Canon(キヤノン) EF 35mm F2 IS USM の実写レビューです。
フルサイズミラーレスカメラ EOS R5 を使った実写レビューを中心に、解像感やフリンジなどの画質、マウントアダプターを使った際のフォーカススピードなどの使用感をご紹介します。
一眼レフカメラ用の高画質で定評のあるレンズですが、優秀なマウントアダプターのおかげで、フルサイズミラーレスカメラでもストレス無く使う事ができました。
特徴/操作性
22年ぶりのフルモデルチェンジ
造りの良さが感じられる外観
実写レビュー
開放から十分な解像感を発揮
スナップ撮影で使いやすい画角
近接性能
画質
解像感
周辺光量
フリンジ
比較
RF35mm F1.8 MACRO IS STMとの比較
おすすめユーザー
まとめ
Canon(キヤノン) EF 35mm F2 IS USMは、2012年に発売されたEFマウント一眼レフ用の単焦点レンズです。旧モデルとなるEF 35mm F2(1990年発売)から22年ぶりの後継モデルとして登場しました。
静かで素早く動作するUSM(超音波モーター)搭載のオートフォーカス、シャッタースピード換算で約4段分の効果を持つ手ぶれ補正機構を新たに搭載。すでに一般的になっていた高画素のセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラでも安心して使えるスペックは、まさに待望のフルモデルチェンジと言えるものでした。
2018年に事実上の後継機と言える、ミラーレスのRFマウント用レンズRF35mm F1.8 MACRO IS STMが登場してからもしばらく併売されていましたが、時代の流れには逆らえず2021年に生産終了しました。
本体上面には最近のレンズでは少なくなった距離計窓が、側面にはAF/MF切り替えと手ぶれ補正のオン・オフスイッチがある、Canonの一眼レフカメラ用レンズとしてはスタンダードなデザインです。
フォーカスリングはリングUSM直結でバイワイヤ方式ではない為、ダイレクトな操作感でマニュアルフォーカス時の操作性も良好となっています。AF動作後にピントの微調整ができるフルタイムマニュアルフォーカスにも対応しているので、側面の切り替えスイッチに触れずにスピーディーな操作ができます。
付属の花型フードはしっかりとした大きなものですが、レンズの全長がコンパクトなので装着しても全体としてはそれほど大きく感じません。
フィルター径: | φ67mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 0.24m/0.24倍 |
---|---|---|---|
最小絞り: | F22 | 絞り羽根: | 8枚(円形絞り対応) |
長さ: | 62.6mm | 重量: | 約 335g |
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テストボディには高画素のフルサイズミラーレスカメラEOS R5を選択しました。
マウントアダプターに純正のEF-EOS Rを組み合わせたので、機能制限等も無く快適に使用できます。
カメラの設定はピクチャースタイル:スタンダード、ホワイトバランス:AWB、レンズ光学補正は周辺光量補正と歪曲収差補正、デジタルレンズオプティマイザはオフとしています。
絞り開放から十分実用的な解像感が得られ、約4500万画素センサーを搭載するEOS R5でも不足は感じませんでした。
絞り込む事で解像感がより増していき、周辺部の明るさも向上する大口径の単焦点レンズらしい特性で、描写をコントロールしやすいのもポイントです。
絞っても硬くなっていくような感じではなく、自然に解像力だけが増していく感じでした。
35mmの焦点距離は肉眼に近い自然な遠近感と適度な画角で、スナップ撮影でとても使いやすい人気の焦点距離です。
35mm1本だけを持って出かけても、フットワークを使って画角や構図のコントロールがしやすく、撮影者が積極的に動く事で写真に変化をつけられる汎用性の高さが魅力の画角となっています。
特にF2よりも明るい大口径のタイプは、標準レンズ程ではないにしろ大きなボケを活かした表現も可能で、ズームレンズのバックアップにもぴったりです。
Canon(キヤノン) EF 35mm F2 IS USM の最短撮影距離は0.24m、最大撮影倍率は0.24倍とある程度の近接撮影も可能となっています。
作例7は最短付近で撮影していますが、開放絞りの柔らかなボケと甘くならない解像感を両立しており、大口径レンズらしい表現も安心して行う事ができます。ボケも目立った癖が無くナチュラルなイメージです。
作例9のように人工物の描写では解像力の高さを活かせそうです。
作例1を拡大して解像感をみてみましょう。
フルサイズミラーレスカメラ用の高性能レンズと比較するとやや甘さが感じられるものの、実用上十分な解像感があります。
作例1(絞り開放)と同じ場所でf4に絞ったコマとの比較。
F4程度まで絞ると光量落ちはほぼ解消します。開放時の光量落ちはそれほど酷くなく、表現として用いるのにも好ましいと思えました。
レンズ光学補正のうち色収差補正は初期設定のままオンで撮影しましたが、場面によっては軽度なフリンジが見受けられました。
とは言え、大きく拡大して初めて気づく程度で、後処理で十分対処できるレベルです。設計された時期を考えれば優秀なレベルと言えるでしょう。
性能や操作性については当然フルサイズミラーレスカメラ専用に設計されたRF35mm F1.8 MACRO IS STMが上回ります。
特に画質とマクロ性能で差をつけられていますが、EF 35mm F2 IS USM のメリットは価格です。
例えば中古で購入すればマウントアダプターを合わせてもRFレンズの価格を下回る事も多いので、少し眠いクラシックな写りが好きで、一眼レフ用の古いレンズを試してみたいなら、EF 35mm F2 IS USM を選ぶメリットもあるかもしれません。
デジタル一眼レフユーザーにも、既にマウントアダプター EF-EOS Rをお持ちのフルサイズミラーレスカメラユーザーにも、リーズナブルな価格の35mmとしておすすめです。
驚くほどシャープと言えるレンズではありませんが、実用上十分ですし、F2の明るさはズームレンズの短所を補うコンパクトな単焦点レンズとして手ごろです。
一眼レフカメラ用のレンズは、性能の割に価格が手ごろなレンズが多いので、特に中古は驚くほど安く、フルサイズミラーレスカメラでもっと積極的に使われても良いのではないでしょうか。
・驚くほどシャープではないが実用十分な画質と言えます
・マウントアダプター EF-EOS Rでの使用感は制約もなく良好です
・大口径、手ぶれ補正内蔵で暗い場所に強いのもポイント
・フルサイズミラーレスユーザーにもおすすめ
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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