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2024.02.17
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Canon RF28mm F2.8 STM実写レビュー

Canon RF28mm F2.8 STM実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴/操作性

薄く軽量コンパクトなパンケーキレンズ

Canon RF28mm F2.8 STM本体1

Canon RF28mm F2.8 STMの特徴はなんと言ってもRFマウント初となるパンケーキスタイルのレンズである事です。

ミラーレスカメラは一眼レフよりもカメラが薄くできる分コンパクトですが、レンズの全長が長いとバッグなどへの収まりが悪くなり、せっかくのコンパクトさが活きません。

パンケーキスタイルのレンズなら、グリップからはみ出ない程度の薄さなので、持ち運びの利便性が格段に向上します。

3枚の非球面レンズによりコンパクトなサイズを実現

Canon RF28mm F2.8 STM本体2

ショートフランジバックのミラーレス用にパンケーキスタイルのレンズを設計するには、それなりの苦労があったようです。

軽量コンパクトかつ高画質、さらにリーズナブルな価格を実現する為、特殊な形状の非球面レンズ(Canonでは「カモメレンズ」と呼んでいるそうです)が最後端に配置されています。

長年培ってきたレンズ開発のノウハウと、Canonが得意とする複雑で高精度な非球面レンズの設計、製造技術あったればこそのレンズと言えるでしょう。

シンプルで扱いやすい操作性

Canon RF28mm F2.8 STM本体3

RF28mm F2.8 STMのデザインはシンプルで、操作部はフォーカス/コントロールリングとフォーカスモード/コントロール切り替えスイッチの2つだけです。

フォーカスリングとコントロールリングを併用して使う事が出来ないのが欠点ですが、その分シンプルなデザインとコンパクトなサイズを実現しているので、ここは目をつぶるべき点かもしれません。

フォーカスリングはコントロールリングとして使用する際にもクリックはありませんが、その分しっかりしたトルクがありフォーカスリングとして使いやすい仕様となっています。

実写レビュー

持ち歩くのが苦にならないコンパクトなサイズ

Canon RF28mm F2.8 STM作例:建物

作例1:F8.0 1/100 ISO125 露出補正-0.3 カメラ: EOS R6 MarkII

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カメラをいつでも持ち歩きたい。写真をやっていればそんな欲求を持つ方も多いと思います。

RF28mm F2.8 STMは120gという軽量さは勿論、薄いパンケーキスタイルの為バッグへの収まりも良く、いつでもカメラを持ち歩きたくなるレンズです。

今回のテスト撮影には、フルサイズのEOS R6 MarkIIとAPS-CサイズのEOS R10の2台体制で臨みましたが、ブリーフケースタイプの小型カメラバッグにも2台のカメラをすんなりと収納でき、バッグからの出し入れもストレス無く行えました。

Canon RF28mm F2.8 STM作例:自動車のオブジェ

作例2:F2.8 1/800 ISO100 露出補正±0 カメラ:EOS R6 MarkII

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RF28mm F2.8 STMを装着したEOS R6 MarkIIは、まるでカメラだけを持ち歩いているようです。

ミラーレスカメラの登場で幾分コンパクトになったとは言えデジタルカメラはまだまだ大型ですが、感覚としてはマニュアルフォーカス時代のフィルムカメラを持っているような軽快さがあります。

パンケーキスタイルのレンズは出っ張りが少なくバッグからの出し入れがスムーズな点も見逃せません。

APS-Cサイズカメラではわずかにワイド気味な標準レンズに

Canon RF28mm F2.8 STM作例:階段のオブジェ

作例3:F2.8 1/1250 ISO100 露出補正+0.7 カメラ:EOS R10

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APS-Cサイズセンサーのカメラに装着すれば換算45mm相当の標準レンズとして使う事ができます。

今回のテストでは初心者から上級者まで幅広いユーザーに使いやすいEOS R10を使いました。

EOS R10とRF28mm F2.8 STMの組み合わせは、カメラとレンズのバランスが良く両手にかかる重みが心地よく感じられて、フルサイズ以上におすすめに感じました。

Canon RF28mm F2.8 STM作例:ビル街

作例4:F2.8 1/2000 ISO100 露出補正+0.3 カメラ:EOS R10

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わずかに広めの画角も絶妙です。

45mmというとコンタックス時代のツァイステッサーを思い出す方も多いと思いますが、RF28mm F2.8 STMは描写もやや硬めでテッサーに近いかもしれません。パンケーキタイプなのもテッサーを彷彿とさせます。

開放F2.8は標準の単焦点レンズとしてはややボケの大きさに不満が残りますが、それでもエントリーグレードのズームレンズよりは明るいので、表現の幅もそれなりにあります。

ボケ味も自然で美しい

Canon RF28mm F2.8 STM作例:花

作例5:F2.8 1/250 ISO125 露出補正±0 カメラ:EOS R6 MarkII

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開放F2.8の広角レンズという事で、ボケを大きくするにはある程度被写体との距離を短くする必要がありますが、意外にもボケは自然で綺麗です。

高級タイプのレンズではないのでどこまで意識して設計されているかは微妙ですが、できるだけ被写体に近寄ってボケを大きくしたくなりました。

F2.8の単焦点レンズはズームレンズとのF値の差が少なく、すみ分けが難しいところがありますが、こういった部分ではさすが単焦点レンズと思える存在感を発揮してくれます。

Canon RF28mm F2.8 STM作例:ベンチのオブジェ

作例6:F2.8 1/1000 ISO100 露出補正-0.3 カメラ:EOS R10

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ボケの大きさに不満が残るのはむしろAPS-Cサイズカメラで使った時かもしれません。

標準レンズはF1.8やF1.4といった明るいレンズが多いので、もっとボケるはずという先入観に引っ張られてしまうからです。

これはコンパクトさとのトレードオフではありますが、開放F2なら良かったのにと思う事が何度かありました。

解像感は高いがやや硬めの描写

Canon RF28mm F2.8 STM作例:建物を見上げる

作例7:F2.8 1/800 ISO100 露出補正±0 カメラ:EOS R6 MarkII

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シャープで高解像なレンズですが、やや硬めの描写という印象です。

Canonのレンズはグレードによりはっきりと性能に違いが出るという印象なのですが、RF28mm F2.8 STMはシャープですがややコントラストが高すぎて硬いという印象を持ちました。

最近は硬いレンズよりも柔らかいレンズが好まれるという印象ですが(柔らかいという字面に引っ張られている気もしますが)、硬い描写というのはそれはそれでレンズの個性として好ましく感じます。

Canon RF28mm F2.8 STM作例:建物と鏡

作例8:F2.8 1/1000 ISO100 露出補正±0 カメラ:EOS R10

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今回のテスト撮影では周辺光量の補正は主にOFFにして使いました。

レンズ由来の周辺光量落ちがあった方が好みというのが理由ですが、APS-Cサイズセンサーなら周辺光量落ちは補正無しでも感じられません。

因みに歪曲収差補正はデフォルトでONとなりOFFにする事はできません。こういった部分でカメラ補正が積極的に介入している点も描写がやや硬めになる理由のひとつなのかもしれません。

画質

解像感[中心部]

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[中心部]作例枠

中心部の画質はシャープで高い解像感があります。

リーズナブルな価格の製品ですが、ズームレンズとは一線を画す描写性能の高さは単焦点レンズの魅力です。

やや諧調に乏しく硬い描写ですが、これはこのレンズの個性と言える部分だと思います。

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[中心部]作例

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解像感[フルサイズ周辺部]

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[フルサイズ周辺部]作例枠

フルサイズの画面周辺まで高い描写性能を維持して、画質の均質性という意味でも高いレベルにあります。

実写するまではもう少し画質の低下がみられると予測していたのですが、殆ど変わらないのには驚きました。

ボディ内補正が介入しているのだとは思いますが、非球面レンズを3枚使用した設計があったればこそだと思います。

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[フルサイズ周辺部]作例

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解像感[APS-C周辺部]

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[APS-C周辺部]作例枠

フルサイズでも十分以上の画質の均質性があるレンズなので、APS-Cでも同様の結果です。

違いは周辺光量で、ボディ内補正をOFFにしてもAPS-Cでは周辺光量の低下を殆ど感じません。

実はテスト前はもう少し周辺部での画質差を見込んでAPS-Cで使う事のメリットを書こうと思っていたのですが、良い意味で期待を大きく裏切られる結果となりました。

Canon RF28mm F2.8 STM解像感[APS-C周辺部]作例

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フレア/ゴースト

Canon RF28mm F2.8 STMフレア/ゴースト作例

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Canonのレンズは他メーカーと比較してややフレアやゴーストが発生しやすいという印象だったのですが、RF28mm F2.8 STMについてはフレアもゴーストも発生しませんでした。

テスト撮影をした日が生憎の曇り空であまり強い逆光を得られなかった事もありますし、比較的シンプルなレンズ構成である事も寄与しているのかもしれません。

時間があれば再度テストしてみたい項目です。

フリンジ

Canon RF28mm F2.8 STMフリンジ作例

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フリンジの発生もほぼありませんでした。

低分散ガラスが一枚も使用されていない事を考えると映像エンジンが優秀という事だと思いますが、それにしても見事な補正です。

他レンズ・旧製品との比較

Canon RF50mm F1.8 STMとの比較

Canon RF28mm F2.8 STM、RF50mm F1.8 STM

RFマウントのリーズナブルな単焦点レンズと言えば、真っ先に思い浮かぶのはRF50mm F1.8 STMではないでしょうか。

気軽な常用レンズとしてRF28mm F2.8 STMとどちらを選ぶか少し迷いますが、個人的におすすめなのはズバリ両方持つ事です(笑)。2本持っても荷物にならないサイズ・重量ですし、ズームレンズと比較して明るいF値で表現の幅も広くなるので、この2本を持つのはかなりおすすめな組み合わせだと思います。

リーズナブルな価格で写りの良いレンズを撒き餌レンズと言ったりしますが、新たな撒き餌レンズの登場でCanon Rシステムがより幅広いユーザーにおすすめしやすくなりました。

旧モデルEF 40mm F2.8 STMとの比較

Canonのフルサイズ対応のパンケーキレンズと言えば、一眼レフ時代のEF 40mm F2.8 STMを思い浮かべる方も多いでしょう。

サイズと画質、F値のバランスの良いレンズは、多くのユーザーに支持されました。

RF28mm F2.8 STMと比較して画角的にもボケの大きさ的にもベテランに支持されそうな40mmなので、フルサイズミラーレスカメラ用に28mmだけでなく40mmもラインナップして欲しいと思うのは私だけではないのではないでしょうか。

メリット・デメリットとおすすめユーザー

軽量コンパクトで持ち運びやすい点は大きなメリット

Canon RF28mm F2.8 STM本体4

どうしても大袈裟になってしまいがちなレンズ交換式カメラですが、RF28mm F2.8 STMがそんなハードルを間違いなく下げてくれるでしょう。

薄いパンケーキスタイルと120gという軽量なレンズは、レンズが付いている事を忘れてしまうほどで、このレンズの大きなメリットと言えます。

同じようなコンセプトの別の焦点距離を期待してしまうくらいインパクトのあるサイズです。

ボケが小さい事とやや硬い描写は好みの分かれるところ

Canon RF28mm F2.8 STM本体5

F2.8の単焦点レンズにいつも悩まされる事が、ボケの大きさにどうしても不満が残りズームレンズとの差別化が図りずらい点です。

RF28mm F2.8 STMもボケをあまり大きくできないという事は小さなデメリットと言えます。

又、少し描写が硬い点は好みが分かれるところかもしれません。

気軽にカメラを持ち出したいユーザーにおすすめ!APS-Cカメラユーザーにも

Canon RF28mm F2.8 STM本体6

Canon RF28mm F2.8 STMは、まるでカメラだけを持っているような感覚になるほどのコンパクトさで、気軽にカメラを持ち歩いて撮りたいユーザーにおすすめです。

28mmという画角もスマホや昔のコンパクトカメラに近く、スナップや旅行、ちょっとした記念写真など幅広く対応できます。フルサイズ機だけでなく、APS-Cカメラに装着すれば少し画角が広い標準レンズになるので、こちらもかなりおすすめです。

レンズ交換式カメラはどうしても大袈裟になってしまいがちですが、RF28mm F2.8 STMは見た目もサイズもコンパクトなのでカメラを持ち出すハードルをグッと下げてくれるのではないでしょうか。

作例に使用したカメラ

Canon EOS R6 MarkII

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Canon EOS R10

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Canon EOS R10バナー画像

作例に使用したレンズ

Canon RF28mm F2.8 STM

【商品情報】Canon RF28mm F2.8 STM

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Canon RF28mm F2.8 STMバナー画像

まとめ

・軽量コンパクトなパンケーキスタイルのレンズです
・レンズが薄いので、バッグへの収まりもよく持ち運びに便利です
・特殊な形状の非球面レンズを使用して、性能、コスト、サイズのバランスをとっています
・フルサイズでは使いやすい広角レンズとして、APS-Cサイズではコンパクトな標準レンズとして使えます

Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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