Panasonic(パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. の実写レビューです。
実際にキャンプやスナップなどで使用した実写をもとに、解像感やフレアの発生、フリンジなどの画質や使用感をレビューします。
コンパクトな大口径超広角レンズは、適度な被写界深度とF1.7の明るさを持つ使いやすいレンズです。価格がリーズナブルなのもポイントで、幅広いユーザーにおすすめできます。
特徴/操作性
軽量コンパクトな大口径超広角レンズ
F1.7の明るさと近接性能の高さ
コンパクトなカメラとの相性がバツグン
実写レビュー
超広角らしいダイナミックな構図
超広角を活かせる高い近接性能
F1.7を活かしてキャンプなど暗い場所での撮影にも最適
開放から、周辺部まで美しい丸ボケが楽しめる
画質
解像感
フリンジ
フレア/ゴースト
比較
Panasonic(パナソニック)LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
Voigtlander(フォクトレンダー)NOKTON 10.5mm F0.95
おすすめユーザー
コンパクト、大口径、リーズナブルな価格と三拍子そろったレンズ
超広角はスナップなどでは少しつかいこなすのが難しい
近接性能の高さを活かして、ダイナミックに背景を取りこんだフレーミングがおすすめ
まとめ
Panasonic(パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. の特徴はF1.7という大口径超広角レンズでありながら、軽量コンパクトな事です。
大口径の超広角レンズというとサイズ的にも画角的にも使いこなすのが難しく敬遠するユーザーも多いと思いますが、そんなユーザーにも気軽に使ってみたいと思わせる魅力があります。
サイズだけでなく価格的にリーズナブルな事もポイントです。
9mmという短い焦点距離になると、例えば大口径ズームレンズのF2.8でも背景のボケが中途半端になりがちです。LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. は大口径ズームレンズと比べても一絞り半明るいF1.7なので、超広角レンズでありながらボケを活かしたフレーミングがしやすいレンズとなっています。
さらに、最短撮影距離が9.5cmと近いので、被写体に近寄って背景を大きくフレーミングするような、超広角レンズでは定番の撮り方もしやすいレンズです。
標準レンズ並みのサイズのレンズなので、今回テストでも使ったGX7 MarkIIIや、DC-G100などのコンパクトなカメラとの相性がバツグンです。
コンパクトにさりげなく背景をボカした写真を撮れる事は、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. を使う大きなメリットのひとつで、写真だけでなく動画撮影にも使いやすそうです。
背景を広くフレーミングできるので、どのようなシチュエーションで撮られたかを伝えるのにも向いています。そういった意味で、DC-G100と組み合わせて、VLOGを撮るのにも最適なレンズと言えるでしょう。
フィルター径: | Φ55mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 0.095m/0.25倍(35mm判換算:0.50倍) |
---|---|---|---|
最小絞り: | F16 | 絞り羽根: | 7枚羽根 (円形虹彩絞り) |
長さ: | 約52.0mm | 重量: | 約130g |
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35mm判換算18mmの超広角レンズは遠近感の誇張と広い画角で、ダイナミックな構図にすることができます。
ズームレンズだとパンフォーカスに近い状態になってしまいますが、焦点距離9mmとは言えF1.7と明るいので、背景をボカして撮る事も可能です。
仮にフルサイズに18mm F1.7というレンズがあったとしたら、かなり大きく高額なレンズになると思いますので、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. はマイクロフォーサーズのメリットを活かしたレンズと言えるでしょう。
街中のスナップでは18mmの画角はさすがに広くやや使いずらいと感じます。
とは言え、上を向いたり下を向いたりとアングルを工夫して被写体を探しすのも写真の楽しみで、ある意味逃げ場のない、単焦点レンズを使う楽しさのひとつと割り切りました。
標準レンズなどと違い普通に使っても面白くないので、上を向いて被写体を探します。
超広角レンズは被写体に近づいても背景が多く入る、情報の多い写真を撮りやすいレンズです。
その際気になるのが、主要な被写体にどこまで近づけるかという近接性能ですが、Panasonic(パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. の最短撮影距離は9.5cm、最大撮影倍率は0.25倍です。マイクロフォーサーズの最大撮影倍率0.25倍は、画面に占める被写体の大きさ、という意味ならフルサイズの0.5倍にあたるので、マクロレンズと言っても過言では無い高い近接性能を持っているのです。
超広角の単焦点レンズはフレーミングに苦労させられる事も多いですが、今回のテスト撮影ではこの高い近接性能に何度も助けられました。
広角でのマクロは、小さな生き物の目線で写真が撮れる楽しい撮影です。
テスト撮りという事で、基本的に開放で背景ボケを楽しみながら撮りましたが、実焦点距離9mmという短い焦点距離を活かして、絞りこんだ被写界深度の深い写真にしても面白かったでしょう。
近接に強いおかげで、被写体の置かれた状況を想像する事ができる、ワイドならではのマクロ撮影が楽しめました。
マイクロフォーサーズのカメラと言うと、センサーサイズが小さいので暗所には弱いというイメージがありますが、大口径レンズを装着すれば一概にそうとも言えなくなります。
作例では開放F1.7で撮影したおかげで、暗所でもISO感度は1600におさえられており、ノイズの少ない滑らかな映像となりました。仮にF2.8のレンズだったら、ISO感度は4000前後になるので、ここまで滑らかに撮るのは難しかったかもしれません。
又、フルサイズでは18mmになる画角も、マイクロフォーサーズでは9mmとフルサイズの半分の焦点距離で済むので、結果的に被写界深度が深くなり、開放でも十分なピントを確保できる事もポイントです。そういった意味では暗所でのVLOGなど、動画撮影にも向いていると言えるでしょう。
マイクロフォーサーズ用の超広角レンズという事で、近距離での撮影でも比較的簡単にパンフォーカスを出す事ができます。
作例はF8で撮影していますが、周辺部までほぼピントの来たパンフォーカスを得る事ができました。
デジタルカメラはあまり絞り込み過ぎると画質の低下がみられるので、一番おいしいF値を使ってパンフォーカスが出せるのも、マイクロフォーサーズのメリットのひとつかもしれません。
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作例7:F2 1/125 ISO200 露出補正+0.7
Panasonic(パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. の特徴のひとつに、開放付近から画面周辺部まで美しい丸ボケを楽しむ事ができる事があげられます。
通常大口径レンズでは、口径食が発生して画面周辺部では丸ボケが歪んでしまいますが、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. ではそういった事は無く、画面全体で綺麗な丸ボケが楽しめます。
近接能力が高いレンズなので、これはレンズ性能が活きる特性と言えるでしょう。
開放では少し眠さが残りますが、半絞り絞るだけで十分以上にシャープに画が立ち上がるレンズです。
作例3を拡大して解像感を見てみます。
わずかに眠さが残りますが、開放から半絞り絞っただけの画である事を考えると、十分優秀だと言えるでしょう。
画面周辺部ではわずかにフリンジが発生します。
画像を拡大して確認してみましょう。
わずかにフリンジが発生していますが、拡大してやっとわかる程度なので、問題にはならないでしょう。
単焦点とは言え超広角レンズなのでフレアやゴーストが発生しやすいと思っていましたが、今回のテスト撮影ではほとんど発生しませんでした。
逆光耐性は低くなさそうです。
比較対象となる製品が少ないレンズですが、ここでは同じPanasonicの純正レンズLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. をあげてみました。
いずれも動画でも使いやすいレンズですが、ボケを活かした自撮りなどをする、例えばVLOGのような使い方なら、背景をワイドにとらえられて、なおかつボケも大きいLEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. に分がありそうです。
対するLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. は、ズームやフォーカスの滑らかな操作性を活かした表現に向いています。
Voigtlander(フォクトレンダー)NOKTON 10.5mm F0.95 は、動画向きのシステムであるPanasonicのマイクロフォーサーズカメラに、シネマのようなボケの大きい表現を持ち込んだ本格派のレンズです。
F0.95という圧倒的なボケ量を活かした表現が真骨頂ですが、本格派のレンズであるため、重く大きく高額である事が短所となります。マニュアルフォーカスである事もユーザーを選ぶ点でしょう。
対するLEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. は明るさこそ1絞り半ほど暗くなりますが、それでも十分に大口径と言え、軽量コンパクトさを活かした気軽さがメリットです。VLOGなどで自撮りする際なども負担が少なく、ジンバルなどで使い易い事も長所のひとつです。
一般的にワイドでF値の明るいレンズはサイズが大きく価格も高額なのが普通です。
LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. は、大口径でありながら軽量コンパクト、価格もリーズナブルなので、気軽に超広角レンズのダイナミックな画を楽しめる点がメリットとなります。
VLOG撮影でPanasonicのDC-G100などに装着して、背景を広くフレーミングしながらある程度のボケ量を確保した自撮りなどをするのにもベストマッチなレンズと言えるでしょう。
画角が広い広角レンズ、それも単焦点となると使うシチュエーションには自ずと限りが出て来ます。
超広角は人間には自然には備わっていない感覚を使わなくてはならず、少し使いこなすのが難しい画角です。
気軽に使えるレンズとは言え、スナップ写真で気軽に使うにはシチュエーションを選んだりある程度の技術が必要かもしれません。
今回使ってみて感じたLEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. の大きなメリットに近接性能の高さがあげられます。
被写体に近づいても背景がダイナミックにフレームインするのは超広角レンズのメリットのひとつですが、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH. はマクロに強く最短撮影距離を気にせず被写体にどんどん近づけるので、ワイドマクロとして使う事ができるのです。
同じく被写体に近づいて、尚且つ周囲の状況も伝えたい自撮りにも向いたレンズで、VLOGなどをするユーザーにもおすすめです。
・コンパクト、軽量、リーズナブルと、三拍子そろった気軽に使える大口径超広角レンズです
・解像感を含めハイレベルなレンズ性能を持っています
・超広角レンズを活かせる高い近接性能を持ち、ワイドマクロとしても使えます
・VLOGなどでの自撮り撮影にもおすすめです
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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