はじめに
初代モデルFE 70-200mm F2.8 GM OSS との比較
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II を作例と共にご紹介
圧倒的なボケ、GMレンズの底力
鳥や動物を撮る
他の望遠レンズとの比較
おわりに
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 作例集
作例に使用したレンズ
SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
作例に使用したカメラ
SONY α7 IV
まとめ
写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。
撮影、執筆、講演、講師など活動は多岐。写真集『AIRY COLORS』『熊野古道を歩いています。』、著書『エアリーフォトの撮り方レシピ』など11冊出版。写真とスパイス料理の教室Room5656主宰。好きな食べ物は、カレーとイカ。
HP:
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Instagram:
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初代モデルSONY(ソニー)FE 70-200mm F2.8 GM OSSからパワーアップして登場したFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが発売されたのは2021年11月のこと。
発売から一年以上を経て聞こえてくる声は、「とても軽くなった」「GMレンズならではの写りが素晴らしい」「持ち運びが楽になった」などなど。今回、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと一緒に、札幌の街を歩いていろいろ撮影してみた。
冬の終わり、春を待つ札幌の街。まだひんやりとした空気が気持ちいい。さあ、歩いて行こう。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影
絞りF2.8・1/800秒・ISO100・WBオート
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まず、どんなところがどんな風に初代モデルから変わったのか、それを見ていこう。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは質量約1,045g、初代モデルFE 70-200mm F2.8 GM OSSは質量約1,480g。初代モデルに比べて435g軽くなり、約29%軽量化を実現している。1,480gから1,045gになったと具体的な数字を聞くと、とても大きな差に感じる。
435gというのは具体的にどのくらいの重さなのかとネットで435gと検索してみると、「みかん(国産)の缶詰1個分の中身の重量」や「即席ラーメン5個分(乾麺)の重量」と出てきた。
想像して欲しい。レンズ1本で、それほどの重量が軽くなったということを。それらをレンズに着けて撮っているのと、外して撮っているのとを想像するとなんだか少し笑えるが、やはり相当な軽量化だ。
街を歩いていると、冬と春の境の時期らしく、お花がなかなか咲いていない。遠くに雪山が見える。やっと見つけた黄色いお花レンギョウを撮影してみる。ワイド端(焦点距離70mm)にして、レンギョウから少し離れて撮影。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・70mmで撮影
絞りF2.8・1/1000秒・ISO100・WBオート
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はぁ…思わずため息が出る。
なんて美しいボケ表現…。
ワイド端でこの美しいボケ…しかも被写体から少し離れているのに、とうっとりしながらシャッターを切る。
次は、最短撮影距離までグッと寄ってみよう。最短撮影距離は、ワイド端(焦点距離70mm)で40cm。開放F2.8で撮影してみる。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・70mmで撮影
絞りF2.8・1/1000秒・ISO100・WBオート
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玉ボケが大きくなってより柔らかい表現になった。
ちなみに後ろの玉ボケは、道端に取り付けられているチェーンの光を拾っている。
その後、望遠側にしたり、APS-Cサイズにクロップしたりといろいろと撮影した。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・124mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算186mm]
絞りF2.8・1/1000秒・ISO100・WBオート
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玉ボケの中に手前にあるレンギョウの枝やお花を入れるように撮影してみた。なんと美しいボケだろう。この美しさは、GMの底力を感じる。ちなみにテレ端(焦点距離200m側)では、最短撮影距離は82cm。望遠にしても1m未満の最短撮影が出来るのは嬉しい。
他にも小さなお花を見つけたので撮影してみた。
ピント面のシャッキリさ、そして前ボケと後ボケの美しさの対比が気持ちいい。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO100・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/2500秒・ISO100・WBオート
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ちなみに、こちらのお花も、公園の端っこに50cm四方くらいの範囲でひっそりと咲いていた。背丈の小さいお花なので、地面すれすれにカメラを下げて、下からあおるように撮影している。最大望遠にして被写体にぐっと寄って撮影しているので、小さくて少ないお花たちも、にぎやかなお花畑に見える。
札幌の街をお散歩しながら、鳥や動物を撮影してみようと歩く。
チュチュチュチュンチュン
スズメの声が聞こえる。
見上げてみると、道路沿いに建っている背の高い塔に空いている小さな穴から、スズメたちが顔を出しては飛び立ってにぎやかにしていた。望遠にして、さらに、APS-Cサイズにクロップして撮影。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1600秒・ISO100・WBオート
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少し近づいてみる。スズメたちのチュンチュンと楽しそうに羽ばたく様子がとても可愛らしい。思わずにっこりとしながらしばらく撮影した。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO100・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF4.5・1/1600秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF4.5・1/1600秒・ISO400・WBオート
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撮影した写真をパソコンで大きく拡大して確認してみる。とても美しい。
このレンズの焦点距離は、70mmから200mm。最大望遠は200mm。だから、被写体を一番大きく撮影したいとなると焦点距離200mmになるのだけれど、もう少し被写体を大きく撮りたい、近づきたい、そう思った時は、APS-Cサイズにクロップして撮影する、という手を使うのも十分ありだなと再確認する。
もちろん、フルサイズカメラを使っているからAPS-Cサイズにクロップできるし、クロップしても十分な画素数を誇るということを前提に考えている。
さらに歩く。
池の方からバサバサッと音が聞こえたので近づいてみる。マガモがすいすいと池を泳いでいた。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO400・WBオート
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ファインダーを覗いて撮影していると、マガモの顔と首のあたりのブルーとグリーンの鮮やかな配色にドキリとする。また、羽毛が水を弾きながらキラキラと輝くさまを見ながら撮影していると、動物って鳥ってなんて美しいんだとハッとする瞬間が何度もあった。
人間と野生の動物に間に、適度な距離はある。でも、こうやってカメラとレンズを通すと、こんなにも近くに見ることができ、美しい世界を覗き見て、そして、作品として切り取ることが出来ることに嬉しさを感じる。GMレンズならではの実力を十分感じながら撮影した。
木々に囲まれ、鳥の声がたくさん聞こえる気持ちのいい場所を歩いていると、小さなものがサササッと動いたのが見えた。
リスだ。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/640秒・ISO400・WBオート
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木の実を口にくわえて、あっちにこっちにちょこちょこと移動している。カメラ内の設定を、連写、そして、フォーカスモードは被写体を追うコンティニュアス、さらに、フォーカスエリアはトラッキングに設定し、いろいろ撮影した。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1000秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/400秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影
絞りF2.8・1/1600秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/400秒・ISO400・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF5・1/250秒・ISO800・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF5・1/400秒・ISO800・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・158mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算237mm]
絞りF2.8・1/640秒・ISO400・WBオート
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あっ、落とした。木の実。
かわいい。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF5・1/250秒・ISO800・WBオート
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SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO800・WBオート
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ああ、
ああ、
何てかわいいの。
夢中でシャッターを切る。
AFは俊敏にリスを追いかけ、とても気持ちよく撮影できた。
ちなみに筆者は、望遠レンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSレンズを愛用している。だから、いつももっと被写体を大きく撮影出来る。だから今回、途中、もう少し大きく撮りたいと思った瞬間も正直たくさんある。
でも、何といっても、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSに比べて、レンズが軽い。体感としては、すごく軽いという印象。FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSの質量は1,395g。比べると350gの重さの違いだ。
今回撮影していて、重いとか疲れたとかそんな気持ちに全くならずにリスを撮り続けられたのはすごいなという気持ちに溢れた。350gって、こんなに大きな違いがあるのかと正直かなり驚いた。
だから、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでもっと寄りたいときは、APS-Cサイズにクロップして撮影することを組み合わせると、かなりフットワーク軽くいろいろと撮影出来るなと実感した。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは、望遠で撮りたいあらゆる被写体を狙いたい人におススメしたいレンズだ。何度も書いているが、APS-Cサイズにクロップすることを併用して撮影していくと、かなりフットワーク軽く撮影が出来るだろう。
SONYには、同じような望遠幅のレンズが他にもいろいろある。冒頭で比較したFE 70-200mm F2.8 GM OSS 、そしてFE 70-200mm F4 G OSS、さらにFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSがある。筆者が愛用しているFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを入れれば、近しい望遠レンズが5本あるということになる。
一列ごとに書いてみると、
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/1250秒・ISO100・WBオート
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今回、街、お花、そして鳥や動物を撮影した。従来のモデルより圧倒的に軽くなり、そして、俊敏なAFの動きにより爽快に撮影できた。「軽い、速い、美しい」そんな言葉が頭をぐるぐると廻った。
筆者は、望遠レンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを愛用していることは前述した。だから実は、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは自分では持っていなくていいかなと思っていたのだけれど、今回、いろいろと撮影していてあまりにも気持ち良くそして美しく撮影出来たので、購入を検討したいという気持ちにまでなっている。
例えば、野鳥や自然に住む動物を撮影するときは、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使い、その他、お花や人物、比較的近い距離で撮影出来る動物たちはFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIで撮ったら、かなりフットワークが軽くなるのではと思う。
最後に、この写真を見て欲しい。
SONY α7 Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影[APS-Cサイズクロップ撮影のため35mm判換算300mm]
絞りF2.8・1/400秒・ISO400・WBオート
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パソコンで、お気に入りのリスの写真をトリミングしてみたのだ。APS-Cサイズにクロップして撮影している写真をトリミングしてもなお美しい画像。瞳にシャキッとピントが合い、パソコンで拡大してもとても美しかった。
ああ、
ああ、
何てかわいいの。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは素晴らしい。ぜひ皆さんにも実際に手に撮取り、その実力を体感して欲しい。
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Photo & Text by 山本まりこ(やまもと・まりこ)