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2023.05.01
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Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8 レビュー × 熊切大輔|ニコンの最軽量パンケーキレンズ

Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8 レビュー × 熊切大輔レビューのキービジュアル
質量125gとNIKKOR Zレンズの中でも最軽量のパンケーキレンズ、NIKKOR Z 26mm f/2.8。高い光学性能、絞りF2.8の明るい開放値、高速高精度なAF機構や防塵・防滴に配慮した設計など、小型軽量ながらも高性能でスナップ撮影に最適な1本といえます。

今回はフォトグラファーの熊切大輔さんに、FXフォーマットの最上位機ニコンZ 9とDX フォーマットのニコンZ fcを使ってレビューして頂きました。


ライター熊切大輔(くまきり・だいすけ)イメージ
■フォトグラファー紹介

熊切大輔(くまきり・だいすけ)

1969 年東京都新宿生まれ。東京工芸大学短期大学にて写真表現を学ぶ。卒業後、株式会社日刊ゲンダイ写真部に入社プロ野球や社会面や文化面なども担当する。その後フリーとなる。現在は「人」という要素を中心にメディア、企業オフィシャル撮影・広告など様々なジャンルで撮影活動中。作品はスナップ写真で東京や世界の街を切り撮っている。高校や大学、専門学校などで講師として指導も⾏う。公益社団法人日本写真家協会理事。

はじめに

アマチュア、プロを問わずミラーレスカメラに何を求めるかと聞けば、「システムの小型化」という答えが真っ先に出てくる。

一方で新しいマウントが生み出す光学性能向上への期待は相反的に高まっており、よりバランスの取れたレンズが求められるようになったのではないだろうか。そんな声のなか登場したのがNIKKOR Z 26mm f/2.8である。

NIKKOR Z 26mm f/2.8 の特徴

NIKKOR Zレンズの中でも最小最軽量のサイズ感、重さは125gと、例えばバナナ1本分ほどの重量、厚みはグリップに収まるレベルとまさに求めていた取り回しの良いサイズ感がそこにあるのだ。小さいことは正義、特に私のようなスナップ写真を主とする者には大事なポイントだ。

構造的にも小さいからといって妥協はしていない。金属マウントを採用してしっかりとした剛性を保っていて、タフな環境でも安心して使うことができる。

NIKKOR Z 26mm f/2.8を装着したZ 9の画像
Nikon Z 9・NIKKOR Z 26mm f/2.8

NIKKOR Z 26mm f/2.8 の作例

スナップ撮影には、取り回しの良いサイズ感が重要

ニコンZ 9・NIKKOR Z 26mm f/2.8で撮影した光と影の中を歩く子供たちの画像

ニコンZ 9・NIKKOR Z 26mm f/2.8
絞りF2・AE(1/5000秒)・ISO100・WBオート・–2EV補正

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街で出会い頭に起こるフォトジェニックな瞬間。よっこらしょでバックからカメラを出しては遅いのだ。常に首から下げられる重量感、サイズ感がシャッターチャンスを捉える最大のポイントになるのだ。

コントラストの効いた光と影。そんな場所に楽しげな子供たちが通りかかる。劇的な動きのある瞬間ではないかもしれないが、様々な要素が刹那的に交わる瞬間もまた写真ならではの表現、シャッターチャンスを活かした表現であると思う。
そこは取り回しの良いカメラシステムのサイズ感が非常に重要になるのだ。

使い方のコツをつかめばボケ味も十分に楽しめる

ニコンZ 9・NIKKOR Z 26mm f/2.8で撮影したお座りしている白い犬の画像

ニコンZ 9・NIKKOR Z 26mm f/2.8
絞りF2.8・AE(1/800秒)・ISO100・WBオート・+1EV補正

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ワイドレンズはボケ味を味わえない、そんなイメージを持っている方も多いのではないだろうか。実はレンズ性能と使い方のコツをつかめばボケ味も十分に楽しめるのだ。

最短撮影距離は20cmと被写体に思い切って寄れる。そこで背景と少し距離を取り、絞りF2.8の明るい開放値も合わせれば、柔らかいボケ味を表現に活かすことができるのだ。犬の毛並みの描写も非常に繊細で小型レンズとは思えない優秀な解像力を実感できた。

APS-C機(DXフォーマット)のZ fcにも相性バツグン!

NIKKOR Z 26mm f/2.8を装着したZ fcの画像
Nikon Z fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8

このレンズのサイズ感はAPS-C機との相性、バランスが抜群に良い。DXフォーマットで39mm相当の画角になり、普段私がスナップで多用する35mmに近い使いやすい画角となる。特にNikon(ニコン)Z fcとはデザイン的にもフィットしていて収まりが良い。

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8で撮影したショッピングモールの内観画像

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8
絞りF2.8・AE(1/20秒)・ISO100・WBオート・–0.33EV補正

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嫌な歪みの少ない素直な表現は都市のデザインをバランスよく切り出してくれる。小さい鏡胴の中に非球面レンズ3枚をバランス良く配置して、球面収差や像面湾曲を効果的に補正している。切れの良い描写が心地よい。

小型レンズとは思えないスピード感と力強い表現力

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8で撮影した都会を歩く人々の画像

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8
絞りF3.2・AE(1/640秒)・ISO100・WBオート

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スナップ写真のシャッターチャンスを捉えるポイントとしてAF性能がキーになる。このレンズは小型でもAF性能に妥協はない。AF機構に小径・高トルクのSTM(ステッピングモーター)を採用して、小型化と高速高精度なAF動作を達成している。

都会の反射はフォトジェニックな被写体だ。しかし前ボケを活かした構図とややゆらぎのある反射映像はピントが合わせにくいものだ。それでもしっかりと合焦するAFの性能はそのスピード感も合わせてスナップの心強い武器となる。

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8で撮影した車庫に駐車された消防車の画像

ニコンZ fc・NIKKOR Z 26mm f/2.8
絞りF2.8・AE(1/4000秒)・ISO200・WBオート・–1.33EV補正

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色乗りの良いコントラストのついた描写力。光と影、そこに強い色という強い被写体をメリハリの効いた表現で描いてくれる。小型レンズとは思えない力強い表現力だ。

まとめ

Zシリーズのレンズ群は性能が良い分、ボディとのバランスもあるが比較的大きい印象のものが多かったが、いよいよ待望の小さくて高性能なレンズが登場した。

フットワークの良いスナップ撮影には取り回しの良いサイズ感とAFなどの反応の良さが必須になる。都市の瞬間が生み出す表情を逃さない、常にボディにつけて歩きたいレンズとなったのではないだろうか。

作例に使用したレンズ

Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8

【商品情報】Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8

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Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8バナー画像

作例に使用したカメラ

Nikon Z 9 / Z fc

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【商品情報】Nikon Z fc

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Photo & Text by 熊切大輔(くまきり・だいすけ)

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