SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の実写レビューです。
実際に撮影した実写レビューを中心に、解像感、フリンジ、周辺光量、逆光耐性などのレンズ性能、ズームやフォーカスなどの操作性をご紹介します。
大口径の超広角ズームとしては非常にコンパクトな設計のSIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary は、サイズだけでなく光学的にも高いレベルにあり、シャープな描写性能も大きな魅力です。
特徴/操作性
超広角ズームの常識を覆す、コンパクトな大口径超広角ズーム
FLDレンズ5枚、非球面レンズ4枚を贅沢に使用した高い光学性能
SIGMAレンズらしい滑らかな操作性
実写レビュー
撮影シチュエーションを広げるコンパクトさ
広い画角による情報量の多さを活かす構図
SONYのクリエイティブルック「FL」との相性がバツグン!
背景を活かす構図づくりが楽しい
画質
解像感
周辺部画質
フレア/ゴースト
フリンジ
比較
TAMRON(タムロン)17-28mm F/2.8 Di III RXD
SIGMA(シグマ)14-24mm F2.8 DG DN | Art
おすすめユーザー
コンパクトで高性能な大口径超広角ズーム
フォーカスブリージングが大きめで本格的な動画撮影では注意
広角のダイナミックな表現をコンパクトに楽しめるレンズ
まとめ
SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の大きな特徴は大口径の超広角ズームの常識を覆すコンパクトなサイズです。
軽量コンパクトな事は、持ち運びが便利だという事だけでなく、ミラーレスカメラ用の特性を活かしたローアングル、ハイアングルなどの少し無理な体制での撮影がし易いなど、撮影面でも大きなメリットとなります。
今回の撮影では広角ズームにありがちなゴーストの発生も非常に少なく、そういった意味でも広角ズームの常識を覆したレンズと言えそうです。
SIGMA(シグマ)16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary は、カメラ内の補正機能を積極的に活用する設計で、コンパクトなサイズのレンズながら非常に高いレベルの光学性能を持っている事も大きな特徴です。
特に中心部は今回テストボディに使用したSONY α7 IVの3300万画素の解像感を上回り、開放から全く眠さを感じないシャープな画をつくりだしてくれました。
カメラ内の補正機能は全てONにして使うのが基本ですが、周辺光量を絞り値でコントロールしたいなら周辺光量補正だけOFFにして使うのもおすすめで、今回の実写レビューは私の好みもあって全て周辺光量補正だけOFFにして撮影しました。
各部の操作感はSIGMAのレンズらしい滑らかなものです。
特にズームの動き出しがスムーズなので、動画などで撮影中のズームがしやすい事は勿論、三脚などを使って構図を追い込む際にも微妙な画角調整がやりやすい仕様となっています。
今回のテスト撮影ではマニュアルフォーカスを使う事はありませんでしたが、フォーカスの動きも非常に滑らかなのでMFもストレス無く行えます。少し残念なのはこれだけ扱いやすいフォーカスの操作感を持っていながら、ピント移動による画角の変化(フォーカスブリージング)がやや大きいので、動画撮影時には少し使いづらい事です。
フィルター径: | φ72mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 25cm/1:5.6 |
---|---|---|---|
最小絞り: | F22 | 絞り羽根: | 9枚(円形絞り) |
長さ: | 102.6mm(ソニー E マウント用) | 重量: | 450g |
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コンパクトなレンズなので、大口径レンズでありながらスナップなどに気軽に持ち出せます。
重量も450g程しか無く、今回の撮影では常にカメラを斜めがけにして持ち歩きましたが、肩が痛くなるような事もありませんでした。
小型軽量である事は、ローアングルなど少し無理な体制での撮影にもメリットとして働きますので、作例のようなローアングルでの撮影も楽々行えました。
忘れてしまいがちですが、広角レンズの使用用途のひとつに、引けない場所での撮影があげられます。
室内などで全体を写そうと思うと、必ずと言っていいほど画角の広い広角レンズが必要です。広角レンズが無いと撮れないというシチュエーションも多々あるでしょう。
作例は下を向いての撮影ですが、これも引けない撮影のひとつと言え、脚立などがなくても広い範囲をフレーミングできるのは広角レンズを使うメリットのひとつと言えます。
広角レンズは情報量が多くなってしまい過ぎて少し使うのが難しいレンズです。
そんな時おすすめなのは色を均一にしてしまう事でなんとなく構図をまとめる方法です。
作例では緑色と同系色に統一してフレーミングした事で、構図が散漫になるのを防ぎました。逆に言うと、色を統一する事で広角レンズの情報量の多さを活かしたと言えるかもしれません。
広角レンズでの構図をまとめる方法として、明暗差の大きい被写体を選ぶ方法もおすすめです。
情報の少ない部分をフレーミングして画角を狭くしているとも言えますが、わずかに残る暗部の諧調と広角レンズによる遠近感の誇張で広がりのある写真が撮れます。
これはこれで、広角レンズでしかできない表現だと言えるでしょう。
SONYのクリエイティブルック「FL」は空の色が独特で、空を大きくフレーミングできる広角レンズとの相性がバツグンです!
SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の周辺光量補正をOFFにした際の自然な周辺光量落ちとの相性も良く、スナップなどでカラーバランスやレンズの特性を活かした写真を撮る際に是非使っていただきたい組み合わせです。
スナップというと標準付近の画角で撮るのがスタンダードですが、超広角の遠近感は写真ならではの表現のひとつですし、SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary のコンパクトさを活かして超広角を活かした気軽なスナップにチャレンジしてはいかがでしょうか。
クリエイティブルックのFLは色のトーンで画面全体がまとまるのも特徴のひとつです。
動画でいるところのLOOKが統一される事で、散漫になってしまいがちな広角レンズのフレーミングを助けてくれるのです。
同じような手段として、カラー情報を敢えて捨ててモノクロで撮ってしまうのもおすすめの使い方です。
背景が広く入る広角レンズの特徴と、ボケを大きく出来る大口径レンズの特徴を活かして、ボケた背景の雰囲気を考えながら撮るのも、超広角を使う楽しさのひとつです。
SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary は広角ズームながら大口径レンズらしい美しいボケ味を持っているので、近接で撮れば背景をボカす標準レンズのような使い方もできます。それでいて標準レンズよりも背景は広くフレーミングされるので、シンプルになりすぎない楽しさがあるのです。
作例ではせっかく画面い入った背景が暗くなり過ぎないように、Dレンジオプティマイザーを強めにして撮影しました。
ボケた中にも情報が入るのも広角レンズの楽しさです。
ひとつには背景が広くフレーミングされる事、もう一つは背景がボケ過ぎない事が理由です。
作例ではさらに手前の椿の花が遠近感の誇張で広がりのある表現となった事も良かったと思います。広角レンズはあまりスナップには使われない画角だと思いますが、SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の軽量コンパクトさとボケの美しさ、性能の高さで、スナップでもまだまだ幅広い表現力があるなと、広角レンズの可能性をあらためて感じられました。
高性能なレンズを贅沢に使用したSIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary は、コンパクトなサイズだけでなく高い光学性能も魅力です。
作例2を拡大して、先ずは中心部の解像感を見てみます。
眠さを微塵も感じさせない非常にシャープで高解像な画です。
レンズの価格帯から今回はテストボディにSONY α7 IVを選択しましたが、明らかにα7 RIVに対応できるレベルの解像感を持っています。
次に周辺部の画質を見てみます。
画面全体の画質の均質性をとるのが難しい超広角レンズですが、SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の画質はどのくらいのレベルにあるでしょうか。作例8を拡大して確認します。
周辺部でも非常にシャープです。
広角端の16mmではわずかに画像の流れがみられますが、超広角を含むズームレンズとしては良好な部類で、問題となるレベルではありません。
SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary を使ってみて驚いた事のひとつにゴーストがほとんど発生しない、逆光耐性の高さがあげられます。
広角ズームンズでは強い光源がフレームに入るとゴーストが発生するケースがほとんどですが、撮影時は晴れていたにもかかわらずゴーストを発生させるためにわざと撮影したカット以外、空が入る構図でもゴーストは発生しませんでした。
レンズによっては絞る事でゴーストが発生する事もあるので、作例では絞って撮影していますがゴーストの発生は無く、逆光耐性はかなり高そうです。
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高性能ガラスを複数枚使用して収差を徹底除去しているおかげと、カメラ内補正による倍率色収差補正のおかげで、フリンジについてもほぼ発生していません。
作例はF5.6まで絞ったものですが、開放でもほぼ結果は変わらず、フリンジの発生はほとんど無いと考えて良さそうです。
コンパクトな超広角ズームとして真っ先に思い浮かぶのはTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDではないでしょうか。
全長や重量、撮影倍率、SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary とほとんど同じで、どちらを選ぶかかなり迷います。
SIGMAのアドバンテージは焦点距離が16mmからある事、他レンズと統一感のある美しいボケ味を持っている事があげられます。
対するTAMRONは、ワイド側は17mmからとSIGMAに一歩及ばないものの、広角から望遠まで67mmのフィルター口径で揃えられたコンパクトな大口径ズームレンズのシリーズがあり、操作や写りを合わせられるだけでなく、PLフィルターやスターリーナイトなどの高額なフィルターを同一口径で持てるコスト的なメリットもあります。
ラインがArtとなり、ワイド端が14mmからなので同じステージで比べるのは難しいですが、ポイントは16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の使い勝手の良さです。
500gを切る軽量さ、全長約100mmのコンパクトさ、72mmのフィルターが装着出来るといった使い勝手の良さと、カメラ内補正を積極的に使う事で高められたレンズ性能の高さは16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の大きなメリットと言えます。
フルサイズミラーレスカメラ用のスタンダードな広角ズームとして、幅広いユーザーにおすすめできます。
軽量コンパクトで使いやすく、描写性能も高いレベルにあり、さらにコストパフォーマンスについても高いレベルにあるSIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary は、幅広いユーザーにおすすめできる製品です。
F2.8と大口径である事で、背景をボカす撮影や暗い場所での撮影など活躍の幅もひろく、スナップなどでは出番の少ない広角ズームを敢えて使う、今までと違った使い方をするのもおすすめです。
28mmまでという狭いズーム比も、広角だけで撮ると覚悟を決めてしまえば逆に撮りやすいものです。
SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の唯一と言ってもいい短所に、ピント位置による画角の変化「フォーカスブリージング」がやや大きい事があります。
写真の撮影ではほとんど問題になりませんが、フォーカスの移動を表現のひとつとして使う動画では少し気になる事があります。
動画撮影では、ピント移動で見せるような表現は避けて、広角レンズの特性である移動しながらの撮影でもブレが目立ちづらい事や、ジンバルに載せてると疾走感が出せるといった部分を活かして使うのがおすすめです。
今回のテストで感じたのは広角レンズの表現をもっと楽しみたいという事です。
私自身もスナップでは35~85mmくらいのレンズで撮る事が多く、わざわざ広角ズームを選択する事は無かったのですが、SIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary を持ち歩いてみて、広角しばりでスナップを撮るのも面白いと感じました。
今回のテストでは行わなかったナイトスナップなど、コンパクトなSIGMA(シグマ) 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary の特徴をもっと活かせるシチュエーションがあったのではないかと、テスト撮りが終わってしまう事を惜しむ気持ちが大きかった程です。
・大口径レンズとは思えない軽量コンパクトさと、高い描写性能が魅力です
・SIGMA(シグマ)レンズらしい美しいボケ味です
・ズーム、フォーカスとも非常に滑らかな操作感となっています
・超広角ズームとしてはゴーストやフレアの発生が少ないレンズです
・色収差の徹底除去とカメラ内倍率色収差補正によりフリンジの発生はほぼありません
・フルサイズミラーレス用の高性能な超広角ズームレンズとして幅広いユーザーにおすすめできます
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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