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2024.02.04
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Canon RF24-105mm F4 L IS USM 実写レビュー

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴/操作性

高性能・軽量コンパクトになった定番標準ズーム

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体1

Canon RF24-105mm F4 L IS USM は一眼レフ時代から人気だった高性能な標準ズームレンズです。

高性能な標準ズームと言えば24-70mm F2.8という時代に、性能はそのままにF値を少し控えめにしてその分望遠端を105mmまで伸ばしたズームレンズは、Lレンズとしては比較的コンパクトな事や1本で幅広く使える利便性から、Canonを代表する定番のレンズとなりました。

Canonの定番レンズが、フルサイズミラーレス用にコンパクトかつ高性能になって登場です。

高画素機でも安心して使える高い描写性能

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体2

ミラーレスカメラ用レンズは、ショートフランジバックにより設計の自由度が増した事から、一般的に一眼レフ用レンズに比べて高性能になります(勿論例外もあります)。

同スペックの一眼レフ用レンズEF24-105mm F4L IS II USMは、非常に高性能で評価の高いレンズでしたが、画質の均質性やコントラストの高さではRF24-105mm F4 L IS USMに及びません。

特に高画素機のEOS R5ではその差は歴然で、より高解像な高画素カメラに対応した設計となっています。

高速なオートフォーカスで子気味良く使える

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体3

オートフォーカスは高速で、スナップなどリズムよく撮影したいような時にも子気味良い動作で応えてくれます。

開放はF4ですが105mmまでをカバーするので、被写体認識AFを使ったポートレート的な撮影でも精密で高速なピント合わせができるでしょう。

高精度で高速なオートフォーカスのおかげで、高い解像力を持ったカメラ・レンズの性能を最大限活かせます。

実写レビュー

4倍のズーム比が多彩な表現をもたらす

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:ガード下

作例1:F4 1/160 ISO100 露出補正±0 焦点距離:24mm

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RF24-105mm F4 L IS USMの広角端となる24mmは、超広角に近い表現が可能です。

パースの付き方にしろ被写界深度の広さにしろ、28mmよりも明確に広角らしい写真が撮りやすくなるので、使い方によっては広角ズームで撮ったような写真が撮れるかもしれません。

私のようなフィルム世代は、標準ズームの広角端は28mmというイメージが強く(当時は24mmまであっても画質が悪くていまひとつ使う気になりませんでした)、24mmが画質の面で安心して使えるレンズを羨ましく感じます。

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:裏路地

作例2:F4 1/125 ISO160 露出補正-0.3 焦点距離:105mm

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ピントの合った部分を同じ大きさにフレーミングした場合、わずかですが70mm f2.8よりも105mm f4の方がボケが大きくなります。

ですので、最大ボケ量という意味ではRF24-105mm F4 L IS USMは24-70mm f2.8の大口径ズームを上回るのです。

勿論、同じ焦点距離で使えばf2.8の方がボケは大きいので、被写体との距離をとって望遠側を使うといった工夫は必要になりますが。

使い勝手のいいサイズと高速なオートフォーカスでリズム良く撮影できる

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:鉄塔

作例3:F4 1/1600 ISO100 露出補正±0 焦点距離:81mm

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パッとだしてサッと撮れる。RF24-105mm F4 L IS USMはそんなレンズです。

高性能なLレンズの中では比較的軽量コンパクトだという事以外にも、きびきびと合焦するオートフォーカスなど、レンズのレスポンスが良い事でシャッターを押すまでのストレスが少ない事がそう思わせてくれるのかもしれません。

標準ズームらしい使い勝手の良さはRF24-105mm F4 L IS USMの大きな魅力です。

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:窓と空

作例4:F4 1/400 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離:35mm

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上を向いたり下を向いたりスナップと言えども撮りたいシーンを待つだけでなく、常に周囲を観察しながら撮りたくなるシーンを探しながら撮影する方が多いと思います。

シャッターを押すまでにカメラやレンズをよっこらせと構えなければならないとどうもリズムにのりづらいものですが、RF24-105mm F4 L IS USMとEOS R5の組み合わせは、超高性能なカメラ・レンズでありながら子気味良く撮影できるのもポイントです。

勿論、ちょっと無理な恰好でカメラを構えなければならない場合も軽量コンパクトさは大きなプラスとしてはたらきます。

開放F4だが105mmならボケを使った表現も可能

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:紅梅

作例5:F4 1/250 ISO100 露出補正+1.0 焦点距離:105mm

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開放F4というとボケの大きさに不満が残りそうですが、105mmの望遠端で撮る事である程度ボケの量を稼ぐ事ができます。

作例は105mm望遠端で、なおかつ最短撮影距離付近で撮っているので大きく背景をボカす事ができました。

ボケ味までこだわるスペックでは無いと思いますが、柔らかいボケもなかなか綺麗です。

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 作例:枯れ木とビル

作例6:F4 1/400 ISO100 露出補正±0 焦点距離:50mm

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105mmの望遠端を使う事と、ボカしたい部分の距離を短くとる事でボケを大きくする事ができます。

ボケと言うと背景ボケを使うケースが多いですが、前ボケを活かして撮るのもスナップではおすすめです。

そんな時、70mmよりも遠景のフレーミングをまとめやすい105mmはなかなか使い勝手が良いと感じました。

画質

解像感

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:24mm枠
24mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:24mm

24mm F4(開放)中心部分解像感

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Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:50mm枠
50mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:50mm

50mm F4(開放)中心部分解像感

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Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:105mm枠
105mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 中心部解像感作例:105mm

105mm F4(開放)中心部分解像感

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ワイド端から望遠端まで、いずれの焦点距離でも高い解像感とコントラストを維持する高性能なレンズです。

特に標準~望遠にかけては単焦点レンズと言っても通用するレベルの抜けの良さで、質感の描写についても申し分ありません。

今回のテストには高画素機のEOS R5を使用しましたが、4500万画素のカメラを使ってなおオーバーサンプリングと感じる程の性能を持っています。

周辺部画質

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:24mm枠
24mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:24mm

24mm F4(開放)周辺部分解像感

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Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:50mm枠
50mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:50mm

50mm F4(開放)周辺部分解像感

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Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:105mm枠
105mm:枠内を拡大
Canon RF24-105mm F4 L IS USM 周辺部解像感作例:105mm

105mm F4(開放)周辺部分解像感

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驚くべきは周辺部分の画質です。画面の四隅まで殆ど画質の低下が見られず高い解像感とコントラストを維持します。

作例では歪曲収差補正、周辺光量補正ともにOFFで撮影しているので周辺部が少し暗く、直線がわずかに歪んでいますが、解像感やコントラストは画面周辺でも高いレベルにあります。

画質の均質性という意味でもズームレンズとは思えない高水準なレンズです。

フリンジ

Canon RF24-105mm F4 L IS USM フリンジ作例

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今回のテスト撮影ではフリンジが発生する事はほぼありませんでした。

低分散ガラスを贅沢に使った設計と、ボディ内補正の優秀さによるものだと思いますが、逆光線でも安心して使えるのはありがたいところです。

フレア・ゴースト

Canon RF24-105mm F4 L IS USM フレア・ゴースト作例

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強い逆光線では柔らかいフレアとゴーストが発生します。

全般的にCanonのレンズはフレアが発生しやすい傾向にある気がするので、メーカーの考え方なのかもしれません。

個人的には逆光でフレアが全く無いのもなんとなく物足りなくて、少し不自然に感じるケースもあるので、ある程度発生してくれた方が嬉しいと感じる事が多いです。

旧モデル(EF24-105mm F4L IS II USM)との描写性能比較

ワイド端(24mm)の周辺画質

EF24-105mm F4L IS II USM 作例:ワイド端枠
枠内を拡大(EF24-105mm F4L IS II USM)
EF24-105mm F4L IS II USM 作例:ワイド端

EF24-105mm F4L IS II USM ワイド端周辺部画質

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RF24-105mm F4 L IS USM 作例:ワイド端枠
枠内を拡大(RF24-105mm F4 L IS USM)
RF24-105mm F4 L IS USM 作例:ワイド端

RF24-105mm F4 L IS USM ワイド端周辺部画質

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ショートフランジバックの恩恵は特に焦点距離の短い広角レンズの設計で有利だと言われます。ミラーボックスのスペースが必要無いミラーレスカメラでは、短い焦点距離のレンズでも実際の焦点距離に近いフランジバックで設計できるからです。

比較するとEF24-105mm F4L IS II USMの周辺部はやや甘い画像となっていますが、RF24-105mm F4 L IS USMでは周辺部まで殆ど変わらないシャープネスとコントラストを維持しています。

画面の均質性と言う意味でミラーレス用のレンズは一眼レフ用レンズを上回るのです。

標準(50mm)の中心画質

EF24-105mm F4L IS II USM 作例:標準枠
枠内を拡大(EF24-105mm F4L IS II USM)
EF24-105mm F4L IS II USM 作例:標準

EF24-105mm F4L IS II USM 標準中心部画質

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RF24-105mm F4 L IS USM 作例:標準枠
枠内を拡大(RF24-105mm F4 L IS USM)
RF24-105mm F4 L IS USM 作例:標準

RF24-105mm F4 L IS USM 標準中心部画質

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比較的画質が良くなる画面中心部でも画質の差がある程度確認できました。

ミラーレス用のRF24-105mm F4 L IS USMの描写を見てしまうと、一眼レフ用のEF24-105mm F4L IS II USMがわずかに眠い描写になっている事に気づきます。EOS R5のような高画素機でなければ気づかないレベルではありますが、こういった部分にもショートフランジバックのメリットが出ているのです。

しかしその差は圧倒的という程では無く、一眼レフ時代からやはりLレンズは性能が良かったんだな、と再認識させられました。

Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sとの比較

Canon RF24-105mm F4 L IS USM、Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

ライバルメーカーとなるNikonの標準ズームNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは、望遠側を2cm伸ばしたより高いズーム比を持っており、利便性という意味ではRF24-105mm F4 L IS USMを上回ります。

描写性能の高さにも定評があり重量も1割ほど軽量なので、現時点ではNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの方が優秀だと言わざるを得ません。

個人的にはCanonのレンズにもう少し尖った部分があっても良かったのではと思います。

メリット・デメリットとおすすめユーザー

軽量コンパクトで高い描写性能を持った定番の標準ズームレンズ

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体4

軽量コンパクトで高い描写性能を持った定番の標準ズームレンズ高い描写性能を持ち軽量コンパクトでオートフォーカスについても申し分ない定番の標準ズームレンズです。

あらゆる用途に過不足なく対応できるバランスの良い能力を持っている事は、標準ズームが使用されるシチュエーションを考えれば大きなメリットと言えるでしょう。

RFマウントユーザーなら安心しておすすめできるレンズです。

ミラーレス用にもう少し冒険して欲しかった

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体5

レンズの操作感はLレンズとしては並みレベルでした。

最近のレンズにはズームやフォーカスリングの動きが驚く程滑らかなものが多くありますが、レンズ重量が重いといった事情もあり、最高レベルには無いと感じました。

特にズームの操作が問題となる動画ユーザーは、一度手に取ってズームの動きを確認してから購入を検討した方が良いかもしれません。

RFマウントユーザーなら是非持っておきたい定番レンズ

Canon RF24-105mm F4 L IS USM 本体6

RFマウントユーザーなら是非持っていたい高性能な定番の標準ズームレンズです。

描写性能とオートフォーカス性能というレンズを選ぶ上で特に重要な二つの要素が最高レベルにあるので、安心して選ぶ事ができるでしょう。

一眼レフ時代から長らく「定番」として選ばれたレンズのバージョンアップ判と言える高性能なレンズで、幅広いユーザーにおすすめできます。

作例に使用したカメラ

【商品情報】Canon EOS R5

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Canon EOS R5バナー画像

作例に使用したレンズ

【商品情報】Canon RF24-105mm F4 L IS USM

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Canon RF24-105mm F4 L IS USMバナー画像

まとめ

・高性能で使いやすい定番の標準ズームレンズです
・ワイド端から望遠端まで高い解像感のある高性能レンズです
・高速なオートフォーカスでリズム良く使えます
・ジャンルを問わず幅広い用途に対応できます

Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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