Panasonic (パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.の実写レビューです。
LEICA DG SUMMILUXの名を冠したマイクロフォーサーズ用の35mm判換算30mm相当の広角レンズは、高い描写性能と適度な画角で、静止画/動画、撮影ジャンルを問わず幅広く扱いやすいモデルとなっています。絞りリングを備えたクラシックで扱いやすいデザインもポイントです。
今回はそんな単焦点レンズの特徴、操作性、画質を実写レビューを中心にご紹介します。
特徴/操作性
優れた携帯性と明るいF値を両立
高い質感
滑らかでしっかりとした手ごたえのある操作性
実写レビュー
扱い易い画角
開放付近から十分な解像感と柔らかさを両立した描写
「ナノサーフェスコーティング」による逆光性能
長時間の撮影でも疲れない小型・軽量さ
マイクロフォーサーズでこそ活きる、開放F1.7の大きなボケ
画質
まとめ
Panasonic (パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.を手にしてまず感じたのは、F1.7という大口径レンズでありながら、とてもコンパクトだという事です。
非球面レンズを3枚使用しており、コンパクトでありながら諸収差を抑えた高画質なレンズとなっています。
マイクロフォーサーズ規格の特徴のひとつである、小さいというメリットをシステム全体として活かせるレンズと言えるでしょう。
アルミ削り出しによる高い質感も、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.の魅力のひとつです。
絞りリングを備えたクラシックなデザインで、コンパクトなサイズでありながら高級感のあるレンズとなっています。
付属のフードも金属製の十分な厚みのあるしっかりしたものです。使わない時はバヨネットに装着する化粧リングが付属しており、デザインにも配慮して設計されている事がわかります。
フォーカスリングはバイワイヤ方式で滑らかに動作し、シビアなピント合わせもスムーズに行えました。
絞りリングは1/3ステップでクリックが刻まれ、本家のLeicaレンズやオールドレンズを使っているような操作感を楽しめるでしょう。絞りAと1.7の間のクリック感は、誤作動防止の為やや重めの感触となっています。
ちなみにこの絞りリング、Panasonic LUMIXシリーズボディとの組み合わせでのみ有効で、残念ながら他社製ボディでの使用時は、他のレンズと同様にボディ側からの操作となりますのでご注意下さい。
フィルター径 | 46mm |
---|---|
最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.2m/0.1倍(35mm判換算:0.2倍) |
最小絞り | F16 |
絞り羽根 | 7枚羽根(円形虹彩絞り) |
長さ | 約36mm |
重量 | 約115g |
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撮影には小型でレンズとのマッチングも良いPanasonic(パナソニック) Lumix GX7 MarkIIIを使用しました。
カメラの設定は、フォトスタイル:スタンダード、ホワイトバランス:AWB、アスペクト比は3:2に設定、回折補正はオート、シェーディング補正はオフで撮影しています。
コンパクトなカメラレンズの組み合わせで、軽快に散策しながらスナップ撮影を楽しみました。
35mm判換算30mmとなる画角は、中途半端ともとれますが、実際に使ってみると適度な広がりと遠近感の誇張が得られる28mmと、構図を整理しやすく自然な描写が得られる35mmのいいとこ取りが出来るような扱い易さを感じました。
引きの取れないシチュエーションでは広角レンズらしい描写の28mm的な、構図を決める時には自然な標準レンズに近い35mm的な扱い易さを感じたのです。
狭い道であまり引きが取れないシチュエーションだった作例1の写真は広角の良さが、まっすぐ整然と並ぶネギに可能な限りぐっと近づいて撮った作例2では標準に近い自然さが活きたと思います。
絞り開放から十分な解像感のある描写です。絞り込むにつれてさらに解像感は増しますが、硬い描写にならず大口径レンズらしい柔らかさを併せもっています。
明暗差の激しい作例3のようなシーンでも、白飛び、黒潰れが起きず、粘り強く階調が残りました。ボケも癖が無く素直で、全体的に解像感と柔らかさのバランスのいい、フィルムライクな描写だと感じました。
開放付近から口径食も少なく、作例4では、点光源が周辺近くでも丸に近い形に維持されているのがわかると思います。
Panasonic (パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.は、反射防止対策として独自技術の「ナノサーフェスコーティング」が採用されています。
ナノレベルの微細構造を持つ、超低屈折率の薄膜をコーティングする事で表面反射を大幅に低減させ、通常のマルチコーティング以上にゴーストやフレアを抑制する効果があるようです。今回のテスト撮影ではゴーストが発生する事もありましたが、少し位置を変えるだけで発生を抑える事が出来たので、コーティングの効果は大きいと言えそうです。
また、抜けの良さや高い解像感についても、コーティングの効果と無縁ではないと思います。
今回のテストでは2時間ほどカメラを首から提げて散策しましたが、コンパクトなカメラ、レンズの組み合わせのおかげで最後までスムーズに撮影出来ました。
いつでも持ち歩ける、持ち歩きたくなる軽量コンパクトなカメラ、レンズは、シャッターチャンスに巡り合える可能性が高くなるという事は勿論、写真を撮るモチベーションを維持するという意味でも有効です。疲れて来るとカメラをバックから取り出すのも億劫になりますからね。
小型軽量なマイクロフォーサーズ規格ならではのメリットと、絞りリングのある使い勝手の良さは、大いに撮影の助けになってくれたと思います。
マイクロフォーサーズシステムは、同じ画角ならフルサイズなどと比較して焦点距離が短くなってしまい、ボケが小さくなるのが短所ですが、開放F1.7なら十分なボケを確保出来ます。
マイクロフォーサーズだからこそ、大口径の単焦点レンズが必要と言えるかもしれません。標準ズームとの差が一目瞭然だからです。
逆に近接ではピントの合う範囲が広くなるメリットがあり、開放が使い易くなるので、ブレやすいマクロ撮影で速いシャッタースピードが切れる長所を積極的に活用しましょう。
拡大して画質を見てみます。
センサーサイズの小ささを感じさせない程に、細かな部分まで描写されています。
歪みについては、自動的に補正がかかっているのか、全体を通して気になる事はありませんでした。
周辺光量は、シェーディング補正をオフにしていても開放付近での落ち込みはあまり感じられず、こちらも補正がかかっているものと思われます。逆に意図的に光量落ちを出すのが難しそうで、少し残念です。
目立った癖が無く、繊細で柔らかな描写が特徴のレンズだと感じました。
高い描写性能の他にも、小さなカメラボディにぴったりなサイズ感、質感が高く操作していても心地良い外装と、カメラを使う事がいっそう楽しくなる要素が凝縮されています。
他のレンズは持たずに、Panasonic (パナソニック) LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.1本だけをカメラに付けて、ふらりと旅にでも出たくなるようなレンズでした。
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