フジヤカメラ

 

分類

分類

2022.08.17
専門店・プロレビュー,

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 実写レビュー

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 実写レビュー

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art の実写レビューです。

コンパクトな大口径広角レンズの解像感、周辺画質、フリンジ、コマ収差などの画質、スナップ撮影などを実際に行って、使用感などをレビューします。

ミラーレスカメラ用である事を最大限活かした超広角レンズは、星景撮影は勿論、スナップなどでも活躍する高性能で使いやすいレンズで、スペックを考えるとコスパが非常に高い事もポイントです。

店舗イメージ
■この記事の監修

フジヤカメラ店

東京都 中野区のカメラ専門店 フジヤカメラ店です。カメラ、レンズ、三脚、動画機材まで、新品、中古機材を多数取り扱っております。中古在庫は常時3,000点以上!これからカメラを始める方も、ベテラン、プロカメラマンも、機材の事ならフジヤカメラ店にお任せ下さい。
WEBサイトは こちら

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art
SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art

特徴/操作性

F1.4と大口径でありながらリーズナブルな価格

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art の大きな特徴として、大口径の超広角レンズでありながら、比較的リーズナブルな価格を実現している点があげられます。

レンズの特徴の第一に価格をあげる事はメーカーの技術者の方には少し申し訳なく思うのですが、これだけの高性能レンズを安価に仕上げてくれた事は、ユーザーとしてはとてもありがたいところです。

サイズもコンパクトで持ち歩きに難儀する事もないので、星景写真は勿論、大口径の超広角レンズを使ったスナップ写真など、幅広く活躍してくれるレンズとなりそうです。

星景写真にもぴったりの高い光学性能

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art

さて、特徴の第一に価格を持ってきた事は、SIGMA(シグマ)というメーカーの性能についての信頼があるからです。

24mm F1.4 DG DN | Art についてもミラーレスカメラ用らしい非常に高い解像感を持った高性能なレンズで、開放から周辺部のコマ収差も少ないので、星景写真にもぴったりのレンズと言えます。

開放では周辺部の画質が少し甘くなりますが、一絞り程度絞る事で改善しますし、併せてコマ収差の発生も抑えられるので、画質にこだわって撮りたいなら一絞り程度絞って使うと良いでしょう。

フロント、リアフィルターの装着やMFLスイッチなど星景撮影に便利な機能

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art

絞りやフォーカスリングの操作感は他のSIGMAレンズ同様に良好なもので、細かなピントの調整が必要な星景写真でもストレス無く使う事が出来ました。

又、新たに搭載されたMFLスイッチは、ONにする事でフォーカスリングの動作を無効化する事ができる機能で、星のようにピントが一定の被写体では、撮影の度にピントの調整をする手間が省けて非常に便利です。

フロントフィルター口径は72mmで、ソフトフィルターやスターリーナイトなどの、星景写真ではよく使われるフィルターが使いやすいのもポイントです。

フィルター径: φ72mm 最小絞り: F16
長さ: 97.5mm(ソニー E)/95.5mm(L マウント) 最短撮影距離/最大撮影倍率: 25cm/1:7.1
絞り羽根: 11枚(円形絞り) 重量: 510g(ソニー E)/520g(L マウント)

【中古】SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズを探す

フジヤカメラでは、SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。

» 【中古】SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズを探す

イメージ

実写レビュー

超広角は街中のスナップが面白い

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例1
作例1:F16 1/125 ISO125 露出補正-0.7

超広角レンズは街中のスナップ撮影が楽しいレンズです。狭い街中では引いて撮る事が難しいので、超広角の画角の広さと誇張される遠近感が最大限活かせます。

建築物などを使って、思いのほかシンプルなフレーミングがしやすいのも街中のスナップに超広角レンズが向いている理由のひとつで、余計なものが入りやすい画角の広さを、写す空間が狭い事が補ってくれるのです。

パンフォーカスが出しやすい事と遠近感の誇張を使って、ものの形を面白く捉えるのにも向いています。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例2
作例2:F1.4 1/5000 ISO125 露出補正-0.7

空間を広く捉える事ができるのも超広角レンズの特徴で、肉眼よりもファインダー像の方が広くフレーミングされているイメージのギャップが、創作意欲を掻き立ててくれます。

作例では、撮影している私と撮影に付き合ってくれた息子、2人の影を写しましたが、超広角による広い画角により部屋が空っぽなイメージがより誇張されたおかげで、ちょっと面白い写真になったとおもいます。

レンズの特性を活かしながらアイデアを搾りだして、フレーミングするのが楽しいレンズです。

F1.4の大口径が生み出す大きく美しいボケ

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例3
作例3:F1.4 1/200 ISO125 露出補正+1.0

SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art の特徴のひとつは、超広角としては最高クラスに明るいレンズである事です。

広い範囲をフレーミングする事ができるレンズでありながら、ピントの合う範囲を調整する事で比較的簡単に焦点を絞った構図にできるので、広い範囲を撮る事以外の目的でも使える幅広い表現力を持っています。

SIGMAらしい美しいボケ味も、大口径超広角レンズで撮る楽しみに色どりを添えてくれます。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例4
作例4:F1.4 1/500 ISO125 露出補正±0

近接では標準レンズで撮ったような美しく大きなボケが楽しめる上、背景に広く空間を写し込む事ができるので、標準レンズほどシンプルにならず情報の多い煌びやかな写真が撮れるのも魅力となっています。

SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art は開放から口径食の発生も少なく美しい玉ボケが楽しめるのも特徴で、今回作例を撮影した夕方や早朝など、太陽が低い位置にある際の撮影が楽しそうです。

背景の玉ボケが標準レンズなどより沢山楽しめるのも、超広角レンズを使うメリットのひとつと言えるでしょう。

持ち運びやすいコンパクトなサイズ

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例5
作例5:F1.4 1/2000 ISO125 露出補正±0

軽量でコンパクトなデザインが、少し特別なスペックのレンズを普段使いのレンズにしてくれます。

テスト撮影にあまり時間を掛けられない身としては、カメラバッグにそのままカメラとレンズを入れて出社しても、苦労しない大きさ重さである事は大きなメリットだと感じました。

最近ではSNSなどに作品を定期的にアップしているカメラマンの方も多いと思いますが、普段から持ち歩ける気軽さのあるレンズならシャッターチャンスをものにできる機会も増えるので、SNSを積極的に利用しているユーザーにもおすすめです。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例6
作例6:F16 1/80 ISO125 露出補正-0.7

軽量コンパクトである事のメリットとしてもうひとつあげたいのは、知らず知らずのうちにアングルの自由度が上がる事です。

個人的に超広角レンズを使う際は、上を向いたり下を向いたり、アングルを上げたり下げたりと普段以上にカメラを動かすのですが、カメラが重いとつい躊躇してしまうようなアングルでも、体が自然と動いてアクティブにアングルを調整できる軽量コンパクトな機材はとても助かります。

ミラーレスカメラが主流となり、EVFやモニターでフレーミングするのが当たり前となった事と併せて、全体的に機材が軽量化した事で撮影の自由度が以前より増したと感じます。

情報が多すぎる場合はモノクロを使うのも

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例7
作例7:F1.4 1/250 ISO125 露出補正±0

画角が広い分情報量が多くなってしまう超広角レンズの場合、思い切って色情報は捨ててモノクロで楽しむのもいいと思います。

光と影、白と黒だけで表現されるモノクロ写真は、それだけである程度焦点を絞る事ができますし、プラスしてSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art の大きく美しいボケ味を使えば、広い画角のレンズでありながら、望遠レンズ以上に的を絞ったフレーミングをする事も可能です。

直線を多く取り入れて、光のグラデーションと形だけで撮影するのもなかなか楽しいものです。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 作例8
作例8:F1.4 1/2000 ISO125 露出補正±0

金属の硬質で冷たい質感はモノクロの方が伝わる事もあります。

被写体に合わせて絞りを開けるのか絞るのか、露出をオーバーにするのかアンダーにするのか、アングルを上げるのか下げるのか、カラーで撮るのかモノクロで撮るのか。焦点距離の変えられない単焦点レンズでも、多くの事を考えながら細かな調整をしつつ、フレーミングを決めてシャッターを切る。

出来上がりった写真は静かでも、撮影時には考える事も多くてせわしないものです。

画質

解像感

非常に高い解像感を持った高性能レンズです。

初めに作例5の中心部の画像を拡大して解像感を見てみます。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 解像感作例拡大枠

枠内を拡大

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 解像感作例拡大

画像にマウスを合わせるとさらに拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

中心部の画像は、拡大しても眠さが全く感じられない非常に高解像でシャープな描写です。

今回の撮影では星を撮る必要があった為、高感度に強い3300万画素のα7IVをテストボディに選択しましたが、より高画素なα1やα7RIVにも十分対応できる高性能なレンズとなっています。

周辺部画質

次に画像を拡大して中心部と周辺部の画質の均質性をみてみます。

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 周辺部画質作例拡大枠

枠内を拡大

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 周辺部画質作例拡大(中心部)
周辺部画質


SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 中心部画質作例拡大(周辺部)
中心部画質

わずかですが、開放F1.4では周辺部の画質が低下します。とは言え、ごく僅かですし、変な流れなどは出ないので画質の低下が問題になる事はほぼ無いと思います。

一絞り絞る事でほぼ改善するので、どうしても気になるならF2に絞って撮影すると良いでしょう。

フリンジ

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art フリンジ作例拡大

画像にマウスを合わせるとさらに拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

強い逆光線などで、飛んでしまう部分があるくらい明るい条件下では、緑や紫のフリンジが発生する事がありました。

それほど酷く発生するわけではありませんが、場所や色によっては目立つのでLight roomなどを使って画像処理するか、条件によっては1絞り程度絞って使用する必要があるかもしれません。

フレア/ゴースト

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art フリンジ作例拡大

画像にマウスを合わせるとさらに拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

超広角レンズという事で、強い光の逆光ではゴーストが発生する事があります。

作例は夕日の強い光を直接レンズにあてて、光芒を出す為に絞り込み(絞り込んだ方がゴーストが目立つ)、さらにアングルを調整してゴーストが写るようにしていますので、かなり意地悪なテスト条件です。

このような場合でもフレアによる画質の低下はほとんど無いので、コーティングや内面反射の処理は高いレベルである言えます。

コマ収差

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art コマ収差作例拡大枠

枠内を拡大

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art コマ収差作例拡大

画像にマウスを合わせるとさらに拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

画面周辺部ではわずかにコマ収差が発生しました。

星のような点になる被写体を撮影しなければ問題にはなりませんが、画質にこだわって撮るなら1絞り程度絞る事でかなり改善します。

1絞り絞ると感度を1段階高くするか露光時間を倍にする事になるので、ノイズによる画質劣化や、撮影効率とのバランスを取りながら決める必要があるでしょう。

ライバルレンズ、旧製品との比較

SONY(ソニー)FE 24mm F1.4 GM との比較

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 、SONY FE 24mm F1.4 GM

SONY FE 24mm F1.4 GM は、高い描写性能を持つ事は勿論、非常にコンパクトで操作性も良好と、ほとんど非の打ちどころのないレンズです。

SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art が凄いのは、SONYの高級レンズと比較しても遜色ない描写性能、操作感の良さ、コンパクトなサイズを実現しながら、大幅に安価な非常に高いコストパフォーマンスを持っている事です。

さらに、星景撮影に便利なMFLスイッチを搭載しており、純正のライバルレンズと対等以上にに渡り合える優れたレンズと言えるでしょう。

SIGMA(シグマ)24mm F1.4 DG HSM | Art との比較

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 、24mm F1.4 DG HSM | Art

長らく高性能なレンズシリーズとして好評だったSIGMAの一眼レフ用Artシリーズですが、ここ数年で徐々にミラーレス用に新設計されています。

特に広角レンズはショートフランジバックで設計できるミラーレス用レンズが性能的にも有利で、これから購入を検討するならフルサイズミラーレス専用設計のDG DNを選択しない事のメリットは少ないでしょう。

24mm F1.4 についても、一眼レフ用に設計されたモデルと比較してミラーレス用は200g以上軽く、大きさも一回り以上小さくなる上描写性能もより良好です。

おすすめしたいユーザーとウイークポイント

高性能な星景写真用レンズから、大きなボケを活かした広角撮影をしたいユーザーまで幅広くおすすめ

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 本体6

コンパクトなフルサイズミラーレス用大口径レンズとして欠点の少ない優等生なレンズです。

SIGMAらしい高い描写性能や美しいボケ味を持っており、軽量コンパクトで使い勝手も良く、さらに価格がリーズナブルと、ユーザーにはいいことずくめのレンズとなっています。星景写真ではMFLスイッチの利便性が高く、明るい開放F値と併せて非常に効率よく撮影をすすめられるでしょう。

幅広いユーザーにおすすめできる良くできたレンズだと思います。

マクロ性能に特筆すべきポイントがあれば文句なし

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art 本体5

ウイークポイントという程では無いのですが、最短撮影距離が25cmと月並みな点が少し残念に感じました。

できればライバル製品を上回るスペックにして、SIGMAのレンズを選択するメリットとして欲しかったところです。

不満点のほとんど無いレンズでしたが、不満が無いばかりに高望みをしてみたくなってしまいます。

まとめ

  • ・軽量コンパクトな大口径超広角レンズです

  • ・高い解像感とシャープネスを持った高性能レンズです

  • ・1絞りほど絞る事で画質の均質性がより向上します

  • ・MFLスイッチを搭載しており、星景撮影にもぴったりなレンズです

  • ・大口径でありながらコンパクトなサイズは、スナップ撮影などにも適しています

レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。

【中古】SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズを探す

フジヤカメラでは、SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。

» 【中古】SIGMA(シグマ)ミラーレス用レンズを探す

イメージ

【商品情報】SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art

» 詳細を見る

SIGMA(シグマ) 24mm F1.4 DG DN | Art
Photo & Text by フジヤカメラ 北原

ブランド

Page Top
Page Top