コンパクトさと光学性能の高さを両立させたVoigtlander COLOR-SKOPAR(カラースコパー)より新しいレンズが発売となりました。
富士フイルムXシステムカメラのイメージセンサーに最適化された本レンズは、電気通信対応のボディと最新ファームウエアの組み合わせによりExif情報やフォーカスチェック、撮影距離連動表示に加え、ボディ内手ブレ補正にも対応しています。
今回はX-T5に合わせてボケ感や描写力について紹介していきます。
特徴・操作性
コンパクトなパンケーキレンズ
フォーカスリングにレバー
電子接点の搭載
実写レビュー
シャープで繊細な描写
美しいコントラスト
ボケ感
画質
解像感
収差について
フレア/ゴースト
メリット・デメリットとおすすめユーザー
広角35mmでは物足りない方
一味違った持ち運びレンズが欲しい方
じっくり写真と向き合いたい方
ボケ感を生かした表現は苦手
作例に使用したレンズ
作例に使用したカメラ
まとめ
Voigtlander COLOR-SKOPAR 18mm F2.8 Aspherical X-mountは、両面に非球面レンズを搭載し、全長約23mmとコンパクトなパンケーキスタイルを実現しました。
ボディに着けても収まりが良く、カメラバッグからの取り出しをスムーズに行えます。
携帯性が高くつけっぱなしレンズとして活躍してくれるかと思います。
パンケーキレンズは全長が短くなる分、フォーカスリングの操作が少し窮屈になることがありますが、こちらのレンズは指馴染みのよいレバーがついているため、ストレスなくフォーカシングすることができます。
私は間違えて絞りリングを動かしてしまうことが多々あるので、そういったことも少なくなりそうです。
電子接点を搭載しているため、撮影した日時や機種名といった情報を記録したExif情報やフォーカスチェックに対応しています。
マニュアルフォーカスレンズのシビアなピント合わせをじっくり行えます。ファインダーを覗けないようなアングルの時にモニターでピント部を確認できるのは嬉しいですね。
作例1:F8 1/160秒 ISO100
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広角らしいパンフォーカスの写真を撮りたくて、F8まで絞って撮影をしました。
Voigtlanderと聞くと「新品で手に入るオールドレンズ」や「個性的な写り」を想像するのですが、こちらの COLOR-SKOPAR は非常に繊細でシャープな写りをしてくれます。
ビルの輪郭や空のグラデーションをクリアに描いてくれました。
作例2:F8 1/125秒 ISO80
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こちらも展望台から撮影しました。
シャープさと深みのあるとコントラストが魅力的です。
作例3:F2.8 1/800秒 ISO100
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葉に差した光が印象的でアンダーめに撮影しました。
とても上品なコントラストで、影に浮かび上がった葉っぱを綺麗に収めてくれました。ピント部もしっかり解像しており、葉のみずみずしさが伝わってきます。
作例4:F2.8 1/400秒 ISO100
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こちらも階段に差した光を撮影。
無機質の建築にかかった光を忠実に描いてくれます。
作例5:F2.8 1/800秒 ISO100
フィルムシミュレーション:クラシックネガ
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最短撮影距離0.17mまで寄って開放F2.8で撮影をしました。ボケが出にくい広角レンズですが、被写体に寄って開放値で撮影をすれば、程よいボケ感を演出してくれます。
ピント部の解像感も素晴らしいですね。
作例6:F2.8 1/800秒 ISO100
フィルムシミュレーション:ノスタルジックネガ
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他の梅もまばらに咲き始めていたので、少し距離を取って前ボケを生かして撮影をしました。周辺減光と相まってオールドレンズ感が出るように感じます。
作例7:F2.8 1/640秒 ISO100
フィルムシミュレーション:クラシックネガ
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開放F値からしっかり解像する印象です。
作例8:F3.6 1/320秒 ISO125
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F3.6で撮影しました。壁面や錆のざらつきが伝わってきます。
作例9:F2.8 1/640秒 ISO100
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ビル群に並んで佇む消火栓標識を撮影しました。
左上のビルにかかった枝に少しパープルフリンジがついていますが、個人的には気になるほどではありませんでした。
F2.8での描写
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F8での描写
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逆光線ではフレア、ゴーストが発生しましたが、控えめな印象です。
今回は意図的に発生させましたが、テスト撮影中にフレア、ゴーストに悩まされる場面はほとんどありませんでした。
フィルムシミュレーションと合わせて意図的にフレア、ゴーストを味方につければより楽しい撮影が出来そうですね。
Voigtlander COLOR-SKOPAR 18mm F2.8 Aspherical はフルサイズ換算で28mmのレンズです。
35㎜より広い範囲を写したい方、遠近感を楽しみたい方におすすめです。
パンケーキスタイルでボディに着けて鞄に入れてもかさばることがありません。
普段からカメラを持ち歩きたい方におすすめです。
都度自分でピントを合わせなければならないマニュアルフォーカスレンズですが、電子接点の搭載でフォーカスチェックができるため、ピント合わせに時間がかかりすぎる!ということも少ないと思います。
写真の構成が難しい広角域のマニュアルフォーカスレンズであることから、じっくり写真を撮りたい方にもおすすめです。
私は普段、広角レンズを使うことが少ないので楽しくテスト撮影をすることができました。
ボケの出にくい広角レンズであるため、ボケ感を生かしたい撮影では物足りなさを感じます。
単焦点レンズらしい被写界深度の浅い写真を撮りたい方には不向きかもしれません。
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