魚眼レンズとは
魚眼レンズの種類
対角線魚眼レンズ
全周魚眼レンズ(円周魚眼レンズ)
スマホ用の魚眼レンズ
魚眼レンズを選ぶポイント
センサーサイズとマウント
最短撮影距離
画質
対角線魚眼レンズのおすすめ
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
Panasonic LUMIX G FISHEYE 8mm / F3.5
SAMYANG 7.5mm F3.5 UMC Fish-eye MFT
銘匠光学 TTArtisan 7.5mm f/2 C Fisheye
SAMYANG 8mm F3.5 Fish-eye CS II
TTArtisan 11mm f/2.8 Fisheye
全周魚眼レンズのおすすめ
LAOWA 4mm F2.8 Circular Fisheye MFT
Tokina SZ 8mm F2.8 FISH-EYE MF
フィッシュアイズームのおすすめ
PENTAX HD PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED
Nikon AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED
スマホ用魚眼レンズのおすすめ
DAISOスマートフォンレンズセット
Kenko リアルプロクリップレンズ 魚眼180°
「魚眼レンズ」の名称はニコンが付けた!?
星景写真と魚眼レンズ
まとめ
魚眼レンズとは被写体が歪んで写るレンズのことです。通常のレンズではものが歪まないように設計されますが、魚眼レンズでは逆に歪むように設計され、これにより通常のレンズよりも広い画角で写るようになります。
ミラーレスや一眼レフ用に設計された多くの魚眼レンズの画角は180°です。フルサイズ用の超広角レンズ14mmの画角が114°である事を考えると、魚眼レンズが如何に広角かがわかるでしょう。
極端に広い画角と誇張された遠近感、ものが歪んで写る面白さなど、通常のレンズにはない個性的な表現が可能になります。
写真の対角線の画角が180°になっているレンズを対角線魚眼と呼びます。
普通の写真のように四角い画面の中に収まるので扱いやすく、SNSなど様々なメディアで発表しやすい点もメリットです。
魚眼レンズと言ったら対角線魚眼で撮られているケースがほどんどで、選択肢も多く初めて買う魚眼レンズとしてもおすすめです。
四角い画面の中に丸く写真が写るのが全周魚眼レンズです。
穴からのぞいているような独特の表現は非常に個性的で楽しい反面、写真が小さくなってしまう、写らない部分がある、画素数が少なくなるといったデメリットがあります。SNSに投稿するなら、正方形の写真が多いInstagramが、真円に写る全周魚眼レンズの収まりが良いのでおすすめです。
丸く写るところを活かして星景写真や流星群の撮影などで全天を写すのにも使われます。
簡易的にスマホに取り付ける魚眼レンズが100円ショップやネットで手に入ります。
価格も安くクリップタイプでつけはずしも簡単なので、とりあえず試してみるのにおすすめです。
画角が狭かったり、画質がいまいちだったりと欠点もありますが、安価に気軽に楽しめる、撮ってすぐSNSなどに投稿できるといった点はスマホ用魚眼レンズの大きなメリットです。
各魚眼レンズごとに対応するセンサーサイズとカメラマウントを必ずチェックしましょう。
特にセンサーサイズは、同じメーカーの同じマウントでも複数のサイズがある事があり注意が必要です。
レンズによってはAPS-Cで対角線魚眼に、フルサイズで全周魚眼として使えるものもあるので、手持ちのカメラのセンサーサイズに合わせて使い勝手の良い製品を選ぶと良いでしょう
画角が広い魚眼レンズでは、最短撮影距離が短い方が使い勝手の面で有利になります。
星景など無限遠側でしか撮らない被写体を除けば、主眼を絞る為に被写体に近づく必要があるからです。
画面全体にピントが合う、いわゆるパンフォーカスで撮るケースが多い魚眼レンズですが、被写体との距離を極端に短くできれば背景をある程度ボカす事もできます
特に星景写真では星ができるかぎり点に写るのが理想です。
あまり性能について言われない魚眼レンズですが、意外と画質に違いがあり、特に周辺部ではコマ収差やピントのズレ、像の流れがおきる事もあるので、ネットのレビュー記事やクチコミなどを参考に性能の良いレンズを見つけておくと良いでしょう。
純正のレンズではカメラ側のレンズ補正を利用できるケースもあるので、性能を気にするなら純正レンズを選ぶのもおすすめです。
タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
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最短撮影距離 | 0.12 m | 画角 | 180度 |
フォーカス | AF | 重量 | 315g |
OM SYSTEMのマイクロフォーサーズ用の魚眼レンズで、魚眼レンズとしては非常に明るいF1.8の明るさと、純正レンズらしい周辺部まで収差の少ない画質の良さが魅力のレンズです。
F2.8のレンズと比較しても1段以上明るいので、マイクロフォーサーズの短所である高感度性能の低さを打ち消してくれます。
やや高価なのが欠点ですが、最高クラスの性能で本格的な星景写真やハウジングを使った水中写真などハイレベルな撮影に使う方におすすめのレンズです。
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タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
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最短撮影距離 | 0.1m | 画角 | 180度 |
フォーカス | AF | 重量 | 165g |
OM SYSTEMの8mmと同じくマイクロフォーサーズ用の魚眼レンズですが、こちらはF値がF3.5と暗く、その分サイズが小さく価格がリーズナブルな点がメリットです。
PanasonicやOM SYSTEMのカメラと組み合わせればオートフォーカスで使えるので、軽快に魚眼レンズを使う事ができます。
普段使っているレンズと同じように、気軽に魚眼レンズを使いたいユーザーにおすすめです。
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タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | マイクロフォーサーズ |
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最短撮影距離 | 0.09m | 画角 | 180° |
フォーカス | MF | 重量 | 190g |
非常にコンパクトでリーズナブルな価格が魅力の魚眼レンズです。
マニュアルフォーカス専用なのでピント合わせが少し面倒ですが、スナップでは絞り気味にして被写界深度を稼ぎ、星景や風景では三脚に固定してマニュアルで正確にピントを合わせるといった使い方が良いでしょう。
価格が安いので、とりあえず魚眼レンズを試してみたいユーザーにもおすすめです。
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タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | APS-C |
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最短撮影距離 | 0.125m | 画角 | 180° |
フォーカス | MF | 重量 | 345-375g |
APS-Cサイズセンサー用のリーズナブルな価格の対角線魚眼レンズです。
フルサイズセンサーカメラに装着して付属のアクセサリーを使えば疑似的な全周魚眼になったり、付属のねじ込み式ND1000フィルターを装着してスローシャッターを使った表現ができたりと、遊び心あふれる魚眼レンズとなっています。
開放F2と明るく夜間の撮影にも向いている、クリエイティブに写真を楽しみたいユーザーにおすすめのレンズです。
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タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | APS-C |
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最短撮影距離 | 0.3m | 画角 | 180° |
フォーカス | MF | 重量 | 410g-440g |
一眼レフカメラ用の魚眼レンズです。
ズームレンズを除けば一眼レフ用の魚眼レンズはほとんど無いので、貴重な存在と言えるでしょう。
ミラーレス用と比べて特に広角レンズでは設計の面で不利となる一眼レフ用レンズですが、豊富なマウントアダプターを使えば幅広いカメラに取り付けられるのが魅力です。
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タイプ | 対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
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最短撮影距離 | 0.17m | 画角 | 180° |
フォーカス | MF | 重量 | 490-510g |
フルサイズ対応の対角線魚眼レンズで、描写性能が優れている本格派のカメラマンからも人気のレンズです。
広角レンズは周辺部の星が丸くならず十字に近い形に写る「コマ収差」が出てしまうケースが多いですが、TTArtisan 11mm f/2.8 Fisheyeはコマ収差も少なく星の形が美しい点に写ります。
さらに価格が驚く程リーズナブルな事から、本格的な星景写真を撮るカメラマンからも高評価のレンズとなっています。
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タイプ | 全周魚眼 | 対応センサーサイズ | APS-C/マイクロフォーサーズ |
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最短撮影距離 | 8cm | 画角 | 210° |
フォーカス | MF | 重量 | 135g |
APS-Cサイズセンサー対応の画角210°の円周魚眼レンズです。作例では極端に広い画角のせいで、カメラのグリップが写ってしまっています。
グリップやシャッターを押す指も写ってしまうので、2秒のセルフタイマーを使ってカメラを持ち換えて撮影するといった工夫が必要でした。
使っていてとても楽しいレンズで、最短撮影距離が8cmと短く、スナップなどで個性的な表現をしたい時にも使いやすいレンズです。
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タイプ | 対角線魚眼(フルサイズで全周魚眼) | 対応センサーサイズ | APS-C |
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最短撮影距離 | 0.1m | 画角 | 180° |
フォーカス | MF | 重量 | 280g |
APS-Cサイズセンサーでは対角線魚眼、フルサイズセンサーカメラに装着してフードを外せば全周魚眼風(横位置で上下がケラれる)として楽しめるユニークな魚眼レンズです。
開放F2.8で、スナップから本格的な星景写真まで幅広く楽しめるスペックとなっています。
特にAPS-Cとフルサイズ両方のセンサーサイズのカメラがラインナップされているSONYユーザーにおすすめです。
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タイプ | 対角線魚眼(フルサイズで上下がケラレる全周魚眼) | 対応センサーサイズ | APS-C/(35mmフルサイズ) |
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最短撮影距離 | 0.14m | 画角 | 180-100°(APS-C) |
フォーカス | AF | 重量 | 317g |
フィッシュアイズームは画角の変えられるズームの付いた魚眼レンズです。
PENTAX HD PENTAX-DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5EDはAPS-Cサイズセンサーのカメラに装着して180-100°に画角を変化させられるフィッシュアイズームとなっています。
同じKマウントのフルサイズ一眼レフカメラK-1に装着すると、少しケラレが出ますが全周魚眼に近い雰囲気の写真も撮れるので、PENTAXユーザーなら1本持っていて損のないレンズです。
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タイプ | 全周魚眼/対角線魚眼 | 対応センサーサイズ | APS-C/35mmフルサイズ |
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最短撮影距離 | 0.16m | 画角 | 180°-110°(APS-C) |
フォーカス | AF | 重量 | 485g |
フルサイズ(FXフォーマット)カメラに装着してズームを8mmにすると全周魚眼として、15mmにすると(又はAPS-Cサイズカメラに装着してDX指標よりも望遠側にすると)対角線魚眼として使えるユニークなレンズです。
オートフォーカスを使ってスピーディーに撮影できる使い勝手の良さも魅力となっています。
F値がやや暗いので星景は厳しそうですが、スナップなどで多彩な表現をするには最適のレンズと言えるでしょう。
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魚眼レンズとしてだけでなく、マクロレンズ、広角レンズとしても使える3種類のレンズセットです。
つくりはチープそのものですが、クリップでスマホにとめるだけの使い勝手の良さや、なにより¥100(税抜き)で買える気軽さで、とりあえず試してみたいという方におすすめのレンズとなっています。
自撮りにも使えるので、スマホのレンズでは画角が足りないと感じる時にもおすすめです。
スマホで全周魚眼風な写りが楽しめる製品です。
本格的なミラーレス用レンズと同様に180°の画角で撮れるので、コストをあまりかけずに迫力のある魚眼レンズの写りを楽しみたいユーザーにおすすめの製品となっています。
百円ショップの製品よりは高額ですが、画質の良さや質感の高さなど価格なりの品質が魅力です。
今では世界的に使われるようになった魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)という名称ですが、日本が世界に誇る光学メーカー「Nikon」が同社のレンズにつけた「FISH-EYE NIKKOR」から一般的になった可能性が高いそうです。
レンズ性能の高さが海外のカメラマンから評価を得て世界的メーカーへと躍進したNikonですから、この説は信ぴょう性が高いのではないでしょうか。
sukiyaki、karaoke、gyoganとならなかったのが少し残念ですが、世界で使われるカメラ用語に日本発祥の言葉がある事に少し感動です。
デジタル時代になって、高感度性能が上がった事や画像処理がしやすくなったことなどを理由に、星と景色をあわせて撮る「星景」写真が誰でも簡単に撮れるようになりました。
魚眼レンズは広がりのある星景写真を撮るのにもピッタリで、多くのカメラマンに愛用されています。
星景写真は、できるだけf値が明るく星が点に写る高性能なレンズが必要で、TTArtisan 11mm f/2.8 Fisheyeは星景写真ユーザーからも人気の製品となっています。
Photo & Text by フジヤカメラ 北原