今回のプロフェッショナルレビューは、クラシックでおしゃれなデザインが人気のNikon(ニコン) Z fcを、フォトグラファーのミゾタユキさんに使ってもらいました。
カメラは写真を撮る道具というだけでなく、一緒に旅行したり散歩したりする相棒なので、デザインにもこだわりたいもの。ミゾタユキさんにそんな写真の相棒「Nikon Z fc」について、紹介してもらいます。
かたわらにNikon Z fcがあればミゾタさんのような写真が撮れるかも!?おしゃれで美しい写真と文章がそんなアゲアゲな気分にさせてくれそうです。さあNikon Z fcを相棒に、写真を撮りに出かけましょう!
今一番オシャレなニコンミラーレスカメラ
ベージュ、ミントグリーン、グレー、ピンク、カラフルな革に張り替えて、写欲もアゲアゲ♪
上質デザイン、操作性、音。五感に響く官能性の高さが魅力
Zシリーズ初のバリアングルモニターはメリット絶大
グリップをしっかり握って撮るZ 50、クラシカルデザインで唯一無二のZシリーズZ fc
★ミゾタユキ ✕ Nikon(ニコン) Z fcフォトギャラリー
肩の力を抜いてオシャレに持ち歩き、目の前の世界をシンプルに撮っていくと楽しさ実感
まとめ
Nikon(ニコン)Z fcは往年の名機「Nikon FM2」のヘリテージデザイン、ニコンのミラーレスカメラで今一番オシャレです。描写性、操作性、サイズ感など、どのようなカメラなのかよくわからないけどニコンだから大丈夫、とにかく欲しいと思わせる魅力に昨年は発売前から予約殺到!話題になりました。
レンズキットは「標準ズームNIKKOR Z DX 16-50mmf/3.5-6.3 VR SL(シルバー)」と単焦点レンズ「NIKKOR Z 28mmf/2.8 Special Edition」の2パターンあり、何でも撮れるズームにするか、潔くスタイリッシュにいくか、またその悩みも楽しみポイントでした。そしてわたしは単焦点を選びました(笑)。
「Nikon(ニコン)Z fc NIKKOR Z 28mmf/2.8 Special Edition」にはレンズフードが付いていないので、フイルム時代のNIKKORレンズにつけていたレンズフードHN-1を合わせてみました。似合います♪
プレミアムエクステリアとしてボディの革の色を張り替えられるサービスもあり(5月12日より有料にて対応・税込4,950円)、ホワイトとアンバーブラウンは終了しましたが、サンドベージュ、ミントグリーン、ナチュラルグレー、コーラルピンクの4色から選べます。実機を見ましたが捨て色ナシ!大人が所有しても高見えする印象の、くすみカラーなのでカスタムするのもおすすめです。
もちろん艶を抑えたメタリックなシルバーボディにブラックのままでもカッコいいです。
元箱から開けた瞬間からオシャレで驚きました!今までにない気持ちが上がるインパクトです。
外観の「Nikon」ロゴは旧刻印文字でカッコイイ。つい触ってしまいます。FM2を思わせるデザインのペンタプリズム部の左側に撮影モードとISO感度、右側にシャッタースピード、シャッターボタン、露出補正ダイヤルなどが配置されています。シャッタースピードダイヤル、シャッターボタン、露出補正ダイヤルの並びには緩やかな高低差があり、ISO感度とシャッタースピードダイヤルの上には小さいボタンがつき、誤作動しない工夫もさり気なくデザインに落とし込まれています。
アルミ削り出しのダイヤルを回すといい音がします。カメラを握ると革シボ風の風合いも良いです。カメラの手触りや音って好きになる重要なポイントになりますね。もしグリップがなくて滑りやすいと感じたら、別売りのアクセサリーZfc-GR1をつけることもできます。個人的にはつけない方がビジュアルが良いと思います。
ファインダーは丸形で、電子ビューファインダー(EVF)は視野率100%。シャープでクリアに見えます。液晶モニターはZシリーズ初のバリアングル3.0型TFT液晶モニター。チルト式の方が好み… と思いつつ、左右上下にモニターが動くので縦位置のローアングル撮影やセルフィーでは使いやすくメリットが大きいです。
液晶モニター横のiボタンを押すとホワイトバランス、レリーズモード、AFエリアモード、フォーカスモードなど、撮影中に設定を変更したい項目が一覧で表示されるので、タッチやOKボタン周りのセレクターを動かせば素早く変えることができ操作も簡単です。
ボディ背面の再生、削除、ファインダー切り替え、AE-L・AF-L、ディスプレイ表示切り替え、メニューなどのボタン類も、初心者でもわかりやすい配置になっていて、拡大・縮小ボタンもZ 50と違い、独立しているのも好感度アップです。
収納時は液晶モニターを閉じる使い方もできてモニターを保護することもできます。
Z 50というフレーズがでましたが、実はZ fcのカメラ機能はZ 50と同じニコンDXフォーマット(APS-Cサイズ)の約2088万画素CMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 6」。ISO感度は100~51200、連写性能は1秒間に最高約11コマ、AFは瞳AFと動物AFがワイドエリアに対応になりました。動画は4K UHD/30p対応で瞳や被写体を追い続ける動画専用AF-FフルタイムAFを搭載しています。
カメラの重さは445グラムで本当に軽いものの、ボディはマグネシウム合金で高い堅牢性&耐久性もあり、さすがのニコンで手堅い安心感。操作が簡単、丈夫で携帯性も重視したい方にも見逃せない位置づけのカメラです。
一眼レフのようなZシリーズ共通のフォルムでグリップをしっかり握って撮るスタイルのZ 50、クラシカルなデザインで唯一無二なZ fc、大きな違いはやはり操作感とデザイン。カメラのスペックは同じなので、どちらを優先するか好みで選べばOKです。でもZ 50とZ fcをそれぞれ使ってみると、撮りたくなる写真が自然と変わるような気がします。感覚っておもしろいですね。
兄弟モデルのNikon(ニコン)Z 50。
マグネシウム合金ボディを採用。
「身の回りの日常風景をカラフル、ポップに! 自分らしい作風をカタチに」
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z 28mmf/2.8・絞りF2.8開放・1/400秒・ISO100・WB晴天・+0.3EV補正
Z fcはDXフォーマット(APS-C)なので、NIKKOR Z 28mmf/2.8をつけると35mmフルサイズ換算の42mm相当になります。開放側で撮ると柔らかさとスッキリしたコントラストのある描写、バリアングル液晶モニターを動かして虫目線のローアングルもラクに撮影できました。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
回折補正があるのでF値を絞っても解像感が落ちることなく、近景から遠景までシャープな描写になります。拡大しても遠景のビルのラインが太くないので、自然な立体感と遠近感があります。全体がくっきりしてもスマホの写真と比べると差がわかります!
Nikon Z fc・NIKKOR Z DX 16-50mmf3.5-6.3VR・絞りF10・1/250秒・ISO400・WBオート1・+1.3EV補正
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z DX 16-50mmf3.5-6.3VR・絞りF5.6・1/320秒・ISO400・WB電球・+0.7EV補正
首からかけたままでオシャレ感ある人になれますが、カメラを持ち歩いていると自然とシャッターを押したくなります。映り込みのある場所で、絞りを変えて重ねる印象を変えてみたり、イメージに合うホワイトバランスを選んだり、操作が簡単なのでカメラ初心者でも使いこなせます。Z fcは出かける時の持ち歩きにもピッタリですね。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z DX 16-50mmf3.5-6.3VR ・絞りF4.2・1/400秒・ISO400・WBオート1・+0.7EV補正・クリエイティブピクチャーコントロール レッド
Nikonのミラーレスカメラには従来のピクチャーコントロールに加えて、独創的な表現が可能な20種類(※)のクリエイティブピクチャーコントロールがあります。スマホアプリにあるアート系カラーフィルターのように様々なトーンの写真を撮ることができます。RAWデータで撮っていたら、カメラ内RAW現像や画像ソフトで後から変えることもできるので、こういう楽しみもアリ!です。
(※)ドリーム、モーニング、ポップ、サンデー、ソンバー、ドラマ、サイレンス、ブリーチ、メランコリック、ピュア、デニム、トイ、セピア、ブルー、レッド、ピンク、チャコール、グラファイト、バイナリー、カーボン
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z DX 16-50mmf3.5-6.3VR ・絞りF10・1/125秒・ISO400・WBオート1・+0.7EV補正・クリエイティブピクチャーコントロール グラファイト
ピクチャーコントロールにMC(モノクロ)がありますが、クリエイティブピクチャーコントロールには、「グラファイト」「バイナリー」「カーボン」それぞれ特徴のあるモノクロがあります。写真はグラファイトで撮りました。硬調でコントラストを強調したスタイリッシュな描写になります。乗り物系は相性がいいですね。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z MC 50mmf/2.8 ・絞りF5.6・1/250秒・ISO1600・WBオート1・+1.0EV補正
温室の空調で花が揺れて大変でしたが、AFの合焦スピードと精度によって諦めずに撮ることができました。また、小さいところにAFを合わせる時にEVFファインダーの良さを実感します。木漏れ日を背景にして逆光で撮ると予想以上の透明感でキラキラしてうれしくなりました。カメラやレンズ性能次第で描写に差がでるシーンですが、カラフルな色のトーンやコントラストも自然で目に優しいです。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z MC 50mmf/2.8 ・絞りF3.3・1/125秒・ISO1000・WBオート1・+0.3EV補正
眠っているので動物AFにしていませんが、目を開けていたら動物AFに設定して撮るとピント合わせがより簡単です。目の位置も左と右を自分で変えることもできるので、状況に合わせて使うと便利です。マイクロレンズで撮りました。電子シャッターにすれば無音になるので、ぐっと近づいても寝心地を邪魔しないと思います。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
Nikon Z fc・NIKKOR Z MC 50mmf/2.8 ・絞りF4.2・1/250秒・ISO2200・WBオート1・+1.3EV補正
マイクロレンズなのでさらにアップを!カメラもレンズも軽いので、機動性が高いです。ISO感度2200ですが、色ノイズもなく毛並みも潰れず、ピンクの鼻もキレイです♪ 高感度の描写性が良いので、明るくない場所で生き物など動きがある被写体を撮るシーンで積極的に感度を上げて撮ることができます。
今回、使用した交換レンズは以下の3本。
Z fcはクラシカルなデザインが魅力的で、貼り革を変えてカスタムしたり自分のカメラにできるのがうれしい。基本性能はしっかり抑えてあるので、いつも持ち歩ける普段使いのミラーレスカメラとして充実♪撮りすぎてバッテリーが… というときはモバイルバッテリーでも給電できるので便利です。
スタイリッシュな路線を崩さないように、Z fcには小さい単焦点レンズを合わせるのがオススメ。マウントアダプターのFTZやFTZ IIで一眼レフのFマウントレンズを使うなら、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gが中望遠的に使うレンズとして最高かも。Z fcの「c」はカジュアルという意味がついているそう。機能を使いこなして撮るカメラとは真逆で、必死に撮らない系。肩の力を抜いてオシャレに持ち歩きつつ、ときにはダイヤルを回して、つけたレンズで見える世界をシンプルに撮っていくと楽しさが実感できます。
ニコン一眼レフ用のFマウントレンズも、マウントアダプターを介して使えます。
大口径単焦点AF NIKKOR 58mm f/1.4G。Z fcで使うと、約87mm相当の中望遠に。
価格=231,000円(税込)
マウントアダプターFTZ II 価格=36,300円(税込)
・「Nikon FM2」のヘリテージデザインがおしゃれ。旧刻印文字の「Nikon」ロゴに気分も盛り上がります!
・ボディの革の色を張り替えられるサービスあり!カスタムするのもおすすめです。
・カメラの手触りや音がいい!好きになるポイントに!
・シャープでクリアに見える視野率100%の電子ビューファインダーはNikon伝統のクオリティ。
・ボタン類が初心者でもわかりやすい配置になっている。拡大・縮小ボタンが独立しているのも好感度アップ!
・マグネシウム合金製の軽量なボディはしっかりしたつくりで、さすがNikonの安心感
・独創的な表現が可能な20種類のクリエイティブピクチャーコントロールで様々なトーンの写真を撮ることができる
・クラシカルなデザインが魅力ですが基本性能はしっかり抑えてある。モバイルバッテリーも給電できるのも便利!