
とはいえ、大伸ばしのプリントなどでは画素数やセンサーサイズの違いはある程度出てくるでしょうし、フィルムシミュレーションによる美しいカラーバランスを1億画素で楽しめるのもFUJIFILM GFX 100 IIの大きな魅力です。
GFX 100 IIはラージフォーマットのカメラですので、そもそもフルサイズ機と高速性能で比べられるのが驚異的と言っていいでしょう。
連写性能ではα7RVにわずかに優勢ですが(α7RV:最高約10コマ/秒→GFX 100 II:約8.7コマ/秒)、α7RVには無いブラックアウトフリーができるのが、GFX 100 IIが優れた点です。
GFX 100 IIは、ラージフォーマットカメラの中で最もオールラウンドな機種であり、それはフルサイズミラーレス機に匹敵するほどです。
もちろん、レンズまで含めたサイズなど、フルサイズミラーレス機に比べると扱いずらい部分はありますが、究極の画質と高速性能をバランスさせたいユーザーにはかなり魅力的なスペックとうつるのでは無いでしょうか。
ここまで被写体を選ばないラージフォーマットカメラは他に類をみません。
GFX 100 IIのデメリットは、レンズまで含めたサイズと価格です。
カメラ自体は1kg前後に収まっており(約1,030g)他メーカーのフルサイズのフラッグシップ機に対して重いというわけではありません。しかし、レンズはどうしてもセンサーサイズに合わせて大きく重くなってしまうので、実際の撮影ではトータルで結構な重量になってしまいます。
価格についても、フルサイズのフラッグシップ機の倍近い金額となるので、これもユーザーを絞る大きな要因となるでしょう。
究極の高画質を求めるユーザーには、やはり1億画素の超高画素センサーの画は魅力です。
さらにFUJIFILMにはフィルムシミュレーションがあるので、映像の美しさが何割かかさましされます。個人的にもFUJIFILMのカラーバランスの良さには何度もハッとさせられた事があり、フィルム時代から長きにわたって色と向き合って来たメーカーの底力を感じます。
静物、動体にかかわらず、究極の高画質を求める全てのユーザーにおすすめのカメラです。
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