フジヤカメラ

 

分類

分類

2018.10.05
専門店・プロレビュー,

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 実写レビュー

待望のフルサイズミラーレスカメラ、Nikon Z7 が発売となって1週間、専用レンズ NIKKOR Z 35mm f/1.8 S のレビューをしないのは片手落ちであろう、と中野周辺で撮影テストを行いました。

 

実写テストを中心に、コンパクトなミラーレス用の単焦点レンズの実力を見てみたいと思います。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 本体

 

しかし、なんでカメラと同時に発売されるレンズがf1.8なんでしょうか?

 

最近は、大口径、超高性能のレンズが数多くリリースされ、単焦点のf1.8のレンズ=廉価版というイメージがあります。せっかく高性能なZ7と当時に発売するなら、半段明るいf1.4が妥当な気がします。

 

何故f1.8なのか?どうやら、「S-Line」の基準を満たそうと思うと、f1.4のレンズはかなり大柄なレンズになってしまうため、敢えてf1.4の明るさを求めないで、f1.8で究極の高性能を求めよう、という考えで設計されているようなのです。

 

つまり、性能を追求するあまりのf1.8という事です。

 

実写レビュー

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例①
作例①:Nikon Z7 1/100 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

カメラ(Z7)のテストの時もそうでしたが、変なオブジェが好きで、ついレンズを向けてしまいます。

 

開放での撮影ですが、ボケも綺麗で、なんだかコミカルなオブジェが格調高く見えます。

 

f1.8という事でボケの量に不安を覚える方もいらっしゃると思いますが、個人的には十分だと思います。上の写真では、目にピントを合わせていますが、嘴にはピントがありません。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例②
作例②:Nikon Z7 1/160 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

ひょろ長い枝の上に、一輪だけピンクのバラが花をつけていました。背景のうらぶれた団地とのコントラストが面白くてシャッターを切りました。

 

こういったピンポイントに合焦させたい時も、Z7は気持ち良く思った場所合焦してくれるので、とても心強いです。

 

カメラのレビューでも書きましたが、フォーカスの移動に使うジョイスティックの使用感もとても良く、493点の測距点を気持ちよく使う事が出来ます。

 

おっと、今回はレンズのレビューでした。少し拡大してみます。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例②拡大
作例②拡大

 

到底トリミングして拡大した画とは思えません。

 

物凄くシャープなだけでなく、諧調も豊かで素晴らしい描写です。花びらの厚みがわかります。

 

私も色々なレンズを試写させていただいて来ましたが、トップレベルの高性能さだと思います。

 

「シャープさと美しいボケの両立」というのが、NikonのNIKKOR S-Lineが目指しているところ、という事ですが、最初のレンズで既にかなり高いレベルで達成されているように感じます。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例③
作例③:Nikon Z7 1/40 f11 ISO11400 露出補正-0.7

 

今回の試写は、全て中野駅周辺で行いました。中野にはこんな古い団地が今でも残っています。

 

毎回のテスト撮影で、駅周辺をだいぶ歩き回りましたが、カメラを持って歩き回ると結構楽しいです。

 

綺麗に再開発されていない部分が残っているのがいいのかもしれません。取り壊しが決まっている「中野サンプラザ」を今のうちに撮っておいてもいいかもしれませんね。

 

◆◆◆◆◆

 

今回の撮影では、カメラを初期化して撮影した為、デフォルトの自動ゆがみ補正ONの状態でテストとしましたが、補正をOFFにすると、わずかですが歪みがあります。

 

自動ゆがみ補正ONの時の、画角の目減りはわずかなので、個人的には自動ゆがみ補正ONでの使用をおすすめします。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例④
作例④:Nikon Z7 1/40 f3.2 ISO450 露出補正±0

 

線路わきの金網に咲く花です。

 

透き通る花びらの透明感を上手く表現できていると思います。

 

こういった写真では、花のどこにピントを持って来るか迷うのですが、Z7は精密にピントを合わせてくれてとても助かります。

 

いいカメラといいレンズの組み合わせは、本当に写真を撮っていて楽しくなります。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例⑤
作例⑤:Nikon Z7 1/40 f2.8 ISO640 露出補正-1.0

 

鉄柵から、1本だけ飛び出た猫じゃらしの穂を狙いました。

 

背景に街の明かりが点光源として入りましたが、ショートフランジバック+大口径マウントのお陰で、口径食の少ない、ミラーレスカメラらしい、丸く美しいボケになりました。

 

背景の夕焼けのグラデーションも綺麗に再現されています。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例⑥
作例⑥:Nikon Z7 1/40 f1.8 ISO125 露出補正-1.0

 

夕闇せまる、中野駅ホームです。

 

「35mm f1.8」というと、何となく一段落ちるスペックというイメージでした。

 

が、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S は、その性能の良さも含めてS-Lineらしい「高級レンズ」と言ってもいい写りが楽しめます。

 

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 作例⑦
作例⑦:Nikon Z7 1/40 f9.0 ISO8000 露出補正-0.3

 

駅周辺のごちゃごちゃした飲み屋街です。

 

人通りの多い場所は、通行人の映り込みに気を使いますが、まだ飲むには早い時間とあって、人通りは少なく、おかげでシャッターを切れました。

 

アクティブDライティングはオートにして撮影しましたが、宵闇迫る雰囲気が上手く出ていると思います。

 

先日のタムロン17-35mm f2.8-4でテストボディに使用したD850でも感じましたが、NikonのアクティブDライティングは夜景など厳しい条件も上手に処理してくれるので、気に入っています。

 

実写レビュー

コンパクトで非常に性能のいいレンズだと感じました。

 

○9群11枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり)
○8群11枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚)

 

上がZマウントシステムのNIKKOR Z 35mm f/1.8 S、下がフルサイズ一眼レフ用のAF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDのレンズ構成です。AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDは高性能で定評のあるレンズですが、そのレンズと比較してもこれだけの差があります。

 

本文中にも書きましたが、35mm f1.8というと、1段低いスペックと感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、心配は無用だと思います。

 

カメラの高性能さを十分に活かせる、高性能レンズだと感じました。

 

>>> Nikon(ニコン)NIKKOR Z 35mm f/1.8 S


ブランド

Page Top
Page Top